国公FAX速報 2004年6月22日《No.1527》

マイナス勧告阻止、最低賃金引き上げを求め
厚労省前と人事院前で一体の要求行動
−寒冷地手当改悪反対の連鎖交渉を実施−

 本日、全労連・国民春闘共闘は、「最賃凍結・マイナス勧告は許さない!第2次最賃デー」を実施しました。公務労組連絡会は、この「第2次最賃デー」を大きく成功させるとともに、寒冷地手当改悪阻止、政府の「骨太方針2004」による国民犠牲の予算策定反対、国民本位の行財政確立などを求めて第3次中央行動を行い、国公労連も全力でこれに結集しました。台風一過に突如訪れた猛暑の中、国公労連の参加者600名を加え、全体で1000名が行動に参加しました。


その1 怒りの664分ハンスト・座り込み行動−厚労省前

 池袋、新宿、霞ヶ関、虎ノ門、飯田橋、新橋駅の都内各地での一斉宣伝行動に並行し、8時から厚生労働省前「怒りのハンガー・ストライキ座り込み行動」がスタートしました。「怒りのハンガーストライキ」は、8時から19時4分(664分間、水以外は飲まず食わずがルールで、644は各都道府県の地域最賃の金額を単純平均した数値)まで行われ、首都圏の各単産や北海道からの参加者も加え、25名が「ハンスト」に突入しました。国公労連は、全建労・玖村副委員長、全法務・木村中執、全港建・比護中執に加え、国公青年協・田山議長が664分間通して参加しました。


その2 寒冷地手当改悪反対で座り込み行動−人事院前

 10時からは厚生労働省前の怒りのハンストに呼応し、人事院前で「寒冷地手当改悪阻止」「ブロック別賃金の導入反対」を掲げて座り込み行動を16時まで行いました。公務労組は11時から地方代表による「寒冷地手当改悪反対」の要請行動を、国公労連は13時からブロック代表による連鎖交渉を3回(北海道、東北・北陸、関東・東海・近畿・中国)に分けて行いました。人事院前では、交渉団を送り出す支援のシュプレヒコールが、厚生労働省前と連帯して繰り広げられました(交渉内容は別途FAX速報No.1526参照)。


その3 最賃・人勧課題を2台の宣伝カーで交互に

 正午からは、最低賃金引き上げ・マイナス勧告阻止を掲げ、厚生労働省前と人事院前に2台の宣伝カーをケーブルで連結し要求行動が官民一体で行われました。
 主催者あいさつに立った全労連・熊谷議長は、現行の最賃では労基法1条の「人たるに値する生活」はできないと述べ、「儲かっている財界は、賃下げすべきと言っているが、絶対に認められない。日本の全労働者の底上げにつながる最賃のたたかいを、官民団結して頑張りたい」と訴えました。全労連・寺間総合労働局長は、情勢報告で最賃体験にとりくんだ青年たちの、具のないラーメンをすすり、パンの耳をかじり、病院にもいけなかったという悲惨な声を紹介し、「生活保護費を下回る最低賃金額が、どうして同じ厚生労働省から出てくるのか、不思議でしかたがない。我々は全国一律で1000円を要求する。連合(独占中)の最賃審議委員は、政府の露骨な介入を許さず、断固として是正してほしい」と訴え、大きな共感を呼びました。今日の行動は、中央最賃審議会の目安が勧告される7月中旬に向けた「大きな山場」という情勢を反映して、厚労省前から人事院前まで全国から駆けつけた組合員で鈴なりになりました。
 続いて4人が厚生労働省前と人事院前の宣伝カーから交互に決意表明を行いました。「北海道と同じデータでないと寒冷地手当は払わない、という人事院の暴挙は許せない」(全労働・丹野中執)、「理事会がパートの時給を最賃並みに引き下げようとしており、最賃引き上げのたたかいは待ったなしだ」(生協労連・桑田委員長)、「寒冷地手当の削減は、国だけのものではない。最賃のたたかいを公務リストラ反対のたたかいと結んで頑張る」(自治労連・川俣副委員長)、「一昨年から最賃引き上げのストを行ってきた。神奈川は、この不況のなかで1円の引き上げを認めさせた。意見書や請願書も採択されている。今度は、国政を根本から変えるときだ」(神奈川労連・水谷事務局長)
 閉会のあいさつに立った公務労組・堀口副議長(国公労連委員長)は、最低賃金法の当初の崇高な主旨を紹介し、「それが財界に屈服し、賃金抑制機能になっている」とのべ、渾身の力をこめて「いま厚生労働行政は、社会の病的状況を改善するため努力すべきなのに、逆に加速させている。生きる権利を一顧だにしない政府に対して、労働者の底力を見せようではないか」と訴え、それぞれ参加者の大きな共感を呼びました。


