2000年春闘の政府・人事院回答をうけて
--国公労連第2回中央闘争委員会声明--


 本日、政府・人事院は、「平均27,000円(7.2%)」の賃金引き上げや、調整手当引き下げ改悪作業の中止などを求めた「国公労連・2000年春闘統一要求」に対する回答をおこなってきた。その内容は、「人事院勧告制度を維持尊重することが基本姿勢」(政府)、「官民較差にもとづく適正な給与水準の確保という基本姿勢に変わりはない」・「調整手当の見直しについては成案を得るよう努める」(人事院)とするものであった。これらの回答は、大規模な人減らしで利潤を確保しながら、賃下げ攻撃を強めている財界・大企業に迎合し、組合員と家族の切実な生活改善要求に背を向けるものである。そればかりか、調整手当の改悪強行姿勢や、99年度中の民間一時金の状況からして「2年連続」の一時金切り下げの危険性がある中での従来回答の維持は、年収ベースの賃下げを職員と家族に強いることを「宣言」したに等しいと言わざるをえない。そのことからしても、本日の政府・人事院回答を受け入れることはできない。
 国公労連は、政府、財界・大企業が一体となって進める「リストラ・賃下げ」攻撃への反撃を強めている全労連・国民春闘共闘に結集する民間労働者と連帯・共同し、政府・人事院の回答を押し返すため、ねばり強くたたかう決意である。

 2000年春闘は、官民ともに強まっている総人件費抑制、「リストラ・賃下げ」攻撃と対峙したたたかいが旺盛に展開された。国公労連も、その一端を担い、「全国縦断キャラバン」や「2.25列島怒りの総行動」、3.7中央行動をはじめとする3次の中央行動、職場からの当局責任追及や人事院事務局包囲行動など多様な取り組みを展開してきた。また、国会内の「数の力」を頼りに、悪政と民主主義無視の横暴を繰り返す小渕・自自公政権への国民的審判を下すため、「国会早期解散」を求める国民的な運動への結集を強めてきた。
 そのような中で、日産に代表される理不尽な企業リストラへの社会的批判が高まり、年金改悪反対や「解雇規制・労働者保護法」制定をもとめたナショナル・センターの枠をこえた共同行動が強まり、国会内でも野党共同が前進するなどの状況が生まれてきた。

 しかし、たたかいの前進的な局面は生まれてきたものの、財界・大企業の「リストラ・賃下げ」攻撃をはねかえすまでには至らなかった。そのことから、3月15日を中心とする民間大企業の賃金回答は、ベアゼロも含む「500円玉1枚以下」の超低額に押さえ込まれ、定昇込みでも2%を割り込む「春闘相場」の可能性さえ指摘される事態となっている。
 また、国会状況でも、ゼネコン本位、国民生活切り捨ての2000年度予算や年金改悪法案の成立を、自自公3党が強行した。内閣支持率が急速に低下し、閣僚や高級官僚の不祥事への対処もできない内閣、財政破綻の道をひた走る内閣への国民的な批判が高まっているが、内閣退陣に追いつめるまで世論を広げきることはできなかった。
 賃金・雇用をはじめとする労働条件に、大企業本位の悪政が直接影響してきていることが、春闘を通じても明らかになった。それだけに、自らの労働条件改善のたたかいと、政治の民主的転換を求める国民的な運動とを一体で展開することが一層大切になっている。

 組合員と家族の切実な要求の前進をめざすたたかいは、これからが正念場である。
 調整手当改悪に反対する課題では、人事院が、4月中旬にも「指定解除対象地域、切り下げ対象地域」の提案をあくまで強行しようとしていることから、これを許さず、跳ね返すたたかいの展開が求められている。
 3月14日に閣議決定された「総定員法改正法案」の国会審議も目前に迫っており、これに反対するとともに、「10年間・10%」のあらたな定員削減計画や国立大学などあらたな独立行政法人化を含む「25%公務員削減」の強行に反対するたたかいも重要である。
 また、2000年勧告にむけては、一時金切り下げや、「マイナス勧告」などによる賃金引き下げを阻止をめざした運動の展開が求められることになる。低ベアのもとで強まっている能力・実績反映の賃金制度への「転換」を許さないたたかいでも、能力評価や俸給表構造「見直し」などの具体的課題にかかわる政府・人事院追及の大きな節目を迎えることになる。

 悪政の転換をもとめる国民的な運動と一体で、当面する要求課題でのたたかいに、全国一丸となって奮闘しよう。
 本中央闘争委員会は、2000年春闘での全国の仲間の精力的なたたかいに心から敬意を表し、引き続く取り組みの成功のため先頭にたって奮闘する決意を表明する。

  2000年3月23日

日本国家公務員労働組合連合会
第2回中央闘争委員会


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