人事院の「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」について(談話)


 5月21日、人事院は各府省に対し、「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」を通知した。男女共同参画社会の推進では、「男女共同参画社会基本法」が1999年6月に施行され、2000年12月12日に政府が「男女共同参画基本計画」を閣議決定し、その中で、人事院が同年勧告時報告で検討を表明した「指針」について早期に策定することが求められるとともに、各府省に対しては、「同指針を踏まえ、女性の採用・登用等の促進に向けた施策に関する計画を策定するなど、総合的かつ計画的に取組を推進する」ことが示されていた。

 「平等取り扱いの原則」「能力の実証に基づく任用」が規定されている国家公務の職場でも、男女格差は依然として残されている。また、定員削減や業務効率化がすすむ職場では、長時間過密労働が恒常的になり、加えて単身赴任も伴う頻繁な転勤が多くの職場で行われるなど、家族的責任を果たしながら働くことを困難にしている実態がある。公務職場における男女共同参画社会を実現するために、1)試験合格者に占める女性の割合に応じた採用、対象職員に占める女性の割合に応じた登用を目標とすること、2)現にある男女格差を積極的是正措置をとることにより解消すること、3)労働時間を短縮し男女労働者が家族責任を果たして働く労働条件を確立すること、4)そのためにも業務量に見合った職員の配置と家族の生活を尊重する転勤の規制を行うことなどが、男女平等を実質的に実現する上で重要であり、人事院の指針策定にあたって、国公労連はその立場からの意見を申し入れてきた。

 指針は、「男女共同参画社会の実現は人権尊重という普遍的な基本理念」とし「『実質的な男女平等』の実現は、公務員人事管理の改革を促進するものである」「すべての職員が働きやすく、持てる能力を最大限に発揮できる活力ある職場づくりにつながるものである」としている。そのための方策として、「各府省が『積極的改善措置』により、採用・登用の男女格差を計画的に解消していくこと、各府省に現状の把握と分析とあわせて、職業生活と家庭生活の両立支援の推進に向けた勤務環境の整備を求めている。
 また、各府省に対し、2005年度までの目標設定と、目標達成に向けた具体的取組等を定めるなど「女性職員の採用・登用拡大計画」の策定を求めている。また、各府省での「女性職員の採用・登用拡大担当者」の設置、人事院による苦情相談、計画と計画の進捗状況等についての定期的な把握と公表等が十分とはいえないまでも明記されている。

 国公職場の実態や働き方、国公労連の要求からすれば、人事院指針の内容は十分といえるものではないが、公務職場における男女格差の是正と女性国家公務員の地位向上に向けた大きな第一歩であり、その理念を踏まえた各府省の計画策定、具体的な施策の実施を求める取り組みが重要となっている。あわせて、指針が述べている「女性職員採用・登用の進捗状況や雇用状況・雇用環境の変化を踏まえた必要な見直し」に向け、よりよい指針にしていく運動を進めることが重要である。

 今後、人事院指針に基づき各府省が定める「計画」に私たちの要求を反映させる取り組みの強化が求められている。国公労連は、真の男女共同参画社会の実現に向けて、男女ともに人間らしく働くルールの確立を求める取り組みを引き続き強化する。
 2001年5月22日
   

日本国家公務員労働組合連合会
書記長 小田川義和


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