参議院行財政改革・税制特別委員会
7月1日午後参考人質疑〈省庁再編〉

(国公労連「行革闘争ニュース」1999年7月2日付 第137号)


参議院行財政改革・税制特別委員会
−7月1日午後参考人質疑(省庁再編)


 参議院行財政改革・税制特別委員会の7月1日午後の参考人質疑は、省庁再編問題での、八木俊道氏(日大法学部教授・元行革会議事務局次長−自民、自由推薦)、山口二郎氏(北大法学部教授−民主、社民推薦)、右崎正博氏(獨協大法学部教授−共産推薦)、中条潮氏(慶大商学部教授−公明推薦)の意見陳述と質疑が行われました。

<八木俊道氏の意見陳述・途中から>
 企画と実施の分離は、主として独立行政法人に帰着した。独立行政法人通則法案と、整備に関する法律案の策定、89機関の独法化など、推進本部で一層具体化された。今後は、国立大学の法人化について、新時代の大学のあり方、大学改革の議論を通じて検討されていく。1960年代の後半、大学の閉鎖性について、スチューデントパワーの反乱があったが、そういう中で、中教審の46答申で大学の法人化構想が出された。結果として、その構想は筑波大学など新構想大学に姿を変えた。現代的な見地から、法人化の加速を期待したい。郵政3事業についても、公社化の方針が出されているが、民間との役割分担の明確化など多角的な検討が必要。
 行政の不断の見直しとその結果の公表が必要。行政評価については、早期の立ち上げと基準作りを通じ経験を蓄積した後、制度の法制化をしていくのがよいと考える。
 重要な改革は、この法案の内容にとどまらない。各分野の改革を中長期の展望に立って進めていただきたい。

<山口二郎氏の意見陳述>
 内閣機能の強化、政策評価、パブリックコメント制度などは改革の第1歩として評価する。しかし、本来の課題から見て不十分な点が多い。まず、問題意識の設定が問題。小さい政府をめざしているが、政府がいかなる意味で大きいのか。公務員の数(1000人当たり40人)、GDPに占める租税や社会保障費の割合(38〜39%)は、先進諸国で一番低い。
 国民が、大きな政府と感じる不満は、
1.公共投資がGDP比6%で先進国中最大。国民はハコもの作りに批判の目をむけている。
2.政策と需要のミスマッチ。農業関係の公共事業は、不必要なものに多額の税金を投入している事例が報道されている。政策の失敗、破綻への検証がない。苫小牧東開発は、債務は膨大。立案担当者は、原因解明も、責任をとることも、謝罪することもしない。態度がでかいという意味では大きい政府。
3.行政裁量が大きい。
4.かたちにあらわれないコストが大きい。公共事業について見ると、公益法人にコンサルティグを発注しないとダメ。そしてその公益法人は天下り先になっている。この4点に照らして、小さな政府にすべき。
 国家公務員の量的削減はあまり意味がない。総定員法以降累次の定員削減が行われ、相当スリム化された。これ以上の削減は、エージェンシー化で、形式上の数あわせになるだけだ。大きな政府の是正方向は、公共事業の改革。適切な事業に絞るべき。国土交通省、特に地方整備局は問題で、ブロック機関に対する民主的統制は議論されていない。かえって国民、議会のコントロールが及ばなくなる。政策と需要のミスマッチの問題では、省庁再編は足し算。国家公務員の採用の職種別割り当ては同じ人数で固定化している。政策評価についても、無駄の多い公共事業をストップできるものか。具体的な詰めが足りない。特殊法人については、実態を公開し、天下りにこの際歯止めをすべき。
 内閣機能を強化し、総理のリーダーシップを強化することは賛成。しかし、限界がある。なぜ今まで弱体だったか。制度の欠陥ではない。同じ制度のイギリスでは、与党の主要議員が2年、3年閣僚をつとめるオールスターチーム。日本は、当選5回ぐらいで大臣となるため、慣例の内閣改造を1年ごとに繰り返す。オールスターチームではない。1年ごとに変わる大臣では、規制緩和や地方分権など、官僚の反対にたいして、力を持てるか。制度改革が必要ではなく、政党の側の責任が非常に大きい。イギリスの仕組みを日本に作る必要がある。
 今回の行革は、基本的に時代の要請に応えるもので、省庁再編も必要。しかし、それで行革は終わりではない。

