◆第1414号(1998年9月25・10月5日付)◆
●厚生労働者の出番だ・全厚生第62回定期大会開く
行革闘争に全力・新委員長に杉下氏を選出

 全厚生職員労働組合は、9月10日から3日間、第62回定期大会を栃木県・鬼怒川で開催し、国民犠牲の「ニセ行政改革」と対決し、社会保障制度の拡充のために奮闘することなどを盛り込んだ98年度運動方針、秋年闘争方針、財政方針などすべての議案を満場一致で採択しました。
 この大会で、全厚生の専従役員として37年、中央執行委員長として23年間、たたかいの先頭に立ってきた大倉修二氏が退任し、新委員長に杉下茂雄氏が選出されました。
 大会には全国の職場から代議員・傍聴者など140人が参加。「ニセ行政改革」と対決し、社会保障制度の切り捨てを許さず、国立研究機関の独立行政法人化反対などの行革闘争に全力を挙げ、組合員ひとりひとりの要求を大切にしたきめ細かい活動をすすめる決意を固め合いました。

委員長あいさつ=みんなで話せば打開の力がわく
 大会の冒頭、大倉委員長は、情勢にふれつつ、全厚生の運動の方向について述べあいさつしました。
 委員長は、21世紀を前にして大企業本位の自民党政治を続けるのか、それとも国民の生活や権利を重視した政治に転換させるのか、二つの選択が今、鋭く問われていると指摘。政府自民党は参議院選挙で惨敗したにもかかわらず、まったく反省せず、明らかに失政だった橋本内閣の政治をそのまま引き継ぎ、それ以上の悪政を続けようとしていると厳しく批判しました。
 また委員長は、小渕内閣は国民の消費税3%、雇用の安定を願う声を無視し国民の税金を湯水のようにつぎ込む銀行救済策を行おうとしている。労働者の失業率は4.3%、300万人を越えている。その上、労働基準法を改悪して、労働者が100年かかって勝ち取ってきた八時間労働制を突き崩す暴挙を行おうとしている。さらに、年金改悪、介護保険制度導入、老人を病院から追い出す医療制度改悪など、この悪政を21世紀に引き継いではならない。また、今年の人勧はますます公務員いじめを強めるものだ。人事院とその勧告制度についても大討論が必要と述べました。
 今、国家行政を切り捨て大企業やアメリカに奉仕する中央省庁だけにする行革、労働福祉省、地方分権など様々な問題が提起されている。真剣に討論し、たたかっていこう。今の政治は行き詰まっている。しかし、変えていく展望はある。日本のすべての階層で自民党政治「ノー」の声が広がっている。ふんどしを締め直してがんばろう。
 最後に委員長は、組合活動の一部に「組織が減っている。組合員が結集しない」などの弱音があることについて、世の中を変えていく中心的役割を担う労働組合が弱気を言っている場合ではない。もっともっとみんなで話合って、もっともっと組織の力を強くして、もっともっと労働組合に結集する、もっと職場の一人一人と話し合って活動を確立しよう。それがないと、この厳しい局面を打開する力は出てこない。そこにどうやったら立ち向かえるか、本大会で議論し、職場で話し合おうと呼びかけました。

