地方事務官制度廃止にあたっての中央執行委員会アピール
新しい歴史をきりひらこう

 4月1日、戦後50有余年にわたって存続してきた地方事務官制度が廃止され、社会保険関係の地方事務官は厚生事務官となり、都道府県知事部局に所属してきた保険課(社会保険管理課)、国民年金課(年金指導課)、保険指導課は、地方社会保険事務局となりました。これは、社会保険行政とそこに働く労働者にとって新たな歴史のはじまりといえます。
 社会保険行政は、これまで事務の一部が機関委任事務として位置づけられ、担当する職員は地方事務官という変則的な身分に置かれ、職員の労働条件のみならず、行政組織としても責任の所在がわかりにくいものでした。機関委任事務が廃止されたことにより、社会保険職場で行う事務のすべてが国の直接執行事務として整理され、国民的にもその責任の所在が明確な行政となりました。年金・医療をはじめ社会保障制度に対する国民の期待や関心は、年々高まっており、社会保険行政の役割はもとより、行政にたずさわる私たちの責務と役割もますます重要になっています。
 いま私たちが求められていることは、憲法25条に基づき国民の期待にこたえ、「喜ばれる行政」を精一杯提供することにあります。しかし、こうした思いは、定員削減をはじめとする公務員攻撃や行政そのものがゆがめられることによって阻まれつづけています。また、政官財の癒着による汚職や腐敗が国民の目に映れば映るほど、国の行政に対する厳しい批判となってあらわれています。
 こうした情勢をしっかり受け止め、私たちは、すべての国公労働者と手を携えて、国民サービスの後退につながる「行革」、公務員攻撃をやめさせるため、広範な国民・労働者と対話し共同を広げることが強く求められています。まさに国民の中に飛び込み、国民とともに歩まなければなりません。
 社会保険に働くすべての仲間のみなさん
 社会保険職場の新しい歴史の幕開けに当たって、あらためて公務労働者の責務と役割を自覚し、国民生活破壊の「行革」阻止、年金・医療をはじめ社会保障制度の拡充をめざし、国民との共同を大きく広げましょう。誇りと働きがいのある職場、一人ひとりが生きがいと輝きを持った職場の実現をめざし、力を合わせてともに奮闘しましょう。

  2000年4月3日
全厚生職員労働組合中央執行委員会

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