独立行政法人化による職員の
労働条件改悪を許さない決議

 2001年4月の独立行政法人化への移行を目前に、独立行政法人対象機関では、長となるべきものの指名など移行準備が進められている。労働条件についても、多くの機関で、労働組合からの要求提出、当局からの就業規則提案がそれぞれ行われ、具体的な話し合いに入っている。
 政府は、独立行政法人化で、各機関の自主性、自律性、自己責任が拡大されるといってきた。そうであるならば、労働条件については、充実した研究活動その他の業務を保障し、法人の業務の発展が期待できるよう、労使の自主的な話し合いで、改善を図っていくべきものである。
 そもそも各独立行政法人個別法において、移行する職員は、法人の「相当の職員となる」とされているように、雇用・身分のみならず労働条件をも基本的に継承する以上、労働条件悪化は許されない。行革の対象とされ、不安を抱かざるを得ない移行対象機関職員は、手厚く処遇するのが当然であり、主務省庁の統制で、独立行政法人において、大きな制度改悪を行うことは、職員の処遇・将来に責任を負うべき当局としてとってはならない道である。
 しかし、現実には、これに逆行する動きがある。財務省や主務省庁による予算的なしばりによって職員の労働条件にも影響が出ている。労働時間・休暇制度についても労働基準法の適用を理由に拘束時間の延長の動きがある。業務の効率化を理由とした非常勤職員の処遇改悪などもねらわれている。
 さらに、労働組合・職員の強い反対にも関わらず、一時金への「業績」反映大幅拡大するなど、賃金制度改悪を強行しようとする経済産業省関係独立行政法人での動きは重大である。橋本行革担当大臣は、日本記者クラブの講演でこの動きに言及している。政府として労使自治への介入を容認するのであれば許されることではない。仮に、政府が企図する「公務員制度改革」の実験台としてこれらの独立行政法人が位置づけられているとすれば、独立行政法人にとどまらず、国家公務員に関わる重大問題となる。
 独立行政法人化への移行時には最低でも現行水準を維持し、移行後速やかに、定員や定数のしばりがなくなる条件を生かし、高位号俸の頭打ち改善や行(二)職員の処遇改善、臨時職員の処遇改善などこれまで困難だった課題の解決をはじめ、職員の切実な要求の実現を進めることを改めて強く求める。
 国公労連に結集する私たちは、独法対象機関労組にとどまらず、国公産別全体の運動の連携と共同行動を強め、独立行政法人を行革・減量化の手段にさせず、要求を実現するたたかいを一層大きく前進させていくものである。
以上、決議する。

2001年2月2日

国公労連第110回拡大中央委員会


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