“省庁再編”独立行政法人反対のたたかいに全力を=岡野書記長が運動方針案を提案
 岡野基喜書記長は、大会第1日目に97年度の総括、98年度の運動方針案及び98年秋年闘争方針等について提案しました。
 岡野書記長は、この1年間を振り返り、地方分権推進委員会の勧告、賃金闘争でのストライキ権の確立、中央省庁等改革基本法問題の取り組み、昇給制度の改悪問題、労働法制改悪問題等、1年間、切れ間ない運動に取り組んだ。こうした取り組みの中で支部活動の強化が図られ、組合員拡大が実現したり、支部独自でのシンポジウムの開催や、中央行動への結集など組織的な強化が図られており、全支部、全組合員のたゆまない努力に感謝すると述べました。
 また、こうした取り組みの中で本部として十分な対応ができず、そのために各支部間に活動のアンバランスが生じている。引き続き、本部としてきめ細かな支援体制を整備していくことを強調しました。
 具体的な運動に関し、行革問題では、6月に中央省庁改革基本法が成立したが、全厚生は、この法律の廃止も含め、全力を挙げて行革闘争に取り組まなければならない。試験研究機関を中心とする独立行政法人化問題では、厚生行政のさらなる後退に拍車をかけるもので、断じて容認できず、98秋年闘争の中で、具体的な行動を展開する。また、全体的な問題として、全厚生、全労働、全医労で創設した「3団体対策委員会」で諸々の課題について取り組んでいくことを強調しました。
 賃金課題では、消費不況の深刻化とともに、国家財政の問題から、人事院勧告の抑制攻撃が昨年以上に強められており、政府が、労働基本権の代償措置である人勧制度を無視する暴挙にでた場合は、ストライキ権の確立を含むあらゆる行動で対処する。
 社会保障の課題では、年金改悪問題に触れ、社会保険支部を中心に講師団活動を組織の内外で展開しようと訴えました。同時に、政策面の強化を図ることも必要であり、公的年金制度に関する提言等も早急にとりまとめたいと述べました。
 最後に、中央省庁再編など九八年の闘いは、全厚生組織の正念場でもあり、本部・支部、そして全組合員一体となった運動を展開する必要性があると訴えました。

財政方針、予算を決定=本部組合費は前年度と同じ
 大会初日、第2号議案である97年度会計決算報告と98年度財政方針・予算(案)について市川書記次長が提案し、会計監査報告を神山会計監事が行いました。
 これを受けて、各支部代表による「財政等小委員会」を大会2日目に開催し、遠藤代議員(本省支部)を小委員会委員長として選出しました。
 財政小委員会では、岡野書記長と市川書記次長が97年度決算・98年度予算の詳細を説明し、質疑応答、各支部の代表から、全厚生の臨時徴収導入の経緯、国公労連「行革」闘争態勢確立の特別徴収金の使途についての質問が出されました。全厚生の臨時徴収は昨年の大会で、全厚生の行革闘争資金として導入。国公労連の特別徴収金については、国公労連の資料を配布し、昨年並みの運動を行うには予定どおり(1人1000円)の入金が必要との説明を行いました。また、大会の開催場所、議案書の分会までの送付、書記局の健康診断への要望などが出されました。
 大会最終日、第2号議案の97年度決算と98年度予算は満場一致の賛成で採択されました。
 本部組合費は昨年同様、一般会計分として、本俸×1.1%+420円、救援資金特別会計分として30円、専従役員補償特別会計分として90円(いずれも月額)、および国公労連「行革」闘争態勢確立のための1000円、全厚生の行革闘争強化等で500円(いずれも年額)の臨時徴収です。

社会保障の切り捨て許さずともに闘いましょう=来賓各氏があいさつ
 次の各氏が来賓としてあいさつしました。
▽日本共産党・井上美代参議院議員
 先の参議院選挙で共産党は躍進し、予算を伴う議案提案権を獲得した。社会保障構造改革、医療・年金・福祉の改悪、介護保険の導入など課題は山積している。人間らしい生活、命と暮らし、人権が大切にされる厚生行政を実現していくためにご一緒に頑張りましょう。

▽国公労連・藤田忠弘委員長
 行政改革問題では、我々の「民主的行財政の確立を」との請願署名に衆議院で4会派45名、参議院で8会派44名が紹介議員となった。運動は広がったが行革基本法は成立した。今後、行革がいかに反動的なものであるかが国民の前に明らかになる。これからが正念場。賃金闘争とも結びつけてたたかいに全力をあげよう。

▽全医労・遠山亨委員長
 全医労も50周年を迎えた。厚生省の団交拒否・弾圧・夜勤判定を守らず二交代制導入などの暴挙をILOに訴え、昨年是正勧告を勝ち取った。今夏再びILOを訪問し訴えたら、引き続く支援を約束してくれた。厚生省は国立鳴子病院の移譲を町に押しつけ、急ごしらえの改修工事で事故を起こし死傷者を出した。国立病院の独立行政法人反対。医療や福祉、年金、介護は最大の国民的課題。全厚生と一緒にがんばりたい。

