国連主導によるイラク復興の早期実現、
いのち、くらし、平和を守る運動をいっそう強める (談話)

 米英両政府は、国連決議を無視した攻撃によってイラク政権を崩壊させた。この戦争の無法性と、非人道的な犯罪行為に対する重大な責任は、いささかなりとも免罪されるものではない。
 すでに、イラク戦争の死者は数千人にもおよび、悲しく痛ましい状況になっている。罪のない尊い人命が奪われ、深い傷を負い、重要な施設や遺跡などが破壊され、国土全体の環境にも多大な荒廃をもたらしている。国際法に反するアメリカの「一国主義」が国際社会を不安の淵に追い込み、宗教的・文化的・経済的対立を激化させている。日米安保体制維持を政治の最優先課題とする小泉内閣のもと、国内の政治・経済・社会構造のすみずみに影を落とす状況を作りだし、金融不安を最大要因とするデフレ不況・羅針盤なき「構造改革」の迷走、公務員攻撃のさらなる激化を生み出している。
 米国は戦闘を継続し、米国防総省の「イラク復興人道支援室」(ORHA)による軍事占領統治をはじめ、米軍が指名した構成員による「イラク暫定統治機構」(IIA)を発足させようとしている。イラクでは、イラク攻撃を指揮したものが「暫定統治機構」を設置することに反対し、市民2万人が抗議のデモ行進をするなど、米軍の破壊と軍事占領に強い怒りと批判が高まっている。米英軍のイラク攻撃は国連決議によらない無法な戦争であり、道理のないものである。軍事占領も何らの法的根拠もなく、無法に無法を重ねるものである。
 日本政府は、憲法の平和主義、国際協調主義に反して、イラク戦争を「支持する」といい、インド洋へのイージス艦派遣を強行するばかりか、今度は関係する省庁から「軍事占領統治機関」であるORHAへの職員の派遣を強行している。これは、無法な侵略戦争とそれにもとづく占領統治への新たな加担を意味するもので、平和主義を定めた憲法9条のもとでは認められないとしてきた政府答弁さえないがしろにするものである。
 さらに政府は、イラクへの米軍の攻撃や北朝鮮の「脅威」を絶好の宣伝材料として、「有事」への国民の不安をあおりたて、今国会で有事法案の成立をねらっている。  憲法遵守義務を負う私たち国公労働者は、このような軍事大国化への動きに強く抗議する。いのち・くらし・平和を守れの運動や、国連主導でのイラク復興を求める運動への結集をいっそう強める決意をあらためて表明する。
 
 2003年4月24日
 日本国家公務員労働組合連合会
 書記長 小 田 川  義 和

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