<右崎正博氏の意見陳述>
 近代国家は、国家権力の分立を採用している。権力の集中を防ぎ、天賦人権を守るのにもっとも適合した制度。行政のあり方は法治主義を原則とし、法に根拠をもち、法により行われる。つまり法による統制だ。国民の代表により構成される立法機関のみが立法を行える。日本国憲法もこの権力分立と法治主義を採用。現代国家は共通して国家機能の拡大、行政の複雑化により、行政が拡大し、権力分立性に動揺を来している。日本においても、内閣提出法案が増加しており、また基本法的なものが増え、行政裁量に委ねることで、内閣と国会の関係が変化し、法治主義が後退している。こうしたことは憲法学の課題。今回の法案は重大な問題をもっており、慎重審議が必要。
1.内閣機能の強化
 内閣法の一部改正で、内閣府が設置される。総理の指導性発揮、内閣機能強化で行政権が強化され、国会の役割が低められる。内閣府に膨大な権限が集中。経済財政諮問会議は、経済運営の基本政策、財政の基本政策、予算の基本方針を審議する。総理、官房長官、担当大臣、その他指定大臣と委員会・庁の長、有識者という少数者に集中。会議結果を閣議で決定、法案にすべきは国会に提出されるが、実質決定の会議。行政権の担い手たる合議体としての内閣の形骸化だ。また、立法機能を国会から簒奪するもの。憲法原理から見て大きな疑問。
2.省庁再編
 省庁や大臣のポストに目をむけすぎ。1府12省庁で、大臣数は14から17、局数は100以内。しかし、省庁の権限は縮小していない。総務、国土交通など巨大官庁が出来る。大臣が減って、より少数者に権限が集中。副大臣は、行政に責任を負う機会と範囲が増える。一方、議員定数が削減されれば、それと相まって、国会の行政担当機能が増え、行政監視機能と立法機能が形骸化する。
3.独立行政法人
 独立行政法人通則法では、公共上、必要な業務としているものを、効率効果的に行うとし、長や監事を主務大臣が使命。対象は、大半が基礎研究を担う研究機関。これは、必要不可欠なもの。担っている役割からいって、独立採算になりにくい。事業の性格に即して個別に検討すべき。事故点検、外部評価で代替できるのではないか。
 権力分立、法治主義の観点から、メリット、デメリットを十分に検討してもらいたい。

<中条潮氏の意見陳述>
 法案についての基本的な疑問点を4点述べたい。
1.基本的に賛成だが、省庁は分野別統合ではなく、細分化すべき。構造改革と分権化が重要概念。統合より細分化し、各組織の政策競争をし、国民政治家に提示。その上で政治家が調整。責任を明確化、裁量行政も表に出る。省庁エゴも表に出て批判される。統合は、そういうことが表に出ず、妥協の産物しか出てこない。不透明だ。現在は、運輸省と建設省の違いが分かる。統合すれば分からなくなる。 2.統合すると悪貨が良貨を駆逐する。
3.細分化すれば、国がやらなくていい仕事が分かるが、統合で分からなくなる。国が直接やらなくてもいいものをスリム化する。運輸省でいえば、航空局の、安全担当部門は独立行政法人化すればよい。官制と空港は民営化。諸外国でも例がある。
4.独立性、中立性が必要だが、無理に一つにすれば独立性が喪失。数が増えることをおそれてはいけない。空港の発着枠の配分は、従来の規制当局から切り離し、第3者に委ねるべき。
 縦割りの弊害は統合したらなくなるのか。省益あって国益なしと言われるが、局益あって省益なしと言えないか。新幹線と空港の合理的調整が出来ているか。縦割りの弊害が地方政府に持ち込まれている。分権で対応すべき。大臣の数を減らすことは大したことではない。
 すべてに反対ではない。機能で統合すべき。運輸省の交通安全部門と同様のものは、他省にもある。新しい官庁を作り安全対策担当させる。事業者の監督は、需給調整の廃止を宣言した以上やる必要はない。公取か独立機関で担当すればよい。元の省への帰属意識がなくなる。
 不必要なものの整理が不徹底。民営化、独立行政法人化は、力の弱いところだけに集中。郵政事業、気象、官制、航空は、民営化で対応できる。さらに何歩も続けないと大きな改革にはならない。

