臨時国会をひかえ独立行政法人化を許さない決意を固め合う
--独法化反対学習決起・東日本集会に260名が参加-

(国公労連「行革闘争ニュース」1999年10月25日付)

 国公労連は10月23日、国公関東ブロックと東京国公との共催で、「行政サービス切り捨て、25%定員削減の独立行政法人化を告発する学習決起集会」を東京都内で開催しました。
 この集会は、10月2日の大阪での集会につづいて、東日本集会として開催されたもので、北海道・東北・関東の3ブロック代表をはじめ、在京近県の職場を中心に全体で262名の参加がありました。
 臨時国会の開会を29日にひかえて、決起集会は、独立行政法人化にむけた個別法の徹底審議をもとめつつ、国家公務員の25%定員削減、行政減量化などを許さない決意を固め合う場となりました。

憲法で保障された学問の自由をおかす国立大学の独法化
--福島大学の晴山教授が独法化にかかわって講演--

 集会では、国公労連本部の安部副委員長が主催者あいさつし、「独立行政法人化は行政サービス切り捨てであることがいっそう明らかになっている。国公労連は、国民生活重視の立場から徹底追及していく。対話と共同をたたかいの柱にすえ、ひきつづき奮闘する」として、職場・地域からの奮闘をよびかけました。
 その後、福島大学の晴山一穂(はるやま・かずほ)教授から、独立行政法人の問題点についての講演がありました。行政法を専門とする晴山教授は、おもに国立大学の独立行政法人化を中心にして、その問題点を具体的に示しました。晴山氏は、憲法第23条で保障された「学問の自由」から見て、独立行政法人化が、大学の自治や教育行政に今後、どのような影響をあたえるのかを明らかにしつつ、現在でもGDPの0.5%しかない日本の教育予算の貧弱さのなかで、国の責任による教育の充実の必要性を強調しました。最後に、独立行政法人は、国立大学をはじめ医療や研究機関などの共通した問題であり、地元自治体や地域住民との共同を広げ、国民の支持のもとでたたかうことが重要であるとして講演をしめくくりました。
 小田川書記次長の基調報告では、独法化をめぐる現状や制度の問題点、運動場の課題などが明らかにされ、「臨時国会では、独法化個別法の審議がひかえているが、25%定員削減による『減量化』こそ問題の核心だ。そのことからも、『自分の職場は独立行政法人化からはずれた』ではなく、力をあわせて行政減量化攻撃をはねかえすため、職場からの深い意思統一をすすめよう。今日の集会で、たたかいにむけた決意を固め合おう」と、この秋のたたかいにむけた決起を訴えました。
 また、集会では、「独立行政法人化反対首都圏ネットワーク」で運動をすすめている千葉大学助教授の小沢弘明氏から特別報告を受けました。小沢氏は、8月に結成された「ネットワークの」取り組みを中心に報告しつつ、「仮に国立大学が民営化されれば、試算では、年間250万円、医学部で700万円もの学費が必要だ。国民の教育を受ける権利も阻害するものだ」として、今後、国立大学の独法化さらには民営化の阻止にむけて、地域から運動をすすめる立場を明らかにしました。

職場の実態をふまえた具体的な問題点を指摘
--各単組からの報告で独立行政法人化を告発する--

 各単組からの報告では、6名が発言しました。全通産本部の岡田さんからは、試験・研究機関の独立行政法人化にかかわって、通産省当局が全国単一の独法組織として「産業技術総合研究所」の設立を構想していることなどが報告され、今後、世論を味方につける運動を中心にたたかいをすすめながら、魅力ある労働組合づくりをめざすとの発言がありました。全建労筑波地本の河和(かわわ)さんは、研究所の独法化に反対し、地元地域で街頭宣伝や署名行動に取り組んできたことなど、筑波におけるこれまでの運動が紹介されました。全農林筑波地本の三浦さんは、「5年程度の中期目標のもとでは、農業研究の評価は決してできない。研究者へのアンケートを実施したり、昨年12月には1,000名規模の集会を開くなどして、運動をすすめてきた。今後とも、民主的な取り組みのなかで科学技術の発展をめざす」と決意がのべられました。
 また、全運輸本部の横枕(よこまくら)さんからは、自動車検査の独立行政法人化について報告があり、安全確保と環境保護のためにも国民本位の自動車検査制度を確立する必要性が強調されました。航空宇宙技術研究所や統計センターの独法化がねらわれている総理府労連の柳さんからは、職場からの運動をひろげ、80名の組合員で約900名分の署名を集約した運動の報告などがありました。全医労本部の岸田さんは、国立病院・療養所の統廃合・移譲をめぐる現状と地域のたたかいについて報告し、この間、「守る会」が新たに8地域で結成されるなど運動の到達点がのべられました。
 これらの報告のほかにも、会場から3名が発言し、「地域からの運動づくりへ11月26日に独自の学習決起集会を開催する。独法化、25%定員削減阻止にむけて北海道でもがんばる」(北海道国公・富塚さん)などの決意も表明されました。
 これらの報告・発言をうけて、黒田行革対策部長が集会のまとめをおこない、最後に東京国公の野口議長の閉会あいさつで集会をしめくくりました。
 学習決起集会は、西日本集会とあわせれば、合計でのべ約430名の参加となりました。いよいよ29日からは第146臨時国会が開催され、独法化をめぐる議論が本格化します。国会での徹底審議をもとめ、当面の国会議員要請行動などの取り組み強化が重要課題となっています。学習決起集会の成功も契機にして職場からの取り組みをすすめましょう。

(以上)

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