「憲法改正国民投票法案」等に反対する(談話)

1 自民党・公明党両党の与党協議会は、昨年12月に「日本国憲法改正国民投票法案骨子」(以下、「国民投票法案」という)に合意し、改憲を発議するための「委員会」設置を規定する国会法「改正」とともに、開会中の通常国会に提出する方針を固めたと言われている。
 本日、自民党・新憲法起草委員会が「憲法改正草案試案要綱」をとりまとめたことにも明らかなように、明文改憲は直面する現実の課題である。しかも、この間の状況が明らかにしているように、改憲の焦点は、憲法第9条2項を「改正」して、自衛隊」が海外で武力を行使できるようにすることにある。
 そのような改憲の目的とは無関係に「国民投票法案」を論ずることはできない。
 国公労連は、「戦争をする国」への一里塚となる「国民投票法案」には到底賛成できない。

2 明らかにされている「国民投票法案」の構成や内容は、現行の公職選挙法に類似している。政治的立場を明確にした候補者の中から当選者を選ぶ公職の選挙と、「国民から政府に対する命令書」であり、国の最高法規である憲法改正の是非を問う国民投票とは全く異なる行為である。後者は可能な限り規制を緩やかにし、国民的な論議を最大限保障すべき性質のものである。
 その点で言えば、(1)発議から30日以後90日以内に投票を行うとしていること、(2)投票方法について、複数の改正項目がある場合の「一括投票」を否定していないこと、(3)投票率の制限はしないままに、「有効投票総数の過半数」で改憲が承認されるとしていること、(4)未成年者を投票行為から一律に除外していること、など見過ごせない問題がある。

3 また、表現の自由や国民投票運動の自由に対する制約があることも問題である。公務員、教育者がその地位を利用した国民投票運動を一律に禁止し、外国人の運動にも規制を加えるとしている。さらに、新聞・雑誌や放送業者の報道にも「虚偽報道禁止」などの規制が検討されている。また、それらの禁止行為に違反した場合の罰則まで検討されている。
 これらの内容では、改憲の是非にかかる国民の自由闊達な論議は保障されない。
 なお、国民投票を、一般の公職選挙と類似のものとしている「国民投票法案」の内容では、国家公務員法第102条の「国家公務員の政治的行為の制限」と容易に関連づけられかねない。人事院規則14−7のあり方も含め、国家公務員の基本的人権制約強化には断固反対する。

4 以上のように、「国民投票法案」は、国民全体の意思の反映を避ける意図が見え隠れする内容であり、その点でも到底賛同できるものではない。
 このような法案が「改憲派」多数を占める国会に提出されようとしていることに、今日の危険状況がある。そのことを改めて確認し、全国の職場・地域から改憲反対のとり組みをさらに強化することを呼びかける。

2005年4月4日

日本国家公務員労働組合連合会
書記長 小田川義和



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