▽全国社保共闘・加納忠副議長(大阪府職労社会保険支部支部長)
 社会保険を取り巻く情勢はこの1〜2年がきわめて重要で、転機となる。行政と身分を国にとの地方分権推進委員会の報告が法案として来年2月以降国会に上程される。また、年金大改悪など、社会保険で働く私達の力量が問われる。大阪社会保険は国公産別に結集して運動していく。

メッセージに感謝
 第62回定期大会にメッセージをいただいた労働組合・団体は次の通りです。ありがとうございました。
 全国労働組合総連合、公務・公共業務労働組合共闘会議、公務労組連絡会、全労働省労働組合、全通商産業省労働組合、全気象労働組合、全司法労働組合、総理府労働組合連合会、全運輸省労働組合、全税関労働組合、全国税労働組合、全運輸省港湾建設労働組合、全建設省労働組合、全法務労働組合、全情報通信労働組合、日本医療労働組合連合会、全国福祉保育労働組合、中央社会保障推進協議会、全日本民主医療機関連合会、全国保険医団体連合会、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会、行財政総合研究所、日本国民救援会、新日本婦人の会、全日本年金者組合、国公共済会、東京労働金庫、株式会社日本機関紙印刷所

憲法25条を守り発展させる=加藤副委員長が総括答弁
 大会最終日、2日間の討論を受けて、中央執行委員会を代表して加藤副委員長が総括答弁を行いました。
 加藤副委員長はまず、2日間で46人が発言し、「いづれも職場を基礎にした取り組みに基づいた発言であり、年々運動の質が高まっている。同時に、組合運動に生きがいをどう見出していったらいいか、そうした職場における悩み、そういったいらだちもここ数年増してきているように思う」と指摘し、「これは全厚生だけでなくすべての労働組合とも共通している。いままさに世紀末の激動期に入っている、大きな転換期を迎えようとしているなかでの困難さから来ている」と強調しました。こうした状況のなかで、財界・大企業が大競争時代にどう生き残っていくのか、そこから労働者のリストラ、賃金の抑制をすすめるとともに、労働諸法制の改悪がすすめられていること、討論では女性の代議員が積極的に発言していたが、単に女性の問題ではないこと、「ほんとうに労働者と国民の生活をおびやかすものだ。すべての労働者が立ち上がっていくことが求められている」と呼びかけました。
 ついで、加藤副委員長は、多くの代議員から組合運動の原点について発言があったことにふれ、「一昨年全厚生は結成50周年をむかえ、すべての組合員が全厚生の歴史と伝統の土台に立って新しい全厚生運動をつくっていくことを決意した。21世紀にむけて多種多様な要求を組織したたかいを広げていく、そこに全厚生運動の新しい展望・方向がある」と強調しました。そして、多くの代議員が社会保障闘争にふれたことを指摘し、「社会保障闘争に全力をあげること、そこに全厚生らしい運動の柱がある」と述べ、「その際、全厚生規約第3条の目的、組合員の要求の実現とともに、社会保障の充実にむけてたたかう、平和と民主主義をまもる、この三つの柱から第3条は構成されているが、お互いにもう一度かみしめてみる必要がある。そして21世紀にこの課題を発展させることが私たちに求められているのではないか」と提起しました。
 ついで、加藤副委員長は、「いま情勢が大きく変化している」と指摘し、「年金・医療の改悪に国民は怒っている。そのなで矛盾が広がっている。それが7月の参議院選挙の結果に現れたのではないか。いまこそ、一歩でも二歩でも外にむかって社会保障闘争の先頭にたとう。多くの団体、国民とともに運動するなかで大きな変化を自ら感じ取ること、そのことは全厚生運動の新しい発展にとって欠かせないことだ」と表明しました。
 最後に加藤副委員長は、「きびしい情勢のなかで組合活動をすすめていくには並大抵のことではない」と述べたうえで、「基本的にはみんなで話し合い、粘り強くたたかっていくことが大事だ。そしてたえず学習しながら確かめ合っていくことではないか。政治や社会など情勢が変化しているなかでその本質は何か、ということを学習していく、オルグもそこに中心をおいて行っていきたい」と強調しました。
 そして、「私たちのめざすべき方向は憲法25条を守り発展させる。そこにこそ全厚生の存在価値もある。本部もきびし情勢のなかで明るく活動が楽しくなるような運動をめざして全力でがんばる」と決意を表明して総括答弁を結びました。




