《2000年夏季闘争 怒りの総務庁前行動 第3日》
憲法の魂を奪う定員削減計画
--のべ220人が参加し、炎天下で怒りの行動(「国公FAX速報」2000年7月14日付)
 総務庁前要求行動の3日目は、炎天下での行動となりました。予報でも昨日に比べて最高気温が+3度という中で、のべ220人が参加しました。また、全国の職場から、メッセージや寄せ書きが続々と届けられ、その一部しか行動の中では紹介できませんが、青森県国公三八地区国公の寄せ書きの赤旗、全気象下関分会の寄せ書きが国公労連宣伝カーに張られ、参加者を励ましました。

 この日の行動をはじめるにあたって、西田副委員長があいさつし、「いよいよ山場にさしかかっている。憲法の10条から40条は『国民の権利及び義務』を規定しているが、定員削減計画はこの憲法の魂を奪うもの。最後の最後までたたかい抜こう」と呼びかけました。
 午前中の行動の決意表明を行った全港建・小濱書記長は「9次にわたる定削で6400人のうち52%減らされ、3000人余りとなった。職場では“心の病”にかかる青年・中高年が増えている。この人たちに声もかけてやれない忙しさで、どんなに悔しい思いをしているか、総務庁に分かってもらいたい」と、切実な実態を紹介し、定員削減の理不尽さを訴えました。また、全国から寄せられているメッセージの中から、全気象沖縄地本那覇航空測候所分会、全建労四国地本、全労働青森支部のメッセージが紹介されました。午前の行動は、山川青年協議長の力強い声でのシュプレヒコールを行った後、いったん休憩となりました。

 昼休みに入り、続々と仲間が詰めかける中で、総務庁前要求行動が再開され、藤田委員長があいさつに立ちました。藤田委員長は「政府の閣議決定強行が伝えられているが、私たちは断じて許すわけにはいかない。先の総選挙で、自公保与党が議席を大きく減らしたが、国民に背を向けた政治に怒りが集中した結果だ。政府は、これを真摯に受け止め、政治の方向をあらためるべきだ。そして定員削減を見直すべきだ」と指摘し、全労連の中国訪問での経験を交えながら、「中国の公務員労働者は、政府の施策や方針を遂行するために生き生きとして奮闘している。ところが、わが国はどうか。公務員採用の際に憲法遵守を誓ったのに、政府は国民全体の奉仕者としての仕事をさせようとせず、公務員を削減する。私たちのたたかいは、真に国民全体の奉仕者としてのたたかいである」と強調しました。
 来賓として駆けつけた日本共産党・吉川春子参議院議員からは「連日の猛暑の中での奮闘ご苦労様です」と激励のあいさつをいただき、「政府は、先の行革特別委員会で『労働条件・国民サービスは低下させない』と答えたが、依然過労死を生み、在職者死亡や病気が発生している。痛ましい事態だ。定削よりもパートや賃金職員の定員化が先で、それをせず10%、25%の削減は“狂気の沙汰”だと言える」と述べ、「みなさんの要求をとりあげることが国民生活を守ることにつながる」と、共同してたたかうことを表明しました。
 闘争報告は、小田川書記次長が行い、「本日の読売新聞で『5年・5%をベースに省庁別の削減計画数を7/18に閣議決定』と報道されたが、今日の行動後15時から行政管理局長との交渉を行い、定員削減計画反対を職場・行政の実態をもとに強く主張したい」と報告。また、警察刷新会議の報告で警察官の増員が盛り込まれたことを紹介しながら、一方で教員の増員による30人学級実現は実現していないことも指摘し、「行政サービスのどこを重視するかだが、まず窓口など第一線や実施部門こそ強化しなければならない」と強調しました。また本省庁においても、例えばそごうの問題など「政治主導の名で首尾一貫しない行政が、本省庁の仲間の過密労働を深刻にし、ストレスと長時間労働を強いている」と述べ、「最終盤まで、定員削減反対を主張し続け、職場内外の世論を変えていこう。予算編成期のたたかいの基礎を今つくろう」と呼びかけました。
 参加者を代表して決意表明に立った全通産本省支部・石田書記長は「勤務時間内に仕事が処理できない人が八割以上、定時退庁日でも四割以上が夜7時前に帰れない。土・日出勤も四倍に増えている。定削は“火に油を注ぐ”ようなもの。21世紀の経済産業省が“経常残業省”とならないよう、実効ある超勤規制を求めて全力で奮闘する」、全税関・高橋書記長は「税関行政でも、定削で純減になり、通関でチェックする職員が減らされている。これによって、覚せい剤の密輸がなくならないし、偽造タバコも持ち込まれる。手抜きといわれかねない体制になっている。農産物輸入でも消費者・農家から不安の声が上がっており、共同して要員確保の運動を展開したい」と決意を語りました。
 続いて、全労働中国地協、全気象佐賀分会のメッセージ、家族からの訴えが紹介され、総務庁に向かってのシュプレヒコールを全員で唱和しました。
17、18日も総務庁前行動を続行 
職場から怒りのメッセージを集中しよう!
 締めくくりの総務庁行動では、全司法大分支部、全法務青森支部のメッセージが紹介された後、黒田行革対策部長が行動提起を行い、「本日行う行政監理局交渉、18日にも予定される閣議決定、来年度予算要求のたたかいも念頭におきながら、(1)総務庁前怒りの要求行動を17、18日も続行する。とりわけ昼休み行動に本省庁の仲間の最大限の結集を、(2)仮に18日に閣議決定が強行されたら、以後1週間内に抗議打電行動で森内閣に職場の怒りを集中しよう、(3)国民本位の行財政・司法の実現にむけて、たたかいを継続し、賃金などの夏季闘争でも全力をあげよう」と呼びかけました。参加者全員の大きな拍手で行動提起を確認し、総務庁に対するシュプレヒコール、安部副委員長による団結ガンバロウで、この日の行動を終了しました。

以 上


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