春闘共闘・全労連・社保協とともに昼休み議面行動
--200人が結集、共同の力で悪法を悪法を阻止しよう

(国公労連「行革闘争ニュース」1999年6月3日付 第113号)


 6月3日の昼休み衆院議面行動は、年金署名等の提出行動をかね、春闘共闘・全労連・社保協の主催で行われ、国公労連100人を始め、200人の参加で大きく成功しました。
 主催者あいさつの中で、全労連坂内事務局長は、「失業は4.8%、中小企業は数カ月仕事がない。そういう中なのに国会では、ひどい政治が行われている。しかし、一方で共同の広がりがある。5.21のガイドライン法反対集会や今行われている座り込みなどだ。憲法違反の法律を許さない闘いを大いに盛り上げていこう」と訴えました。
 国会報告を行った共産党瀬古衆院議員は、「ガイドライン法が成立したが、これから関連法が整備される。具体化を許さない闘いをしよう。盗聴法では、公明党が自自公路線のため、理屈なしに賛成している。医療問題では政府は国民の猛反発があり、法案が出せない。憲法を力に頑張ろう」と訴えました。
 各界決意表明では、社保協内山代表委員、国公労連福田書記長、全保連桐山副会長、全労働橋本副委員長が発言、国公労連福田書記長は、「昨年来、年金と行革を両輪の署名として取り組んできた。省庁再編は、戦争をするための部分は大きくし、国民生活に関わる部門は縮小しようというもの。国会では、国家公務員減らしばかり議論している。衆院で採決の動きが出ている。今後ともあらゆる可能性を活かして闘っていく」と決意を表明しました。また、全労働橋本副委員長は、「派遣されている人たちが派遣法改悪反対のデモを行った。当事者が反対する法律が強行されようとしている。職安では、2時間待ちで、5分の相談もできない。全労働として、悪法阻止のため微力ながら頑張る」と決意表明しました。

衆院行革特別委員会・6月3日午前の審議
 6月3日午前の審議は、9時から「中央省庁再編法案」「地方分権法案」の審議を中心に行われ、大畠章宏(民主)、藤村修(民主)、吉田治(民主)の各委員が質問に立ちました。国公労連・各単組本部より10名がこれに参加し、12時00分まで行われた審議の概要は以下の通りです。  

<民主党・大畑章宏議員、藤村修議員、吉田治議員の質問>
大畠章宏委員(民主):通産大臣は、自分の理念のもとに行革をすすめているというが、1府21省庁を1府12省庁に改革するに当たり、何故、通産省を経済産業省にするのか。通産省を経済産業省に名称を変更する理由が明確でない。名称が変わるのであれば仕事が変わるとか、中身が変わってくると思う。しかし、現在、通産省が所管している中小企業庁にしろ、特許庁にしろ、エネ庁にしろ、従来の仕事が変わらないではないか。名称を変えれば様々な経費が」かかってくる。むだではないか。通産省の名称は国際的にも知られているし、MITIは定着している。名称を変更した場合は、英語で何と読むのか。
 英語でMITI、日本語で経済産業省。事務的にも、対外的にも名称を変える必要はない。仕事が変わらないのであるから、看板のすげ替えにすぎない。 与謝野通産大臣:橋本内閣の時に先生のご指摘と同じ事が言われた。一つは経済省がいいとか、今のままで良いということがいわれたが、最終的には、経済産業省ということになった。名称を変えたからといって、仕事の内容が変わるわけではないが、うちは他の省庁と違って許認可業務を抱えているわけではないので、名称変更を期に仕事の内容をより密度の高い業務に変えていきたい。
村田通産官房長:行革会議の報告にあるように、国家間の競争は大変激しくなっている。内外を問わず経済を司る我が省の果たす役割は大きくなっている。国際的にも、先生ご指摘の通りです。英語の名称にについては、法案成立後に協議をしていきたい。
大畠(民主):現在、情報通信の果たす役割が非常に大きくなっているが、現在、情報通信はどのような位置づけになっているのか。 与謝野通産大臣:日本は本来、この分野は諸外国に比べて進んだ分野であったが、現在は、非常に立ち後れている。国としてのアプローチが十分ではなかった。アプリケーションソフトの面でも立ち後れている。インターネットの大衆化や光フアイバーで全国を結ぶとか、情報インフラへの投資をもっと強めていかなければならない。国の役所間の情報インフラも大変遅れている。従って、官と民間が一体となって子の分野を強化していかなければならない。
