自衛隊のイラク派兵延長反対・即時撤退を求める決議


 いま、イラクではアメリカ軍が占領を続け、無差別攻撃を繰り返し多くの住民を殺りくしている。この間の国際法を無視したアメリカの侵略戦争によって、既に10万人以上のイラク人の生命が奪れている。一方、アメリカでも、イラクの実情さえ教えられずに青年が戦闘地域に送り込まれ、多くの犠牲者が生じているほか、無事帰還した者でも心に傷を負うなど、大きな社会問題となっている。

 こうしたアメリカの傍若無人な振る舞いに国際社会の批判が高まり、ブッシュ政権は孤立を深めている。しかし、日本の小泉首相は、いち早くこの大義なき戦争を支持し、アメリカの要請のまま憲法違反の自衛隊イラク派兵を強行し続けている。さらに、今回のファルージャ攻撃に対して、イギリスのブレア首相でさえ態度表明を避けているもとで、小泉首相は「成功させなければならない」として住民虐殺を容認する立場に立つなど、その盲目的な対米追従と非道ぶりは世界の指導者の中でも突出している。

 イラクの状況は、ファルージャに限らず全土が戦闘地域となって泥沼化しており、政府が自衛隊派兵の条件としてきた「非戦闘地域に限る」などの説明は成り立たなくなっている。しかし、小泉首相は、国会答弁で「自衛隊の派遣地域が非戦闘地域である」との詭弁を繰り返すなど、国民の疑問にもまともに答えようとしていない。加えて、12月14日に期限を迎える自衛隊のイラク派兵を、国会審議を経ず国民の世論も無視したまま、9日の閣議で派兵延長を強行決定した。

 いま、アメリカのイラク占領の違法性と残虐性が顕著になるもとで、政府による自衛隊の派兵理由も成り立たなくなり、占領軍の一端を担う自衛隊そのものの存在が厳しく問われている。また、自衛隊のイラク派兵は憲法違反であり、政府がいくら強弁しようとも、憲法第9条が自衛隊の活動を規制していることも事実である。それ故に、政府の憲法改悪の狙いが、その規制を取り払ってアメリカの戦争に日本の軍隊を組み込もうとしていることもまた明白である。

 私たちは、自衛隊のイラク派兵が憲法改悪と深く結びついていることを重視し、政府が閣議決定した派兵延長に抗議するとともに、直ちに自衛隊をイラクから撤退させるよう強く求める。同時に、全国の職場・地域から改憲策動を許さず、憲法が輝く職場と社会をめざすたたかいに全力で奮闘するものである。

 以上、決議する。




2004年12月11日
日本国家公務員労働組合連合会
第121回拡大中央委員会


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