6月4日議面集会に100人、国会闘争全力で
(国公労連「行革闘争ニュース」1999年6月7日付 第117号)


 国公労連は6月4日、8日目となる衆議院・議員面会所行動を100人の参加で成功させました。
 冒頭、国公労連の安部副委員長が「衆議院・行革特別委員会は、来週7日・月曜日に中央公聴会、8日・火曜日には仙台と津の2カ所で地方公聴会を開催。政府は9、10日にも衆議院での採決強行をねらっている。なんとしても阻止するために、全力投球しよう」と主催者あいさつ。日本共産党の児玉衆議院議員が国会情勢報告をかねてあいさつ。「9日に締めくくり質疑の後、委員会採決。10日に衆議院本会議採決の日程が決まったように言われているが、特別委員会の理事会では何らの議論もしていない。どんな官庁をつくるかは、国づくりの基本。今の事態がわかれば、みんながそれはまずいとなる。国会内外でのたたかいを広げるために努力しよう」と参加者を激励しました。
 続いて全労連の西川副議長、公務共闘の福島議長が激励あいさつ。西川副議長は、「今、審議・強行しようとしている法律の一つひとつは、憲法を根本から破壊する悪法ばかりだ。行革法案は戦争をしない国から、戦争をする国へのフレームづくり、システムづくりだ。悪法を推進する政府・財界が決して強いということではない。彼らには、自信も大義もない。国民的な共同を広げ、全力でたたかおう」と述べました。
 各単組を代表して全医労の渡辺副委員長が決意表明。最後に国公労連の杉浦中央執行委員が行動提起。「国会での重大局面を全体のものとし、国公労働運動の総力を結集してたたかおう」と呼びかけました。

衆院行政改革特別委員会・6月4日午後
●山本譲司(民主)
山本
 官僚の意見を聞くような審議会は廃止すべき。審議会やその下部組織、私的審議会もふくめた議事録を公開すべきだ。
太田総務庁長官
 今回改革しようとしているのは企画立案関係の政策審議会が中心。政策の決定は内閣の責任であり、審議会と別の決定をすることがあり、議事録公開は余り問題にならない。

●並木正芳議員(公明改革クラブ)
並木
 政府の行革精神があいまいになっていないか。官主導から市場経済中心へという仕組みに併せた行革と計画的削減が必要。
野中官房長官
 行革は組織事業の効率性、総合性、透明性を図り経済社会情勢の転換に資するという理念で進めており、21世紀の行政の姿を示したのが法案である。また公務員の定員削減にもきちんと取り組む。
太田総務長官
 10年間で25%削減は自自合意を受け政府として決定したもの。独立行政法人も89リストにあげた実行力こそが重要。
並木
 独立行政法人は独立採算もむつかしく、特殊法人のようになりかねない。
太田総務庁長官
 独立行政法人の長は特別職であり、業績で途中で交替もありえ、報酬も業績次第で、民間とおなじ緊張感を持つ。ディスクロージャーを行い適正性も評価され、決して親方日の丸的ではすまない。
並木
 財政事情が悪化しているが、行革の必要性についても政府の危機意識が足りないのではないか。
野田自治大臣
 明治以降の近代化の中でやってきたやり方の組立直しが迫られている。経済動向もあるが、循環論ではなく構造的な対応が必要で、その一環として国・地方の関係のやり直し作業を進めている。国・地方の財源問題では踏み込んでいないが、一括法は100点満点ではないが、鉄道のポイント切り替えのように将来にむけて大きな意味をもつと考える。
並木
 雇用情勢の悪化を念頭に、競争力強化と雇用創出に役立つ産業構造をめざし、環境、高齢化、公共部門重視へ転換する考えはないか。 野中官房長官 雇用問題は真に重要であり、11日に経済再生・雇用で意見を取りまとめる。21世紀に向けた構造転換のための情報インフラ、教育、人材育成、環境などが柱。税制上の特例措置については、効果と妥当性から真に必要なに重点化を図る。
並木
 省庁再編後の予算編成作業はどうなるのか。
太田総務庁長官
 再編後の予算編成のプロセスは、経済財政会議が予算編成の基本方針を取りまとめ、閣議決定を行う。それが財務省は概算作成する際の方針となり、各省を拘束する。内閣府に経済財政会議の事務局を置き、官房の企画立案を補佐する。なお政策評価は企画立案に反映され、予算要求・編成などに反映される。今後評価の具体化を進めたい。
並木
 環境省は環境保護などその重要性からみて予算も人員も欧米先進国に比べても少ない。地球的規模の対策の必要など使命や役割が増大すると考えるが…。 真鍋環境庁長官 多岐にわたる行政で人員も必要で、再編の機会にもう一度見直し、他省との比較ではなく大きな任務を果たせるよう体制をめざす。廃棄物、ダイオキシン、環境保護問題など十分目配りが必要になっており、地元の協力も得て監視体制をつくりたい。
並木
 分権はよいことばかりではない。競争により格差も生じるがそれを認めあわなければならない側面もある。それをどう是正するか。交付税も根本的に見直すべきでは。
野田自治大臣
 分権により地域間に差がでることは容認されるべきだが、格差を生じさせてはならないもの(年金制度、全国的な統計業務)があることも当然。基準財政需要でかなり配慮は必要で、健全化と行革で努力している。基準財政収入の超過達成分など自立の努力を支える余地を作ることにしている。
並木
 地方事務官制度の整理は分権に資するわけではない。分権の受け皿としての道州制、市町村合併などについてどう考えているのか。
自治大臣
 市町村合併の特例法の改正で強力に進める法改正を盛り込んでいる。道州制についても、分権推進委の勧告や分権推進計画の受け皿としての基盤強化という内容を踏まえたい。

