退職手当改悪の閣議決定にあたって(談話)


 政府は12月17日、国家公務員の退職手当の改定方針について閣議決定した。
 その改定方針は、国家公務員の退職手当の支給水準について、官民均衡を図るため設けられている調整率を100分の6ポイント引き下げるというものである。この方針に沿って、次期通常国会に所要の改正法案を提出するとしている。
 国公労連は、10月10日に「退職手当引き下げ反対の要求書」を政府・総務省に提出して以降、各レベルでの交渉を積み上げてきた。
 国公労連は、この交渉において「4年連続の年収切り下げ、史上初の本俸切り下げ、不利益遡及の強行に加え、退職手当引き下げを強行することは、職員の働く意欲を低下させるもの」「公務と民間の退職手当や関連制度の違いを踏まえ、今回の官民比較を唯一の根拠とする一律の退職手当の引き下げ検討を行わないこと」「退職手当制度については、指定職など幹部公務員の高額な退職金や特殊法人等への『わたり』による退職金の二重取り問題などが国民的な批判となっている。退職手当制度の検討を行うのであれば、これらの問題の検討を優先させるべき」「早期退職特例措置の検討は、勧奨退職慣行の是正や『天下り』の禁止などの公務員制度の民主的な改革と一体であり方を検討すること」などを主張してきた。
 また、職場からは、13万名を上回る「退職手当引き下げ反対署名」や中高年を中心とする「退職手当引き下げ反対ハガキ行動」などに取り組み、中央行動を配置し政府・総務省追及を強めてきた。
 しかし、本日、政府・総務省は官民比較の結果を唯一の根拠に、実施時期を2003年10月1日以降とし、1年間の「経過措置」を設けることや、早期特例措置の「見直し」を一部幹部公務員にとどめるとしたものの、退職手当の水準を一律に、6%引き下げることを閣議決定した。本俸切り下げという生活破壊に上乗せする労働者いじめの決定に、われわれは断固抗議するものである。
 この閣議決定を受けて、退職手当引き下げ反対のたたかいは、来年の通常国会に舞台を移すことになる。賃下げ、生活破壊のサイクルや、小泉「構造改革」に反対する労働者・国民と共同してたたかう国民総決起春闘とも結合し、引き続き「退職手当引き下げ法案」に反対するたたかいを展開する決意である。
 2002年12月17日

日本国家公務員労働組合連合会
書記長 小田川義和

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