◆第1411号(1998年8月5・15日付)◆
●53歳昇給延伸を撤回させる−ねばり強い運動の成果−
55歳昇給停止にはなお固執


 人事院は昇給延伸・停止年齢引き下げ(延伸現行56歳を53歳に、停止現行58歳を55歳に)の改悪提案をしていましたが、8月3日、国公労連との昇給延伸・停止問題での8回目の交渉において、53歳延伸の撤回を表明しました。しかし、55歳停止にはあくまでも固執しています。
 昇給停止年齢問題は今後の課題として残されたものの、人事院の当初提案を断念させ、53歳昇給延伸を撤回させたことは、全国の各支部・分会からの強い抗議、各組合員の粘り強い運動の成果です。
 人事院の回答の要旨は次のとおり。(1)53歳昇給延伸については、皆さんの強い要望を踏まえて、正式に撤回したい。55歳昇給停止一本でいきたい。(2)55歳停止措置が目前に迫っている人たち及び58歳に達していない人たちには相当踏み込んだ激変緩和措置を講じる。(3)行(二)の特例は存続させるよう検討する。


●行革闘争が確信に−第2回全国支部委員長会議開く−

 全厚生は7月25日、水月ホテル鴎外荘(東京)で第2回全国支部委員長会議を開催しました。
 会議には23支部が参加し、杉下副委員長の司会進行で、大倉委員長があいさつを行い、岡野書記長が第62回定期大会関係と夏季闘争について、加藤副委員長が行革闘争について報告と提案を行い、参加者の発言で討論を深めました。
 あいさつした大倉委員長は、参議院選挙で国民は賢明な判断を下したが、自民党は一切反省せず、国民が「ノー」の審判を下した政策をそのまますすめようとしている。国民の意思を反映していない国会を変えるために衆議院の解散・総選挙を勝ち取ることが重要である。人事院は、昇給延伸・停止年齢の引き下げを狙っているが、我々のたたかいで6月末決着を許さないなど追い込んできた。撤回させるまで引き続き闘いを強めることが重要であると強調し、十分な議論で方針を深めようと訴えました。

運動展開への提起積極的に
 討論では、試験研究機関支部から、(1)国立公衆衛生院の移転問題が本格的に動き始め、先行きの不安が職場を覆っている(2)試験研究機関の独立行政法人化の問題について「反対」だけではなく、もっとよりよい具体的な戦術が必要(3)厚生省の研究機関の必要性などをもっと国民に広げるために打って出る活動の展開が必要(4)研究機関では現場の意見を無視してコントロールしようとしていることによる矛盾が現れており、本質的な問題を掘り下げる必要がある(5)行政の思うがままの研究所になりつつあり、きちっとした方針づくりが必要(6)科学技術基本法でも有効に活用できる方法など、今までと違うやり方を考える必要がある、など今後の運動のすすめ方にかかわって積極的な発言が相次ぎました。
 本省庁各支部は、(1)労働省と統合されれば統計情報部の調整はあるだろうと部長交渉でも明言(2)労働福祉省には反対だが統合を強行されても困らないように対応することが求められている(3)定員を削減させないよう局や課の削減問題を含めたたたかいが重要(4)労働組合のいっそうの強化・拡大につながるような取り組みが重要であるなど職場の不安とともに積極的な運動展開の必要性を語りました。

たたかいの中で職場が変化
 函館支部は、機関紙を重視した運動(毎月17日に発行)の教訓と職場や世の中の変化を、福岡支部は、昨年の「ストライキ準備指令」以降職場全体に緊張感が強まり運動がよい方向に進んだことと過去最高の組合員数に到達したことなどを発言。いずれも1年間の積極的な運動による成果とこれからの歴史的なたたかいの重要性を強調しました。
 社会保険関係支部は、(1)分会体制を確立して日常的な職場活動をすすめることの重要性(2)組合員の心をとらえる努力の必要性と組合員の意見を新しい力にすることの重要性などを強調しました。
 連日のように取り組まれている中央行動に関わって、人口研支部石川副支部長の「たたかいの情報は、活字よりも、自分で見て聞いて行動して、肌で感じることが重要だ」との発言に「共感のうなづき」が広がりました。
 最後に大倉委員長がまとめを行いました。

