国公FAX速報 2006年5月26日《No.1728》
 
国会で行政改革関連法案成立
 全国の仲間の怒りで埋め尽くす中央行動を展開

 小泉内閣がこの国会の「最重要法案」と位置づける行政改革推進法案が、5月26日(金)の参議院の本会議で、与党の賛成多数により可決・成立しました。国公労連は、抗議の意思表明と共に、「小さな政府」の具体化にむけて、小泉内閣が「骨太方針2006」の閣議決定をねらうもと、公務の営利企業化・市場化や公務員総人件費削減などを許さず、公務・公共サービスの拡充、国民本位の民主的行財政・司法の確立を求めて、各県国公・ブロックからも参加し、政府及び関係当局への要求・要請行動を行う中央行動を展開しました。
 また、最賃デーと結合した「給与比較方法見直し反対」、社会保険庁申し入れ、国会行動、「憲法遵守職場宣言」の提出などの様々なとりくみを公務労組連絡会や国民春闘共闘・全労連の統一行動に結集しながら行いました。
 この中央行動には、全国から約1,500名、国公労連からは850名が参加しました。

 職場実態を無視した公務員削減は許さない
 行政改革推進事務局前要求行動

 11時より虎ノ門にある行政改革推進事務局前において要求行動を実施しました。主催者あいさつで堀口委員長は「本日午前中にも行政改革推進法案が参院で可決・成立させられようとしている。5%総人件費削減の数字先にありき、国民生活に直結する行政分野の切り捨て攻撃に対し、断固として抗議する。公務の民営化は国民の安全・安心を脅かし格差を拡大する。あわせて2万人を超える国家公務員削減は、私たちの雇用不安を引き起こしている。今、重要なことは労働基本権の確立を基本とする公務員制度の改善であり、政府の当然の責任である。公務員攻撃や国民生活を無視した純減計画や骨太方針の策定には断じて反対。引き続き奮闘していこう」と述べました。
 続いて小田川書記長が、この間の経過を報告した上で「公務員の無権利性があらためて浮き彫りになった。政府は公務職場に民間的なリストラをすすめようとしている。当事者を外して一方的なリストラ計画策定は認められない。政府は労働基本権の具体的な検討に足を踏み出すべきだ。公務リストラ攻撃の根本にむけた反撃を大いに強めよう」と発言しました。
 その後、全労働の小西中央執行委員、全法務の川口副委員長、全建労地理支部の矢沢委員長が、厳しい職場の実態の報告と決意表明を行いました。
 最後に、行革推進事務局にむけて全港建の岡部中執の音頭でシュプレヒコールを力強く行いました。

 労働者の雇用と権利を守れ
 厚生労働省前(社会保険庁)要求行動


 11時45分より社会保険庁前において要求行動を実施しました。主催者を代表して岡部書記次長は「いま社会保険庁改革に関する法案が国会提出されているが、組織再編に伴う職員の雇用保障がきわめて不十分。国鉄分割民営化と同様の方式となっており、選別雇用の危険性がある。国公労連は社会保険庁改革の課題にかかわって職員の雇用確保の問題を産別全体の課題として全力で取り組む」と述べました。
 続いて全厚生の杉浦書記長、全厚生京都支部の川口書記長、そして愛知国公の吉中事務局長が、「増大する業務量とは裏腹に人員削減がすすめられ、官から民への強引な手法である。民間手法では社会保険行政は行えない」と職場や地域の実態をあげながら、決意表明を行いました。
最後に、社会保険庁当局にむけて全厚生の福士書記次長の力強い音頭でシュプレヒコールをぶつけました。

 国会前でも昼休み行動

 緊迫した情勢の下、昼休みの国会前行動には、全労連傘下の労働組合や民主団体から300人が結集、終盤国会へ向け、たたかう決意を示しました。行動では、共産党・穀田議員が、与党は、国民投票法案、防衛庁の省昇格など、戦争する国へ向けた動きを進めているが、全国津々浦々で反撃が強まっていることに確信を持とうと訴えました。各団体決意表明では、国公労連からは、飯塚中執が行革推進法の具体化反対の決意を表明しました。

