国民に開かれた司法制度への改革を求める決議

 司法制度改革をめぐる情勢は、一昨年7月内閣に設置された「司法制度改革審議会」が昨年11月に「中間報告」を発表するなど、重要な局面を迎えている。
 審議会の「中間報告」は、それまで30数回にわたる会議や集中審議、地方公聴会などを経て、意見の一致を見た改革の大きな方向性、今後の議論にあたっての改革の視点や具体的方策の検討の方向などをまとめたものとなっている。「中間報告」は、司法制度改革を、政治改革・行政改革・地方分権・規制緩和などの一連の諸改革の「最後のかなめ」と位置づけている。そのうえで、司法の役割を、公正なルールの確立、的確なチェック、適切な救済とし、@裁判官をはじめ法曹人口の大幅増加など人的基盤の拡充、A費用負担の軽減、裁判の迅速化など利便性の向上をめざした制度的基盤の整備、B欧米諸国の陪審・参審制度も参考にした国民の司法参加、という改革の3つの柱を示して司法改革のめざすべき課題を明らかにしている。
 審議会では、今後「中間報告」に対する意見・要望を取り入れながら議論をすすめ、今年6月には「最終意見」をまとめる予定となっており、それをうけて政府部内に「司法改革推進本部」を設置して必要な法整備がすすめられるものと予想される。
 司法制度改革にかかわっては、自民党が、抜本的な改革を先送りして、財界の求める規制緩和、事後チェック型司法を基調にした司法制度調査会報告を昨年5月に発表しているように、国民の「自助努力」や「自己責任」をせまり、日本の社会を事前規制型から事後救済型社会に転換し、大企業の経済活動をスムーズにする観点からの司法の役割を強化する動きが強まっている。
 いっぽうで、これまでに、日本弁護士連合会(日弁連)をはじめ多くの団体が、司法制度改革に対する提言などを発表している。国民のための司法制度改革を求める運動がひろがるなかで、国公労連として取り組んだ「司法改革100万署名」は、日弁連の呼びかけにより、全労連だけでなく「連合」の組合に広がり、全体で260万をこえる到達点を築いた。
 こうしたなかで、あらためて誰のための司法改革なのかを明らかにしたうえで、国民のための民主的司法改革を求めていくことが重要となっている。
 国公労連は、2月8日に幅広い分野からの参加により「司法改革シンポジウム」を開催する。司法と行政との関連にも着目した司法制度改革を模索しつつ、民主的司法改革にむけた運動を前進させるために、シンポジウムの成功に全力をあげる。
 さらに、司法制度改革の重要な局面にあたって、審議会の今後の動向に注視しながら、国民の基本的人権の「砦」としての司法を変質させる改革に対しては、国民犠牲の行革を許さないたたかいと一体で取り組みを強めるとともに、国民本位の司法制度確立にむけて、必要な体制・制度の充実を求める国民的な運動に結集し、たたかいぬくものである。
 以上、決議する。

2001年2月2日

国公労連第110回拡大中央委員会


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