●大会宣言(要旨)

 消費税率の引き上げ、医療費の負担増などによる約9兆円の国民負担増、健保、年金、福祉をはじめ社会保障制度のさらなる改悪攻撃は、国民生活をいっそう深刻な事態に追い込んでいる。
 しかし一方で、参議院選挙における自民党の惨敗にみられるように、ゼネコンや銀行に国民の血税を湯水のように投入し、そのつけを国民に押しつける政府・自民党に対する国民の怒りは、いっそう激しくなっている。
 今、まさに厚生行政に携わる私たちの出番であると同時に、労働組合の原点である職場活動、組合民主主義が重要である。
 年金制度の充実、広範な国民・労働者との共闘、省庁再編・独立行政法人問題と労働条件の確保、大幅な定員増、新たな昇給停止攻撃の中での級別定数拡大、国民のための試験研究のあり方、機関紙活動と職場のつながり、平和や環境問題と労働組合、青年交流集会の成功をめざした活動など日頃の実践を踏まえた様々な分野・立場からの積極的な討論が展開された。
 また、継続審議となっていた労働法制の改悪をめぐっては、引き続き廃案めざして力強くたたかう決意が表明された。
 今まさに、憲法25条が形骸化され、厚生行政が担う「健康、保険、福祉」など国民生活に密着した行政が、縮小・後退をよぎなくされている。「労働福祉省」創設、独立行政法人の導入などによる国民サービスからの国の責任の撤退は、決して許すことはできない。
 私たちは、第62回定期大会において、今こそ「厚生労働者の出番」を合い言葉に、厚生労働者ならではの政策提言で新たな展望を示し、広範な国民・労働者の共同を広げ、全力をあげて奮闘することを決意した。

1998年9月12日
 全厚生職員労働組合
  第62回定期大会




●秋年闘争方針
 大会で採択された「98年秋季年末闘争方針」のうち、具体的行動展開は次のとおりです。
10月の行動
 (1)国公労連は、キャラバン行動のスタート的行動として、10月1日に東京都内主要駅頭での一斉宣伝行動を展開することから、この行動に積極的に参加します。
 (2)10月6日頃に計画されている公務共闘・公務労組連絡会「第二次中央行動」に結集し、賃金改善の早期確定・実施を攻府に迫るとともに、国公労連独自の人事院前行動に積極的に参加します。
 また、地方でも、10月中旬に、昇格改善要求の実現にむけたブロック国公規模による人事院地方事務局交渉に参加します。
 (3)行革闘争では、この時期を中心にしてブロック単位のシンポジウムや「キャラバン行動」が取り組まれることから、地域での宣伝、地域の労働組合・住民との共同拡大に積極的に結集します。
 (4)「マッカーサー書簡、政令201号」から50年を記念して、公務共闘が10月14日(水)に東京で開催する「労働基本権シンポジウム」(仮称)に、在京支部を中心に積極的に参加します。
 (5)10月21日(水)に中央・地方で取り組まれる「10.21安保廃棄全国統一行動」に積極的に結集します。
 (6)国公労連は、10月26日の週を「第二波全国統一行動週間」とし、職場討議の上に、「職場実態告発決議」採択をおこない、行革推進本部、総務庁、各省当局に集中する取り組みを提起しています。
 全厚生では、この提起を積極的に受け止め、各部門での職場実態を明らかにする行動に取り組みます。各支部等での取り組みについては中央執行委員会で具体化します。
 (7)10月23日(金)から25日(日)までの3日間、滋賀県琵琶湖周辺で、全厚生青年交流集会を開催します。
 (8)10月30日(金)に女性部第3回総会を開催します。

