国公FAX速報 2003年7月31日《No.1431》
3500人が怒りの人事院包囲!
マイナス勧告阻止第3次中央行動

 本日、国公労連は、公務労組連絡会・全労連・春闘共闘に結集し、夏季闘争第3次中央行動にとりくみました。
 中央行動では、29日から連日たたかわれてきた人事院前座り込み行動と連結させ、大規模な人事院への要求行動、各省へのいっせい要求行動など「霞が関総行動」を展開、総決起集会でマイナス勧告阻止への決意を固めあい、銀座パレード(デモ)で道往く人々に「賃下げの悪循環をくい止めよう!」とアピールしました。
 貸し切りバスで上京した宮城・長野をはじめ全国から公務・民間あわせて3500人(国公の仲間は2000人)が参加、夏季闘争の節目にふさわしい大行動となりました。

賃下げ不況の“悪魔のサイクル”を断ち切れ

 午前中は、3日目となった座り込み行動を実施し、引き続いて、人事院前に大勢の仲間がつめかけるなか、12時すぎから中央行動がスタートしました。うっとおしい雨の日が続く毎日でしたが、この日は青空ものぞき、やっと照りつける夏の日差しが帰ってきました。
 主催者あいさつした公務労組・石元議長は、「本俸・手当・一時金のトリプル削減の最悪勧告は断じて許さない。これでは、国民生活悪化の悪循環になる。こうしたなか、全国各地で公務・民間の共同がひろがっている。そのことを確信に、最後の最後までたたかいぬいて、自分たちの手で情勢を変えよう」と力強く訴えました。
 民間組合を代表して激励にかけつけたJMIUの生熊委員長は、「千葉労連の『最賃生活体験』のとりくみでは、最低賃金では生活できないことがはっきりした。最賃据え置き答申が出され、このうえマイナス人勧では、生活悪化はますます深刻になる。労働法制改悪反対のたたかいでは、世論とともにたたかえば要求は前進することを証明した。民間労組もともにたたかう」とエールを送りました。
 その後の情勢報告では、この間の人事院との交渉内容を中心に、国公労連・小田川書記長が勧告をめぐる最新の情報を報告しました。小田川書記長は、「各種手当の削減など、『在庫一掃セール』ともいえる改悪だ。マイナスの調査結果が出たから下げるのでは、もはや『代償措置』とは言えない。脱法行為の賃下げの不利益遡及は、何回くり返しても、脱法行為だ。最後の最後まで、ねばり強くたたかおう」と呼びかけました。
 各単産の決意表明では、「40度以上のプレハブの中で学童保育に奮闘している仲間がいる。人事院は、クーラーの利いた部屋で電卓たたいて、勝手な賃下げの数字をつくるな!たとえマイナス勧告が出ても、それをはね返す秋のたたかいに全力あげる」(大阪自治労連・先山さん)、「新指導要綱により、押しつけ授業や研修がすすみ、本来の教育ができず下請けになっている。教員の長時間勤務の解消は急務だ。民間賃金がきびしいと言うが、生産性が上がっているなかで、理屈の通らない賃下げがくり返されている。人事院は、当たり前の算数がわからないのか!」(富山高教組・堀内さん)など、怒りの言葉が次々と人事院にぶつけられました。
 こうした発言がつづくなかも、ぞくぞくと仲間たちが各地から到着し、人事院前は、通りをはさんだ日比谷公園前の歩道もふくめて、行動参加者であふれました。
 人事院を包囲した仲間の思いを一つにして、国公労連・井上書記の発声でシュプレヒコールを人事院にぶつけ、人事院前の大要求行動を閉じました。
 その後、行動参加者は、人事院・総務省・財務省・文部科学省に分かれて、各省に対するいっせいの要求行動に移りました。

