調整手当改悪を許さないたたかいをさらに強めよう
(談話)
 調整手当の「見直し」作業を行っていた人事院は、4月24日、支給率引き下げ地域(10%→6%・6地域、6%→3%・2地域)、指定解除地域(15地域)及び新たな暫定支給地域(現暫定地域からの継続6地域と新規暫定5地域)を対象とする「見直し案」の提示を強行してきた。
 その内容は、調整手当支給地域の「3指標」(民間賃金、物価、生計費の地域差指数)をもとに、「民間賃金の指数」及び「物価又は生計費のいずれか高いほうの指数」のいずれもが101.5に満たない地域の指定を解除するなどの「支給基準」へのあてはめを基本としている。同時に、「関係者の意見にも配慮」するとして、1)正規の10%、6%支給地域は1段階下の支給基準を満たさない地域のみ支給割合を引き下げる、2)正規の3%支給地域で、賃金・物価・生計費のいずれかが101.5以上の地域は、暫定的に調整手当を支給する地域とする、3)92年に見直しの経過措置期間中の地域の見直しは行わない、との「特例」を講じたとしている。その結果、89年「見直し」で暫定支給とされた地域をねらい打ちにして、それらの「特例」に該当しない地域を抽出し、指定の解除又は引き下げをおこなう「見直し案」となっている。
 89年、92年の調整手当「見直し」改悪の手法を踏襲する今回の調整手当改悪作業は、「3指標」の基礎となるデータ使用の恣意性などから、その合理性にはもともと大きな疑問がある。同時に、99年勧告における年収ベースでの賃金引き下げといった異例ともいえる状況下で、賃金引き下げに追い打ちをかける調整手当「見直し」の不当性は言うまでもない。国公労連は、そのような立場から、「見直し」改悪に反対し、「見直し」作業の不合理や不当性を追及して、中央・地方一体となってたたかいを展開してきた。
 そのような中で追いつめられた人事院は、2000年勧告以前の早期「決着」にあくまでも固執して、たたかいの分断をはかる「見直し基準の特例」を持ち出してきたといえる。人事院が、「合理的な基準にもとづく調整手当配分の適正化」という見直し作業の道理さえ見失っていることを露呈するものである。
 「見直し案」によって直接影響をうける職員が5万人強と国家公務員の1割にのぼることからしても、「暫定地域は、手当支給の経過措置」とする一方的な人事院の論理と恣意的な「見直し基準」での手当改悪を認めることはできない。合理性も道理もない調整手当「見直し」作業は、即時中止するべきである。

 国公労連は、人事院が、24日に提示した「見直し案」を即時撤回するよう強く要求する。
 この間、くらしと地域経済を守るため、調整手当改悪反対のたたかいを旺盛に展開してきた各ブロック、県国公及び各単組の各級機関の仲間の奮闘に心から敬意を表明する。「見直し案」の提示というあらたな局面を迎え、改悪強行を許さない最終盤のたたかいが求められている。この間のたたかいの到達点も確信にして、全国の仲間が、「見直し案」の撤回を迫るたたかいに職場・地域から総決起することをあらためて呼びかける。国公労連中央執行委員会も、全国の仲間の先頭にたって奮闘する決意を表明する。

    2000年4月25日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長  福 田 昭 生

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