11月の行動
 (1)全労連は、十一月六日(金)を全国統一行動日に設定し、九八春闘の「二・二六地域総行動」のような「全国一斉総行動」をすべての地方・地域で取り組むことを提起しています。国公労連は、「二・二六地域総行動」の経験も活かし、県・地域労連の運動に結集するとともに、行革課題などみずからの課題も掲げて、この日を全国一斉・統一宣伝行動日として位置づけ、「全組合員」によって主体的に取り組むことを確認しています。
 また、この日には県国公段階で「なんでも相談」行動の取り組みが計画されていることから、全厚生としてこうした行動に積極的に結集します。
 (2)国公労連は、11月18日(水)に「第三次中央行動」を配置します。この行動では、「国民犠牲の『行革』粉砕中央行動、大集会(仮称)」を広範な労働組合などに共同を呼びかけて開催することとしており、国公労連として2000名規模の参加としていることから、全厚生として、上京団をふくめた最大結集とし、全厚生行革闘争本部会議等を開催します。
 (3)公務員賃金、年末一時金をはじめ労働条件改善などの秋季年末闘争の諸要求実現のため、全労連は、11月19日(水)にストライキを含む全国統一行動日を配置しています。国公労連は、この日に「第三波全国統一行動」を配置し、全国一斉の職場集会の開催などでこの統一行動に結集することとしています。  全厚生では、全職場で職場集会の開催を追求します。
 (4)11月21〜23日に開催される「98年日本平和大会」に参加します。


●98年度執行体制
「省庁再編」と対決し要求実現の先頭に

●中央執行委員長(新)業務センター 杉下茂雄
●中央執行副委員長(再)本部    加藤重徳
●中央執行副委員長(再)神奈川   飯塚 勇
●中央執行副委員長(再)感染研   奥山堅司
●中央執行副委員長(新)愛知    杉崎伊津子
●中央執行副委員長(再)リハ    鈴木 徹
●中央執行副委員長(新)統計    藤巻一世
●書記長(再)本部         岡野基喜
●書記次長(再)本省        市川 茂
●中央執行委員(新)秋田      伊藤俊治
●中央執行委員(新)国立衛研    小野寺博志
●中央執行委員(再)統計      北島由美子
●中央執行委員(新)愛知      寺井唯哲
●中央執行委員(再)秩父学園    永吉敏広
●中央執行委員(再)伊東      野満裕美
●中央執行委員(再)香川      藤田 茂
●中央執行委員(再)本省      三角美智子
●中央執行委員(再)静岡      山口孝夫
●中央執行委員(再)京都      山本 潔
●特別中央執行委員(新)業務センター 松渕秀美
●特別中央執行委員(再)本部    杉浦公一
●会計監事(再)業務センター    小原高博
●会計監事(新)感染研       川中正憲
●顧問(新)            大倉修二
●書記               高野昭子
●書記               近藤浩美

派遣役員等
 大会で承認された1998年度派遣役員、及び専門員の構成はつぎのとおりです。
一、派遣役員
▽国公労連 中央執行委員=杉浦公一、松渕秀美、中央委員=岡野基喜、中央闘争委員=岡野基喜、統制委員=岡野基喜(以上本部)、女性協常任委員=川崎洋子(国立衛研支部)
▽国公共済会 副理事長=杉下茂雄
▽厚生共闘 副議長=杉下茂雄、事務局長=加藤重徳、事務局次長=市川茂、幹事=岡野基喜、藤巻一世、山本潔、会計監事=宇治橋真一(統計支部)
▽全国社保共闘 議長=飯塚勇(神奈川県支部)、
事務局長=西村伊知朗(滋賀県支部)、事務局次長=山本潔(京都支部)、会計監事=梅田 忠明(神奈川県支部)、会計監事=峰一史(業務セ支部)
二、全厚生統制委員会委員 田口雅之(本省支部)、儀同政一(ハ病研支部)、小松孝二(愛知県支部)、菅沼伸至(統計支部)、大塚進(リハ支部)、澤村明(岐阜県支部)、峰一史(業務セ支部)
三、厚生省共済組合運営審議会委員 佐藤惠治(統計支部)、小原高博(業務セ支部)、石川晃(人口研支部)、高倉義憲(リハ支部)、市川茂(本部)
四、専門部等の設置
 全厚生内に、青年対策部、女性対策部、人事委員会、組織財政検討委員会、行政改革闘争本部、学習教育委員会、科学技術政策会議を設置し、構成委員は中央執行委員会において決定する。
五、次期定期大会選挙管理委員 衛生院支部、伊東支部、香川県支部
大会役職員
 第62回定期大会の議長及び各種役職員は次のとおりです。
 ▽議長 峰一史(業務センター支部)、北久保和夫(京都支部)
 ▽大会書記局 書記長=市川茂、書記=高野昭子、近藤浩美(以上本部)
 ▽選挙管理委員会 佐藤道夫(神奈川県支部)、森公士郎(塩原支部)、国枝英樹(岐阜県支部)
 ▽議事運営委員会 平丸寿博(神奈川県支部)、鈴木定雄(愛知県支部)、柴原繁俊(福岡支部)、山本潔(本部)
 ▽資格審査委員会 芳賀伸治(感染研支部)、大野英司(愛媛県支部)、山口孝夫、三角美智子(以上本部)