  人事院前(パート2)
地元商店会も公務員の賃下げに反対している


 人事院前行動(パート2)では、主催者を代表して公務労組・堀口副議長(国公労連委員長)は、「29日から3日間、民間の仲間と一体となって座り込み、人事院を包囲し、全国各地でも共同が広がっている。いま問われているのは、人事院が小泉構造改革の国民生活犠牲・賃金抑制政策に迎合するのか、公務労働者をはじめとする働くものの利益擁護の立場に立つのかだ。昨年のマイナス勧告は、公務労働者の生活悪化、労働者全体の賃金カット、年金・最賃・生活保障基準引き下げなどの口実として利用された。人事院は公務労働者の生活と労働の実態を直視すると同時に、社会的責任を果たすべきだ」とあいさつしました。
 連帯あいさつで全農協労連・老田委員長は、「農協関連で働く仲間は人勧準拠だ。マイナス勧告が出されると大きな悪影響が出る。みずからの問題として、公務のみなさんとしっかりスクラムを組み、マイナス勧告阻止へがんばりたい」と述べました。
 決意表明では、「人事院の地域給研究会は、地方の公務員は民間より賃金が高いことを問題にしているが、地方には下請け零細企業が多く、長期不況による工場閉鎖やリストラが吹き荒れている。地域経済にさらなる打撃を与える地方の公務員給与の改悪を許さないたたかいをすすめたい」(全気象東北地本・佐々木さん)、「長野県の公務の仲間は、全国キャラバン行動の要請で自治体に何度も足を運び53自治体で民主的公務員制度の確立を求める請願採択を勝ち取った。通常国会で公務員制度改悪を断念させたように、国民共同を広げてマイナス勧告も断念させよう」(全建労長野国道支部・戸沢さん)、「29日から連日座り込みに参加したが、改悪ばかりを強行しようとする人事院に対して日増しに怒りが高まっている。職場の仲間は、年々業務量が増大し複雑困難性が増している中で、行政サービスを低下させまいと懸命にがんばっている。こうした仲間の生活を守るため総力をあげてたたかう」(全労働・高木副委員長)、「今月の15・16日、人事院中部事務局包囲行動を、民間からの多数の参加で成功させ、マイナス勧告阻止へ共同が大きく広がっている。また県国公独自に商工会議所や商店会にも要請したところ、『公務員賃下げは商売に大打撃を与え、地域経済をさらに落ち込ませるので絶対反対だ』との声も出された」(愛知県国公・花岡副議長)、「私は139人の原告の仲間とともに、「不利益遡及は許さない!国公権利裁判」をたたかっている。近畿では28人の原告を先頭に春から街頭宣伝行動を重ね、最賃引き上げの課題と結びつけて発展させ、“人勧と最賃の引き下げは全労働者への攻撃”という認識が民間の仲間も含め共通のものとなった。正義は我にあり!断固たたかおう!」(国公近畿ブロック・滝口議長)など、職場のたたかいに裏付けられた力強い発言がつづきました。

賃金改善署名28万4千筆を人事院へ提出

 13時から公務労組・岸田幹事(国公労連書記次長)を先頭にした要請団が、6月からとりくんできた「賃金改善署名」を人事院に提出しました。
 要請行動には、全教・山口書記次長、大阪自治労連・先山書記長、国公九州ブロック・伊藤事務局長が参加し、マイナス人勧は断じて許さないとの切実な思いをこめて、集約した署名第2次提出分22万6954筆(合計28万3807筆、国公は12万7442筆)を人事院へ提出しました。

