〈「国公メールニュース」2002年2月21日付〉
 
■勤労者通信大学のすすめ■
 ☆1万人オルグづくり、世話役活動の活性化、国公労働運動の前進へ
  基礎となる学習を勤労者通信大学で進めよう
 ※この文章は、労働者教育協会が作成した「勤労者通信大学のすすめ(国公労連編)」です。今年の勤労者通信大学の受講申し込みは、4月末まで随時受け付けていますので、ぜひ受講者をひとりでも多く組織して国公労働運動の前進への土台を固めていきましょう。(※受講申し込みは各単組本部まで。問い合わせは、勤労者通信大学TEL03−5842−5644)

★公務員攻撃を反撃していくために
−勤労者通信大学の受講をよびかけます−
国公労連中央執行委員長 堀口士郎


 21世紀に入り、私たちをとりまく情勢はまさに激動の局面にあります。
 私は、このような時代に生きるものとして、情勢を科学的に分析し攻撃の本質と展望を見いだす、基礎的な「力」を養っていくことが必要だと考えています。
 いま、大切なことは日本のすすむべき進路、国づくりの方向をしっかり見すえることではないでしょうか。その基本が平和憲法にあることはいうまでもありません。
 憲法は第2次世界大戦の惨禍と反省の上に確立され、世界でもっとも先駆的な内容をもっています。激動する情勢のもとで、戦争放棄の理念、基本的人権の尊重や生存権・労働権の保障などを確信にしながら、国民が大切にされる社会の実現をめざしたいと思います。
 この憲法理念をふみにじり、国民犠牲・大企業優先の政治を進めているのが自公保政権だと思います。小泉内閣はアメリカの同時多発テロへの対応を利用して自衛隊の海外派兵を強行し、憲法改悪に足を踏み出しています。
 また、人権や労働法を無視した解雇・リストラが強行され、医療制度など社会保障の改悪が狙われるもとで、雇用・いのち・生活のあらゆる局面で国民の「生きる権利」がおびやかされています。社会を支え、進歩・発展の原動力となっているのは5400万労働者であり、労働者の生活や権利を破壊する企業や自公保政権に、私たちの未来を託すことはできません。
 政府がいますすめている公務員制度改革も攻撃の根っ子は同じです。政府は、各省の人事管理権限を拡大する一方で、人事院の「代償機能」を制限しながら、労働基本権にはいっさい手をつけず、職場にいっそうの差別・競争を持ち込もうとしています。
 この方向は、公務員労働者の権利縮小、人間としての尊厳を奪うものであり、憲法にもとづく「国民全体の奉仕者」としての公務労働のありかたを変質させるものです。
 このような情勢のもとで、勤労者通信大学と「学習の友」を活用した学習はとりわけ大切であり、多角的な議論をとおして自信と確信を高めたいと思います。たくさんの国公の仲間が勤労者通信大学を受講
されるようよびかけるものです。また、各級機関において受講者拡大のとりくみを強めていただくようお願いするしだいです。

★次代を担う活動家養成を勤通大で
−120人の受講生を組織して−全建労


 全建労では、2001年度の勤通大に全国で120人が受講しました。全建労本部の執行委員会で、活動家養成、とりわけ青年のなかでの活動家養成が十分すすんでいないこと、勤通大を活用して本格的な活動家養成にとりくむことを意思統一、各地本と各地本青年部が一体となって募集活動にとりくみました。
 東北15人、北陸19人、筑波4人、関東36人、東海7人、近畿8人、中国4人、四国15人、九州7人、本部5人の120人。地本の役員、とくに青年部の役員中心に受講がすすみました。今回のような大量受講は、数年ぶりのことで、本部としても修了ができるよう学習援助活動に力をいれていこうと、「勤通大通信(まいど)」の発行、受講生が集まることが可能な、支部、近隣支部どうし、県協単位などで定期的な学習会の開催を追求していくこと、チューター・講師は、基本組織の先輩に要請すること、などをおしすすめてきました。