<自民党・脇雅史議員の質疑>
脇議員:内閣機能について。今でも大変な権限集中で、それをさらに強化。間違ったリーダーシップ発揮しないよう、内閣としてきっちり政策を形作るべき。
八木参考人:政府として、必要な決定を必要な範囲で、大胆、積極的に行う。これはたぶんに運営の問題。憲法と内閣法で、総理の権限は非常に強い。内閣の首長として、誤りなく決定するためのサポートの適切なマシーンを容易。
脇議員:スタッフとして内閣府に10〜20年もいては、弊害が出る。
八木参考人:各国に共通の悩み。強いリーダーシップとしては、大統領制が究極のかたち。しかし、アメリカの例を見ても、ベトナム戦争やウォーターゲート事件など、トップリーダーに権限が集中する問題点が露呈。多様な価値をじっくりと検討するためにはどうするか検討し、ややボトムアップ型にした。権限、機能が集中するリスクについては、情報公開法や、行政手続き法により、システム改革を行い、弊害が起きないようにする。両院の国政調査権で適切なチェックを行っていただく。国政に関する適切な緊張関係を持つことが大事。
脇議員:山口参考人の言われた4点は、なるほどとも思うが、公共事業についても正しい情報に基づいてきっちりしないといけない。
山口参考人:北海道では、時のアセスメントで、不必要なものとして7件撤退。同じようなことは全国にあるだろう。農水省のウルグアイラウンド対策事業も、自治体が必要ないと言っているものがある。
脇議員:右崎参考人に、行政の肥大化が、国会の役割、法治主義を弱めていると言うが何が一番大事か。
右崎参考人:権限が集中すれば、能率、効率は上がるだろうが、民主的統制の後退になる。行政の大がかりな作り替えは、本来、国会がどのように対応するか議論すべき。国会の機能強化が必要。
脇議員:中条参考人。機能別統合とは。
中条参考人:分野別とは、運輸、建設、など。分野別とは、安全、立案など。

<民主党・寺崎昭久議員の質疑>
寺崎議員:内閣機能の強化の点で、行革会議最終報告で、多数決制の提案がある。憲法の規定から難しい面もあろうが、期待したが、法案に入っていない。
八木参考人:合意形成のプロセスとして多数決制も考慮。全会一致の慣行をどう見るかだが、意見が合わない、省庁間の調整がつかない時に閣議に議題として上がらないのは問題という意見。一方、一体として国会、国民に責任を負う。一体化なされないなら政治指導にならない。総理の指導性を発揮するため、関係閣僚会議などを活用し、形式的な多数決でなく、厳しい議論練り上げる。
寺崎議員:山口参考人は、内閣機能の強化は制度でなく運用といわれた。本のなかで、日本には政治と行政の則(のり)がはっきりしていないので実行が上がらないと書かれているが。則とは何か。
山口参考人:公務員は英語でパブリックサーバント。サーバントには主人がいる。それは政治。官僚機構の既得権にメスを入れるときには、官僚機構は受動的であるべき。橋本行革に当たっては、官僚が様々な手段を使って影響力を行使した。これは則を超えるもの。要求リストばかりでは、行政は肥大化。政治家自身がマイナスの方向についてのポリシーをもつべき。
寺崎議員:武村氏との対談の中で、省庁半減ばかりの議論で、中身の議論になっていないと言っておられる。国と地方の税財源再分配は、経済が安定軌道に乗ってからと宮澤大蔵大臣は言っているが、あまり関係ない。既得権益の排除が食い足りないのはなぜか。
山口参考人:検討のプロセスにおいて、行革会議のメンバーが専門家でないため、理念の議論に走り、官僚と拮抗する知恵と知識を持った人が少なかったからではないか。
寺崎議員:大学の独法化のことを言われたが、やり残したことは。
八木参考人:大学と郵政3事業、官と民の分担、国と地方の分担、税、社会保障、これらと機構改革が連動しないと中身が出てこない。関連する近接領域を深めて欲しい。
寺崎議員:中条参考人に、運輸省関係で、民営化、独法化すべきものは何かききたい。
中条参考人:エージェンシー化の対象は、マーケットで収入得られないもの。安全検査、コントロール、会社の監督はエージェンシー化の対象。民営化は、官制、空港、港湾、道路公団を含めた高速道路関係。マーケットから収入えられるという点では、郵政3事業、国立大学もそうだ。その際は、何らかの市場介入もあるという形の民営化だ。

