第159通常国会閉会にあたって(談話)

 第159通常国会が、本日閉会した。
 この国会の最大の特徴点は、自民・公明与党が、国民の意思と憲法をじゅうりんし、今年度から3年間にわたって年間3兆円もの負担を強いて国民生活を塗炭(とたん)の苦しみに追い込む予算を強行成立させ、際限のない保険料の引き上げと現役収入を大幅に下回る給付への削減をセットにした年金改悪法や、国民の基本的人権や地方自治を侵害し、国民生活を丸ごとアメリカの戦争に巻き込む有事関連法などの悪法を次々に成立させたことである。国会内の数の力のみに頼り、議会制民主主義の否定する暴挙がくり返されたことも指摘しなければならない。

 とりわけ、年金改悪法案は、審議が進むにつれ「デタラメ」「うそ」であることが明らかとなり、国会議員の年金未納問題とあいまって、国民の8割が反対の声をあげるにいたった。有事関連法は、アメリカの戦争に自衛隊を参戦させ、罰則付で国民を戦争に強制動員させるもので、憲法9条を真っ向から蹂躪する悪法であることが白日のもとに晒されていた。こうした状況に危機感を抱く自民・公明与党は、公聴会を開くことなく有事関連法案を強行採決し、年金改悪法案にいたっては、予定されていた共産・社民などの質疑を封殺して採決に踏み切るという前代未聞の暴挙をおこなうにいたった。

 国公労連は、この間、憲法遵守義務を負う国家公務員の労働組合として、「国民の中へ、国民とともに」の旗を大きく掲げて、年金改悪法案の欺まん性と有事法案の危険性を国民に広く訴え、反対運動をおしすすめてきた。全厚生が取り組んだ年金問題での講師活動が、2万人の国民を対象として実施されたことや、多くの組合員が、国民の信を問うシール投票や独自に作成したビラ配布や宣伝行動で街頭に打って出たことなどは、とり組みの教訓である。
 国家公務員労働者にかかわっても、裁判員法など多くの司法制度改革関連法案が成立し、内部告発抑制の危険性を持つ公益通報者保護法や、定員抑制強化の側面を持つ総定員法「改正」法、独立行政法人産業技術総合研究所の「民営化」法なども成立している。これらの法成立もうけた、行財政・司法の体制確立や労働条件維持・改善のとり組みを今後に引き継ぐことになる。

 この3年余り国民と公務員労働者にに痛みを押し付けてきた小泉内閣への審判を下す参議院選挙が目前に迫っている。今国会の会期中に起きた、国公労働者への国公法違反での不当逮捕事件は、政府による「もの言わぬ公務員」づくりへ血道をあける異常な弾圧である。国公労連は、このような時代遅れの不当弾圧を断じて許さず、国公労働者一人ひとりが「国の主権者」として「大いに小泉内閣への審判を下そう」と訴えぬく決意である。

2004年6月16日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 小田川義和


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