●退任されたみなさん・30年組合員表彰
退任されたみなさん
 中央執行委員委員長の大倉修二さんはじめ、中央執行副委員長の石川章さん、中央執行委員の阿部秀昭さん、土屋利江さん、八木晴美さん、特別中央執行委員の加藤伸二さん、会計監事の神山正さんが今大会をもって退任されました。
 石川さんは、「今後、社会保険の組織化のために新役員が頑張ってくれると確信している。福祉や試験研究機関のみなさんにも懇意にしていただき、副委員長の期間が私の宝物です」。八木さんは「今後も女性部の活動をがんばります」とそれぞれあいさつしました。

30年組合員表彰
 全厚生30年組合員表彰の方は次のとおりです。
▽本省支部=石岡ヨシエ、小林和夫、小林五十吉、庄司与志喜
▽統計支部=成清久仁子、成瀬美津江、飯塚かづ子、三井猛
▽感染研支部=山本紀一、石井健次郎、長岡芳昭、田中金一、島田俊雄、藤原博、栗原金冶
▽国立衛研支部大阪分会=辻澄子
▽国立ハ病研支部=松木玄二
▽秋田県支部=榎勉、高橋照夫、若松洋、三井所博司、伊藤昭一、吉田守宏、三浦久信、関徹弥、大門弘子、照井静一、佐藤茂、阿部秀昭、三上邦康、勝田八男、飯塚勝美、佐々木光子、遠藤睦夫、津谷徹、伊藤善雄、佐々木俊一、加藤裕一、伊藤寅夫、栗田憲三、富樫清一、高山賢一郎、佐藤芳明、大川和子、三浦良一、高階忍、川北久雄、佐藤久美子、渡辺健一、佐藤正夫、阿部勇市
▽岐阜県支部=河合晴香、亀山博美、山木田明男、武藤伊佐男、平塚しほ子
▽香川県支部=田村節子、淀谷義信、黒田武彦、野口公海
▽愛媛県支部=須賀公子、安倍量代、浜田泰子、野崎洋子、渡辺紀子、井出洋子、野田幸美、田窪明子、梅木俊作、山本重厚、岡山益邦、松林伸一、篠原正彦、山内久仁男、鴨川耕作、比留木和夫、宮内陟敏、宇佐良子、河野悟志、清家理、田村重太郎


