独立行政法人化・25%削減など行政の減量化は許さない
--行革闘争学習決起集会に西日本各地から160名が結集--
(国公労連「行革闘争ニュース」1999年10月5日付)
 国公労連は10月2日、国公近畿ブロックと大阪国公との共催により、「行革リストラ攻撃・独立行政法人化を告発する」と題して、学習決起集会(西日本集会)を大阪市内で開催しました。
 この集会は、国家公務員の25%定員削減、独立行政法人の個別法の国会提出を政府がねらうなかで、行政減量化など攻撃の本質を学習し、国民犠牲の行政切り捨てを許さないために、「25%定員削減反対署名」など当面のとりくみをはじめ、今後のたたかいにむけた決意を固め合うために開催されたものです。当日は、北陸・東海をふくめた西日本の6ブロック代表をはじめ、近畿全府県の各職場代表など、全体で164名の参加者が集まりました。

国民の基本的人権を実現する行政の実現を
--名古屋大学の市橋克哉教授が独法化にかかわって講演--
 集会では、国公労連本部の安部副委員長が主催者あいさつし、「各単組の独自署名をあわせて380万の署名集約、国会請願での105名の紹介議員など、運動の到達点に確信を持ち、国民への宣伝、『対話と共同』をたたかいの柱にすえ、ひきつづき奮闘しよう」と、秋から来年にむけた運動への結集をよびかけました。
 その後、名古屋大学の市橋克哉(いちはし・かつや)教授から、独立行政法人の問題点についての講演がありました。市橋教授は、おもに国立大学の独立行政法人化を中心にして、民営化の受け皿としてのその基本的な性格や、人事や評価制度など、今後おこりうるさまざまな問題点について明らかにしました。市橋氏は、最後に、「大学の自治という基本理念からも、単に減量化や効率性を追求する組織であってはならず、国民・住民の基本的人権を実現する国立大学として拡充させていく必要がある」と講演をしめくくり、国立大学をはじめとした独立行政法人化の強行を許さないために、今からのとりくみが重要になっていることを強調しました。
 小田川書記次長の基調報告では、独法化をめぐる現状や制度の問題点、運動場の課題などが明らかにされ、「独法化などによる25%定員削減は、国民には犠牲をせまり、国の行政責任を後退させるものであり、そのことからも、国民諸階層と共同できる条件がひろがっている。行政減量化との具体的なたたかいを通して、一回りも二回りも組織と共同を拡大しよう。今日の集会で、たたかいにむけた決意を固め合おう」と運動への決起を訴えました。

 国民本位の行政確立にむけ決意あふれる発言が次々と
 --職場代表9名が単組報告・会場発言--
 各単組からの報告では、4名が発言しました。全医労近畿地方協の松谷さんは、国立病院・療養所の統廃合・移譲をめぐる現状と地域のたたかいについて報告、政府・厚生省がなりふりかまわず強行する国立病院つぶしの実態をはじめ、各地の「守る会」運動などいきいきとしたとりくみが報告されました。自動車検査の独立行政法人化について報告した全運輸本部の宮垣さんからは、「安全確保と環境保護のためにも国民本位の自動車検査制度が必要。独法化に反対して職場からたたかう」と決意がのべられました。
 また、全通産本部の森さんからは、試験・研究機関の独立行政法人化にかかわって、国立研究所としての役割を強化するため、署名運動などでたたかいをすすめるとの報告があり、全農林大阪の若松さんから、「農業の研究には、20数年かかって成果がでるものもある。5年程度とされる中期目標のなかでは、決して実績は評価できない。独法化は21世紀にむけた最大のバクチだ」と怒りに満ちた発言もありました。
 全体討論では、時間の制約もあって、5名の発言にとどまりましたが、「科学者会議など4者と共同し、国立大学の独法化に反対するたたかいをひろげる。国公労連としても、外に打って出る積極的な運動の提起を」(京大職組)、「行政改革とあわせて司法制度改革がすすんでいる。審議会に意見をのべるなど、国民本位の司法をめざしてとりくみをすすめる」(全司法大阪)、「全労連網の目キャラバンにも結集し、行政相談活動などを地域からすすめる。国民と共同したたたかいを発展させたい」(国公九州ブロック)、「規制緩和のなかで、検査業務の民間委託などがすすんでいる。気象事業拡充署名では、採択は実現しなかったが、多くの紹介議員を獲得した。この秋も独自署名の多数集約をめざす」(全気象関西)、「かつて登記部門が独立法人化の候補にあがったが、今後ともこうした攻撃を許さないためたたかう」(全法務大阪)など、どれも決意にあふれる発言がつづきました。
 これらの報告・発言をうけて、黒田行革対策部長が集会のまとめをおこない、最後に国公近畿ブロックの桐議長の閉会あいさつで集会をしめくくりました。
 当日、大阪は10月にもかかわらず30度をこえる猛暑となり、冷房のない会場を使用したこともあって、参加者は汗を流し、うちわをあおぎながら、文字どおり熱気あふれる決起集会となりました。みなさん、ほんとうにごくろうさまでした。
 集会の企画運営に全面的に協力していただいた国公近畿ブロック・大阪国公のみなさんに、あらためて感謝いたします。

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