  財務省前
地方切り捨ての「三位一体の改革」を打ち砕こう


 財務省前前要求行動では主催者あいさつにたった国公労連・山瀬副委員長は、「この間、地方切り捨ての『三位一体改革』、義務教育費の国庫負担金の大幅削減、年金経費など社会保障の圧縮など、国民生活関連予算を削減する考え方などが出されている。また、国家公務員の諸手当については、財務大臣がその改廃を明言、行革推進700人委員会が財務省に見直しを要請するなど、労働条件を悪化を率先して行おうとしている。労働条件予算の拡充、独立行政法人での自主性・自律性の確保、国民本位の民主的財政の確立のためたたかおう」とのべました。
 連帯あいさつで全信労・貝之瀬副委員長は「中小企業の多くで融資を受けられず、倒産に追い込まれるという事態がおきている。日本の多くの労働者が働いている中小企業を、国としてしっかりと支援し、倒産による失業者をなくすことが必要。不況を打ち破るため、賃金を引き上げ、国民の購買力を高めよう」と激励しました。
 決意表明では、「裁判所の予算は国家予算のわずか0.39%、裁判官はいつも200〜300件の事案を抱え、職員・施設が不足している。『司法制度改革』が進められるなか私たちは、時間や費用がかからず、国民が利用しやすい裁判制度を求めるとともに、そのための適正な予算配分を求める。」(全司法・藤原書記次長)、「全国9税関には、約8千人の職員が働いている。毎年約600人の職員が人事異動で転勤となり、大体が単身赴任となる。金銭的にも困難が多く、調整手当の異動保障がなければ人事異動も難しくなる。水際での取り締まりを強化するためにも、異動保障の改悪を阻止しよう」(全税関・古木名書記長)、「ただ働き残業が横行している。職員に働かせておいて、金を使用者が払わない、これは明らかな犯罪だ。全運輸も、マイナス勧告阻止、要員の確保など身近な要求と国民的課題とで、精一杯奮闘する」(全運輸・宮垣書記長)、「小泉首相の登場以来、特殊法人改革がすすめられてきた。セーフティネットとして、特殊法人事業が必要にもかかわらず、その役割を抹殺しようとしている。また、賃下げ勧告は私たち特殊法人の職員にも直接影響する。ともにたたかおう。」(特殊法人労連・竹内事務局長)などの発言をうけ、最後に国公労連・後藤中執が「労働条件予算を拡充せよ」「地方切り捨ての三位一体の改革反対」「消費税大増税反対」と財務省にシュプレヒコールをぶっけました。

 総務省前
突然の合併協議〜市町村合併の押しつけに反対する


 総務省前行動では、公務労組・松本幹事の司会進行のもと主催者あいさつした駒場副議長(自治労連委員長)は、「夏季要求でこの間3回交渉協議をしてきたが、人勧を維持尊重するとの回答を繰り返しているが、今年の人勧も昨年を上回るマイナス勧告が想定されている。総務省は使用者としての責任をはたせ」と述べました。
 連帯あいさつした東京公務公共一般・志田書記次長は、「東京の自治体で働く臨時・パートなどでつくっている組合だが、公務員賃金が下がると影響が出てくる。時給900円前後年収200万にしかならない人たちがたくさんいる。厚生労働省の指針では正規とパートの格差はあってはならない。マイナス人勧とも結合して力の限りたたかおう」と激励しました。
 決意表明では「自治労連では市町村合併の問題に取りくんでいるところだが、岡崎市で3月には話題にもなっていなかったが、額田郡との合併協議に入ってきた。愛知・飛島村では合併しませんと宣言している。一方的な市町村合併の押し付けはやめよ」(自治労連愛知県本部・福田さん)、「郵政公社当局が賃下げをねらうもと、6月17日にマイナスの仲裁裁定が出された。明日からマイナス配分交渉に入るが、事業をどれひとつとってもマイナス勧告を出す状況にない。賃金の悪循環を断ち切るために奮闘する」(郵産労・田中委員長)、「たび重なる賃下げ勧告でどこに怒りをぶつけてよいのか。総務省・政府はきちんと対応してほしいと切に願う。公務員制度改革にたいして断固たたかう決意だ」(全通信中国支部・唐内さん)などの発言がありました。

