戦争をする国づくりを許さず、
平和憲法を守り、発展させる決議


 国内外からきびしい批判や懸念の声が寄せられるなか、8月13日、小泉首相は靖国神社への参拝を強行した。憲法の政教分離に違反するばかりか、戦前、戦中を通して、戦争遂行の精神的支柱となり、人々を戦地に追いたてた靖国神社への参拝は、アジア諸国への侵略戦争を美化するものであり、日本の首相としてあるまじき行為である。私たちは、小泉首相の靖国参拝の強行に抗議するものである。
 新ガイドライン関連法「戦争法」の制定をはじめ、日本を「戦争をする国」へと変える動きが加速している。集団的自衛権の行使、戦争に国民を総動員するための「有事法制」の整備、そして、その行き着く先として憲法9条の改悪がねらわれている。こうした流れの中に、戦争を賛美する「新しい歴史教科書をつくる会」による教科書の検定合格や、首相の靖国参拝があることは明らかである。アジアの国々をはじめ諸外国との溝を深め、対立を煽る行為は、世界と日本の平和を求める流れへの逆行にほかならない。
 たびかさなる米軍兵士の犯罪とともに、NLPや砲撃演習、低空飛行訓練など、住民の安全と暮らしを脅かす行為がますます激化するもと、地位協定「見直し」や米軍基地の廃止・縮小が多くの国民、地方自治体の共通した要求となっている。
 こうした声に背をむけ、小泉内閣は、新たな軍拡競争を招く「ミサイル防衛」構想への支持を表明するなど、アメリカ追随の姿勢を強めている。緊張緩和と核を含めた軍備削減という、世界の大きな流れからの孤立を深めるアメリカを支援することは、日本をも世界から孤立させるものでしかない。
 一方で、平和と憲法を守り、ふたたび戦争の道を許さない世論と運動も着実にひろがっている。公立学校での「つくる会」教科書の採択は、東京と愛媛の障害児学校の一部だけとなり、私立を含めてもわずか1%にも満たない採択率となった。この結果は、民主的な運動のひろがりのなかでもたらした国民の良識の勝利である。また、婦女暴行など無法の限りを尽くす米兵の横暴に対する怒りは、思想信条や理念、安保条約への態度の違いをこえて、多くの国民の中にひろがっている。
 私たちは、戦争をする国づくりを断じて許さず、憲法の平和理念を守り発展させるたたかいに固く結集してたたかう決意を新たにする。憲法遵守の義務を負う国公労働者として、私たち自身とこの国の未来のために、日本と世界の平和を守るために、国民的な運動の先頭に立って奮闘するものである。
 以上決議する。

 2001年8月30日

日本国家公務員労働組合連合会第47回定期大会


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