国公FAX速報 2003年7月9日《No.1414》
 人勧・最賃で初の共同行動を終日展開
 公務・民間の仲間1500人が結集

 本日、国公労連は、公務労組連絡会・全労連に結集して、公務員賃金の改善、最低賃金引き上げ、民主的公務員制度の確立などの課題をかかげ、夏季闘争第2次中央行動にとりくみました。全労連の「最賃デー」行動とも結合し、民間の仲間が厚生労働省前でロングランの座り込み・ハンガーストでたたかうなか、昼休みの人事院前行動をはじめ、総務省・行革推進事務局への要求行動、総決起集会、国会請願デモ、国会議員要請で奮闘しました。この日の行動には、国公労連から800人、公務・民間の仲間あわせて1500人が結集しました。

★人事院・厚生労働省を取り囲んで要求行動

 梅雨の最中の行動とあって天候が心配されましたが、雨も降らず、終日、曇り空のもとでの中央行動となりました。
 全労連「最賃デー」の行動として、早朝は、駅頭や霞が関官庁街などで宣伝行動がいっせいにとりくまれ、国公の仲間は、霞が関での早朝宣伝に結集し、この日の中央行動をスタートさせました。また、厚生労働省前では、神奈川労連の民間の仲間を中心に30名が「怒りのハンガースト」を午前8時半から決行。こうした民間の仲間の行動とも一体となって昼休みに人事院前の要求行動が公務労組連絡会主催で開始されました。
 主催者あいさつした公務労組・石元議長は、「人勧・最賃のたたかい、民主的な公務員制度確立、さらには、平和課題をめぐってイラク特措法案のたたかいがヤマ場をむかえている。こうした重要局面での中央行動で奮闘し、不況打開、国民生活改善を勝ちとろう」と参加者に訴えました。
 民間労組を代表して、全労連全国一般の大木委員長(全労連副議長)があいさつし、「まともな賃金支払え!という切実な要求のもと、公務・民間が力を合わせて賃金の底上げを求める今日の行動は、画期的なとりくみだ」とし、「現行の最低賃金は、生命の維持さえ困難な金額だ。まともな人勧、まともな最賃は、多くの国民の願いであり、国民・労働者がともに力を合わせてがんばっていこう」と激励しました。
 人事院勧告を中心に闘争報告した公務労組・若井事務局長は、人事院・総務省との交渉経過を報告しつつ、「民間準拠」にあくまで固執する人事院の姿勢をあらためさせるために、「賃金改善署名」の目標達成が重要となっていることを強調し、「世論と大義はわれわれにある。職場や地域から署名を集めきろう」と呼びかけました。
 決意表明では、公務から民間へマイクをバトンタッチし、「当局は、超過勤務予算の縮減をすすめ、いっそうの労働強化をせまっている。全国2600人の非常勤職員のなかには、最低賃金を下回る職員もいる。公務員賃金改善を求め、大臣にも申し入れる」(国公労連を代表して全建労・葛西書記長)、「賃金が人勧準拠の公立病院では、労使協議をふみにじり、一方的に賃金が切り下げられている。人間らしく生き、働くルールの確立を求めてたたかう」(日本医労連・前川書記長)、「人勧も出ていないのに、賃金カットが6月議会で強行された。1000名規模の交渉、4万人の署名にとりくんできたが、夏から秋へとこれからも断固たたかいぬく」(自治労連千葉県職労・宇内さん)、「大手スーパーの24時間営業は世界的にも前代未聞だ。その7・8割をパート労働者がささえている。最賃の引き下げは、パート時給カットに直結する。人勧・最賃のマイナスを許さないため、公務の仲間とも手を組んでがんばる」(生協労連・桑田委員長)など、怒りと決意にあふれた発言がつづきました。
 最後に、人事院・厚生労働省の庁舎にむけて、参加者全員がシュプレヒコールをぶつけ、たたかう決意を力強く示しました。

