「地域に勤務する公務員の給与に関する研究会」
の設置にあたっての談話


 人事院は、9月26日に地域ごとの実態を踏まえた給与制度の見直しを行うために、学識経験者を中心に、地方自治行政関係者及び報道関係者ら10名の委員で構成する研究会(事務総長の私的研究会)を設置することを明らかにした。
 これは、人事院が2002年度の人事院勧告時の報告において、「各地域における公務員給与のあり方の見直しを給与配分の適正化の観点から適切にすすめていくためには、本府省と地方の配分や世代間の配分等にも目を配りながら、俸給制度や地域関連手当をはじめとする諸手当の在り方の抜本的な見直しを行う必要がある」との問題意識を表明し、「学識経験者を中心とする研究会を直ちに設置し、関係各方面と幅広く意見交換しながら、早急に結論を得ることができるよう、具体的な検討を進めていくこととする」としていたものである。
 これに関わっては、政府が「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」において「人事院や地方公共団体の人事委員会等は、地域毎の実態を踏まえて給与制度の仕組みを早急に見直すなどの取り組みを行う必要がある」と6月25日に閣議決定した。また、7月24日に官房長官が人事院総裁に対して「できるだけ早く改革案を策定し、内閣に報告していただきたい」と要望し、9月27日の閣議でも同様の決定をおこなっている。また、政府・行革推進事務局は、「公務員制度改革大綱」において「本府省の職務の困難性、特殊性等に適切に対処するため」、本省勤務手当の新設などを打ち出している。
国公労連は、研究会がこうした政府サイドの「要請」などに左右されることなく、民主的公務員制度の確立をめざした検討が進められることを強く期待したい。
 各地域における公務員給与のあり方見直しは、俸給制度や地域関連諸手当を含めた給与制度の全般的な在り方のみならず、任用やその働き方の在り方にも踏み込んだ検討も想定されうる。そのことからして、研究会では、多面的に十分な議論を尽くして結論を得るべきであり、来年勧告への反映などを前提とした拙速な検討は避けるべきである。また、研究会の検討にあたっては、議論内容を国民に公開するとともに、当該労働組合との意見交換の場を保障し、労働組合の意見が十分反映することも当然のことと考える。
 国家公務員労働者の職務と生活の実態にも目を向けた検討が行われ、国民と職員ともに納得性のある公務員給与のあり方が検討されること要望する。

 2002年9月27日

日本国家公務員労働組合連合会
書記長 小田川 義和

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