国公FAX速報 2003年6月6日《No.1399》

公務員制度関連法案の閣議決定は許さない!
全国キャラバンの成功ふまえさらに共同広げよう
夏期闘争第1次中央行動★キャラバン集結集会ひらく

 政府・行革推進事務局が、「公務員制度改革関連法案」の閣議決定・国会提出を狙う緊迫した情勢のなか、本日、国公労連は、全労連・公務労組連絡会に結集して、全国キャラバン行動の集結集会もかねた03夏期闘争第1次中央行動を実施しました。行動には、国公から500名(全体で1000名)の仲間が参加しました。




国公独自の早朝宣伝・総務省前行動からスタート

 初夏を思わせる汗ばむ陽気のなか、国公労連・各単組は独自の行動として、早朝から各本省庁前・霞が関一帯で宣伝行動にとりくみ、前日の拡大中央委員会に引き続いて参加した各ブロック・県国公の仲間もまじえて、2万枚の宣伝ビラを配布し、「関連法案の閣議決定・国会提出は許さない!政府は国際ルールを守れ!」と1時間にわたって訴えました。
 早朝宣伝に続いて、独自の総務省前要求行動を10時から実施。冒頭、山瀬副委員長は、「きょうの中央行動では、(1)関連法案の閣議決定を阻止し、労働基本権の回復などILO勧告にもとづく民主的公務員制度の確立をめざすこと、(2)全国キャラバン行動の集結のとりくみとして、さらなるたたかいの発展を期すること、(3)有事法案、労働法制改悪をはじめとする小泉改革の悪政に反対し、雇用・くらし・平和を守るたたかいを展開すること、この3つの課題を中心に奮闘しよう」と主催者あいさつしました。
 闘争報告で小田川書記長は、「中央人事行政は、人事院だけでなく、総務省にも、各省の調整をする立場での役割、使用者責任が求められている。しかし、総務省は公務員制度改革では責任逃れに終始し、また、かりにマイナス勧告となれば再び不利益遡及もしょうがないと言い放ち、非常勤職員の労働条件の問題は各省の管理権限だと答えるのみだ。重要な問題は責任放棄し、具体的な問題は各省に逃げている。総務省は使用者責任を果たせ!」と述べました。
 つづいて、ブロック代表の決意表明では、「“えりもの春は何もない”と森進一は歌ったが、北海道〜東京コースは、えりも岬からスタートした。全国町村会の役員をされていたえりも町長との懇談を皮切りに、自治体要請では、政府による町村合併や地方交付金削減など、地方いじめの悪政に対する怒りが語られるとともに、『政府がILO勧告・国際ルールを素直に受け入れないことは不満だ』という声も出されるなど、キャラバン行動で対話と共同が広がった」(北海道国公・佐藤議長)、「5月はキャラバン行動に全力をあげた。秋田では、全自治体に要請を行い、地域経済が悪化するなかで、国民・住民サービスが低下することにつながる改悪は許してはいけないという私たちの訴えに共感が広がるとともに、キャラバンに参加した仲間からは自らの運動方向に確信が持てたとの声が出された」(東北ブロック国公・後藤事務局長)、「三重での宣伝カーが入ってのキャラバンは5月30日だったが、事前の5月8日の学習会の開催を皮切りに奮闘してきた。三重の中小企業同友会にも要請したが、私たちが天下り禁止を求めていることなどに共感が広がった。県国公としては初めての要請行動となったが、対話することの大切さを痛感した」(三重県国公・臼井議長)、「一週間かけ、キャラバンは九州を縦断した。各県で多彩な行動が展開されるとともに、参加した仲間からは、私たちの主張=国際ルールにそった労使協議による民主的な公務員制度の確立は、ごくあたり前のことで、誰でも話せば納得してもらえることだという確信が広がった」(九州ブロック国公・伊藤事務局長)と、それぞれキャラバン行動で大きな成果があったことが語られました。




政府・行革推進事務局は国際ルールを守れ!

 総務省前行動の後、国公の仲間は、行革推進事務局前に移動して、全労連「公務員制度改革闘争本部」主催の要求行動に合流。主催者あいさつした公務労組連絡会・駒場副議長は、「6月2日から19日までILO総会が開かれるもと、ILO勧告にもとづく公務員制度の実現を政府に迫ろう。マイナス勧告を許さず、最賃、人勧、賃金底上げを三位一体にして、官民共同でかかたおう」と呼びかけました。
 闘争報告にたった公務労組・新堰(しんせき)幹事(公務員制度対策委員長)は、「私たちのたたかいやILOの勧告は、公務員制度の矛盾を明らかにし、法案をいまだに出させていない。しかし行革推進事務局の執念にかわりはない。全国キャラバンを力に、民主的公務員制度確立をもとめてたたかいを強めよう」とのべました。
 各単産の決意表明では、「この改革は能力・成績主義を職場に持ちこもうとするのもであり、たとえば職業安定所ならば、紹介しやすい企業にどんどん紹介していくことになる。許すわけにはいかない」(全労働・小西中執)、「『国民の暮らしを支える公務員制度改革を』と朝日新聞に全面意見広告を掲載したところ、こんなまともな組合もあったか、感心する。怒りで満身の思いだとの意見もよせられた」(自治労連・松本中執)、「悪法のしめくくりとして教育基本法改悪がねらわれている。戦争をする国をささえる国づくり、もの言わぬ教職員づくりと公務員制度改悪はまさに一体のものだ」(全教・石川副委員長)など、「公務員制度改革」を許さないたたかいを悪法阻止と一体でたたかうとの発言がつづきました。
 参加者は、最後に、法案提出をねらう行革推進事務局にむかって力づよくシュプレヒコールを繰り返しました。