★使用者としての責任を果たせ〜総務省前行動

 その後、公務労組連絡会の参加者は、総務省前と行革推進事務局の二手にわかれて、要求行動をつづけました。
 総務省前行動で主催者あいさつした公務労組・駒場副議長は、直前におこなわれた総務省交渉の模様も紹介しながら、「マイナス勧告による賃下げの悪循環を断ち切るため、人事院とともに、使用者である政府・総務省を包囲しよう。また、公務員制度でも、行革推進事務局が関連法案提出をねらうきわめて重大な局面をむかえている。ILO勧告にもとづき、政府には、意味のある交渉・協議を求める」とのべ、激励・連帯あいさつで駆けつけた全労連全国一般の福本書記長からは、「昨年の人勧マイナスで、『公務員の賃金が下がってるのに、ましてや、うちの会社では賃上げなど無理』などと経営者が賃金カットしてきた。みなさんといっしょに、今年は本腰入れてたたかいたい」と決意がのべられました。
 公務労組・岸田幹事(国公労連書記次長)の闘争報告では、夏季闘争の経過と重点課題が簡潔に述べられ、「賃金改善署名」や最大規模で配置している「7。31中央行動」の成功などが訴えられました。
 決意表明では、「ボーナスの手取り金額を見て、怒りがこみ上げてきた。このまま黙っていてはいけない。地域の声を尊重し、市町村合併の押しつけを許さず、地域の人たちといっしょにたたかいぬく」(自治労連本部・高坂さん)、「阪神にマジックが灯っても、大阪の失業率は高く、地域経済は大変だ。窓口では、年金が減ったと苦情が寄せられる。これほど、マイナス勧告の影響を感じたことはなかった。国民の中へ打って出るたたかいをすすめたい」(全厚生大阪支部・津川さん)、「不況で学校に行けない子どもたちが急増している。子どもの夢まで壊すのが小泉改革だ。公務員賃金は断じてマイナスにできない。賃金改善署名に奮闘したい」(全教本部・八巻さん)、「郵政公社が発足し、当局が賃下げをねらうもと、6月にマイナスの仲裁裁定が出された。それが、今度は人勧や最賃にも影響する。不況の悪循環を断ち切るため、公務労組連絡会の運動に結集する」(郵産労本部・日巻さん)など、各職場の実態もふまえた発言がつづきました。

★暴走はじめた行革推進事務局に怒り満身

 行革推進事務局前の要求行動は、開口一番、「暴走はじめた推進事務局!我々との約束も、国際ルールも破り、一方的な改悪策動に血道をあげる推進事務局!これが制度改革を行おうとするもののやることなのか。怒りの要求行動を展開しよう」と、公務労組・先水幹事(国公労連中央執行委員)の怒りと気迫あふれる司会でスタートしました。
 主催者あいさつに立った公務労組・堀口副議長(国公労連委員長)は、「推進事務局は、交渉・協議の不十分なままの一方的な閣議決定はしないなどの我々との合意事項を破って、今月2日、各省に対して、国公法改正や能力等級にかかわる関連法案を提示し、非公式と称する協議を開始した。しかし、矛盾を深め、追い詰められているのは、推進事務局だ。ILOは昨年11月の勧告に続いて6月20日に再勧告。この流れでマスコミも批判を強めている。今月5日付の毎日新聞社説では、政府の改正原案は公務員制度の改悪だ、人事院の機能を縮小するなら労働基本権を与えるべきとし、政府のメンツのためだけに法案を提出するな、改革は一から出直せと断罪している。いま推進事務局に求められているのは、職員の納得性と国民の納得性、そして、ILOが納得する国際ルールにそった改革だ。民主的公務員制度の確立へ、たたかいをいっそう発展させよう」と怒りを込めて述べました。
 厚生労働省前の最賃座り込みからかけつけた全労連・国分事務局次長は「推進事務局が性急に法案化をすすめる理由は、議論をすればするほど、なんら改革にあたいしないものであることが暴露されることを恐れているからだ。天下り特権官僚が何千万円もの退職金をもらい続けることを改善するどころか、天下りを自由化するなど許されない。能力・実績にもとづく人事管理は恣意的な評価で、公務労働者を個々に分断して、労働組合の団結を破壊し、もの言わぬ公務員をつくるものだ。なによりも公務労働者の働くルールの確立=労働基本権の回復めざし奮闘しよう」と激励しました。
 公務労組・新堰幹事(公務員制度対策委員長)の闘争報告では、「いま行革事務局と人事院が火花をちらし、私たちのたたかいの中で矛盾を深めている。潔く断念すべきだ。全国キャラバン行動により127の地方議会で請願・陳情採択があがっているように、追い詰められているのは政府・行革推進事務局だ。法案を断念させるまでがんばろう」と訴えました。 
 3単産からの決意表明では、「公務員制度改革では、私たち経済産業省の職員は肩身の狭い思いをしている。それは改革が経産省主導で行われているといわれているからだ。しかし、経済と産業にかかわるものが、畑違いの制度改革に乗り出しても、うまくいくわけがない。マスコミからは、“一から出直せ”“法案の提出はやめよ”と批判され、ILOからは2度も勧告された。私たち特許庁の仲間は知的財産のグローバリゼーションの中で制度の発展のために努力しているところだ。このグローバリゼーションの時代に、国際ルールも守れないこと自体、先進国として恥ずべきことだ。推進事務局は一から出直せ!」(全経済特許庁支部・近藤さん)、「東京都の補助金削減と公務員制度改革とが一体で進められようとしている。全国キャラバンでは、全自治体訪問を進め、多摩市、桧原村が議会採択をした。政府の改革に多くの方から批判的な声が寄せられている」(東京自治労連・野村さん)、「昨日も大阪の2カ所の繁華街で、官民一体でマイナス人勧阻止、公務・民間の賃下げ・不況の悪循環を許すな!と宣伝行動を展開するなど共同が広がっている。勤評・成績主義は教育現場になじまないし、教育を悪くするもの。父母、国民との共同ではねかえしていきたい」(大教組・久家さん)などの発言がつづきました。
 最後に国公労連・山谷中央執行委員の「全国の仲間、全世界の仲間とともに、がんばるぞ!」というILO勧告をふまえたグローバルなシュプレヒコールの力強いリードで、推進事務局へ怒りをぶつけました。

