国公FAX速報 2003年3月4日《No.1380》

医療費3割負担凍結せよ、イラク攻撃やめよ、労働法制改悪反対、賃下げ悪循環を断ち切れ!
 03春闘3・4中央行動に7000人


 本日、国公労連は、全労連・国民春闘共闘、公務労組連絡会に結集して、03春闘3・4中央行動を実施しました。中央行動には、民間と公務の仲間あわせて7000人(うち公務3500人、国公からは2400人)が参加して、終日多彩なとりくみを展開しました。
 国公の仲間は、11時半開始の「医療費3割負担凍結、賃金職員の雇用継承、社会保障の拡充めざす厚生労働省包囲行動」からスタート。つづいて昼休みの時間帯には、東京国公の仲間が、総務省請願行動を独自にとりくむとともに、並行して日比谷野外音楽堂で開かれた全労連・国民春闘共闘・労働法制中央連絡会の3者共催による「雇用・くらし・いのち、平和を守れ!中央総決起集会」に結集。公務各単産をはじめ、建交労・全国一般・生協労連などたくさんの民間組合の旗が会場にならびました。
 主催者あいさつした全労連の熊谷議長は、「全国でひろがる運動を背景に、4野党共同で医療費3割負担凍結法案が提出された。労働法制改悪など悪法ねらう国会へのたたかいを強めよう。賃金闘争では、ストライキをふくむ闘争体制を確立し、要求前進に全力をあげよう」と述べ、春闘ヤマ場に向けたたたかいの強化を呼びかけました。
 集会には、日本共産党の穀田恵二衆議院議員、中央社保協を代表して保団連の室井会長が連帯・激励にかけつけ、穀田議員からは「医療費引き上げ凍結の運動の盛り上がりをつくったのはみなさんの力だ。4野党共同して国会のなかで奮闘する」との決意も述べられました。
 つづく各組織からの決意表明では4人が発言し、公務労組連絡会を代表して駒場議長が「国公労連は明日、不利益遡及を裁判で争うため、国を相手に提訴する。公務労組連絡会としても、労働法制改悪阻止のたたかいともむすびつけてがんばりたい」と決意を述べました。
 集会では、「民主的公務員制度の実現を求める決議」「イラク戦争反対、平和的解決を求める決議」など4本の「特別決議」が採択され、それらの決議をもってただちに各機関への要請行動がとりくまれました。最後に団結ガンバロウで集会をしめくくり、参加者は、国会請願デモに出発しました。

 ★総務省・人事院は公務労働者の暮らしと権利を守れ

 デモ解散後は、総務省・人事院・行革推進事務局前に分かれて、それぞれ要求行動にとりくみました。
 総務省要求行動で主催者あいさつに立った公務労組連絡会・堀口副議長(国公労連委員長)は、「公務労組連絡会は、2月14日に、政府・人事院に1万2000円以上の賃上げをはじめとする要求を提出し、3月の回答に向けて、交渉を強めている。賃上げによる生活改善、非常勤職員の処遇改善、超勤解消など、切実な要求が私たちの生活・職場にうずまいている。こうした中で、政府のやるべきことは、国民の生活不安をなくすことだ。しかし、政府がやっていることは、まったく逆だ。マイナス勧告を無批判に受け入れ、脱法行為である不利益遡及まで強行し、その悪影響は、民間労働者にも波及し、デフレの元凶となっている。公務労働者の賃下げが、国民に痛みを強いるテコとして活用されている。こうしたなか出されたILO勧告は、日本政府の条約違反を明確に示した。アジア諸国の労働者の権利後退にもつながる『公務員制度改革』を許さない世論を広げよう。そして、国際労働基準に違反する政府、大企業優遇・国民犠牲の“弱肉強食社会”を加速させる小泉内閣を、国民共同の輪を大きくし追いつめていこう」と力強く呼びかけました。
 つづいて、決意表明では、国公労連を代表して全司法九州地連・岩満書記長が、「福岡から上京した。完全失業率は沖縄が8.3%など、九州・沖縄の雇用情勢は厳しい。年間の自己破産が20万件を初めて超えるなど、小泉内閣になって国民生活は悪化の一途だ。総務省を紹介するパンフレットには、“国民生活をささえる官庁だ”と書いてある。それなら、国民いじめを即刻やめ、生活改善へ力を注ぐべきだ。福岡に帰って、地域に足を出し、国民本位の政治に変えるべくがんばりたい」と述べました。そして、「地域に密着して住民のために仕事をしている。公務員制度改悪が強行されても、住民は決して納得しない。共同してたたかう」(高知市職労・坂田さん)、「一般公務員の賃下げを口実に、総務省当局は賃下げを提案。03春闘要求を来週提出する。ともにがんばる」(郵産労委員長・田中さん)などの発言がつづき、最後に自治労連本部・佐藤さんのリードによるシュプレヒコールで要求行動をしめくくりました。
 人事院前行動では、公務労組・松村副議長(全教委員長)が「マイナス勧告は、人事院の自滅行為だ。第三者機関としていったいどんな役割を果たしているのか。大義は私たちにある。さらに地域の共同を大きく前進させよう」と主催者あいさつし、各単産からは、「独自に家計簿調査にとりくんできた。6割は生活実態が苦しいと答えている。賃金要求実現にむけて奮闘する」(全建労本部・上間調査部長)、「公務員の利益擁護機関としての役割を放棄する人事院は、断じて許されない。広範なみなさんとともにたたかう」(全教副委員長・長谷川さん)、「公務員準拠とは名ばかりで、民間の福祉職場では、25年間働いても20万円というおそるべき低賃金だ。処遇が改善されてこそ福祉サービス改善にもつながる。意気高くたたかいぬく」(福祉保育労・前田副委員長)など、たたかう決意が表明されました。決意表明をうけて、人事院に対して、全教本部・北村さんのリードによるシュプレヒコールをぶつけました。