大畠(民主):大臣の指摘の通りだと思う。しかし、行革法案を見て、今の大臣の指摘が生きているだろうか。通産大臣のような立場で行革を進めているのに、何故、総務省の中に郵政の仕事が入ってくるのか。崎ほら意の答弁にあるように、今、情報インフラの整備は緊急の事態となっている。国民が行革に求めるのは、単に、省庁を足して2で割るようなものではない。改革によって実がとれることを期待している。それなのに何故、総務省の中に郵政の仕事が入ってくるのか。通産と一体化すれば良いではないか。2つの省が縄張り争いする事になれば何の意味の改革かと国民から批判がでる事になる。
与謝野通産大臣:これは長年どちらがやるか議論があったところだ。橋本内閣の時には通産に一本化すべきと言う議論もあったが、結論として今回の形になった。両省の縄張り争いがあってはならない。
大畠(民主):2つの省が仲違いしないからというだけでは困る。今の情報戦争には勝てない。小渕さんの決断力次第だ。小渕さんが指導力を発揮すれば通産に一体化できるはずだ。2つの省で一人前ということでは問題だ。情報通信分野の行革は不十分だ。
 次に、工業技術院の問題に移りたい。工業技術院が廃止になるということだが、工業技術院は地味であるが、大変良い仕事をやっている。通産の仕事の殆どが変わらない中で、どこかを切らなければならないと言うことで、工業技術院が廃止の対象になったのでははないか。 与謝野通産大臣:工業技術院の評価をしていただいてありがたい。工業技術院は世界的にも、国際的にも、その研究は大きな評価を受けている。工業技術院は、院としては廃止するが、内部部局に位置づけることになるので、今よりも強化される。研究機関については、独立行政法人化されるので、むしろ、力は大きく発揮されることになる。研究者の力はより大きく発揮されることになる。独立行政法人化は、将来の発展につながる。
大畠(民主):私は工業技術院が表面から消えるのは大変残念だ。今回の行革は各省横並びで一律に廃止すると言うことで、工業技術院がそのやり玉にあがったと思う。十分考えてやってほしい。
太田総務庁長官:独立行政法人化が対象になっている省庁を廃止し、弱体化につながるもにおであると考えるのは正しくない。独立行政法人化は、本来国で行ってきた仕事を独立行政法人に移行することによって引き続き継続していくことであって、廃止することではない。独立行政法人の意味についてもっと正しく捉えてほしい。
大畠(民主):次に、特許、中小企業庁に関わって聞きたい。最初に、特許問題について、長年、日本とアメリカの間で特許戦争が激しく行われてきた。日本製品が安価でアメリカに輸出されたことで、アメリカは困り果てて、その反撃として知的所有権問題で反撃してきた。知的所有権についてどのように考えているか。それとアメリカは特許の総合的な政策を掲げて対応してきているが、日本はこういう方向が見えない。これについても聞きたい。
 それと公正取引委員会について聞きたい。公正取引委員会は、何故、総務省の中に位置づけられているのか。これでは中立性が保ってないのではないか。内閣府に置くべき思うがどうか。今からでも遅くない。ポジションを変えるべきではないか。
 労働大臣に聞きたい。今、大変な失業の実態にある。今回の行革は雇用の創出につながるのか。
与謝野通産大臣:日本は特許が出願されれば、やがてそれが発表されるが、アメリカの場合は、そういうシステムになっていない。日本としてアメリカの政策について批判してきた。我が国としては、電子博物館的なものをつくり、全国からそこにアクセスできるように、知的所有権を含めきちんとしょうと考えている。もうひとつは、国内の特許裁判は、大変時間がかかるので、それの迅速化を考えている。
 憲法にあるように、内閣は独立している。内閣は公正取引委員会の委員長を選任するくらいの権限しかないし、公正取引委員会の仕事に関わって何か物を言うべき立場にはない。
太田総務庁長官:行革の最終報告を受けて規制のあり方をふまえ、独占禁止法の適正な効力発揮のため、総務省においた。内閣府は企画立案を司り、総務省は自己チエック型の省であるので、そこにおいた。総務省においたからといって、公正取引委員会の中立性が阻害されることはない。
甘利労働大臣:今回の行革を進めることによって、国家公務員を25%削減することになる。しかし、これは生首を切るわけではなく、定年退職や新規採用などの縮減によって達成するものだ。従って、失業者が出るわけではないが、雇用の吸収力は低下する。しかし、その分、予算を他に振り分けることが出来るようになる。リストラは失業に即つながるものではない。雇用を創出し、雇用不安を解消したい。
