国公FAX速報 2004年6月2日《No.1520》

年金改悪法案の廃案めざし、最大のヤマ場
全国で多彩な行動、かつてなく高まる国民の怒り

 本日全労連は、年金改悪法案を廃案に追い込むため、全国統一行動を行いました。この行動は、国会が会期末まで2週間を切り、日増しに「今国会で成立させるべきでない」の世論が大きくなる中、与党が4日の参院本会議での強行採決・成立をねらうという緊迫した状況下で実施されました。
 早朝からは、新宿西口、東京駅八重洲口、新橋SL前広場、虎ノ門交差点で宣伝行動が行われ、国公労連は新橋と虎ノ門を受け持ちました。各所とも、かつてないビラの受け取りに、参加者は口々「こんなことは初めてだ、まるでビラがすいこまれていくようだ、これが国民の怒りの現れか」と興奮気味に語りました。新橋では、「私は44年間厚生年金を払った。小泉首相のやりかたには怒りがこみ上げてくる。民間の大手組合はかつてのようにたたかわなくなって残念だ、国公労連にはぜひ頑張ってほしい」と期待が寄せられました。虎ノ門では、受け取ったビラを丁寧にたたんで鞄に納めるサラリーマンの姿が何人も見られました。
 12時からは、国会参議院前で「年金改悪法案の廃案をめざす、国会すわりこみ行動」が、全労連・中央社保協の主催で行われました。公務労組連絡会は、夏季闘争第2次中央行動の一環として、「ILO勧告遵守署名提出行動」への参加者が、13時まですわりこみに参加しました。  主催者を代表して全労連・坂内事務局長は、20を超える県でデモや集会が行われ、全国で100台を超える宣伝カーが運行されていることを紹介し「ウソとごまかしの年金改悪法案は撤回し、小泉首相にただちに辞任を求める。しかし、与党は質疑を打ちきり中央公聴会を開催しないまま、明日3日に委員会採決、4日の参院本会議での採決をねらっている。連合には最後まで国民の声に応えて廃案をつらぬくことを強く呼びかける。未納にほおかむりしたまま、天下の悪法強行は断じてゆるせない。今日は最大のヤマ場、なんとしても悪法を葬り去ろう。」と、闘いの強化を全国に呼びかけました。
 公務労組を代表して、堀口副議長(国公労連委員長)は、「この間の年金者組合の諸先輩のみなさんの体を張ったたたかいに、現役の我々も負けないよう奮闘したい。安心・安全は政府の責任といいながら、警察など治安要員ばかりを増やし、一方で公務員の弾圧を強めている。まじめに働いたらいくらもらえるのか、いくら払うのかを明確にして国民に問うのが民主主義だ。我々は、憲法改悪・教育基本法改悪を断じてゆるさず、国民をいじめる公務員になることを断固拒否する」と力強い決意を披露しました。
 春闘共闘を代表して全農協労連・老田委員長が、「全力をあげてたたかう」決意を述べ、農民連・石黒事務局長は、「小泉内閣の農業つぶしから日本の農業を守ろう」と訴え、千葉県の農家から届けられたトマト500個が、すわりこみ参加者に配られました。東京土建・向井中執は、「今日は建設職人のかあちゃんたち6000人が日比谷で年金改悪を阻止するために決起集会を開催中」と紹介が行われ、参加者から大きな拍手がわきおこりました。京都総評、新婦人、全教の代表からも決意が述べられ、「年金改悪反対」「徹底審議をつくせ」「中央公聴会を開催しろ」のシュプレヒコールを唱和し、15時までのすわりこみ行動に突入しました。すわりこみ行動には、最大時約1000名が参加しました。


ILO勧告にそった公務員制度の確立求め、
衆参の全国会議員に請願紹介を要請


 13時30分からは、公務労働者を中心に、国会近くの社会文化会館に移動し「ILO勧告遵守・労働基本権回復・民主的公務員制度確立を求める総決起集会」が行われました。
 開会にあたって全労連「公務員制度改革」闘争本部・石元副本部長(公務労組議長・全教委員長)は「公務員制度にかかわって自民党内で片山メモをもとにした検討が急ピッチで進んでいる中で、連合の政労協議が始まるなど重要な局面での集会である。決起しよう」とあいさつを述べ、主催者を代表して坂内闘争本部長(全労連事務局長)が「本国会への法案提出を阻止できたことは我われのたたかいの大きな到達点である。引き続き、政府が大綱を基本とした制度をめざしていることに対抗し、年金・有事のたたかいと結合させた取り組みの強化が必要である」と訴えました。
 続いて若井闘争本部事務局次長(公務労組事務局長)が「本集会は、3月から取り組んできたILO勧告遵守署名の集約と議員要請に向けた意思統一集会であり、幅広い団体から1万に迫る署名が集約されたことは評価できる。また、6月1日から始まったILO総会を契機とした、今後のたたかいの意思統一集会でもある」「これまで署名の取り組みにより世論を盛り上げ、法案提出を阻止するとともに、大綱の見直し、労働基本権問題の白紙からの論議について言及させ、我われとの誠実な交渉協議をさせるところまで追い込んできている。たたかいの最大の到達点である。みなさんの奮闘に感謝する」「今後、地域からのたたかいの積み上げ、民主的政治への転換、賃金課題と結合させたたたかいや臨時国会に向けたたたかいの強化が重要である」とする闘争報告を行いました。
 国公労連、自治労連、全教、郵産労の各単産から決意表明が行われ、国公労連・山瀬副委員長は「署名は目標には及んでいないが、ここ数日の各級機関の奮闘で4049団体を集約できた。引き続き、目標達成に向けて奮闘していく」とした上で「ILO条約勧告適用専門家委員会が日本政府に対して、これまでの勧告に留意すべき何らの進展がないことなどについて意見している中で、今週にも公務員制度に関する動きが強まりそうである。国公労連は引き続き政府・行革推進事務局に誠実な交渉を求めていくとともに、国公法違反とする不当逮捕事件にみられるように、公務員の権利が著しく侵害されている状況を打開するため奮闘していく」と熱く決意表明をしました。
 最後に、生熊闘争副本部長(JMIU委員長)が「公務労働者は国民課題でより前面に出て奮闘し、民間労働者は公務員労働者の課題を支援するといった共同の行動をいっそう強めていこう」とあいさつし、団結ガンバロウで集会を終えました。
 集会後、参加者は手分けして集約した署名を持参し、採択にむけた請願紹介の獲得をめざし、衆参の全国会議員725名に対して要請行動を行いました。
 18時30分からは、全労連年金改悪法案阻止・全国統一行動のしめくくりとして、日比谷野外音楽堂で中央決起集会が行われました。埼玉・千葉・神奈川などの近県からの参加者を含め2200名が参加し、集会後には国会請願デモを行いました。
 また、全日検神戸闘争支援の協会本部包囲行動や、政府・JRの責任で1047名を職場に戻すことを求める、全労連・国鉄闘争本部主催の厚生労働省前すわりこみ行動も行われ、国公労連から代表が参加しました。
以上


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