e-Tax(電子申告・納税システム)に関する公開質問状
2003年6月9日提出
2003年9月12日回答
電子申告 
国税電子申告・納税システムの詳細の公表
【回答】
 職員に対しては、国税電子申告・納税システムの仕組みや基本的な事務処理の流れについてこれまでも企画課情報等に周知してきたところである。また、本年9月から10月にかけて、全職員を対象に電子申告に関する一般的な知識の研修を行う基礎研修、内部事務担当者を対象に事務処理および端末機操作の習得を目的とした事務処理研修などを実施することとしている。
 納税者等に対しては、署の窓口にリーフレットを置くとともに、e-Tax ホームページに随時最新情報などを掲載するなどの方法により情報を提供しているところである。
 朝霞センターにおける運用体制については現在検討しているところであるが、署においては現行どおりの勤務体制とする方向で考えるなど、本システムの導入によって職員に過重な負担がかかることのないよう充分に配意してまいりたい。
 従来から職員及び職員団体からの建設的な意見を参考にしてきたところであり、今後とも建設的な意見があれば窓口に申し出てもらいたい。
本人確認とセキュリティの問題
(1) 【回答】
H15.6.30「企画課情報」第1号11頁(問3)、79頁〜83頁
(2) 【回答】
「企画課情報」24頁(問50)
(3) 【回答】
1の答と同じ。また、「企画課情報」24頁(問50)
(4) 【回答】
 セキュリティ対策には万全を期しており、e-Tax にログインするためには、利用者識別番号及び暗証番号を必要とするとともに、申告等データに電子証明書を添付することとしている。
(5) 【回答】
 e-Tax においては、納税者等に安心して利用してもらえるよう、セキュリティの確保に万全を期しているところであり、主な対策は次の通りである。
1)利用者識別番号、暗証番号による利用者の特定
2)電子署名の添付による作成者の特定、改ざん防止
3)送信データの暗号化
4)ファイアーウォール等によるデータベースの保護
 セキュリティ対策には万全を期しており、e-Tax を利用して申告、申請等を行うためには、利用者識別番号,暗証番号に加えて、電子署名が必要である。
添付書類の問題
(1) 【回答】
「企画課情報」30頁(問71)
(2) 【回答】
 e-Tax は申告等の手続きについて電子データでインターネットを通じて送信するという提出方法の選択肢を納税者等に提供するものであり、添付書類が期限経過後に提出された場合の取り扱いについては、書面申告による場合の取り扱いとなんら変わらない。
 e-Tax 導入後の添付書類との照合、審査等の事務については、送信された申告データ等に基づき、その内容を検討し処理する基本的な事務に変わりはなく、現時点においては、特に事務処理手順及び事務処理体制を変更することは考えていない。
 なお、e-Tax においては、添付書類が別送となることに伴い、添付書類の提出確認作業が必要となるが、これを効率化するために利用者に対し添付書類にあわせて送付書を提出してもらうこととしている。
(3) 【回答】
 e-Tax を利用して新たに申告等を行う納税者に対しては、すべての者に整理番号が付番されることとなるが、従来から申告等を行い、整理番号を有している納税者については、現在の整理番号を引き続き利用することとなる。e-Tax により提出された所得税の申告書については、申告書の分類区分及び入力バッチ作成をシステム的に行った上で、KSKシステムにデータ引継ぎを行うことを予定している。e-Tax を利用したシ申告書等については必要に応じて書面出力するものの基本的には現行の事務の流れの通り、別に提出される添付書類と合わせた上で審査等を行うことを予定している。また、出力した帳票については、書面による申告書等と同様に台帳編綴等を行うことを予定している。
 e-Tax による還付申告については、書面で提出された申告書等と同様に添付書類との照合等による還付審査を行う予定である。書面による申告に比べて事務処理が遅延したり還付処理が早くなることはないものと考えている。
(4) 【回答】
「企画課情報」30頁(問71)。
官報15.7.14(3648号)財務省令71号
電子署名の問題
【回答】
「企画課情報」24頁(問50)。
ソフトウエアおよびチェック機能の問題
(1) 【回答】
 KSKシステムについては、従来から職員の意見要望を把握するとともにこれらの内容を充分検討した上で、職員にとって一層使いやすいシステムとなるよう努めてきたところである。なお、所得税に関するシステムについては本年度の開発において損益通算のチェック機能を改善するほか、繰越損失についてもこれをシステム管理するなどの修正を予定しているところである。