藤村修(民主):行革、地方分権法案は、非常に多くの課題があり、私は文部関係に関わってお聞きしたい。 私は平成8年2月23日に当時の奥田文部大臣:に教育の地方分権について聞いた。そのとき、文部大臣には、そもそも教育行政の主役は地方で、国は応援団で、脇役を果たすと言っていた。教育行政における国の役割は何か。
有馬文部大臣:憲法に教育の機会均等があり、教育を受ける権利について明記している。その上に立て以下の4点と考えている。第1は、学校制度。第2は、全国どこに行っても基準が同じであること、第3に、義務教育費が国庫負担になっているように支援していくこと。第4に、学校運営に対する指導、援助、助言措置などがあることだ。
藤村(民主):2月10日の時の答弁と違っている。そのときは4番目がなかった。行革による観点が入ったのか。地方の教育の役割をどのように考えているか。
有馬文部大臣:3番めの義務教育に対する支援、4番目の学校への指導、援助、助言は、今後も強めていきたい。これはあくまで支援であって、押しつけではない。
 地方の役割は大きい。
藤村(民主):今日の地方分権の基本的なところでは、文教政策の方向は、行革の方向に即して、国の役割、地方の役割を明記していると思う。地方分権法と中教審とどのように整理しているのか。国の仕事はどれくらい減ったか。地方で教育にたいしてどこが具体的になるかといえば、教育委員会になる。戦後50年の中で教育委員会は定着してきたと考えて良いか。
 全国3300の自治体に小さな文部省といわれる教育委員会があるが、この制度を今後も継続するのか。それと地方自治体の何処に置くのかということは、自治体の権限ではないのか。
御手洗文部教育編成局長:地方はすべて具体化している。中教審では、第1に、学級制は認可制になっている。第2に、政令指定都市の高等学校は許可制から、届け出制になった。第3に、研修の休業制度もつくられた。これによって国の仕事も減ると思う。
 国は各自治体に教育委員会を設置することを定めている。それが無理なところは、2つに自治体で1つくっている所もある。教育委員会の設置は、基本的には自治体の権限であるが、国は教育委員会の統合や合併については、指導・援助をしている。
有馬文部大臣:教育行政の中で教育委員会は様々な仕事をやってきた。今後とも、教育基本法に基づき地域住民の教育の機会均等、教育水準の向上に向けて力をつくしていきたい。
藤村(民主):次に、今回の中教審に盛られていないカリキュラムセンターを国立で設立して、小中高の教育内容の充実化に勤めるべきではないか。それと先日西洋美術館を見てきたが、ここが独立行政法人化された場合、名称はどうなるのか。
御手洗文部教育編成局長:カリキュラムセンターについては、学校現場から考えて意義があると考えているおり、よいものを作りたい。
有馬文部大臣:西洋美術館の名称は、独立行政法人化の法律によって決まるが、文部省としては適切な方向で考えていきたい。独立行政法人化された場合、独立採算性になるのではない。国の財政でまかなうことになる。
吉田治(民主):大蔵大臣に聞きたい。中央省庁再編法と言うより、地方分権法になると思うが、地方財源問題について聞きたい。今、大変な不況が続いている。それだけに大都市を優先的に景気回復し、それを地方に波及させていくことが重要と思うが、そこで大都市の税財源について聞きたい。
宮沢大蔵大臣:今年度の税財源は大変厳しい実態にある。同時に、地方財政も非常に厳しい実態にある。自治大臣と協議して、とりあえず国の財源を担保しょうと考えている。景気が正常化すれば、財政のあり方について検討に着手したいと考えている。
吉田治(民主):大都市が景気回復しないと全国的な景気回復は望めないとおもうが、どうか。
野田自治大臣:各自治体の財政力をどのように強めていくかということだが、大都市は比較的財政に恵まれているが、地方都市はより厳しい実態にある。法人税が激減し、大都市、地方都市を含めて、税収入は減っている。
 政令指定都市や中核都市の場合は、他の都市に比べて、自主的に判断できるし、国としても配慮をしてきた。しかし、ご指摘いただいたように全体としては厳しいことは事実であるので、全体を考えて、大都市のことを考えていきたい。