<公明党・大口善徳議員の質問>
大口議員:教員の年齢構成は、平成7年度で、小学校が40.5、中学校が39.6、高校が41.9歳になるが、第6次配置改善計画が平成12年度で終了した以降はかなり高齢化が進む。特に、東京、大阪。2005年には、40、50代の教員は小中で69.7%、高校で69.9%、2010年には、小中で65.8%高校で69.7%になると予想される。
有馬文部大臣:若い教員が少ないのは活力が弱くなる一方、経験は豊かで充実したものとなり、一概にいい悪いは言えない。
大口議員:年をとれば保守的になるし、教員採用の枠がせばまるのは問題。狭き門の割には、待遇は良くない。新規採用は、昭和50年に比べ、小学校で4分の1、中学校で2分の1、高校で2分の1だ。国立大学教育学部の学生定員も平成元年1万9千人に対し、平成10年度は1万5千人だ。今後の採用見込みは、2005年が小学校1万人、中学校4千人、高校2千人、2010年が小学校1万5千人、中学校7千人、高校6千人だ。採用が大きく揺れる。安定的に教員を採用しなければ、学生が安心できず、質の高い教員確保が難しい。
有馬大臣:大変心配。採用数が著しく減少している。当分減少が続くので、教育学部定員を1万人体制にする。
大口議員:新規採用を増やすのは財源の壁がある。しかし、日本が財政比10.2%なのに対し、アメリカは14.4%、イギリスは10.9%、GNP比日本は3.6%、アメリカは5%、イギリスは4.8%だ。ブレア首相は、教育改革を掲げ、30人学級を進めている。中教審は、欧米並の学級定数を、と答申した。第6次配置改善計画は平成12年度で終了する。平成13年度以降、30人学級を真剣に考えるべき。
有馬大臣:GNP比の教育費負担が少ないのは事実。米、英は、地方自治体の負担が大きく、中央政府の負担は小さい30人学級については、中教審も大いに心配している。学級編成の弾力化も提言している。今後、専門家も含めた場で、財政も含め検討する。一律に30人学級にするのは相当の負担だ。
野田自治大臣:配置改善計画にともなう措置は、地方財政計画で適切な交付税の配分を行っている。第6次計画終了後のことは、文部省で検討されているが、必要な財政援助はする。高齢化については、バランスをとる人事配置は、頭が痛い。スリムか、特にアウトソーシングで、従来の事務がいらなくなるのであり、人事管理も十分検討するべきテーマだ。
大口議員:地方分権で、県による配置の弾力化が言われている。統廃合による学校規模の適正化は、中山間地域では、児童・生徒、家庭の負担が大きく大変だ。安易にやるべきでない。
有馬大臣:ご指摘の通りだ。学級編成、運用の弾力化は、必要。文部省において、週5日制時代を視野に入れた検討を行う。
大口議員:教員の流動化が大事。生涯学習の場として、コミュニティスクールの創設をしてはどうか?小、中、高、公民館を活用する。職業能力開発についても、大学、専門学校のない地域では行う。経済戦略会議では、コミュニティカレッジを言っているが、それがないところは、主、中、高、公民館を舞台に、教育バウチャーも発行する。雇用難は、能力のミスマッチによるところも大きい。コミュニティスクールに現職教員を3.5万人出向させ、地域と学校のコーディネータをしてもらう。
有馬大臣:アメリカではコミュニティカレッジが活躍している。生涯学習は重要であり、その環境整備も重要。公民館、学校などを利用しやすくすることは重要。コミュニティスクールに教員を出向させることについては、教育水準の維持の問題、教員が地方公務員の2分の1をしめることから、年齢構成是正や採用増という観点では、難しい。
甘利労働大臣:ミスマッチによる失業は現にある。調べると要求される能力は上がってきている。パソコンが使えればよかったものが、今ではインターネットを駆使しなければならない。こういうことに対応できるのかどうか。
大口議員:福祉の場に教職員に出ていってもらい、ボランティアを行って、それを教育にフィードバックする事は大事だ。
宮下厚生大臣:学校教育の場で福祉について理解を深めることは大変重要。義務教育教員教職課程では、7日間の実習が義務化されている。一方、現職教員が出てこられることは、その間教職員定数を埋められるか。教員配置は標準法で厳格に運用されているので、なかなか困難。
野中官房長官:いろいろな配置転換は考えていくテーマ。なによりも仕事にふさわしい人材が大事。
有馬大臣:今後、社会が高齢化する。豊かな心をはぐくむ点で、ボランティアは重要。教員免許の条件にしている。人事政策としては難しい。
大口議員:地方公務員の再任用制度が新設されようとしている。フルタイムは定員にカウントし、パートはフルタイムに換算して定員管理する。するとますます教員の採用、若返りは窮屈になる。
御手洗教育助成局長:今も相当多くの人が非常勤講師や社会教育に従事している。再任用制度は大変大きな課題。都道府県教委で、定員配置、勤務条件の検討について、労使で適切に対応するよう期待している。
大口議員:管理職にならない教職員の30年研修も必要。都教委は、3月、人事考課、人材育成について答申を出し、能力開発型、自己申告による双方向の人事考課と、その人事、定期昇給、特別昇給への反映を提言しているが、どう考えるか?
有馬大臣:経験年数に応じた研修は都道府県、政令指定都市教育委員会が実施。研修のあり方は、教職員養成審議会で審議する。
御手洗局長:能力評価は、任命権者ごとに行うことが大事で、地方公務員法40条の勤務評定の趣旨にそうもの。
大口議員:学校学区の弾力化は地域によっては、コミュニティ崩壊になる。市町村で判断すべき。
野中官房長官:学校区の指定は、市町村への機関委任事務から自治事務に変わる。自主的判断による。