●第11回全厚生機関紙フェスティバル
 支部・分会の教宣活動に大きな励ましを与えている「全厚生機関紙コンクール」は今年で11回目を迎えました。10回をひとつの節目として「コンクール」を改め、「フェスティバル」としました。
 今年は、10支部23機関紙の参加がありました。
 結果は、全厚生大賞に函館支部の「イカ労かわら版」、優秀賞に国立衛研支部の「衛研支部ニュース」、京都支部女性部の「たんぽぽ」、香川県支部の「支部情報」と「支部ニュース」、愛媛県支部の「焦点」と「支部情報」としました。
 函館支部の「イカ労かわら版」は、未・非組合員を含めた職場全員を対象にした機関紙で、機関紙活動を通じて、組織の拡大と要求の実現という前進をかちとったことは、教訓的です。ぜひ、それを全厚生全体にイカしたいものです。
 今年は例年に比べて、参加が少なくなっています。発行しているが、定期発行になっていないので、今回参加を見合わせるという支部がいくつかありました。今回初めて、編集体制や編集委員会の開催について聞きましたが、継続していくためには、ここの確立は不可欠です。機関紙発行が困難になった支部がいくつかあった反面、岐阜と香川のように様々な奮闘の末に今年、定期発行を確立した支部もあります。また、定期発行2年目に入った函館支部の活躍は輝いています。
 すでに「全厚生大賞」を受賞し、定期発行を長年続ける支部には、内容的にどうしてもハイレベルなものを期待してしまいます。今後、ますます、仕事が忙しくなることが予想されるなかで、個人に負担が集中するのではなく、集団発行体制を確立することを重視したいと思います。
 社会保険各支部(愛知、岐阜、香川、愛媛)など、いくつかの分会に分かれている支部は、支部機関紙とFAX速報という性格のちがう二種類の機関紙を上手に使い分け、教宣活動を豊かにしているという特徴がありました。企画、原稿依頼、編集とある程度時間をかけられる機関紙として、たのしく、組合員相互の交流紙としてのものは、とっつきやすくおもしろいものにするための企画力が求められ、速報性第一の情報紙は、電子媒体などをいかにうまく利用して支部独自のものに加工するかが求められてくるのではないでしょうか。
 愛媛県支部の「焦点」と「支部情報」はその点で数年も前から支部に定着し、その楽しさは衰えることなく優れていました。
 試験研究機関の中では、国立衛研支部が奮闘しています。半年で執行体制が交替する支部で、定期的に発行され、役員が任務を責任持って遂行するぞという意気込みが伝わってきます。  女性部は、京都支部女性部の「たんぽぽ」が「男性も含め女性の活動をわかってもらうよう・・・」という熱意が伝わる機関紙になっています。  青年部の機関紙は、今年は岐阜県支部の「わかあゆ」が健闘しました。
 分会では、「日刊SHAEN」「広場」「ひびき」が奮闘しています。
 今後、全厚生本部としても、全厚生独自の教宣学校を企画するとともに、各支部の教宣活動を援助できるよう奮闘する決意です。


●新旧委員長あいさつ
大蔵前委員長、長い間ごくろうさまでした=激励の夕べ開く
 大会初日、大倉委員長激励の夕べを開きました。
 国公労連の藤田委員長、全医労の遠山委員長があいさつし、全厚生各部門の代表が大倉委員長への感謝の言葉を述べ、記念品を贈呈しました。また、中央執行委員の阿部さんが、感染研支部の川中さんの尺八とともに居合道を披露しました。
 大倉委員長は、思い出話を交えながら、「専従として37年間、委員長として23年間、みなさんに支えられて続けられた。感謝したい」とあいさつしました。

学ぶ気風大切にして=杉下新委員長の就任あいさつ
 新執行部は、皆さんとともに力を合わせて、大転換点にさしかかっている現在、将来に明るい希望がもてる職場、社会を展望しながら、惜しまず汗を流し、知恵も出し誠実に頑張る決意です。
 今大会で退任される大倉前委員長は、1961年、22歳で本部役員となり、23歳で専従、24歳から本部書記長8期、副委員長4期、委員長として23期つとめ、「人生そのものが全厚生のために存在した」と言っても大げさではありません。
 全厚生は、1961、62年当時に徹夜の議論を重ねて「全国組織化」方針を大会で決定し、その後の大倉前委員長の奮闘は、卓越した組織者、オルガナイザーとして、家庭生活を犠牲にしてのものでした。また、この間全厚生は数多くの要求を実現してきていますが、交渉において当局を追及する揺るぎない論点と威風は私たちをおおいに激励するものでした。これは、仲間を信頼し、組織を信頼するという確かな信念と、明るい将来への展望を常に持ち合わせていたからできたのだと思います。
 今後、顧問として、全厚生の発展・前進のために力を発揮していただくようお願いします。
 さて、大会の中で、厳しい情勢だが、しっかり学び行動しようとの議論がありました。本部自らが学ぶ姿勢を持ち行動することを実践し、支部にも学ぶ気風が身に付くよう本部としての役割を果たしたい。また、支部と本部の信頼関係を大切に、可能な限り直接お伺いして膝を交えて、話し合うよう努力する決意です。
 私自身、批判的な視点で創造力を発揮することが大切だと思っています。政府、行政当局、一部のマスコミなど権力の主張することについて、正しいのかどうか判断できることが重要です。
 要求を前進させるためには、困難なことがおおいかぶさってきていますが、私達を苦しめている根元である自民党政治の流れを変えることによって明るい展望は切り開けます。仲間ひとりひとりの利益を守り、仲間を信頼してたたかっていくなら展望は開けると確信します。みなさん、組合員ひとりひとりと手を携えて団結して頑張ります。
 未熟な新委員長ですが、大倉委員長の後、一歩一歩前を見据えて努力していく決意です。