吉田治(民主):造幣事業が今度独立行政法人化されるが、欧米諸国の場合は皆国がやっている。造幣事業が独立行政法人化された場合、その利益を上げるために外に仕事を取りに行けというのか。造幣は平成15年に独立行政法人化されることのようだが、これは造幣の事業が特殊ば事業と言うことから来ていると思う。独法化の見直しはあるのか。いずれにしても労使の協議はきちんとやってほしい。それと財政投融資はどうなるのか。
宮沢大蔵大臣:造幣や印刷は通貨を作っているので、民間企業とは同じにならない。大蔵として検討し、国のスリム化に協力すると言うことで造幣を独立行政法人化することにした。、特殊な事情を考慮し、平成15年に独立行政法人化することになった。すでに労使間で協議している。平成15年にしたのは、独法化の内容を詰めたいと考えているからだ。
 財投については、郵政としても、安全、確実なものにするということであり、その資金については財投債も一つの方法であると考えている。もう一つ財投機関債も考えている。財投債についても、財投機関債についても、国がそれを担保しなければならないので、運用方法も含め、検討していきたい。
吉田治(民主):機関債であれ、財投債であれ、大蔵が考えていくと言うことか。国会の承認はどうなるのか。
宮沢大蔵大臣:大蔵で考えていくと言うことはその通りです。国会の承認については、今でも財投については国会で審議していますので、機関債も財投債も同様の扱いになります。
吉田治(民主):経済企画庁は経済諮問会議になるようだが、その経済効果はどのくらい見込んでいるのか。労働大臣に聞きたい。中央省庁の再編を実施したことによって雇用がどのくらい増えると見込んでいるのか。国のシステムがこんなに変わるのに計量的に経済効果が現せないと言うことはどんなものか。これをやると契機にプラスになるのか、マイナスになるのか。
堺屋経企庁長官:省庁再編による経済効果を産出するのは大変難しいこれからのやり方もあるし、各省のやり方もある。誠に残念な事だが、計数化は出来ない。個人としての見解であるが、プラスとマイナスが渦巻いている
甘利労働大臣:省庁再編と地方分権によって雇用創出がどのくらいかはかることは大変難しい。民間活力は増える。民間活力を強めることによって雇用は創出される。計量的にはわからない。
吉田治(民主):地方分権や独立行政法人化で労使関係はどのようになってくるのか。国家公務員は来よう保険がない。国公法の中には、国家公務員の労働条件が書かれているが、国民の立場から見ると、非常に非能率であるし、わかりにくい。政府はどのように考えているのか。それと特殊法人は歴史的にそれなりの役割を果たしてきた。イギリスも日本の特殊法人から学んだといわれている。独立行政法人にしろ、特殊法人にしろ、労使関係をどのように考えているか。
太田総務庁長官:独立行政法人については、国としてやっていた仕事を引き続きやるし、民間に委ねるわけではないので、直ちに労使の問題ではない。特殊法人も今の法律で措置されている。
吉田治(民主):独立行政邦人の職員の身分は、公務員型と非公務員型がある。公務員型は争議権はない。他の職員は3権が付与される。国公法の71,72,76条はどのように具体化していくのか。
中川人事局長:この3月に公務員制度調査会が答申を出した。この答申の中に公務員のあり方が書かれている。
吉田治(民主):特殊法人理事以上のポストの決め方について、国会で承認事項にするべきとおもうがどうか。ポストの決め方をかえる意思があるか。。
太田総務庁長官:特殊法人の長は任期途中であったとしても、独立行政法人を鏡として決めていきたい。
吉田治(民主):地方分権法に基づいて今後社会保険の年金実務が国に移管されると言うことだが、市町村が持っていたデータは国に吸い上げられると言うことになるのか。国から来ていた事務財源はこなくなるのか。国民年金の窓口はどうなるのか。
宮下厚生大臣:国民年金は事実上市町村がやってきた。今後は国がやる。社会保険は今のままやるが事務合理化葉やらなければならない。掛け金徴収はすべての金融機関でやるようにするし、市町村の持っているでーたについては法定受託事務として今後も地方にやっていただく。財源については法定受託事務として行くので、今のやり方がマッチしているかどうか点検していきたい。
吉田治(民主):大震災などの時、在日米軍の出動の可否はどこで判断するのか。
河野内閣審議官:総理大臣を本部長とし、各省大臣を本部員とし、それに危機管理監が加わり仕事を司る。米軍の出動については、総理大臣の指揮のもとにはいる。
以 上

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