<公明党・弘友和夫議員の質疑>
弘友議員:評価は、法律を作るべきではないか。
八木参考人:評価制度は、今回かなり重要なポイント。欧米の経験では、結果の評価から改善点を導くのが現実的だということだ。参院でも決算重視となっていると思う。評価技術、主体をつかめていないのが現状。指標、基準の考えを積み上げ、手順、方法を決める。
弘友議員:日本の場合、気候、胎生に焦点が当たっている。アメリカではむしろ成果、顧客志向の改革。
山口参考人:行政改革は分権化と一体。エージェンシーも、自立、分権化。地方分権、行政サービスの結果評価が大事。参院は、衆院以上の監視機能を強めた欲しい。
弘友議員:右崎参考人にききたい。総理の権限強化と独法についてどう考えるか。
右崎参考人:このような法律で、国会と内閣の均衡が大きく崩れる。リーダーシップは、制度上の問題というより、すでに大きな権限がある総理の運用の見直しについて、評価検討されるべき。独法については、すべてダメというのでなく、一つ一つの役割、分野について、きめ細かに議論される必要があると考える。
弘友議員:中条参考人にききたい。規制緩和と情報公開は両輪の輪だと考えるが。規制緩和と行政評価についてどう考えるか。
中条参考人:規制改革と行革は、大きな構造改革の両輪。規制緩和計画では、3000項目をあげているが、いつ撤廃するのか書いてない。裁量行政は、規制緩和後も続けようとしている。求めるリーダーシップの方向が違う。例えば私と運輸省では。限界がある。国民、事業者が見ず〜挑戦することが大事。行政評価は非常に難しい。なるべく評価しないようにすること、マーケットに任せられるものは任せるのが大事。

<共産党・吉川春子議員の質疑>
吉川議員:右崎参考人に。経済財政諮問会議は、わずか10人に経済運営の基本政策、財政の基本政策、予算の基本方針を委ねる。閣議が形骸化。総理の権限肥大化のチェック、総理の恣意的人事で、官僚のように中立性が求められず、選挙のチェックも受けない。
右崎参考人:行政権は内閣にあり、総理と大臣の合議体。最終責任は、内閣にある。連帯して国会に責任を負い、それを通じて国民に責任を負う。経済財政諮問会議は、実質決定を行う。閣議決定が形骸化する。ただちに憲法違反とは言えないが、憲法の趣旨をいかすことにはならない。意思決定システムとして収集し、能力的ではあるが、民主的コントロールの面で問題。国会が事後チェックすることになるが、国会が機能強化し、政策決定の分担をすべき。この法律はできる過程からして、諮問会議で進められてきた。国会はチェックだけしか期待されてこなかった。行政評価については、官庁が工夫するのでは評価たり得ない。国会の主導権を。
吉川議員:国会の機能強化についての意見は。
右崎参考人:国会改革については、学術会議の公法学連絡委員会が、シンポジウムを開いている。選挙制度、立法過程の実態、情報公開などの議論が出、もっともっと改善強化する必要が言われた。行政府の役割を3分の1にし、3分の1を国会権限にすべき。そのためスタッフと予算を増やす。権力間の均衡のため、国会が大きな役割を果たすこと以外にない。
吉川議員:山口参考人に内閣機能の強化についてききたい。
山口参考人:政治主導とは、国会議員で国政を指導すること。スタッフの強化が必要。現在の内閣官房の内政審議室、外政審議室は、省庁の出向組。あまり意味がない。与党、政府のリーダーを作ることが必要。
吉川議員:山口参考人は、日本は決して大きな政府でないといわれた。国家公務員定員の25%削減が行われたら、国民生活は重大な影響を受けると思うが。
山口参考人:まったく同感。国民への不便を検討する必要がある。
吉川議員:八木参考人にききたい。なぜ1府12省庁か。国民生活はどう改善するのか。
八木参考人:合議制では10人を超えるとサイレントメンバーが出る。アメリカの陪審制度の映画の通りだ。コンパクトな合議機関が必要。国家の命運を判断するマシーンはせいぜい10人ちょっとだ。