全厚生は人生すべて=大倉前委員長の退任あいさつ
 1961年から中央執行委員を2年、書記長を8年、副委員長を4年、委員長を23年、合計37年間、全厚生の本部役員をやらせていただいた。業務センター支部の役員をしていた時も含め40年間を振り返ってみると、様々なことが思い浮かんで来るが、ひとつだけ、全厚生が危機的な状況になった出来事を紹介したい。
 それは、1967年、全厚生が厚生省に働く労働者の労働組合として、社会保障闘争とりわけ障害者運動を全厚生らしい運動として取り組むきっかけとなった時で、田中豊委員長、宇都宮貞夫副委員長、私が書記長だった。
 田中委員長の職場は、肢体不自由者の更生指導所である身障センター(後に東京視力センターと聴言センターと一緒になり国立身体障害者リハビリセンターに改編)でした。当時医務課長をしていた和田先生から「厚生省の障害者を更生していく方針が変わった。全厚生として取り上げ、たたかって欲しい」との申し入れがあった。国立唯一の肢体不自由の施設に入所している方は、社会的弱者だった。ところが厚生省はお金のない人ではなく、国民的にアピールするために、お金のある人で症状の軽い人を入れようとの方針を出した。これに対して全厚生は、国の施設こそ社会的弱者を救うべきであり、ほとんど治療を行わないというのは間違っていると立ち上がった。日本で初めて厚生省の玄関前で、車椅子の障害者と一緒に会社局長と対決した。
 当局は、全厚生が障害者の運動をするとなると大変なことだ。厚生行政のあらゆることが問題になるとして、全厚生にものすごい圧力をかけてきた。田中委員長を組合のないところに配転させようとしてきた。それも総評の社会保障担当の部長に社会局長が直々に出向いていって「あの田中をやめさせろ」と要請までした。
 私と宇都宮さんは総評の部長に呼び出され、「なんとか田中をやめさせろ」とおどしをかけられた。
 たいへん悩んだ。田中委員長は「辞令を断固拒否する」と言う。どう解決するか宇都宮さんと二人で悩みに悩んだ。
 このたたかいを通して全厚生発展の基礎を手に入れたのではないか。
 全厚生は20歳から60歳まで、私の人生のすべてであった。自分が特別なことをしたとは思っていないし、青春時代から今日まで40年間、すばらしい全厚生というところでみなさんに支えられて運動できたことは、忘れることのできない感動です。
 労働組合運動はともすれば、当局からにらまれるもの、あるいは大変な仕事だと言われるが、私はそうは思っていない。労働組合運動こそ人間が当たり前のことを要求してたたかっている道ではないかと思っている。
 40年間、全厚生に籍を置かせていただいたことに、涙が出る思いがいっぱいだ。感謝申し上げたい。多くのことを皆さん方に教えられてきたし、生きている間は全厚生の運動に微力を尽くしていきたい。21世紀を前にした激動の時代に、杉下委員長以下、立派な新指導部が選出された。どうか本部に団結されるようお願いして退任のあいさつとします。ほんとうにありがとうございました。

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