 ○本部でニュース発行、テスト援助、各地本で創意的な学習会を開催

 学習会は、みんな仕事や活動で忙しく集まること自体がなかなかたいへんでした。結局、本部・四国地本・渡瀬支部(わたらせ・関東)・東海地本で青年部が中心になって誕生。他の地本でも、テスト対策学習会など独習を励ます場所などいろいろ創意工夫しながらもたれました。
 四国地本では、香川地区の受講生を中心に学習会を結成し、香川県学習協から講師・チューターを招き、月2回の開催。(1)チューターの指導にもとづき、全員が学習会までにあらかじめ指定された章を読んでくる、(2)指定された章のなかで、議論のテーマとなるポイントを毎回順番で2名の受講生がレポートにまとめてくる、(3)レポートにもとづきグループで議論する、というやり方。
 とにかくみんなで学習していけば、楽しいし、学習がつづくという点が大きいのです。地本青年部のIさんは「勤通大を受講するのははじめて。1人で教科書を読むと分からないところがあるが、学習会でみんなで考えれば理解できるし、ふだんは興味をもたないことも深く追求して考えられる。勤通大の学習は、学校の勉強では教えてくれないことばかり。仕事は忙しいが最後までがんばりたい」と決意を語っています。また地本のT書記長は、「青年ががんばっているので、基本組織もきちんと参加しなければ……という相乗効果も出ている。学習内容がけっこうむつかしいので、みんなまだ楽しめるほどの余裕はないが、レポートをまとめるポイントを工夫し、より効果的な学習となるようみんなで知恵を出し合っている」と学習会へかける意気込みを語っています。
 渡瀬支部では、青年4人、基本組織2人で3月からスタート。「全員で結束して卒業をめざす」ことを意思統一。「1人で分からないと悩んでいるとだんだん読む気も失せてくる。グループ学習のメリットはここにあると強く感じた。仲間どうしで学習することで職場の結束もえられる」(Sさん、25歳)とか「不況だから賃下げやリストラも仕方ないという人がいるが、リストラされた人の生活はどうなるのか。そう考えたときおかしいと思った。受講しようと思ったのは、サークルでディスカッションすればなにか答えが見つかると思ったから。最後までがんばろうと思う」(Tさん、28歳)と学習会のよさを参加者ものべてくれています。
 東海地本では、受講生を名古屋に集めて定期的な学習会を開催。第1回目の学習会に参加した名古屋国道支部のKさん(26歳)は、「1人で学習したときは、教科書を読むだけで中身をよく理解できなかったが、サークル学習でいろいろな疑問がはれた。また仲間の感想や疑問、ふだん感じていることなども聞き出すことができるし、とても参考になる」と感想を語っています。

★公務員攻撃にたちむかう青年活動家を
全運輸中国支部 S.N


 全運輸は国土交通省の旧運輸省職員で組織する労働組合で、現在約1万1000名の組合員を擁し、私たち中国支部は中国運輸局と中国船員地方労働委員会に勤務する職員で組織し、組合員は402名です。
 公務員労働者をめぐっては、3年連続の賃金の切り下げ、国の責任を放棄しいっそうの行政減量化を狙う「独立行政法人」、また、最近の特徴は「労働基本権の制約」はそのままに使用者権限を一方的に強化する「公務員制度」の大改悪が企図されています。
 こうしたなか、私たちの支部では、学習活動の強化を年度方針に掲げ、そのとりくみをつよめる方針を確認しました。
 本来は、組合員教育は労働組合で行うべきではありますが、内部的な学習会では、体系的かつ系統的な学習活動はなかなかその効果
が上がらないため、勤通大を中心とした学習会を組織することとしました。
 これまでの勤通大のとりくみは、さほど意識的に組織することなく、本部指示を分会におろし、それにもとづいて散発的に組合員が受講するといった場合が多く、これに組合が受講料の一部を補助するといった程度のとりくみにとどまっていました。
 また、「通信制」であるという特徴から、いきおい独学での学習は困難を伴うものであり、こうした弱点を克服し、学習効果を高めることを目的に今年度については、単に個々の自助努力のみに頼ることなく、相互に励ましあえるように、受講者の学習会を組織することとしました。
 今回の受講者は、再受講の40代男性から青年層まで男女各2名の計4名で組織し、学習会は、テストの配達があったあと受講者の日程調整を行い、勤務終了後、組合書記局で学習会を行う形式としました。
 学習会の進行は、テスト対策を基本に、各人が持ち回りで先行して学習を進め、読み合わせをして、各章ごとの学習のポイントを解説するなどの方法をとり、受講者が議論して解答を導き出す方法をとりました。
 受講者が議論する中で、青年の受講者からは組合活動を進める中で、日ごろからなんとなく疑問に思っていた「組合用語」についての質問が飛び出すなど、「テスト対策」の学習会にとどまらない内容の濃い学習会を継続することが出来ました。
 今回の学習会を組織するにあたっては、「青年層を巻き込んで学習会」を主眼に取り組んだものですが、結果的には逆に青年層が先行して学習し、中年層(?)はあおられっぱなしという、嬉しいような悲しいような学習会となりました。
また、労働組合の「基本?」である「飲ミニケーション」も大切にし、学習会終了後は、近所の居酒屋に繰り出し、大いに感情的団結を深めました。
 一昔前の労働組合の運動スタイルは、青年層を中心に「まず行動ありき」であって、その行動の検証として学習活動があったように
思いますが、昨今の労働界全体の傾向として、組織率の低下ともあいまって、先輩からの運動の伝承がなかなか困難な状況のなか、一方ではマスコミを総動員した「思想統制」が繰りひろげられるなか、「真実」を「確信」へとつなげる勤労者通信大学は支部にとっても大きな力となりました(支部副委員長)。