(2) 【回答】
 国税庁が提供するe-Tax ソフトについて納税者が利用する可能性のある全てのOSに対応するには開発に相当の時間を要すること、予算の制約もあることから困難である。なお、民間のソフトウェア開発会社がウィンドウズ以外のOSに対応するソフトウェアを開発し納税者等に提供することが可能となるよう、このソフトウェアのデータ形式及びその構造等について仕様を公開しているところである。今後の技術動向等を注視していきたい。
(3) 【回答】
 電子申告されたデータと法定資料を自動的に照合するシステムの開発は現在のところ予定していない。e-Tax の導入に伴う法定資料の提出や範囲の見直しは予定していない。
 添付書類については電子政府構築計画において添付書類の省略または廃止について検討することとされている。国税庁においても、当該計画を踏まえ、添付書類の取り扱いについて検討することとしている。
電子納税の問題
(1) 【回答】
 国税を金銭によって納付する場合には、通則法§34-Tで、「国税を納付しようとする者は、その税額に相当する金銭に納付書を添えてこれを日本銀行又はその国税の収納を行う税務署の職員に納付しなければならない」と定められており、納税者が日本銀行に納付し、日本銀行としてこの領収を受けたときに納付の効果が生ずることとなる。電子納税においても同様に、電子的な手続きにより、納税者が金融機関に納付指図を行い、納税者の預金が国庫金勘定に振り替えられた時をもって納付の効果が生ずるものと考えられる。なお、この電子納税に対応できるよう国税通則法§34-Tが改正され、「ただし財務省令で定める方法により納付することを妨げない」という但し書が付加され、国税関係法令にかかる行政手続等における情報通信の技術の利用に関する省令第7条で「国税庁の使用にかかる電子計算機と電気通信回線を通じて通信できる機能を備えた電子計算機から国税通則法§34-Tに規定する納付書に記載するべきこととされている事項ならびに識別番号を入力して納付する方法とする」とされたところである。
(2) 【回答】
「企画課情報」42頁(問98)。
(3) 【回答】
 この申告所得税の延納にかかる電子納税の方法については、電子申告にかかる申告書の帳票ヘルプやe-Tax のホームページに掲載し納税者への周知を計っていくこととしている。なお、申告所得税の延納利用者に対しては、延納税額の御知らせを送付しているところであるが、このうち電子納税の利用者に対しては、利用者識別番号および入力方式における納付目的コードを記載した延納税額のお知らせを送付することとしている。
(4) 【回答】
 e-Tax における源泉所得税の納付の具体的な手順等については、e-Tax ホームページにおいて源泉所得税の納付手続きの項目を設け、説明するとともにQ&Aにおいても、具体的事例に対する回答を掲載して周知を計っている。e-Tax による納付の具体的な方法等については、e-Tax ホームページに掲載を行うとともに、電子納税の方法等を案内するパンフレットを作成し、税務署や金融機関の窓口等に備えおくことなどにより納税者への周知を計っていくこととしている。
(5) 【回答】
「企画課情報」36頁(問85)。
期限の問題
(1) 【回答】
 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第3条によれば、行政機関等の使用にかかる電子計算機に備えられたファイルへの記録がされたときに当該行政機関等に到着したものとみなす」と規定されており、e-Tax においても、送信された申告書等は,同システムのファイルに記録されたときに行政機関等すなわち税務署長に到着したものとみなされることになる。
(2) 【回答】
「企画課情報」29頁(問67)。60頁(問148)。36頁(問85)
番号の問題
【回答】
 利用者識別番号は所轄税務署別に用いている現行の整理番号とは異なり、e-Tax の利用を希望する者に対して暗証番号とともに発行されるランダムな16ケタの番号を言い、e-Tax利用者に限定的に付与される番号である。納税者背番号制度については、政府税調で長年議論されていることは承知しているが、e-Taxの利用者のみに付与され、その用途が電子申告等に限られている利用者識別番号とは関係がないものと考えている。
職員の労働条件に関する問題
(1) 【回答】
 朝霞センターにおける運用体制については現在検討しているところであるが、署においては現行どおりの勤務体制とする方向で考えるなど、本システムの導入によって職員に過重な負担がかかることのないよう充分に配意してまいりたい。