★「人間らしく働きたい」との思いひとつに

 公務・民間の行動参加者は、最後に日比谷野外音楽堂に集まり、全労連・国民春闘共闘・公務労組連絡会の共催で「許すな!賃下げの悪循環7・9中央総決起集会」を開催しました。
 主催者あいさつした全労連熊谷議長は、「昨年はじめてマイナスになって、人勧が日本の低賃金構造を下支えしてきたことがいよいよ明らかになった。こうしたなか、人事院が今年もマイナスで腹を固めたとのテレビ報道もされており、たたかいも正念場をむかえている。また、『公務員制度改革』では、与党からも批判が出ている。労働基本権確立、人事院勧告、最低賃金を一体にしてたたかおう」と力強く呼びかけました。
 全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の島田会長が連帯あいさつし、「生活保護基準の低さは、『健康で文化的な生活』を保障していると言えるのか。小泉内閣のもとで、戦後最悪の事態をむかえているが、その背景には、賃下げや労働法制の改悪がある。労働者ルール確立の機軸となる全国一律最賃制の確立にむけて、連帯してともにたたかう」とのべ、国民生活を守る立場から労働組合への期待も寄せられました。
 つづいて、全労連坂内事務局長の闘争報告では、「今日の行動は、人事院勧告、最賃答申、そして、公務員制度課題とすべてが胸突き八丁の局面をむかえたなかでのたたかいだ。11月総選挙にむけて流れがつくられ、これからのたたかいいかんでは、要求が前進する条件も生まれていることに確信を持とう。一日一日を力いっぱいたたかって、かならず事態の変化をつくり出そう」とのべ、夏のたたかいに公務・民間が共同してたたかう重要性がひときわ強調されました。
 各組合代表からの決意表明では、はじめに、「不利益遡及」の不当性をめぐってたたかう「国公権利裁判」について、原告など4名の仲間とともに登場した国公労連・山瀬副委員長が報告。「♪史上初の〜マイナス勧告が〜出された時から〜」と『津軽海峡冬景色』の替え歌を皮切りに、「♪背伸びしてみるたたかいに〜今日も職場が燃えたぎる〜あなたビラまき〜わたし集会〜あ〜あ、国〜公権利裁判よ〜」と『港町ブルース』の替え歌などを駆使した裁判の解説に、会場から笑いと拍手が沸き起こり、「NTTリストラの問題などとも結合させ、組織の総力をあげてたたかいぬく」と決意が述べられました。JMIUの生熊委員長は、「賃下げや成果主義賃金によって日本の物作り技術が低下している。そのなかで、どれだけ国民世論を獲得するかに勝利の道がある。働く仲間の雇用・賃金を守るため奮闘しよう」と決意表明しました。
 神奈川労連の水谷事務局長は、朝からつづいている厚生労働省前の「ハンガーストライキ」の仲間たちをしたがえて登壇し、時給664円の最低賃金に抗議する意味を込めて「664分」のハンガーストを30人で決行したことを紹介。「昼すぎにすでに2人が脱落し、28人になった」との報告に会場は爆笑しましたが、神奈川の仲間たちの奮闘に共感の大きな拍手が寄せられました。
 最後に、全教・東森書記長が登壇し、「文部科学省は、能力別学習でエリート教育に重点を置いている。国庫負担金も削減されるなかで、国民との矛盾を深めている。キーワードは、憲法にそむくのか、憲法をいかすのかにある」とのべ、教育基本法改悪などに反対してたたかう決意を表明しました。
 決起集会は、公務労組・石元議長の閉会あいさつのあと、参加者全員で力強くシュプレヒコールを繰り返し、その後、国会請願デモへと出発しました。

★賃金改善署名5万7千名分を提出

 中央行動では、「賃金改善署名」の第1次分集約として、各単産から集められた合計で5万6853筆(国公労連は2万5993筆)の署名を人事院に提出しました。
 7月31日の第3次中央行動には、第2次分の署名を集約して人事院に提出します。「マイナス勧告」は絶対許さない強い決意を示すため、さらに多くの署名集約にむけてがんばりましょう。
以上

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