全厚生第62回定期大会告示
 全厚生規約第17条の規定に基づき、全厚生第62回定期大会を下記のとおり召集いたします。

1.日時  1998年9月10日(木)午後1時から12日(土)正午まで

2.場所 あさやホテル 栃木県塩谷郡藤原町滝813(鬼怒川温泉) TEL 0288-77-1111

3.議題
 (1)第1号議案
   1.1997年度経過報告及び1998年度運動方針(案)
   2.1998年度全厚生統一要求(案)
   3.1998年度秋季年末闘争方針(案)
 (2)第2号議案
   1.1997年度決算報告及び1998年度財政方針(案)
   2.1997年度会計監査報告
 (3)その他
 

全厚生職員労働組合     
中央執行委員長  大倉修二


1998年度本部役員選挙公示
 全厚生規約第37条および同選挙規則第3条第2項の規定により、1998年度全厚生本部役員選出のための「選挙公示」を下記のとおり行います。

1.投票日 1998年9月12日(土)

2.場所 あさやホテル(全厚生第62回定期大会会場)

3.立候補〆切日 1998年9月4日(金)

4.被選出役員名および定数
  (1)中央執行委員長    1名
  (2)中央執行副委員長  若干名
  (3)書記長        1名
  (4)書記次長       1名
  (5)中央執行委員    若干名
  (6)会計監事       2名

 1998年8月3日 全厚生職員労働組合選挙管理委員会委員長




●男女共通の残業規制を
家族そろって夕食を−あじさい寄せ書き提出−

 国公労連女性協は7月30日、実効ある男女共通の残業規制を求め、あじさい柄の要求寄せ書き1125枚を人事院に提出。全厚生も寄せ書きをもって参加しました。
 女性の深夜・時間外労働を規制した人事院規則10−7「女子保護」規則が来年の4月1日から撤廃されるのに伴い、人事院は今年の勧告で男女共通の残業規制を行うことを表明しています。
 寄せ書きには、「残業、残業、残業、このままではますます少子化」「私の夢は家族そろって笑いながら食べる夕ごはん!」「今のままでは将来家庭を持つことに不安があります」「まわりには働き過ぎで疲れている人ばかりです。家族関係も仕事もうまくいきません。これ以上残業させないでください」など職場からの切実な声があふれています。


●食堂が満席に・ビアホールを開く=本省支部

 7月29日に全厚生本省支部主催の第25回ビアホールが中央合同庁舎5号館の地下食堂にて行われました。
 今年は、「白い砂浜」をテーマにさわやかな夏を演出しようと様々な(寒い?)企画を用意していましたが、あいにく今年は例年以上の長梅雨のため、7月下旬にもかかわらずビアホールには不向きな天気となりお客さんの出足は不調で、多少不安になりました。
 しかし、1回目のゲームが始まる頃には用意した席もほぼ満席となり、例年通り(以上?)の盛況で、特に2回に分けて行われた大抽選会では、商品が当たった際の奇声?と、惜しくもはずれた抽選券の紙吹雪が舞い、会場は大いに盛り上がり、その余韻を残しつつ終了となりました。
 心配していた司会も無事に終えることが出来て「ホッ」としました。忙しい中、お手伝いいただいたみなさまお疲れさまでした。これに懲りず?来年もこのビアホールにて、一緒に猛暑のスタートを元気に迎えられれば幸いです。(司会者T)

●第11回全厚生機関紙フェスティバル
 支部・分会の教宣活動に大きな励ましを与えている「全厚生機関紙コンクール」は今年で11回目を迎えました。10回をひとつの節目として、「全厚生機関紙コンクール」を支部・分会の機関紙の優れたところを皆のものにしていけるような機会にするために「コンクール」を改め、「フェスティバル」としました。
 例年どおり、大会会場に展示し、交流するほか、応募紙すべての講評を行います。
 また賞については、各紙の内容にふさわしい賞を設け、大会の中で表彰します。支部・分会・専門部からの応募をお願いします。