 ★改革関連法案の国会提出ねらう推進事務局に怒りの行動

 これらの行動と並行して、行革推進事務局前では、「公務員制度改革」関連法案の国会提出をねらう推進事務局に対して、怒りの要求行動がとりくまれました。
 主催者を代表し、公務労組・若井副議長は「歴史的、画期的なILO勧告に対して、政府は『理解しがたい』などと居直っている。こうした態度を断固糾弾し、国内外で大きな世論をつくり、『大綱』撤回にむけて全力でたたかおう」とあいさつし、各単産の決意表明では、「公務員制度改革は、私たちの身分、労働条件だけでなく行政の執行面でも利用者・国民のためにならない。職場に無用な競争をもちこみ、上司や政府の顔色をうかがって仕事をする職場にしてはならない」(全労働九州地協・竹内さん)、「埼玉県志木市では、『構造改革特区』で、650人いる職員を、有償ボランティアを採用することで50人にする構想だ。そうした『改革』の先取りは許さない。地域住民とともにたたかう」(自治労連政策運動局長・田中さん)など、怒りの発言がつづきました。

 ★“1分間決意表明”でおたがいの奮闘を誓い合う

 3つの行動に参加した仲間は、ふたたび日比谷公園に集結し、公務労組連絡会主催の「労働基本権回復、民主的公務員制度確立をめざす中央総決起集会」が開始されました。
 折からの強風で、ロープで固定された舞台上の看板は前後左右に揺れ、会場にはためく組合旗も吹き飛ばされそうななか、高坂事務局次長の司会ではじまった集会は、駒場議長が「医療費負担凍結の決議が、40以上の県議会で採決されたように、運動の大義はわれわれにある。『公務員制度改革』が重要局面を迎えているが、労働基本権をとりもどすため全力をあげよう」とあいさつし、つづいて、全労連の國分事務局次長、民間組合を代表して通信労組の岩崎委員長から、激励・連帯のあいさつが送られました。岩崎委員長から、NTTの不当なリストラ攻撃にふれながら、「公務員制度改革の能力主義強化は、国民サービスを低下させるもの。法案が出されたら、廃案にするためたたかう」と熱いエールが送られました。
 浜島事務局長の闘争報告では、この間の総務省・人事院との交渉の経過が報告され、「民間準拠・勧告尊重」の不当な態度を許さず、最終回答までたたかいを追い上げようといっそうの奮闘を呼びかけました。
 その後、7つの単産からの「1分発言」にうつりました。各単産からは、「一方的な市町村合併に反対し、市町村長会などの決起大会が開かれた。地方・地域から共同する仲間たちとともにがんばる」(自治労連・三宅書記長)、「指導力不足教員のレッテルを張るやり方は、『公務員制度改革』と根っこは同じ。団結の力で運動を発展させよう」(日高教・北野書記長)、「特殊法人つぶしの独立行政法人化法案が国会に提出されている。非常勤職員の雇い止め、労働条件改悪を許さずたたかう。特殊法人労働者は、戦争に協力しない」(特殊法人労連・篠原事務局次長)、「春から郵政公社がスタートする。能力賃金の強化に反対しつつ、公社移行後も郵政事業のあるべき姿を国民に訴える」(郵産労本部・日巻さん)、「賃下げの強行に反対し、サービス残業の根絶をめざす。アメリカの労働組合とも連帯し、イラク戦争を許さず、平和を守るため力いっぱいたたかう」(福祉保育労・桑本書記長)、「大学法人化の法案が国会に提出され、いよいよ重大局面を迎えた。国立大学そのものの解体を許さず、みなさんの力を借りながら、全力でたたかう」(全大教・三宅副委員長)など、公務職場の仲間の声を代表した決意あふれる発言がつづきました。また、近畿ブロック国公の仲間たちが舞台に上がり、代表して秋山事務局長が、「国公労連の裁判闘争には、近畿から28名の原告を出す。全力でたたかう」と決意表明しました。
 集会は、国公労連本部の井上書記によるシュプレヒコールのあと、大橋幹事の提案で「集会アピール」を全体で採択し、最後に松村副議長による団結ガンバロウで決起集会を閉じました。
 その後、寒風をついて、単産ごとにターミナル宣伝行動にとりくみ(国公の仲間は、虎ノ門交差点と霞が関イイノビル前で宣伝)、すべての労働者の賃金底上げ、民主的公務員制度の確立を訴え、この日の行動を終えました。