★国公の仲間の声

●勤通大受講で学習をしっかり位置づけて
Y.M(新潟、全建労北陸地本、37歳)

 職場で労働組合活動を行う上で学習の重要性は従来からいわれています。「知らない」ことは、要求につながらず、「知る」ことで権利を意識し、はじめて要求となりうると思います。しかし、忙しい職場で学習をくりかえし行うことは現実的にはむつかしいため、勤通大の受講で効率的な学習を行っていくことを組織で決定しました。これまで受講された方からもれ聞いたことが詳しく教科書に記載されていました。学習をはじめたばかりですが、時間を見つけてがんばりたいと思います。

●世の中の見方が深まってくる
K.S(宮城、全気象、28歳)

 疑問に思っていたことが、だんだん分かってきました。新聞やテレビのニュースの見方も、ただ受けとめるだけでなく、本当にそうなのか考えるようになりました。職場には、勤労者通信大学卒業の大先輩がいて、今回いっしょに受講している仲間と哲学や政治、社会の出来事について、休憩時間に話しをしています。

●労働組合の歴史から権利まで
S.K(東京、全法務東京、29歳)

 東京支部で書記次長をやっており、なかなかテストを提出できず、しめきりをすぎてしまい、たいへん申し訳ありませんでした。労働組合の誕生から権利まで勉強になりました。これからもがんばりますので、よろしくお願いいたします。

●マスコミによる小泉もちあげの本質見破る目を
T.G(青森、全運輸、34歳)

 忙しさと片道2時間の通勤でなかなか学習の時間がとれず、大幅にテストの提出が遅れてしまった。今回のテストで印象に残ってるのは、支配階級のイデオロギーのところである。現在のマスコミは、こぞって小泉内閣をもちあげている。大相撲の表彰式では、主役は貴の花のはずなのに小泉が何度も放映された。小泉メールマガジンも人気をあおっている。「国民の関心」→「申し込み」→「小泉流の考え方」にひきこむ方法だ。私たち国民が支配階級のイデオロギーによって支配されようとしていることに気がつくことが、今非常に重要になっていると思う。

●省庁再編のなか学習基礎に団結深める
T.O(兵庫、全港建、23歳)

 私たちの職場は、省庁再編や定員削減で大幅に職場環境が悪化しようとしている。いまは、これをくいとめるため団結が必要である。そんななか私は支部書記長に選出され、より効果的な活動を行うため、労働組合の基本から勉強しようとはじめました。ここまでの学習では、組合の成り立ち、意義を知ることができ、たいへん満足しています。今後もテキストを見ながら精読をしようとしています。
 
●学習会で未来の担い手を
M.U(埼玉、全建労関東、31歳)

 全建労の支部でも、学習サークル(青年中心)を結成して勤通大に取り組んでいます。「むつかしい」という声もありますが、ねばりづよく行っています。また勤通大ではありませんが、ある支部では、毎月多くの組合員や未加入者を集めて情勢その他を学ぶ「毎月学習会」を今年1月から取り組んでおり、少しずつですが、学習をする気風がひろがっています。役員の後継者をいかに育てるかが全建労の最重要課題となっていますが、「学習なくして成長はない」という観点で取り組もうと考えています。

●学習の重要性を再認識
H.T(高知、全建労、47歳)

 「賃金要求が実現しない」「長時間労働、残業をなんとかしたい。しかし、増員要求が実現しない」など、閉塞感がひろがり展望がなかなか見いだせない現状のなかで、その原因や問題を明らかにしたいと思い受講しました。いざ教科書を開いてみると「わかっている(いた)つもり」のことが全然わからず、あらためて学習の必要性、重要性を再認識したところです。第1回テストが大幅に遅れ、第2回テストと同時に提出することになりました。受け付けてもらえるでしょうか。ひきつづきなんとかがんばりたいと思います。

●はじめて受講して
T.T(栃木、全建労渡良瀬支部、27歳)

 はじめてテストを受けて、とてもむつかしかったです。でも非常にためになりました。もっときちっと読んでいきたいと思います。用語がむつかしい面がありましたが、勉強して理解したいと思います。次もがんばります。 

