2001年春闘における政府・人事院の回答をうけて(声明)
 本日、政府・人事院は、国公労連が2月15日提出し、回答をもとめていた統一要求に対する回答をおこなった。今春闘で国公労連は、平均22000円(5.8%)の大幅賃上げと初任給改善や非常勤職員の「時給1000円」要求などの賃金「底上げ」、超過勤務規制強化をはじめとする労働時間短縮、男女共同参画基本法の公務での具体化、さらには行革大綱にもとづく公務員制度「改革」反対などの重点的な要求を明らかにして、その実現をもとめた。しかし、それらに対する政府・人事院の回答は、「人事院勧告制度をふまえ国政全般との関わりで検討」(総務省)、「労働条件決定にあたっての民間準拠を維持」(人事院)などとするものであった。

 今春闘での、JC(金属労協)など連合・大手組合に対する回答・妥結状況は、トヨタ自動車での「7600円(純ベア600円・対前年比100円増)」をはじめとして「2000年春闘並相場」にとどまっている。また、昨年の一時金が、一昨年水準を若干下回る状況にある。それらの点をふまえれば、従来回答に固執する政府・人事院の姿勢では、人事院勧告によるベアゼロや3年連続の年収切り下げの危険性を払拭することはできず、連年の年収切り下げで生活苦を訴える国公労働者の要求にはこたえていない。また、回答は、過酷な定員削減や業務効率化の押しつけがもたらしている長時間過密労働の是正をはじめ、「働くルール」の確立をもとめる国公労働者の要求にも背をむけている。
 国公労連は、そのような政府・人事院の回答を容認することはできない。国公労働者と家族の生活をまもり、「全体の奉仕者」としての公務労働に働きがいと誇りをもって日夜奮闘している仲間の切実な要求を前進させるため、体制を固め、引き続き全力でたたかう。

 今春闘は、政府が昨年12月に閣議決定した行革大綱にもとづく公務員制度改悪が大きな影を落としていた。信賞必罰の人事管理システムへの転換など、公務員制度を「白地から見直す」とする行革推進事務局の検討は、公務の「民主的かつ能率的な運営」を保障する政治的中立性や公務員の身分的安定など、制度の基本部分の改悪を意図している。政治主導で進められている乱暴な「改革」論議に対し、政府・人事院は、「(公務員制度改革は)行革推進事務局と連携」(総務省)、「(俸給体系問題は)政府動向など諸事情をふまえる」(人事院)などとする回答を繰り返し、明確な姿勢を示していない。本日の政府・人事院の回答には、そのような状況も反映しているが、特に、人事院が2月13日に提案した俸給体系「見直し」や、研究会でのとりまとめを急いでいる「あらたな評価システム」は、それ自体が問題であると同時に、行革推進事務局による公務員制度改悪の先導役となる危険性すらある。それを許さないたたかいを職場・地域から強めることが重要になっている。

 森内閣は、KSD事件や外務省機密費問題でも明らかになっている、税金と行政を政権党の党利党略で私物化する「構造」を自ら解明しようとさえしていない。自浄能力さえ失っている政権に、まともな公務員制度改革などできるはずもない。
 国公労連は、行革推進の担い手としての公務員づくりというゆがんだ公務員制度改悪に、あらためて反対の意思を表明する。同時に、現行公務員制度の運営に責任を持つ使用者政府と人事院が、政治主導での「白地からの改革」に、批判の立場を明らかにするよう強く求める。

 2.21「地域総行動」など4波の全国統一行動や、3次にわたる中央行動を背景に、職場から当局の使用者責任を追及し、地域春闘構築のために奮闘された全国の仲間に心からの敬意を表明する。春闘期のたたかいを通じて、「働くルール確立」署名がナショナルセンターの垣根をこえて広がりはじめ、連合自らが「JC回答を乗りこえる」中小のたたかいを組織する必要性を言いはじめたように、政治・経済のいきづまりや労働者の状態悪化がきわまる中で、政府・財界が一体となって進める労働者いじめへの反撃がはじまっている。
 いま、政府は、我が国の経済が、消費の停滞によって景気が悪化する「デフレ」状態であることを正式に認めながら、国民負担の軽減や社会保障給付の拡大、雇用拡大など国民のふところをあたためる有効な施策をとろうとしていない。そればかりか、不良債権処理などを口実に、一層のリストラ「合理化」や中小企業の淘汰などを前提とした「構造改革」にひたはしろうとしている。そのような施策の強行が、国民・労働者の怒りとたたかいを広げることは確実である。
 この間のたたかいの前進を確信に、国公労働者が自らのたたかいで要求前進を勝ちとる決意も新たに、引き続くたたかいへの結集を呼びかける。 

2001年3月22日

日本国家公務員労働組合連合会
第3回中央闘争委員会


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