2003年人勧に基づく給与法「改正」成立に、断固抗議する
 −2年連続のマイナス勧告「完全実施」にあたっての談話−

 本日(10月10日)参議院本会議において、2年連続して本俸(基本給)に切り込む「賃下げ」、一時金「0.25月削減」などを内容とする2003年人事院勧告に基づく給与法「改正」法が、与党3党及び民主党の賛成、共産党、社民党の反対で可決・成立した。
 国会審議は、与党各党が「審議促進」のため、はじめから質問時間を放棄し、そのため野党のみの質問となり、衆・参あわせて5時間にも満たない短時間審議で、公務員労働者の労働条件切り下げ法案の採決が強行されたことは許し難いものである。国公労連は、国公労働者の厳しい生活実態や長時間・過密労働の実態、さらには公務員賃金の社会的影響の大きさに照らし、5年連続の年収引き下げの給与法「改正」に強く抗議する。

 公務員の賃金切り下げが国民の生活と景気回復に深刻な影響を与えているにもかかわらず、政府は「日本経済に直に繋がっていない」「影響がないとはいわないが、果たして足をひっぱっているといえるのか」と無責任な回答に終始した。
 また、あってはならない不利益遡及問題についても、政府は「昨年の国会の付帯決議もあり、各省や職員団体の意見も聞き、その結果事務の簡素化なども考え、定率の方式をとった」と開き直った。
 なお、公務員制度改革についても、政府は「『大綱』の見直しはしない」として、あくまでも「公務員制度改革大綱」にそった「改革」をすすめる立場を強調した。
 これらの答弁は、政府の使用者責任と国民生活の安定を一義的に追求すべき内閣の役割に照らしても許されないものである。

 人事院勧告後、多くの地方自治体において「賃金切り下げ」「4月に遡っての不利益遡及」などの人事委員会勧告が出され、昨年に引き続き特殊法人はじめ中小企業などの民間労組にもマイナス人勧が悪影響を及ぼしていることが明らかになっている。 
 国公労連は、給与法「改正」法案が提出された国会段階においても、10月1日に衆参両院の総務委員に「賃下げ勧告」に基づく給与法「改正」法案審議にかかわる要請をおこなうなど、法案に反対するたたかいをねばり強く行った。
 これらの取り組みもあって、人事院勧告の社会的な影響に対する国民的な理解と共同は、人事院勧告の影響が直接及ぶ750万労働者のみならず、民間労働者を含めてかつてない広がりをみせている。国公労連は、生活改善に向けたたたかいを強化するため、引き続き労働者・国民との共同拡大めざして全力をあげてたたかう。

 国公労連は、「年金制度改悪反対、大増税反対」や国立病院における賃金職員の雇用継承問題など、すべての労働者の要求前進のために、来る総選挙での取り組みも含め秋闘後段のたたかいを強化する。また、官民の「賃下げ悪循環」阻止のため、引き続き奮闘する決意である。

 2003年10月10日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 小田川 義和

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