衆議院の解散にあたって(談話)
 --総選挙の勝利で、国民本位の政治への転換をめざそう--
  本日、森内閣は、衆議院を解散し、その後の閣議で13日公示、25日投票とする総選挙の日程を決定した。

 ふりかえれば、96年10月総選挙以降の政治は、「構造改革」の名による国民犠牲の悪政が、自民党とそれを補完する勢力による「数の暴力」で押し進められてきた。
 1月20日に開会された第147通常国会でも、自自公とそれを引き継ぐ自公保の与党3党によって、悪政が推進された。大型開発中心の公共事業を重視した放漫な財政運営が続けられ、2000年度末で645兆円(国民一人当たり510万円)もの借金が累積する事態となった。その一方で、年金・医療など社会保障切り捨てがさらに進められ、国民的な世論と運動のなかで2度も継続審議となっていた年金改悪法を強行成立させられた。さらに、リストラ推進の会社分割法、失業者切り捨ての雇用保険法の改悪など、労働者の生活と権利を後退させる悪法も強行された。そこには、350万人にせまる戦後最悪の失業者に示される深刻な国民生活に目をむけて、不況を国民本位で打開する姿勢はみじんも感じられない。

 国公労働者にかかわっても、国家公務員の総定員の上限を2万人以上も引き下げる総定員法が、わずか3時間余りの審議の後に成立が強行された。9次にわたる定員削減計画によって、職場は極限まで人減らしがすすみ、長時間・過密労働による労働強化が深刻となり、行政サービスが低下してきている実態をふまえたものとは到底言えない。
 国会解散にあたり、今国会でも続けられた悪法強行にあらためて抗議し、国民生活優先への政治をめざして奮闘する決意をあらためて表明する。

 小渕前首相の後を引き継いだ森首相は、「日本は天皇を中心とした神の国」と公言し、「国民主権」の日本国憲法の大原則をふみにじった。首相としてあるまじき発言であり、これを擁護する自公保3党の責任も厳しく問われている。内閣不支持が6割をこえる世論調査は、「国民こそ主人公」という民主国家では当然の原理すら理解せず、国民犠牲の悪政を強行する自公保・森政権に対し、国民が抱いている不信感のあらわれである。
 来るべき総選挙は、そのような「神の国」発言に示される国民軽視の政治や、大型開発中心の公共事業に50兆円、社会保障には20兆円という逆立ちした税金の使い方をあらためさせ、国家公務員の「25%削減」など国民犠牲・行政サービス切り捨ての「行革」強行を許さないことなど、この国の政治のあり方が根本から問われるものとなっている。

 国公労連は、国会解散・総選挙にあたって、全国の仲間と家族に呼びかける。
 生活と労働条件、職場と行政をまもり改善していくために、今こそ政治の転換が必要なことを確認しよう。21世紀を国民本位の政治の流れにしていくために決定的に重要な総選挙で、政治の転換をめざそう。全国の職場・地域で、価値ある選択を訴え、意義ある取り組みに奮闘しよう。

   2000年6月2日
日本国家公務員労働組合連合会  
書 記 長  福 田  昭 生


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