アメリカのイラク攻撃に反対し、有事法制の成立阻止に向け全力をあげる決議

 アメリカによる対イラク攻撃の緊迫の度が高まっている。その状況のもと、ブッシュ米大統領の居丈高な発言とは裏腹に、国際世論は武力によらない平和的解決を求めており、イラク攻撃に反対する行動は日増しに高まっている。
 国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)および国際原子力機関(IAEA)は27日、2ヶ月間におよぶイラクの大量破壊兵器査察の状況を国連安全保障理事会に提出した。このなかで、イラクに国連決議違反の明確な証拠はなく、査察を継続することによって問題は解決できると報告している。しかしブッシュ大統領は、28日の一般教書演説でイラクの国連決議違反を主張し、「アメリカは武装解除のための連合(軍)を率いる。征服を伴わない軍事力を行使し、自由のための犠牲となる」と述べ、武力行使に踏み切ることを強調し、ペルシャ湾周辺への兵力増強を進めている。さらには、イラクへの核兵器使用を排除しないことも明言している。
 こうした動きに対し、フランス・ドイツ・ロシア・中国をはじめEU・非同盟諸国会議・中東諸国などが査察継続による問題解決を主張し、アメリカ・イギリスも含めた世界30数カ国でイラク攻撃反対を訴える大集会が拡がっている。このような世界的な反戦世論の高まりのなかで小泉首相は、アメリカのイラク攻撃を「仮定の問題には答えられない」とし、ひとり無責任な対応に終始している。
 また政府・与党は、国民的な反対運動でこれまで二度にわたり成立ができなかった「有事関連法案」を、今通常国会で成立させることに異常な執念をみせている。自民党の山崎幹事長は「もし成立しなければ会期を延長することになる」「(解散・総選挙は)有事関連法案の成立までありえない」とまで公言し、法案の修正協議に一部野党の巻き込みをはかり、「国民保護法制」の具体化ともあわせ、成立を狙っている。

 私たちは、日本国憲法のもと国民のための行政や司法に働く公務員労働者として、イラク戦争反対、有事法案の成立阻止をかかげ広範な国の内外の世論とともに運動を強めていくことを確認する。そして、アメリカの戦争政策に追従し、今国会で有事法案の成立を推し進める政府に対し、次のことを要求する。

1、アメリカのイラク攻撃を回避するため、国連の査察を継続し国連の枠組みのなかでの 平和的解決を追及すること。
2、戦争遂行のため国民を強制的に動員する「有事関連法案」「国民保護法制」を撤回する こと。

以上、決議する。

                              2003年1月31日
日本国家公務員労働組合連合会
第116回中央委員会

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