 「官民一体」で厚生労働省・人事院を包囲

 引き続く昼休み行動では、官民労働者が一体で最賃と人勧期要求の実現をめざして厚生労働省・人事院前での要求行動を展開しました。厚生労働省・人事院前に2台の宣伝カーを配置し、主催者を代表して全労連大木副議長があいさし、連帯あいさつを新日本婦人の会・古田さんが行いました。
 続いて全労連の伊藤調査政策局次長が賃金をめぐる情勢を報告。決意表明では国公労連を代表して森井大阪国公委員長が「06春闘は、『もっと地域へ民間の仲間と』をスローガンに地域に入り、コンビニやガソリンスタンドを回った。引き続き、最賃・人勧一体で大いに奮闘する」と述べました。
 最後に閉会あいさつで、堀口副議長(国公労連委員長)は、「官民給与比較対象の引き下げは、民間賃金もさらなる切り下げとなる。最賃の改善と今夏勧告で小規模調査結果を勧告に反映させず、賃下げ勧告を阻止するたたかいは、公務、民間共通の課題であり、勤労国民全体のたたかいとしてひろげよう」とのべ要求行動を終えました。

 経済財政諮問会議(内閣府)前要求行動

 全労連「もうひとつの日本」闘争本部、公務労組連絡会主催で行われた経済財政諮問会議前行動(内閣府前)では、全労連の西川征矢副議長が主催者挨拶で、「行革関連法案が成立したが、悪政の推進は国民との矛盾をいっそう激しくする。憲法が生きるもうひとつの日本をつくろう」とよびかけました。
 また、全運輸の幅副委員長は、「国民負担を増やすために奮闘している経済財政諮問会議のみなさん、ご苦労様です」と軽いジャブを放ったあと、「行政責任を放棄し、公共サービスを大企業の儲けのために譲り渡すことは許さず、公務員の削減計画を骨太方針に盛り込ませないために奮闘しよう」と決意表明を行いました。

 国民犠牲の「小さな政府」を許すな!
 公務労働者が日比谷野音で決起集会を開く

 13時15分から日比谷公園音楽堂に集まり、憲法・教育基本法改悪反対、国民犠牲の「小さな政府」を許すな「2006夏期闘争勝利 5・26集会」が全労連・国民春闘共闘・公務労組連絡会主催で行われました。「夏期闘争を大きく成功させよう」と石元公務労組連議長のあいさつで決起集会が始まり、日本共産党の井上哲士参議院議員が国会情勢報告を行いました。情勢報告を行った若井公務労組連事務局長は、(1)地方・地域で無数のシンポを開催しよう(2)6.27、7.25中央行動への結集、地方でも議会要請を(3)対人事院宛の署名をやりとげようと3つの提起を呼びかけました。
 各単産からの決意表明では、全厚生の杉下委員長が、「国民年金の保険料免除にかかる不正処理の問題は、数字を中央から押しつけた結果であり、社会保険庁改革は、(1)定員削減、(2)能力・業績評価という人事管理制度、(3)市場化テストの拡大、全面実施であり、労働者犠牲、国民犠牲の改革は認めることはできない」と力強く訴えました。
 集会後、国会に向けてシュピレヒコールをあげながら、デモ行進に出発しました。

 憲法遵守宣言、給与比較方法見直し反対署名を提出
 各団体への要請行動

《社会保険庁への要請行動》

 「社会保険庁改革」にかかわって、同庁に対し要請を行いました。国公労連側は、小田川書記長を責任者に、飯塚全厚生副委員長他が参加し、社保庁側は、三枝職員課長が対応しました。要請では、小田川書記長から、(1)「社会保険庁改革」にあたっては、あらたな組織への選別採用などの雇用問題や労働条件の不利益変更などの問題を生じさせないよう万全の対策をとること、(2)国家公務員法や人事院規則などを基本に、職員の利益確保に万全を尽くすべき使用者としての責任を果たすこと、(3)公務員制度の運用にあたっては、法令の遵守とともに、勤務条件に関わる課題については労働組合との交渉・協議を尽くすこと、の3点を申し入れました。職員課長は、「社会保険庁を取り巻く状況は非常に厳しく、国民の信頼を得る組織に生まれかわるべく、職員とともに懸命に努力している。平成20年秋には社保庁は廃止される見込みであり、将来のある省庁とは違う危機感を持って対応している。要請事項については、長官にしっかり伝えたい」などと回答しました。小田川書記長は、「危機感があるのはわかるが、ルールをきちんと守ってもらうことが大事」と社保庁の対応を強く求めました。