●仕事が忙しいが…
H.H(大阪、全建労、25歳)

 今年の4月に職場が変わったこともあり、なかなか仕事に慣れず、毎日帰宅が遅く、通信大学の教材にも目がいかない状況にあります。しかし、毎日の業務とは違った考え方を教えてくれるこの通信大学をがんばっていきたいと思います。第1回テストの提出が4月末とギリギリとなってしまいましたが、ご容赦ください。

●公務員制度改革の攻撃のなかで
K.H(宮城、全法務、37歳)

 公務員制度の抜本的に大きな変革期とよばれ、私たちの身分が十分に保障されるか不安な毎日、年度末の残業に追われる日々に、本当の意味で公務員の必要性を訴えることは、大切である。それが大きな力となり、働きやすい職場へそうした力となるために組合の存在は大きいはずです。この変革期、組合にとっても大きな変革期である。

●組合活動に役立てていきたい
T.S(福島、全法務、30歳)

 組合について、いままで何も分からず活動していたような気がする。手をつけるまで大変だったが、少し組合についての理解が深まった。組合活動について今後役立てていきたいと思います。

●学習不足を思い知らされた
T.M(山形、全労働、45歳)

 労働組合の執行部として基礎を勉強しようということで全員で意思統一、教科書で読めば読むほど知らなかったことにぶつかり、自分の勉強不足というか、無知である自分をいやというほど思い知らされた。これをいい機会ととらえ、マイペースではあるが、勉強を続けていきたい。

●いくつになっても学習は重要
K.M(岩手、全建労、42歳)

 組合の方針で15年ぶりに受講することになりました。青年部のときに受講して以来ですが、いくつになっても学習は重要とあらためて感じています。とくに公務員にたいする攻撃が強められているなかで、基本となる学習が重要なことは当然。しかし、いきなり第3章の219頁までとは。計画的にやればよいのですが。トホホ。重要な部分などもビデオの学習があっても良いのでは。

●入学したからには
H.N(東京、全司法、54歳)

 人生50を過ぎると「何か」わかってきたような気持ちでいました。しかし、「自由」「認識」「物質」など、私の考え方の浅いことが、教科書を読んだことによって分かりました。頭が固くなっていますので、理解をするところまでなかなかいきそうにありません。しかし、入学した以上は最後まで続けるつもりではいます。お酒を飲みながら、ゆっくりと歩みたいと思います。

●老眼で疲れるが、がんばる
M.U(山梨、全建労関東、48歳)

 40歳代になって老眼のためか、教科書を読むことに疲れがあり、疲れると何度も前に戻るため、なお前にすすめなくなる。しかし、今度はなんとか卒業までこぎつけたい。

●堅苦しい印象をもっていたが…
K.N(熊本、全建労、28歳)

 幹部の立場にありながら、組合活動について正しく認識しておかなければ、運動を誤った方向へ導くかもしれず、また一般の組合員にたいして、運動方針に裏付けがなくては、組合員を運動に参加させることは、困難であろうとの考えから、幹部全員で受講することになった。出てくる語句が哲学書のように堅苦しいので、最初はとっつきにくい印象を受けたが、わかりやすい例えが記載されているのがありがたい。

●1年間学べてよかった
S.N(広島、全運輸、42歳)

 やっと修了テストがおわったぁ〜!仕事や組合活動が忙しくて、なかなか勉強時間がとれなかったけれど、いっしょに勉強会に参加してくれた若い仲間のおかげで、ここまでこれました。ありかどう!さ〜これから飲みに行こう!!

●夏休み半日かけてテストを
K.S(山形、全労働、42歳)

 夏休みの半日かけて第2回テストを書きました。今回は提出が遅れましたが、最後のテストを期日までに出しぜひ修了したいと思います。

●系統だった学習の重要性を痛感
N.Y(山形、全労働、39歳)

 労働組合活動をはじめてから数年が経過したが、ただそこに身を置き、身の回りに起きる当局との対応に終始するだけで、系統だった学習をする機会もなく現在に至っている。あらためて本講座を学習して思うことは、「今」「なぜ」「活動が必要なのか」「自分がどうあるべきか」を考える良い機会となったと思う。後は、いかに実践していくかであると思う。しかしそれは、一番むずかしいことでもあると思う。

●占いをみても
S.N(石川、全気象、28歳)

 哲学は、その考えについては理解できるが、用語がむつかしく、時間がたてばすぐ忘れてしまった。世の中に占いを本気で信じている人や信じる人が多いことにはびっくりしていたが、テキストを読むうちに、占いをみてもシラケるようになった。

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