国公FAX速報 2003年8月8日《No.1435》
 「賃下げ勧告」強行に怒りの抗議行動
 人事院前・総務省前行動に民間ふくめ400人が参加

 人事院は8日、「1.07%、4054円」の官民逆較差にもとづき、月例給の2年連続の引き下げ、5年つづきの減となる0.25月もの一時金の大幅な削減などを内容とする勧告をおこないました。
 年収にして16万円以上もの減収をせまる「史上最悪」の勧告に抗議して、昼休みには人事院前行動で怒りをぶつけ、午後からは「賃下げ勧告」実施に反対して、総務省前の要求行動にとりくみました。「賃下げのサイクル」をいっそう加速させる勧告に対して、民間組合からも多くの仲間がかけつけ、全体で400名が参加するもと、新たなたたかいにむけた決意を固めあいました。

民間労組の旗も立ち並ぶなかで勧告に抗議

 台風の影響をうけ、ときおり雨が降る悪天候のなかで、12時すぎから「怒りの抗議行動」がはじまりました。人事院前の歩道には、公務労組連絡会の各単産・単組の旗とともに、全国一般、JMIU、建設関連、東京春闘共闘、千葉労連など民間労組・地域組織の旗も数多く立てられました。
 主催者あいさつした公務労組・堀口副議長(国公労連委員長)は、「ただ働きや健康破壊、非常勤職員の処遇改善など解決すべき課題が山積しているなかで、賃下げを勧告した人事院は、職員の期待を裏切った。公務労働者のきびしい労働実態を無視して、賃下げをせまる人事院に抗議し、その責任を糾弾する!」と怒りを込めてのべ、「不満な勧告だが、今日からまた新たなたたかいがはじまる。賃下げのサイクルを断ち切るたたかいの先頭に立とう。労働基本権確立にむけてともにがんばろう」と、いっそうの奮闘を呼びかけました。
 激励にかけつけた全労連の國分事務局次長は、「賃下げ勧告に対して、全労連の133万の仲間を代表し、満身の怒りを込めて抗議する。消費に冷や水を浴びせる勧告であり、日本経済をドロ沼の不況に追いやるものだ。NTTの大リストラなどとともに、労働者を犠牲にする攻撃を許すことはできない。ともにたたかう」と連帯のあいさつがありました。
 司会進行をつとめていた公務労組・先水幹事(国公労連中執)から、まさにその瞬間、人事院が「賃下げ勧告」を強行したことが伝えられ、それをうけた若井事務局長の闘争報告では、「人事院はいま、不当な勧告をおこなった。断じて認められない」とのべ、史上最高の年収減、昨年につづく不利益遡及、各種手当の削減など勧告の内容を明らかにしたうえで、「勧告は強行されたが、民間との共同がかつてなくひろがったことは貴重な財産だ。5400万人労働者の暮らしをまもるためたたかいを強め、生活悪化おしつける政府に審判をくだそう」と訴えました。
 その後の職場代表の決意表明では、「いま、怒りにふるえている。結婚できる賃金をと、当たり前の願いに背をむけ、青年の希望をうばう行為は許せない。青年はだまっていないぞ!」(国公労連青年協・村上事務局長)、「人事院は、全労連の要請行動で、勧告が民間や国民生活に影響するとは思っていないなどと回答した。しかし、出された勧告は、国民全体にかけられた不当な勧告だ。これをはね返すためたたかう」(自治労連本部・高坂さん)、「長野県は自治体独自で6%の賃金カットをしており、さらに16万円の年収ダウンで1割近くの年収が減ることとなる。人事院には、悪魔のサイクルを打開する意識はみじんもないのか!」(日高教本部・小沢さん)などの怒りに満ちた発言と、新たなたたかいへの決意がしめされました。
 参加者は、国公労連・山谷中執の発声で、「マイナス勧告糾弾!」とシュプレヒコールを人事院にぶつけ、公務労組・石元議長の団結ガンバロウで行動をしめくくりました。

使用者・政府に対するたたかいへ決意固めあう

 参加者は、総務省前に移動し、1時から政府への要求行動にとりくみました。
 公務労組・石元議長は、主催者あいさつのなかで、「賃下げ勧告の民間賃金や国民への影響ははかりしれない。国民生活を改善するのは政府の責任だ。史上最悪の勧告を実施しないことを、使用者である政府に強く求めるとともに、政府は労働組合との交渉・協議を尽くせ。民主的な公務員制度を実現せよ。秋年闘争にたたかいを引き継ごう」と呼びかけました。
 その後、公務労組・岸田幹事(国公労連書記次長)は、「このまま勧告が実施されれば、12月の一時金は、総報酬制による負担増、0.25月の削減、賃下げ遡及による『減額調整』のトリプルパンチとなる。たたかいの舞台は政府との交渉にうつる。公務労組連絡会と国公労連は、本日、ただちに政府に要求書を提出し、賃下げ勧告を実施しないこと、過労死も生みだす長時間過密労働の解消、非常勤職員の労働条件改善、国立病院独法化後の賃金職員の雇用継承などを求めてたたかう。怒りを力に変えて、国民との共同の旗を高く掲げて奮闘しよう」と、政府に対する要求・課題を中心に闘争報告しました。
 各代表の決意表明では、「東京都では、5800人の職員削減がねらわれ、賃金は2%カットされている。マイナス勧告は、百害あって一利なしだ。公務労働者が安心して働けるようにするのが政府の責任だ。すべての職場で集会を開き、怒りの声を結集したい」(東京自治労連・桑原さん)、「教員は、勤務時間を忘れて働いているのに、賃下げに大きな怒りを感じる。かつて、政府は、勧告を凍結したこともある。不況打開にむけた政策判断として、政府は、マイナス勧告の凍結を英断せよ」(全教本部・新堰さん)、「女性は昇格でも差別をうけ、そのうえ賃下げで『私たちは何か悪いことでもしたの?』と怒りがひろがっている。女性が働き続けていくために、賃下げ勧告の実施を許さないたたかいを進めたい」(国公労連女性協・清水事務局長)などの発言がつづきました。
 自治労連の田坂中執の発声でシュプレヒコールをおこない、最後に、堀口副議長の団結ガンバロウで一連の行動を終えました。
以上

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