その4 寒冷地手当改悪は給与体系の突破口−人事院交渉

 13時からは、人事院前をメインに「寒冷地手当改悪反対」要求行動が行われました。主催者を代表して公務労組・石元議長は、人事院が寒冷地手当支給地域を3割に絞り込む案を示していると紹介し、「これは給与体系を崩す突破口になる。民間と共同して、あらためて反対の声を具体的に示そう」と呼びかけました。続いて若井事務局長が、午前中の人事院要請行動を報告。「6ブロックの仲間の要請は、どれも切実な生活実態にもとづくもので、人事院の改悪基準は合理性のないことが明らかになった。雪が降っても温度が高いだけで、秋田・仙台・福島・新潟・金沢などが切り捨てられては、たまったものではない。人事院は独立した機関であり、政府の言いなりになるな。」と怒りを込めて訴えました。
 続いて北海道、東北、関信越、北陸の仲間が決意表明に立ち、それぞれ力のこもった生々しい訴えを行いました。北海道の諏訪田さん(公務共闘事務局長)は、「寒さと雪だけでなく、風も基準となるはずだ。吹雪で交通事故になって2人の教員が亡くなった。また、手当の廃止は、地域経済に大きな打撃を与える」。秋田の加賀屋さん(公務共闘事務局長)は、「0.1度の違いとは何か、手当の出ない秋田市と手当の出る隣町に職場があるかで、手当がもらえたりもらえなかったりする。大きな矛盾だ。どう考えても削減を前提にデータをデッチあげたようなものだ」。新潟の立石さん(県国公議長)は、「雪が野山を覆う新潟では、毎年雪降ろしで何人か死ぬ。そのことを人事院はどれだけ知っているのか」。石川の小川さん(県国公副議長)は、「なぜ、気温が高いと削減されるのか。北陸は、湿った重い雪が降る。『基本給から出せ』とは、ふざけるなと言いたい。人事院は、雪道をノーマルタイヤで走ってみろと言いたい!!」と訴えました。
 最後に公務労組・駒場副議長は、「自治体に共感が広がっていることを確信にして、参議院選挙や人勧期の諸行動など、やるべきことはやりぬいて悔いのないたたかいをしよう」と呼びかけ、人事院前の行動を終えました。


その5 総務省前と財務省前でも要求行動を並行実施

 14時からは、総務省と財務省に二手に分かれ、要求行動が繰り広げられました。総務省前では、公務員賃金改善や民主的公務員制度の確立、三位一体改革による地方切り捨て反対を掲げ、国公労連を代表して全経済・熊谷副委員長が「当局による評価制度の試行押しつけ」に対するたたかいの決意を述べ、財務省前では、国民本位の予算の執行を求め、全司法東京地連・塚田さんが「裁判所の人的物的充実を求める」決意表明を行いました。


その6 ブロック別賃金NO!内閣府に初の個人請願行動

 続いて、国公労連の独自行動として、小泉首相の「ブロック別給与」発言に抗議し、「ルール無視の公務員給与への言及と、ブロック別給与の導入は行わないこと」との首相あて個人請願行動を、内閣府に対して行いました。請願行動に先立ち主催者を代表して、国公労連・山瀬副委員長は「小泉首相のルールを無視の公務員給与に対する言及は許さない。このような政府首脳の発言をめぐる抗議行動は、当時の梶山官房長官の給与ベア凍結発言で97年春、夏に総理府(当時)に対してとりくんで以来であり、徹底的に追及しよう」と満身の怒りを込めてあいさつしました。行動説明の後、一人一人が内閣府の担当者に「ブロック別賃金の導入は許さない」と口々に訴えながら、120人の参加者が仲間から託された分を含む、200枚以上の請願書を整然と提出しました。行動と並行して、同様の主旨で経済財政諮問会議とも交渉を行いました(別途FAX速報No.1528参照)。


その7 社文会館で総括集会−次は参院選だ!

 15時からは会場を社会文化会館に移して、「夏季要求実現・国政の民主的転換をめざす公務労働者中央決起集会」が行われました。
 石元議長の主催者あいさつに続き、連帯のあいさつに立った全労連・西川副議長は「いま職場はひどい管理で冷え込んでいるが、年金問題や政府批判で、公務の窓口は国民のすさまじい怒りが渦巻いている。この怒りを束ねれば、政治変革は可能だ」と訴えました。
 17日に閉会したばかりの第92回ILO総会に参加した全労連・岩田事務局次長は、政府や財界の理事が全労連排除を隠して「公務員の労働基本権問題で議論が始まっている」と述べたり、連合が今回は(公務員問題では)主張しないとしている方針を批判しつつ、「ILOのグローバル・レポートで引き続き日本の公務員の無権利状態が議論されている。オブザーバーの全労連には発言権はなかったが、いろいろな交流ができた。今後も強く訴えていきたい」と報告しました。
 国公労連を代表して決意表明に立った宮垣副委員長は、坂本竜馬の「この国は、倒さねばよくならんぜよ」という言葉で切り出し、小泉自公政権と民主党が日本を戦争する国にしようとしていることや公務員賃金の破壊に踏み出そうとしているとして、「いまこそ国政を根本から変えよう」と訴えました。続いて、自治労連、全教の代表が決意をのべた後、公務労組・駒場副議長が、「いま公務員賃金闘争は新たな局面を迎えている。そういう認識のもと、政治革新と結んでたたかおう」と閉会のあいさつを行い、団結がんばろうを唱和して集会を終えました。


以上


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