2年連続の賃下げは許さない
--国公労連が2000年秋年闘争第1次中央行動を展開
(「国公FAX速報」2000年9月29日付)
 9月29日、政府が10月上旬にも2年連続年収マイナスとなる給与法「改正」案の提出をねらっているなか、国公労連は、公務労組連絡会に結集して、「一時金の再引き下げによる2年連続の賃下げ反対」「国家公務員25%削減反対」「自治体リストラ反対」など公務労働者の要求実現と、教育・福祉・医療の拡充、消費税大増税反対、参議院選挙制度改悪反対など国民的諸要求の実現を求めて、中央行動を繰り広げました。中央行動には、各単組から500人の仲間が参加しました。

臨時国会へ悪政転換求めデモ行進

 9月21日に臨時国会が開会されて、初の国会請願デモ行進が、全労連・春闘共闘、国民大運動実行委、中央社保協の共催により、1500人が参加して昼休みに取り組まれ、この日のスタートの行動となりました。デモ行進参加者は、「参議院比例選挙制度の改悪反対」「介護保険を緊急改善せよ」「健康保険法改悪をやめろ」などの国民課題と、「公務員賃金の2年連続切り下げ反対、25%定員削減やめよ」などの公務員の要求を訴えました。

年収引き下げ許さぬ怒りの職場連判状を提出

 デモ行進の後は各単産独自行動に取り組みました。国公労連は、午後1時から衆議院内閣委員・参議院総務委員に対し、給与法「改正」問題と定員削減問題を中心に国会議員要請行動を行い、並行して、総務庁に対し「2年連続の年収引き下げとなる給与法『改正』に反対する職場連判状」の提出要請行動を実施しました。総務庁要請行動には、国公労連・野村中執を責任者に、各単組代表10名が参加。総務庁側は人事局企画調整課の松本補佐が対応しました。要請行動では各単組から「定員削減の影響で業務が激増するなか、職員は行政サービスを低下させまいと日夜奮闘して業務を遂行している。それなのに、2年連続の賃下げでは到底納得できない」等の主張がされました。これに対し、総務庁側は、「閣議決定後、給与法改正の準備段階に入っている。法案の国会への提出は正式には決まっていない。本日の要請内容については、責任をもって伝える」との回答を受け、要請行動を終了しました。
 午後2時からは公務労組連絡会主催で、総務庁前要求行動をおこないました。主催者あいさつに立った堀口副議長(国公労連委員長)は、「人勧制度が労働基本権の代償措置であるとしても、労働条件の切り下げまでゆだねていない。2年連続年収ダウンの人勧は断じて容認できない。行革・自治体リストラ、人減らし『合理化』攻撃により、行政・教育・医療の現場をささえている職場の仲間は、恒常的な長時間過密労働や頻発する過労死などで命と健康もおびやかされている。さらに、賃下げで暮らしもおびやかされることは許されない」と述べました。
 参加者を代表して国公労連から、全労働神奈川支部の木暮執行委員が決意表明を行い、「職安の窓口では、100人を超える長蛇の列ができており、職員はお茶を飲むどころかトイレに行くのにも苦慮している。こんなたいへんな業務の状況で、その上、賃下げなど職場の仲間の怒りは爆発寸前」と語られました。国公労連・山川中執の力強いシュプレヒコールの後、日比谷野外音楽堂の総決起集会へと移りました。

賃下げ許さない「要請署名」に取り組もう

 総決起集会では、山口副議長が主催者を代表し、「公務員賃金の改善は、不況を打開し、日本経済のあり方を根本からかえていくたたかいだ。日本経済を国民が主人公の方向へ変えていくたたかいに力をつくそう」と訴えました。
 来賓として、春闘共闘・全労連の坂内事務局長と日本共産党の阿部幸代参議院議員がかけつけ、激励と連帯のあいさつを受けました。坂内事務局長は、「いま流行っているサバイバルゲームというのは、雪印の牛乳を飲んで、山崎パンを食べ、三菱自動車に乗り、そごうで買い物をし、大学病院で看てもらうというもの。大企業のモラルハザードがとてつもなくひどいものになっているなか、官民一体で国民とともに秋のたたかいを進めて行こう」と述べ、阿部参院議員は、「深刻な長期不況のなか、750万労働者に影響がある2年連続のマイナス勧告は絶対に許してはいけない。また、参議院比例選挙制度の改悪は、国民の意思が正確に反映することが大事な選挙制度を党利党略で改悪し票のヨコ流しを利用して悪政進める与党の延命を図るもの。国民生活を守り明るい21世紀への未来を開くためにともにがんばろう」と述べました。
 国公労連を代表して闘争報告に立った小田川書記長は、「きょう、2年連続の年収引き下げに反対する職場連判状を全国税の仲間が組合員数を大きく上回る1万2千人分提出したことにも示されているように、職場の怒りは大きい。賃下げ、定員削減などを進めながら、政府は、ゼネコン奉仕の公共事業費をふくらませたり、在日米軍への思いやり予算などを拡大している。公務労働者、国民を苦しめている悪政を変えるため奮闘する」と発言しました。そして、山瀬事務局長が、「2年連続の賃下げを許さない国会議員あての『要請署名』(団体署名)に緊急に取り組み、職場から怒りの声を国会に集中しよう」と行動提起を行い、閉会あいさつに立った堀口副議長は「国民生活悪化、行政サービス低下の問題の根源には、政府の悪政があることを明らかにし、国民との対話と共同をすすめ、悪政を打破し、国民と私たちの要求前進を勝ち取ろう」と訴え、団結がんばろうを行い、行動を終えました。
                               
以 上

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