あらためて公務員制度の民主的改革を強く求める(談話)
- 政府の「公務員制度改革の今後の進め方」決定にかかわって -


 政府が本日閣議決定した「今後の行政改革の方針」では、「公務員制度改革大綱」にもとづく改革関連法案について「(改めて)提出を検討する」として、事実上、行革推進事務局における改革作業の中断を宣言した。同時に、「現行制度の枠内でも実施可能なものについては早期に実行に移す」ことを宣言し、「平成17年度中に本府省を対象とした試行に着手」することなど三課題を当面推進することも明らかにした。
 政府は、2000年12月の「行政改革大綱」決定以来の4年間、多くの時間と労力、人材、財政を投入してきた。にもかかわらず、何らの成案も得ることなく、改革作業の中断を宣言せざるをえなかった政府の責任は、厳しく問われなければならない。

国公労連は、官僚の「天下り」や政官財癒着構造、キャリア特権の人事運用など、公務員制度の非民主的な側面を是正する改革が喫緊の課題であることを主張し続けてきた。また、その点ともかかわり、ILO条約や国連人権規約などに適合した公務員労働者の労働基本権回復をくり返し求めてきた。
この間のたたかいも反映し、国公労連が主張する民主化の具体的要求課題には、国民的な支持が広がってきている。その点に目を向け、政府は、改革作業を中断することなく、公務員制度の民主化をめざし、「一からの改革論議」を仕切り直しすべきである。
その点とかかわって、二度のILOからの勧告にも示されるように、国際社会からも関心が寄せられている労働基本権回復課題について、交渉・協議の場の整理を強く求める。

政府が引き続く改革推進課題としている「現行制度下での評価の試行」などが、公務員制度の民主化を棚上げにする意図で進められることは許されるものではない。また、評価制度の勤務条件性の確認や、労働者・労働組合の参加のあり方検討を同時に進めることも必要である。加えて、人事院が検討を表明している実績反映の給与制度見直しと試行との関係を明確にすることも不可欠である。
国公労連は、それらの点の問題点整理をはじめ、公務員制度改革を推進する総務省・人事恩給局や、協力が要請されている人事院との対応に万全を期す。

 本日の閣議決定で、公務員制度改革は新たな局面に移ることになる。この間、職場からの政府追及や、地域での共闘づくりなどに奮闘した仲間に心から敬意を表明する。また、全労連をはじめ、たたかいを支援いただいた諸団体に、感謝の意を表明する。
 本日の閣議決定で、公務員制度改革が終わったわけではなく、人件費削減などを目的とする制度改革に変容していく危険性さえ生まれている。したがって、引き続き闘争態勢を維持し、労働基本権回復をはじめとする公務員制度民主化のとり組みを継続する。

   2004年12月24日
日本国家公務員労働組合連合会   
書記長  小 田 川 義 和

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