《経済財政諮問会議への要請行動》

 経済財政諮問会議事務局への申し入れ行動には岡部書記次長以下12名が参加。財界寄りの諮問会議の構成・運営と、「小さな政府論」に基づく総人件費削減方針は国民本位の行政サービス充実を損ね、公務員の権利侵害や中立であるべき人事院への不当な圧力につながるという趣旨から、全参加者が発言し、意見反映と検討を強く申し入れました。

《内閣府への「職場憲法遵守宣言」の提出行動》

 「憲法遵守職場宣言」を踏まえた内閣総理大臣宛の要請書を666職場分提出しました。浅野中執以下4名が参加し、内閣府は、大臣官房総務課の山田調査役が対応しました。提出にあたって、要請の趣旨等を述べた後、参加者全員から憲法擁護の決意を含め発言しました。山田調査役は、「要請に対しコメントする立場にはないが、要請事項については上司に伝える」と回答しました。

《人事院への「給与比較方法見直し反対」署名提出行動》

 人事院に対する「官民比較方法の見直しに反対し、改善を求める要求署名」の提出行動には浅野中執12名が参加。本日までの集約分28,089名分を提出するとともに、政府の圧力で官民比較の対象企業規模を引き下げ、結果を勧告に反映することは、人事院の役割や機能から見て許されないと申し入れました。

《行政改革推進事務局への申し入れ行動》

 25日14時から事務事業見直し重点15事項に係る当該7単組代表が行革推進事務局と交渉。小田川書記長から改めて純減ありきの有識者会議等での議論を批判。各単組から各省当局交渉などから一方的な削減強要実態を訴え、最終とりまとめや行政ニーズを踏まえた対応を求めました。(詳細はFAX速報1726を参照してください。)

《公務労組・経済財政諮問会議への要請行動》

 公務労組連絡会が、2006年度の「骨太方針」策定にむけた経済財政諮問会議へ申し入れ行動を行い、国公労連からは飯塚中執が参加しました。

《民主党への要請》

 25日10時から1時間にわたり、香月中執以下11名で民主党政策調査会と懇談。行革に係る純減ありきの議論など全般について問題意識を述べ、その後参加単組から職場の現状など訴え、理解と要請内容に沿った国会内外での奮闘を求めました。
 対応した須川部長代理は、「参考になった。もっと早い時期にやりたかった」「3年20%は出しているが業務の見直しが先にある」「政府の業務見直し後回しと労働基本権先送りは問題」「生活者の視点で検討する」など述べ、最後に「公務員の魅力がなくなると10年先が心配」と、公務労働に対し危惧する感想を語られました。

《共産党への要請行動》

 香月中執以下、各ブロック代表9名参加し、共産党は吉井英勝衆議院議員と吉川春子参議院議員が対応しました。まず各ブロック代表からますます厳しさを増す職場実態と5%総人件費削減の動きに対する職場の怒りと不安について切々と訴えました。
 これを受けて吉井議員は「巨大与党に押されっぱなしという印象があるが、実際には小泉構造改革の矛盾は拡大し社会問題化している。行革推進法は成立したが、具体化を阻止していく闘いが極めて重要」と述べました。吉川議員は自らの国会質問に触れながら「みなさんのお仕事のひとつひとつの重要さがよくわかった。市場化テストに反対する取り組みを強めたい。憲法改悪を国民全体の力で阻止することが出来れば、大きく世の中の流れを変えることができるのではないか」と応えました。

《社民党への要請行動》

 木下中執以下5名参加し、社民党は、菅野哲雄衆議院議員(労働委員会・自治体委員会委員長)と政策審議会横田事務局長が対応しました。国公労連の申し入れに対しては、「全ての項目が同調できる」とし、「5%削減の数字は根拠のないものであり、地元の気仙沼の労基署廃止問題については5%削減の先取りであると行革特別委員会で追及した」と述べ、「国公労連もがんばってほしい」との激励を受けました。

《国会議員要請行動》

 各単組毎に、与党を除く全国会議員に対して、行革関連法案が成立したとしても、個別の課題も残されており、「骨太方針2006」に対する引き続き「くらし安心署名」の紹介議員と支援を要請しました。
以上

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