党利党略の参議院選挙制度改悪など与党三党の悪政は許さない
--第150臨時国会の開会にあたって(談話)--
 本日から72日間の会期で第150臨時国会が開会した。この国会では、国家公務員の給与法「改正」案が審議されるとともに、国民にいっそうの負担をせまる医療保険制度の改悪、少年法「見直し」改悪をはじめ、ゼネコンむけ公共事業バラマキにつながる大型補正予算など、国民犠牲のさまざまな悪政が、自公保三党によって強行がねらわれている。

 とりわけ、与党三党がこの国会で参議院選挙制度の改悪に執念を燃やしていることは重大である。与党が提出しようとしている公職選挙法「改正」案の内容は、政党名で投票する現行の「拘束名簿式」を「非拘束名簿式」にあらため、政党または候補者名で投票し、得票総数で各政党の議席数を算出したうえで、候補者の得票の多い順に当選を決めるものとなっている。この制度が導入されれば、「5当4落」といわれ5億円もの資金を使わないと当選しないとされ、「銭酷区」「残酷区」なとど呼ばれたかつての全国区選挙へと逆戻りさせ、金権選挙の拡大につながることは明らかである。
 いま求められるのは、金権・腐敗政治の根絶であり、民意を正しく反映せず、4割の得票で6割の議席をしめる選挙制度をただちにあらためることである。そのことに目をむけず、久世前金融再生委員長による「党費立て替え」というヤミ献金問題を、現行の選挙制度に欠陥があるかのように問題をすり替え、国民からの追及を免れようとしていることはとうてい許されるものではない。さらに、自民党への支持率が低迷するもとで、タレント候補など個人の人気や組織ぐるみ選挙で集票力のアップをねらうことは、まさに党利党略そのものである。
 現在、国会では参議院の野党四党が結束して反対している。われわれは、野党各党とも国会内外で共同し、民主主義の根幹にかかわる選挙制度の改悪を阻止するために全力をあげるものである。

 先の衆議院選挙では、与党三党が大幅に議席を減らすなど、国民は「数の暴力」のもとで繰り返される悪政に対してきびしい審判を下した。与党はその反省もなく、今国会では、またもや国民いじめの医療改悪や、バラマキ批判の声に背をむけた、大型開発中心の公共事業への補正予算を強行しようとしている。国民が求めているのは、史上最悪の失業率のもとでの雇用の拡大、国民本位の不況打開にむけた実効ある対策であり、さらには、有珠山、三宅島の噴火などあいつぐ自然災害に即応した被災者救援や防災体制の拡充である。臨時国会では、そうした国民生活を守り、拡充する緊急課題こそ真剣に議論されるべきである。70日をこえる会期を確保したうえで、民主主義破壊・国民犠牲の悪法を遮二無二強行することは言語道断である。
 そうした立場から、今国会では、広範な民主勢力とも力をあわせ、自公保三党による国民犠牲の悪政を阻止するためにたたかいぬく決意である。臨時国会の開会にあたって、全国の仲間の職場・地域からの決起を呼びかける。


  2000年9月21日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長  小 田 川 義 和

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