賃下げ、労働条件改悪を許さないたたかいの継続を
−04春闘期回答に対する中央闘争委員会声明−

 本日、政府・人事院は、国公労連04年統一要求に対する春闘期の回答をおこなった。平均1万2000円(3.2%)の水準引き上げをはじめとする賃金要求に対し、「労働基本権制約の代償措置である人事院勧告尊重」(政府・総務省)、「官民較差に基づき、適正な公務員賃金の水準を確保」(人事院)とし、現行制度に固執するものであった。
 とりわけ人事院は、交渉経過のなかで、「基本給もボーナスも楽観できない」とまで述べ、春闘段階から賃下げ勧告の危険性を示唆し、今夏勧告にむけて地域に働く公務員労働者の賃下げとなる給与制度「見直し」を進めることを明らかにするなど、財界の賃金引き下げ、制度改悪攻撃に迎合する姿勢を示した。
 また、国公労連は、深刻な長時間過密労働やサービス残業の是正や、非常勤職員の均等待遇などについて、制度面の改善、人間らしく働くルールの確立を求めたが、これらに対する政府・人事院の回答も「(制度は)適正に運用されている」(総務省)、「各省の運用問題」(人事院)とするものであった。
 以上のように、04年春闘期の政府・人事院の回答は、国公労働者の切実な要求に真正面から応えない極めて不満な内容である。国公労連は、勧告期にむけ、賃下げ、労働条件改悪に断固反対し、要求前進をめざした地域・職場からの取り組みをねばり強く展開する。

 大企業が、史上空前の利益を蓄積し、収益を大幅に改善させる中、大企業労組は軒並みベア要求を見送り、一時金や休暇制度などの改善要求にシフトし、3月17日には多くがベアゼロ、一時金改善の内容で妥結した。このようなもとで、財界の春闘終焉論に加担した大企業労組の「重し」をはね返そうとする中小労組の奮闘に焦点があたりはじめている。
 とりわけ、「たたかえば要求は前進する」ことに確信をもって運動を進めている国民春闘共闘・全労連傘下の組合は、組合員平均で昨年妥結額を上回る前進を勝ちとっている組合が出はじめていることが報告されている。それだけに、民間地場中小労組へのたたかい支援を引き続き強めることは、公務員賃金抑制攻撃をはね返すたたかいともかかわっても極めて重要である。

 3月5日に、04年度予算案が衆議院を通過し、これに勢いを得た小泉政権は、3月9日に有事法制関連7法案を国会に提出し、「戦争をする国」への動きを強めている。
 政府・与党は、6月16日までの会期中に、国民・労働者の生活や基本的人権に影響する多くの悪法成立をめざしている。とりわけ、予算審議段階から重要法案となっている年金改悪法案については、連休前の衆議院通過を画策しはじめており、それだけに、全労連が呼びかけている「4.15年金スト」の成功が重要になっている。
 国公労連は、当日、全国100カ所での休暇行動の取り組みを確認しており、生活防衛の観点からも、小泉構造改革への怒りを形にして示し、参議院選挙にも繋がる取り組みとしても、「4.15全国統一行動」の成功をめざす。

 この春闘期にも、公務員バッシングが一層強まり、宿舎料などの大幅な引き上げに加え、退職時特別昇給の全廃、給与制度「改革」の突破口といえる寒冷地手当「見直し」改悪攻撃などが政府・人事院からかけられ、一部は強行された。
 公務員の処遇等を特権的だとする扇情的な攻撃が強まり、そのことが公務員制度改革の動向を不透明にし、労働基本権回復を棚上げにしたまま、能力・実績反映の人事制度のみを強調する「改革」の動きにも反映している。
 したがって、そのような状況を変えるためにも、取り組みを開始している「ILO勧告遵守署名」を武器に、地域での共同を大きく前進させる。春から夏にかけての闘争課題となっている寒冷地手当改悪反対や、3年連続の不利益遡及を許さない課題とも結んだ「国公権利裁判支持署名」とも一体で、公務員労働者の権利確立のたたかいを前進させる。

 昨年12月の第118回拡大中央委員会の決定に基づき展開した04年春闘前段の取り組みでは、年金改悪反対や大企業の社会的責任を追及する宣伝、署名、地域行動などに積極的に結集し、全国各地で多くの組合員が奮闘した。また、寒冷地手当改悪反対の課題で連鎖的な集会を成功させるなど、公務員労働者の独自課題でも、公務労組連絡会と連携した取り組みを成功させた。
 本日の政府・人事院の春闘期最終回答をうけて、春闘は、年金改悪反対など国民的課題での要求前進、民間地場中小労組への支援、勧告に向けた人事院追及の準備などの後段のたたかいに移行することになる。本中央闘争委員会は、この間の全国の仲間の奮闘に心からの敬意を表明するとともに、たたかいの経験を引きつぎ、さらに発展させるため、全国のなかまの結集を強く訴える。
2004年3月18日
日本国家公務員労働組合連合会
第6回中央闘争委員会

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