   総決起集会
国公宣隊「訴えたんジャー」が東京で大暴れ


 各省への要求行動を終えた参加者は、日比谷野外音楽堂での「夏季要求実現7・31総決起集会」の会場に集合しました。
 会場では、デキシージャズバンド「デキシーランブラーズ」の軽やかな演奏が仲間たちを出迎え、14時すぎから決起集会が始まりました。
 主催者を代表して全労連・大木副議長(全労連・全国一般委員長)は、「今春闘では、財界は、本格的に賃下げのアクセルを踏み込んだ。そうした攻撃をはね返そうと、公務のみなさんは、最賃闘争と人勧闘争を結びつけるまさに画期的なたたかいをすすめた」と仲間たちの奮闘に敬意を表し、国民共同の運動の発展を強調しつつ、「弱肉強食の社会ではなく、人間を大切にする社会をめざしてがんばろう」とあいさつしました。
 激励にかけつけた農民連・笹渡事務局長からは、「マイナス勧告は全国民に対する攻撃であり、農民にとっても重大だ。小泉内閣の『コメ改革』は、農民を40万人にリストラする究極のコメつぶしが目的だ。小泉改革の本質がいよいよ明確になるもと、マイナス勧告阻止と国政転換のたたかいとを結んでがんばろう」と力強い連帯のあいさつがありました。
 公務労組・若井事務局長の闘争報告では、夏季闘争の到達点や、「公務員制度改革」関連法案の国会提出を阻止したたたかいなどが報告され、「歴史をきりひらく壮大なたたかいをつくりだしてきた。その到達点に立って、最後の瞬間までたたかいぬこう」と呼びかけました。
 決起集会の“目玉”は、公務各単産が練りに練ったパフォーマンス。トップバッターの国公労連は、青・赤・緑・黄・ピンクの「宣伝強化スーツ」で身を包んだ「訴えたんジャー」の5人(実は兵庫県国公の仲間)を舞台に登場させ、「やる気なしシャワー」で団結する意欲やたたかう意思をなくそうとたくらむ悪人「ゼニソン(銭損?)」をコテンパンに退治するという寸劇を披露しました。
 「総対話ウエーブ」「署名クラッシュ」「大運動アタック」「街頭宣伝キック」「創意と工夫のダブルパンチ」と、訴えたんジャーの繰り出す技は、どれもいたってマジメなものばかりなのに、会場は爆笑の連続でした。ラストの決めのポーズの場面では、国公近畿ブロックの仲間から常勝・阪神タイガースの「ジェット風船」も空に舞い上がるとともに、同じ戦隊仲間?の「疲労戦隊クルシンジャー」のトリオ(実は全法務広島支部の仲間)も応援にかけつけ会場を盛り上げました。
 2番手の全教は、「フニクリフニクラ」の替え歌で、「マイナス人勧は許さない」を合唱しました。「♪公務も民間も、人事院へ怒りをとどけましょう」とリズムに合わせて呼びかけました。
 その後、民間を代表して、東京と首都圏の県労連代表が「1分間発言」し、そのなかで、神奈川の706分のハンガーストライキや、朝日新聞でも報道された千葉労連の最賃生活体験などが紹介されました。
 最後は、自治労連の仲間が横断幕やノボリ旗をかかげて舞台のうえに整列し、松本中執が代表して、自治労連がとりくんだ「意見書広告」の反響などについて報告し、たたかう決意を述べました。
 シュプレヒコールでは、国公労連が用意した「ジェット風船」を片手に、自治労連・佐藤中執の発声で元気よく声を上げ、最後に公務労組・石元議長の閉会あいさつと団結ガンバロウでしめくくり、参加者は、「デキシーランブラーズ」を先頭に、銀座パレードへと出発しました。
 銀座パレードでは、夏休みで子どもたちも多く、そのなかをビラを配りながら歩く「訴えたんジャー」の姿はひときわ目を引きました。
 29日からの座り込み行動をふくめて、中央行動に参加されたたくさんの仲間のみなさん、奮闘ご苦労さまでした。また、激励のメッセージを寄せてくださった仲間のみなさん、ありがとうございました。3日間の行動の成功をバネに、職場・地域で、さらに共同を広げ、賃下げ不況の“悪魔のサイクル”を断ち切りましょう。
以上

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