医療改悪法案の強行採決に抗議する声明


 7月26日15時10分に、与党3党は野党欠席のまま参議院本会議を開会し、医療改悪法案の採決を強行した。
 この「医療改悪法案」は、(1)健保・共済本人の窓口負担3割への引き上げ、(2)「総報酬制導入」による保険料の引き上げ、(3)高齢者医療1割負担の徹底、(4)自己負担限度額の引き上げなど、労働者・国民に新たな負担を課すものである。
 今回の改悪によって、厚生労働省も国民負担は1兆5000億円増になるとの見通しを明らかにしている。この負担増によって深刻な受診抑制を引き起こすことになる。このことは結果として、病気の早期発見・早期治療を困難にし、国民医療費の増大をまねくことになるとともに、憲法で保障された国民の生存権が脅かされることとなる。
 政府が医療保険改悪の口実としている赤字の原因は、国庫負担の削減や、リストラ・倒産などによる保険加入者の減少による保険料収入の低下などが原因である。
 政府が国庫負担を引き上げ、高すぎる薬価を欧米並に引き下げ、病気の予防・早期発見・早期治療に対する対策を強化するならば、今回の医療改悪はまったく必要のないものである。
 医療改悪法案に反対する署名は、2700万名分に達し、この法案の撤回・見直しを求める意見書を採択した自治体の数も650にも及んでいる。日本医師会や看護協会などの医療関係団体からも反対の声が上げられていた。
 国公労連も、職場から「医療改悪反対の署名」を集約するとともに、医療改悪阻止を中心課題に春の「ブロック連鎖キャラバン行動反対」などを展開してきた。
 それにもかかわらず、広汎な国民の反対の声を踏みにじり、医療改悪法案を、与党3党が強行採決したことは許し難い暴挙である。
 私たち、国公労連はこうした強行採決の暴挙に断固抗議するとともに、引き続き国民がいつでもどこでも安心して医療が受けられる医療体制の確立をめざしてたたかいを展開する決意である。
  2002年7月26日   

日本国家公務員労働組合連合会

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