(2) 【回答】
 平成16年度の定員要求は、e-Tax の導入に伴う増加事務等を含めた要求となっている。e-Tax では、送信された申告データ等について必要に応じて書面出力したり、別途送付により提出される添付書類がある場合には、その提出が確認できたものから処理するなど、基本的には現行の事務の流れは変わらない。
 なお、具体的な事務処理要領については、9月中旬から実施する職員研修において周知することとしている。
(3) 【回答】
 電子申告等開始届は(1)個人から提出されたものは個人課税部門、(2)法人から提出されたものは法人課税部門、(3)支店等から提出されたものは源泉所得税担当、酒類指導官または間接諸税担当のそれぞれの内部事務担当において、当該届出署の審査、KSKシステムへの入力等を行うこととしている。e-Tax に関する納税者からの問い合わせに関しては、全国からの質問に対応する窓口として、ヘルプデスクを設置することとしており、署における窓口事務の軽減をはかる観点から、問い合わせ先等を充分周知していくこととしている。確定申告期においては、従来から必要に応じて局職員の派遣・署内応援を行うなど体制の整備に努めているところである。
 e-Tax を利用した納税証明書の申請の受付業務については、きめられた一定の時間ごとに電子用端末機の画面からその申請の有無を確認し、申請が行われている場合には、申請書をまとめて出力した上で、KSKシステムを利用して納税証明書を作成するといった処理手順により行うことを考えている。
(4) 【回答】
 e-Tax 用端末機については、局所のWAN、LANで使用しているパソコンと共用することとしている。なお、具体的な使用パソコンについては稼動しているOSやソフトウェアの関係から現在整理を行っているところである。
10 導入プロセスについて
【回答】
「企画課情報」9頁(問7)。02年5月長官交渉で回答済み。
11 コストの問題
【回答】
 e-Taxの導入にかかるシステムの開発、機器整備、運用経費及び基幹システムの整備等に要する経費の各年度当初予算額は、平成13年度17億円、14年度120億円、15年度145億円である。また平成16年度以降については、税制改正対応など必要なシステムの追加開発、修正のための費用、危機整備および運用経費等必要な額の予算要求を行うこととしている。e-Taxのための端末機は、LAN用端末機との共用をはかることとしているため、名古屋局における専用端末機としての予算を明確にすることは困難である。e-Tax初年度におけるランニングコストは、税制改正等のための開発の内容、利用者数等の動向および運用の内容によって左右されることから、現時点では具体的な見積り額を申し上げることはできない。
12 サポート体制
【回答】
 e-Tax利用開始のための手続きおよびe-Taxソフト、その利用のためのパソコン操作等の問い合わせのために電話で対応する専門窓口としてヘルプデスクを設置している。ヘルプデスクは,運用が開始されるまでの間は、職員によりe-Taxの利用開始のための手続きの問い合わせについて電話等で受け付けることとしており,平成16年1月中旬からはそれに加え外部オペレーターによりe-Tax利用のためのパソコン操作等の問い合わせに対応する予定である。
13 コンピュータ・リンクの問題
【回答】
 e-Tax と日銀のコンピュータシステムは直接接続されていない。e-Taxとマルチペイメントネットワークの間は回線により接続されており、国税手数料などの納付情報をやり取りするe-Tax と歳入金電子納付システムとの間では、電子納税証明書の発行に伴う手数料にかかる納付情報をやり取りすることとしている。
14 目標について
【回答】
 e-Taxの導入については、なるべく多くの納税者等の方々に利用していただきたいと考えているが、運用開始に当たり目標値を設定することは考えていない。なお、e-Taxの全国運用については、平成16年度予算で新しく導入される予算編成プロセスのひとつであるモデル事業として取り上げられ、その政策目標は平成16年度において全国でe-Taxを利用可能とすることとしている。その他、その後の進捗状況を見る目安として、金融機関のシステムや認証基盤の整備および普及等を前提として2006年度130万件程度の利用件数を示している。
 e-Taxの導入に当たっては、なるべく多くの納税者の方々に利用していただきたいと考えており、関係民間団体に対してもパンフレットの配布や講習会への講師派遣を行うなど情報提供を行う必要があると考えている。