有事法制を阻止するたたかいはこれから

 11時30分からは、日比谷野外音楽堂で、全労連・公務労組連絡会など4者の共催による「悪法阻止、働くルール・民主的公務員制度確立6・6中央決起集会」が開催されました。公務・民間の仲間をあわせて1000名が参加しました。
 全労連・熊谷議長の主催者あいさつでは、「まさにいま、有事法案が参議院本会議で採決されようとしている。法律ができても、たたかいはこれで終わったわけではない。発動させないたたかいが重要だ」とのべつつ、労働法制改悪や「公務員制度改革」でのとりくみ強化を呼びかけました。
 各団体からの発言では、「労働基準法改悪法案を修正させたのは、たたかいの大きな成果だ。引き続き、有期雇用の延長や裁量労働の拡大を許さずたたかいぬく」(全労連・井筒幹事)、「『公務員制度改革』法案提出をめぐって、政府にはあせりがある。『改革』の息の根をとめよう。マスコミも『一から出直せ公務員制度改革』といっているように常識のない暴走はやめよ。大義と展望は我にあり、力をあわせて歴史をつくっていこう」(国公労連・堀口委員長)、「有事法案は、柱を立てただけだ。200を超えると言われる関連法案を阻止し、さらには発動を阻止するたたかいはこれからはじまる。半世紀以上にわたって憲法9条を守ってきた。ともにたたかおう」(憲法会議・川村事務局長)、「4月3日から国立大学法人化法案の審議がはじまり、問題点が浮き彫りになるなかで、4野党がすべて法案に反対している。12団体で結成する連絡会が今日の運動をつくりだした。これからが正念場、引き続きたたかう」(全大教・三宅副委員長)など、悪法阻止の決意がのべられました。
 この間の緊迫した情勢と行動提起を全労連寺間幹事がおこなったあと、国会へむけて請願デモに出発しました。
 デモ行進の解散後、全労連は、12時すぎに有事関連法の成立が強行されたばかりの国会前に陣取り、労働組合・市民団体などがそれぞれにシュプレヒコールをあげ、警察が警備をかためる騒然とした雰囲気のなかで、座り込み行動に入りました。
 また、公務労組連絡会の各単産は、座り込みと並行して、衆・参の全議員を対象にして、「公務員制度改革」にかかわって要請行動に入り、法案の一方的な閣議決定に反対し、政府追及を強めるように議員事務所を訪問して要請しました。



地方代表から「キャラバンをやって良かった!」と
確信に満ちた報告〈キャラバン集結集会〉


 14時30分からは、社会文化会館ホールで「関連法案閣議決定阻止、労働基本権確立、全国キャラバン行動集結−民主的公務員制度めざす6・6総決起集会」が開催されました。 集会では、全労連「公務員制度改革」闘争本部の生熊(いくま)副本部長が主催者あいさつし、「国民世論をひろげるため、大きな構えが求められており、力を合わせてがんばろう」と呼びかけました。
 また、公務労組連絡会の若井事務局長(闘争本部事務局次長)の闘争報告では、「キャラバン行動が初期の目的を立派に達成したことに、大きな確信を持とう。『マイナス勧告』を許さないたたかいとも結合させて、夏季闘争における運動の前進にむけていっそう奮闘しよう」と提起しました。
 その後、5名の地方代表から、各地での経験が報告されました。「県内の69自治体をわずか1日で要請した。すべて足で回って議会請願した。その結果が今から楽しみだ。公務員は、清潔であり、頼りがいがあってほしいと県民が願っている。これからも住民の声を大切にして奮闘する」(秋田県公務共闘・加賀屋事務局長)、「10日間、網の目キャラバンにとりくみ、自治体・議会要請、シンポジウムにとりくみ、キャラバンカーが来れば、全県を宣伝行動で回った。神奈川の公務共闘が力を持っていることを確信した」(神奈川公務共闘・河野事務局長)、「広島に新しい公務労組連絡会が結成された。今年の夏のたたかいは、民間組合とも手をつないでがんばりたい。まだ生まれたばかりだが、全国の教訓に学び奮闘する」(広島公務労組連絡会・川后(せんこう)事務局長)、「実際に自治体などに要請してみて、自分たちの要求がまっとうなものであることがわかった。ILO勧告までも無視する政府の姿勢こそ異常だ。悪政を推進する公務員づくりを許さないため、キャラバン行動を足がかりにしてがんばりたい」(国公九州ブロック・伊藤事務局長)、「連合・自治労の組合を訪問し、いっしょにたたかおうという意思確認ができた。沖縄に公務労組連絡会をつくりたい」(沖縄県国公・山城議長)など、いろいろ苦労をしても、キャラバン行動をやって良かったという確信あふれる発言がつづきました。
 最後に、公務労組・石元議長(闘争本部副本部長)が閉会あいさつし、「全国キャラバンは、立場をこえて、悪政への怒りを共有でき、それが、共同へと発展させた。『公務員制度改革』をめぐる緊迫した情勢を職場・地域に伝え、閣議決定を阻止しよう」とよびかけ、参加者は団結ガンバロウを三唱して、集結集会の幕を閉じました。


以上

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