<社民党・日下部禧代子議員の質疑>
日下部議員:山口参考人に、裁量行政の問題、縦割りの問題についてききたい。また、行政と政治のあり方、政策評価についてもききたい。
山口参考人:行革と分権は一体不可分。ミスマッチは、補助金制度でもニーズと予算とのずれは非常に大きい。分権5次勧告に乗りかかった問題などを行うべき。陳情でも、国会議員が地元のために奔走。国政全体のことを考えていただき、中央と地方の分権を考えないといけない。政策評価の透明化は、都道府県、市町村のいくつかで実施している。身近な自治体でやるべきものは自治体に任せる。そのための裏付けの金の確保は中心課題。
日下部議員:八木参考人にもお聞きしたい。
八木参考人:行革会議最終報告は、公務員制度についてあまり触れていない。税財政や地方分権も十分触れていない。全体改革が進むと自ずとあるべき姿が見えてくる。制定法における、公平、公正な執行は専門行政官が行う。霞が関は、政策提案をするのが、政治と行政のぎりぎりの接点。フランスは、官僚の力が非常に強い。アメリカは、政治的任用が幹部の10〜15%になるようめざしている。日本は追いつけ型近代化をして、終身雇用の公務員サイドが強くなった。高度複雑になっている現在、知識、経験、ノウハウをもつ専門行政官活用を十分考慮されたい。リーダーシップは、内閣機能強化で大いなる実験を行う。企画と実施の分離では、主税局と国税庁のように、物差しがはっきりしているものはいいが、物差しが動くものは難しい問題がある。
日下部議員:山口参考人にイギリスの内閣制度を参考にしたリーダーシップのあり方についてききたい。
山口参考人:内閣機能の強化は、イギリスを参考にしたと考えるが、イギリスとは政党の側の運用、責任、能力が違う。イギリスでは、選挙の際に明確な公約、マニュフェストをかかげ、国民がそれを選んだという正当性がある。
日下部議員:右崎、中条参考人に法案に点数を付けるとしたら何点かききたい。
中条参考人:前期テストとして30点。後期で頑張ってもらいたい。政府が決めるから利権が生じる。マーケットに任せればよい。
右崎参考人:点数は付けかねる。だれのためのものかという疑問を痛切に感じる。国民にとってプラスとは評価しがたい。腐敗防止なら腐敗防止法や公務員倫理法でやればよい。

<自由党・星野朋市議員の質疑>
星野議員:副大臣制度の評価についてききたい。
八木参考人:諸外国では、政党がシンクタンクをもち、努力をしている。政党の側の質を高める努力が必要。霞が関依存が言われており、政党サイドの問題がある。実務的執行は、法の、公正、公平な執行という点で、高い専門性をもった専門行政官が機能発揮することを期待する。分担と責任の明確化が求められる。
山口参考人:副大臣制度は意義がある。大臣一人ではリーダーシップを発揮できない。政治指導が正しい意味で発揮されることを期待。政府委員なしのディベートは、政治家個人個人の力量が問われる。研鑽を期待。
右崎参考人:副大臣は国会議員であり、行政執行に責任をもつことになるのは、議会と政府、内閣との関係を近いものにする。行政へのチェックの仕組みがうまく働かなくなるのではないか。あるべき姿は、内閣、国会の独立性を高める方向だ。
中条参考人:政治家に責任をとってもらい、勉強をもっとしてもらう。しかし、なぜ副大臣で大臣でないのか。厚生労働省であっても、厚生大臣と労働大臣がいてよい。

<参院の会・菅川健二議員の質疑>
菅川議員:スリム化と分権についてききたい。
八木参考人:スリム化は、総定員法以来、国際的に注目される定員管理制度をつくってきた。費用対効果はかなりいい線をいっている。人口1000人あたりの公務員数は、日本が40人、フランスは120人、アメリカ、イギリスは80人。日本の場合、国土が狭く人口が密集しているから効率がよい面があるが。25%削減は消化に苦労されると思う。行政サービスの水準を下げないよう頑張ってもらいたい。局、課再編もスリム化前提。一応軌道に乗った。十分な効果発揮すると思う。
菅川議員:規制緩和と分権でスリム化できると思うが。
山口参考人:同感だ。内政分野は都道府県に任せ、真に中央省庁がやるべき分野を吟味すべき。
菅川議員:分権担当の省がなくなるのは問題。
八木参考人:分権、規制緩和は行政の主体への割り振り。分権は、自主的、主体的自治体に任し、国と県の負担を軽くする。分権と規制緩和で、行革の実質が整う。
菅川議員:地方整備局のことを山口参考人がいわれた。地方支分部局ほど態度がでかい。知事がいっても頭を下げない。現業以外の地方支分部局はなくすべき。
山口参考人:同感だ。実施部門だけになるのがもっとも望ましい。
以上


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