<共産党・石井郁子議員の質問>
石井議員:これまでの画一化、硬直化した文部行政の真剣な反省が必要だ。戦後改革で、民主化、分権、自主性が原則とされ、教育委員会が創設された。ところが、今回の分権一括法案は、これに逆行する3つの点がある。1.学校教育法で17項目について監督庁は当分の間文部大臣としていたものを、当分の間の文言をとる。なぜ当分の間だったのかと言えば、学校教育法が成立した1947年の次の年には、教育委員会が発足する予定だったからだ。
御手洗局長:学校教育法制定時点で、政府委員のそうした答弁があったのは事実。教委の設置の際、相当移した。今回の見直しは、昭和22、23年の法改正後役割分担が定着しており、条文整備したもの。
石井議員:立法当時、将来は県教委に相当権限を移すと言っていたものをねじ曲げて、現状を追認するもの。現状こそ問題で、臨時教育審議会答申でも、教育委員会は、自覚と責任、使命、分権の理解にかけると指摘されている。教育委員会設置時点の文部省の手引き書では、大変な権限を持つとして、教委の職務権限まで書かれている。
有馬大臣:教育の機会均等、教育水準の維持向上は国の役割として定着している。地域、学校の実状をみて、引き続き必要な検討をする。国、県、市町村が連携することが大事。国は、1.枠組みの設定、2.基準の設定、3.教育条件への支援、4.必要な指導、助言、支援を行う。
石井議員:2つ目は、地方教育行政組織法の措置要求は削除されたのではなく、地方自治法に一本化された。どうなっていくのか?
有馬大臣:今後地方自治法で、法令に違反する場合か、著しく適正を欠く場合に改善措置を要求。
石井議員:勧告が出されてもこれまでは義務でなく、罰則もなかった。今度は義務を負うことになる。権限強化とみるのが自然だ。3つ目の問題は、地方教育行政組織法で、必要な支援、援助、助言を「行うものとする」が、「行うことができる」、に変わる。指導、援助、助言は、学級編成など11項目。指導要録に、人物評価を記入していない教員を、すでに異動しているのに教育委員会が呼び出している。
有馬大臣:文部大臣は、都道府県教委に、「改善措置要求を行うものとする」が「行うことができる」に変わる。中教審の9月答申でも、法的拘束力があるかのような意識をなくす、過度の制約の排除、意識改革の必要を言っている。
石井議員:文部省のやり方が変わるのか?
有馬大臣:法的拘束力があると思われていたことがなくなり、ずいぶん変わる。
御手洗局長:指導、助言、援助は責務から、文部大臣と都道府県教育委員会の自主的な判断による権限に変わる。情報収集、提供などの支援、学校管理についても、都道府県教委を通じ、法令違反への措置を行う。
石井議員:変わるようには考えられない。文部省OBの今村前鹿屋体育大学学長は、「住民の意向をくむ点でブレーキになった。手かせ足かせをはめて自主性を持てというのは無理」と言っている。
有馬大臣:中教審でも、ずいぶん議論し、9月答申では、制度と実際の批判を行っている。些末な点まで指導、助言を強め、法的な拘束力があるかのように思わせていた。運用の見直し改善、文部省の地方への関与の見直しが必要だ。
石井議員:学級編成の少人数化に真剣に取り組むべき。市町村が独自にできるのか?都道府県教委の事前協議と同意は、認可を受けることとどう違うのか? 有馬大臣:都道府県教委の認可制から、義務教育標準法改正で、同意とする。関与のあり方は引き続き検討する。
石井議員:届出制にしなかったのはなぜか?
御手洗局長:学級編成には、教職員の人事、給与財源が関わり、届出制は、専門家会合で引き続き検討する。
石井議員:41人なら、20人と21人に分けられるが、39人は1学級。手厚い教育を行うため、自主的に学級編成を少人数化しようとすると県教委が「やってはならない」と言ってくる。900を越える自治体が、30人学級を決議している。決意を聞きたい。
有馬大臣:現行は、義務教育標準法、高校標準法で定めている。それを、一応の目安にし、都道府県、市町村に応じた弾力的措置がとれるようにし、国は財政措置の基準を定めるということを、中教審が答申しており、周知につとめる。
石井議員:省庁再編で、教育助成局が消えた。教育基本法で、国の責務とされた教育条件整備を行う局が消える。
有馬大臣:初等中等教育局と一緒になり、新しい初等中等教育局が誕生するが、教育条件整備については基本的に引き継ぐ。一緒になることで効率的に条件整備ができる。