 ○参加者の声

 ★全港建神戸港支部の仲間
 就職して2年目です。神戸港支部では2月から毎週水曜日に、「官」「民」「一」「体」「で」「春」「闘」「勝」「利」「!」を一文字づつゼッケンをつけて、10人が列び走るランニング宣伝行動を実施し、地域にアピールしています(ちなみに裏は全港建神戸港支部の文字)。文字どおり「官民一体で春闘勝利!」でみんながんばろう!

 ★神奈川県国公の仲間(全司法)
 〈神奈川公務共闘で作成したビックな横断幕をバックに〉3月3日〜12日まで連日、横浜市桜木町駅頭で宣伝行動を展開しています。神奈川公務共闘のみならず全労連・全国一般など民間の仲間も積極的に参加してくれるなど、今春闘で官民一体の怒りが吹き出しています。宣伝行動で配布するビラも連日「日替わり」で作成しています。今日の中央行動の感動を、明日のビラで表現したいです。これから、夜の神奈川県春闘共闘の決起集会に参加するのですが、県国公として「不利益遡及」権利裁判の意義を訴え、会場でカンパを集めてきます!

 ★奈良県国公の仲間(全建労)
 県国公としての上京団ははじめてです。今朝の新幹線では滋賀は銀世界。東京は良い天気でホッとしました。公務員制度改革問題では、もっと地方の職場の声を聞いてほしいと思います。私は「泣き寝入りはいやだ!なにか行動して、国に対してアピールしたい」という思いから、裁判の原告になりました。これから03春闘勝利、キャラバン成功をめざしてがんばりたいです。

 ★全労働北海道支部の仲間
 本日の集会で、みんな危機感をもっているんだと実感しました。私は基準監督署で働いていますが、解雇の相談件数が非常に多いですし、民間の仲間が最低賃金で働かされているなど、国民生活の深刻な実態に日々直面しています。もし労働法制の改悪がされれば、労働行政の本来の使命・役割を果たすことができません。労働法制改悪反対のたたかいとともに、13日の早朝職場集会の全員参加、たて看行動、プレート行動など春闘の諸行動に力を尽くします。

 ★全法務四国地本の仲間
 毎週水曜日(年2回)に同一の場所で「行政相談活動」を実施していますが、国民との対話も定着してきました。いま、公務員制度改革は重要な局面にきています。地本として機関紙を週1回発行し、情勢や問題点を解説するなど、組合員に必要な情報を知らせることを心がけています。本日の行動はとっても寒かったですが、参加者が大勢いて、怒りの広がりに感動しました。

 ★全経済近畿経済局支部の仲間
 公務員給与の不利益遡及に対する怒りを何らかのかたちで表したいとの思いから「不利益遡及は許さない!国公権利裁判」の原告となる決意をしました。原告として、職場や地域で奮闘したいと思っています。また、アメリカの理不尽なイラクへの武力攻撃は絶対に阻止しなければならないと思っています。

 ★全労働徳島支部の仲間
 徳島の労働基準監督署に勤務しています。労働者に対する攻撃が強くなる中で、窓口に訪れる相談者は多くなっています。そのため要員不足は深刻で増員してほしいというのが切実な要求です。賃金については、これ以上の切り下げ許せないとの思いを政府・人事院にぶつけたいと思います。

 ★全建労松本支部の仲間
 私たち公務員労働者の賃金引き上げと同時に、同じ職場で働いている非常勤職員の賃金など労働条件の改善などのとりくみも重要であり、非常勤職員とともにたたかっています。職場では係長となっていますが、定員削減の影響で係員がいないという状況で、ぜひとも増員をというのが切実な願いです。

以 上

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