目的
 支部・分会をはじめ青年・女性部などの教宣・機関紙活動を励まし、編集内容の質的向上を支援する。
応募対象紙
 支部・分会・専門部で97年9月から98年8月までの間に発行した機関紙。
応募機関紙
 この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送って下さい。
締切
 8月31日本部必着。
講評
 全厚生中央執行委員会
表彰等
 講評をし、各紙の内容にふさわしい賞を設けます。賞状、記念品などを贈ります。全厚生第62回定期大会で表彰します。
申し込み
 参加申し込み用紙(支部に送付済み)に次のことを記入して下さい。
 (1)支部名(2)機関紙名(3)発行機関名(4)発行責任者名(5)発行間隔(6)発行部数(7)サイズ(8)発行形態(ファックス・回覧・全員渡し他)(9)編集体制(人数と役割分担など)(10)編集委員会の開催(11)発行にあたって心がけていること、努力していること、苦労している点など(12)本部教宣部への要望など


●新ガイドライン立法許すな!−6−
アメリカ有事参戦法案反対と社会保障の改悪阻止を一体に

 日本の平和や私たちの暮らしを脅かす深刻な事態がつづいています。日本国憲法は5月3日、施行51周年を迎えましたが、憲法は戦後史上かつてないきびしい事態にさらされています。その重大なあらわれが、これまでみてきた「周辺事態措置」法案など一連の対米軍事支援法案です。
 アメリカが軍事行動を起こせば「周辺事態」と称して、国会にはかることもなく、自衛隊をはじめ全面的な軍事協力を発動しようというのです。
 自衛隊が戦闘中の米軍にたいし武器・弾薬、燃料等を輸送、補強し、船舶の強制検査、遭難米兵の捜索・救援、情報提供などに出動します。この作戦で「合理的に必要と判断」すれば自衛隊は武器を使用します。  自治体や民間に対米軍事支援の「協力を求めることができる」とあります。国民と自治体を強制動員するねらいです。
 日本が引き受ける行為は、戦争と武力行使そのものです。戦時に補給、輸送、情報提供等を行うことは、それ自体が、相手国からの攻撃対象になります。「武力行使にあたらない」「米軍の武力行使とは一線を画す」という政府のいいわけは、国際的にも通用しません。
 日本国憲法は前文と第9条で、国権の発動による戦争はもとより、武力による威嚇など戦争につながるいっさいの行為を否定しています。アメリカ有事に参戦することは、明らかに憲法違反です。これを「憲法の範囲内」などというのは、解釈改憲を極限にまで押し広げる暴挙です。
 憲法は、日本とアジア諸国民に甚大な被害をもたらした侵略戦争と暗黒政治への痛切な反省と教訓にたって制定されたのです。「アメリカ有事参戦法」は、憲法の原点を根本から踏みにじり、戦後53年にして日本を「戦争国家」の道にみちびくものであり、絶対に容認できません。
 憲法を踏みにじる問題は、国民の暮らしや医療・社会保障にも顕著にあらわれています。たとえば、医療・社会保障の連続改悪の攻撃です。「負担増で生きる希望を失った」「医者にかかるときは死ぬとき」。昨年九月の医療改悪は、医療を必要としている人たちに、耐え難い負担と苦しみを押しつけています。8時間労働制など戦後勝ち取った労働者の権利の根幹を崩す、労働法制改悪の攻撃もその一つです。
 憲法25条は国民の生存権を明記し、「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努める」ことは国の責任、と規定しています。「自動参戦」や生存権を脅かす自民党政治は、憲法が求める最小限の責任さえ放棄するものです。いま求められるのは、なによりも憲法を全面的に踏み破る「アメリカ有事参戦法案」を許さないこと、そして年金・医療など社会保障行政、労働者保護行政の改悪を阻止すること。両者を一体にした国民的大運動を盛り上げること。これこそ憲法をいまに生かす道です。
 国民主権と国家主権、恒久平和主義、基本的人権、議会制民主主義、地方自治。憲法がうち立てたこの五つの進歩的原則は、20世紀の人類の英知を先駆的に反映した世界に誇るべき宝です。いまこそ将来にわたって擁護、発展させなくてはなりません。  (おわり)
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