<社民党・保坂展人議員、深田肇議員の質問>
保坂議員:国連の規約人権委員会の勧告をどう受けとめるか?
陣内法務大臣:人権救済については、人権擁護推進審議会に諮問し、9月以降本格審議が始まる。審議会答申をふまえ慎重に検討する。
保坂議員:規約人権委員会は、死刑制度、代用監獄に言及。
陣内大臣:世論は死刑制度の維持ということをふまえ慎重検討。
保坂議員:規約人権委員会勧告には法的拘束力はないと法務省は言うが、勧告を受け取り、政府報告書を提出している。
陣内大臣:法的拘束力はないが、尊重すべきもの。
保坂議員:尊重するなら、なぜ外国人登録法は、登録証の不携帯が刑事罰から行政罰に変わっただけなのか?
陣内大臣:十分尊重し、罰金を過料に変えた。
保坂議員:規約人権委員会は、人権擁護委員会は勧告に限定されており、救済の仕組みではないとして、救済のための独立した機関設置を勧告している。
陣内大臣:規約人権委員会勧告を念頭に、いずれにより、人権擁護推進審議会で検討する。
保坂議員:公安調査庁の活動により、犯罪を未然に把握し、立件されたものはいくつあるか? 木藤公安調査庁長官:破壊目的の活動の端緒を把握し、適正に捜査当局に通報している。それによる捜査件数は把握していない。
保坂議員:坂本弁護士事件はどのように情報収集して把握したのか?
木藤長官:捜査上有益な情報は捜査当局に提供しているが、秘匿を要し、通報はいちいち残さない。オウムについてもそれなりに調査。公安調査庁は、内部に深く入れないので、事前把握ができなかった。重要な団体として鋭意調査し、団体規制を申請したが棄却された。
保坂議員:ほとんど機能していなかったことがわかった。則定問題では、あっという間に調査が終わった。身内に甘い。検事でないと次官になれないというのはやめるべきだ。
陣内大臣:早急に実態を把握するため調査を急がせた。次官は、大臣を助ける職であり、今後とも適材適所の人事を行う。
保坂議員:検察行政は国民へのアカウンタビリティが大事と、中村前大臣は言ったが継承するか?
陣内大臣:検討課題だ。
太田総務庁長官:(訂正答弁)
深田議員:人権擁護行政について聞く。基本法のどこを読んでも法務省でしか人権行政をできないとは書いていない。内閣府で全部回すぐらいでないと。
太田長官:今後の課題としては検討。

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