給与法「改正」成立にあたっての中央闘争委員会声明


 本日(11月15日)参議院の本会議において、本俸(基本給)に切り込む史上初の「賃下げ勧告」、一時金「0.05月削減」などを内容とする2002年勧告に基づく給与法「改正」法が、共産党、社民党を除く政党の賛成で可決・成立した。
 国公労働者の連年にわたる年収マイナスという厳しい生活実態や長時間・過密労働の実態を踏まえれば、4年連続の年収引き下げを強行する給与法「改正」は、断じて認められない。ましてや、4月に遡っての実質的な不利益遡及の実施を強行することは論外である。
 この間、国公労連は、給与法「改正」反対の立場から、人事院勧告以降、職場からの「給与法『改正』反対署名」や上申行動などの大衆行動を背景に、その不当性を明らかにし、使用者たる政府の責任を徹底して追及してきた。
 しかし、政府は、こうした職場の声に耳を傾けず、公務員労働者の生活を直撃する勧告の内容を全面的に受け入れ、使用者としての責任を放棄した。
 国公労連は、給与法「改正」案が提出された国会段階においても、法案に反対するたたかいをねばり強く取り組んできた。中央・地方からの国会議員・政党に対する要請行動を展開するなど、中央・地方、職場・地域からさまざまな取り組みを行ってきた。
 にもかかわらず、国会では、衆・参併せて5時間余りの短時間審議において採決が強行された。人事院勧告後、ほとんどの地方自治体において「賃金切り下げ」「4月に遡っての不利益遡及」などの人事委員会勧告が出され、特殊法人などの民間労組にさえもマイナス人勧が悪影響を及ぼしている。それらを含め、国家公務員賃金の社会的な影響や消費不況下での不況打開などの観点からの国会審議が求められていた。また、公務員の労働基本権制約の「代償措置」としての人事院勧告制度の問題点を明らかにすることも必要であった。そうした真剣な議論も十分行わず、わずかな審議で採決が強行されたことは、重大な問題である。
 ただ、不利益変更の労使協議が尽くされていないとの修正案が民主党と社民党から提案されたことは、不利益遡及(調整措置)が脱法行為とする我々の主張の反映であった。
 年収マイナスの給与法「改正」は4年目を迎えるが、人事院勧告の社会的な影響に対する国民的な理解と共同は、人事院勧告の影響が直接及ぶ750万労働者のみならず、民間労働者を含めてかつてない広がりをみせている。国公労連は、生活改善に向けたたたかいを強化するため、引き続き労働者・国民との共同拡大めざして全力をあげてたたかう決意である。
 いま、地方自治体のなかで賃金確定闘争がすすめられており、民間労組においても年末一時金獲得のたたかいが取り組まれている。国公労連は、こうしたたたかいとも連帯してすべての労働者の要求前進のためにたたかうとともに、不利益遡及問題に対する法的対抗措置の検討を含め、官民の「賃下げ悪循環」阻止にむけて引き続き奮闘する決意である。
 この間の全国の仲間の奮闘に心から敬意を表しつつ、来春闘の勝利も展望したたたかいへのさらなる結集を呼びかける。

2002年11月15日
国公労連中央闘争委員会

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