2000年春闘 第三次中央行動--強風のなか意気高く奮闘
(「国公FAX速報」2000年3月22日付より)

 国公労連は本日、大幅賃上げ、調整手当「見直し」改悪阻止、25%定員削減反対・総定員法の改悪阻止などの要求課題を掲げ、公務労組連絡会に結集して2000年春闘第三次中央行動を展開しました。中央行動には全体で900名、国公労連は近畿ブロック50名、愛知県国公31名など上京団を含めて550名が参加、終日奮闘しました。

 桜もほころび始めたにもかかわらず、のぼり旗も飛ばされそうなほどの強風が吹く中、中央行動は昼休みの総務庁前要求行動からスタートしました。
 主催者あいさつで公務労組連絡会の山口副議長は、「1万円札を積み上げたら地球の半径にも相当する645兆円もの莫大な借金を、労働者・国民に押しつけようとしている自自公政治を根本から変える必要がある。また、リストラ首切りや年金改悪、公務員の25%削減をはじめ大企業本位の経済の仕組みを、国民本位に転換させるために職場・地域から奮闘しよう」と声を張り上げました。闘争報告に立った吉田事務局次長は、今春闘期のたたかいを振り返りつつ、切実な要求に全く応えようとしていない政府・人事院の姿勢をきびしく指摘し、さらにたたかいを強化しようと訴えました。
これを受けて3人の仲間が決意表明を行い、国公労連を代表して全建労関東地本の上間執行委員は、「公共事業官庁である私の職場は、月200時間を超える超過勤務を余儀なくされるなどたいへんな実態だ。国民のみなさんに喜ばれる仕事がしたいとがんばっているが、25%もの定員削減なんてとんでもない。ゆとりを持って働ける職場をつくるために全力をあげる」と力強く発言しました。また、自治労連京都の仲間は「京都は地場産業の街で、どの経済指標をみても最悪の状態だ。このうえに調整手当を改悪されたら決定的な打撃となる。住民の生命・財産を守る自治体労働者の誇りにかけて、改悪を阻止する」とのべました。

調整手当の改悪は絶対許さない
 総務庁前の行動に続いて、13時からは人事院前での要求行動を展開しました。
 公務労組連絡会を代表して挨拶にたった藤田副議長(国公労連委員長)は、これまでの政府・人事院交渉の到達点として、(1)例年以上に公務をとりまく情勢の厳しさを強調していること、(2)そのうえで人事院は民間準拠を、政府は人勧尊重を繰り返すのみであること、(3)他方で政府は25%削減の実施を、人事院は調整手当の予定通りの強行を表明していること、の3点を指摘、政府・人事院に対して、冷え切った景気を立て直す立場にたって、(1)リストラ・首切り、賃下げ当たり前の風潮を是正するため指導性を発揮せよ、(2)調整手当改悪は断じて行うなの行動を引き続き強めよう、と訴えました。
 その後、公務労組連吉良事務局次長の闘争報告をうけて、九州ブロック、山口、大阪、静岡、愛知、北海道、長崎、東京の8地域の代表から、それぞれ改悪計画断念までたたかいぬく決意の表明がありました。国公九ブロの野田事務局長は、「人事院九州事務局と交渉を重ねてきたが、公務の賃金は税金でまかなわれており、納税者の納得が得られるか、と居直るような回答に終始し、データ問題の矛盾についてはまともに応えない対応に怒りが広がっている。地域経済の不況打開のためにも、最後まで頑張る」と決意を表明しました。静岡県国公の八木議長は「10年前、まともな根拠を示さず暫定地域へと強行されたが、今回も聞き置くだけの態度に終始している。今日の行動を出発点に全国の仲間と連帯して奮闘する」と訴えました。
そして、服部中執の音頭で人事院に対してシュプレヒコールをあびせ、この場での行動を締めくくりました。
行動に参加者した北野瀬風さん(全建労琵琶湖支部、31歳)は、「率直に言って調整手当問題は職場で余り議論になってはいないが、絶対許せないし、その原資を本俸に繰り入れるべきだ」。また、木村秀徳さん(全厚生愛知支部、27歳)は、「私は独身だから直ちに生活に困るというほどでもないが、今後のことを考えると絶対許せない。賃金は4%も上がらないのに、改悪されれば賃下げになる」と語っていました。

要求実現まで、たたかって、たたかって、たたかい抜こう
中央総決起集会〜国会請願デモ
 午後2時過ぎからは、日比谷野外音楽堂で中央総決起集会が開催され、公務労組連絡会の岡部幹事(国公)と国公労連女性協・武城事務局長の司会進行ではじまりました。  冒頭、主催者あいさつに立った福島議長は、全国から集まった仲間に感謝を述べるとともに、「自自公によって国民生活破壊の政治が押し進められ、公務労働者は過酷な労働強化のもとで国民を苦しめる行政を担う立場に立たされている」と指摘、「今春闘を調整手当改悪阻止などの公務産別の要求実現と、国会解散・総選挙、悪政阻止の国民的要求と結びつけてたたかおう」と訴えました。  連帯・激励には、日本共産党国会議員団を代表して、富樫練三参議院議員が国会の合間をついて駆けつけ、昨日の年金改悪法案の委員会採決強行、本日の本会議での強行の経過を詳しく報告し、首相の出席もないまま重要法案を採決することの不当性を糾弾、無責任内閣を変えさせるために一刻も早い解散・総選挙で、春闘勝利とともに、国民生活を守るをたたかいを国会内外ですすめよう」と呼びかけました。また、2000年国民春闘共闘委員会の斉藤陽一代表幹事(全農協労連委員長)は、「15日の金属大手回答は、500円ないしゼロ回答、大企業は98兆円の内部留保を抱えながら、到底認められない回答だ」と批判、公務労働者のたたかいに期待するとあいさつしました。
 各単産を代表して、自治労連・全教・国公労連・特殊法人労連が、それぞれ決意を表明、国公労連を代表して決意を述べた、安部副委員長は、賃金要求の実現、調整手当削減反対、定員削減反対でたたかうことの決意を表明し、「各省庁当局の使用者責任と、政府と人事院に対しても徹底的に追及するとともに、キャラバン行動などで国民との対話と共同をすすめる」と述べました。また、地方代表として大阪国公・森井書記長が、調整手当改悪反対のたたかいを紹介しながら、「職場の当局をも動かすまでに至っている。最後まで頑張る」と決意を表明しました。  つづいて、山瀬事務局長がまとめと行動提起を行い、「職場の当局も地方自治体も動かし、連合組合も巻き込んだたたかいを展開しよう」と呼びかけ、「4月13日の第四次中央行動をはじめ、同時多発的取り組みで、たたかって、たたかって、たたかい抜こう」と訴えかけました。  最後に、シュプレヒコール、閉会あいさつと団結ガンバロウで集会を締めくくり、直ちに国会請願デモ行進に移りました。衆議院・参議院のそれぞれの議員面会所前で力強いシュプレヒコールを唱和しながら、整然とした行動を展開してこの日の行動を終えました。
大幅賃上げ実現、長時間残業をなくそう
東京国公・霞ヶ関に働く国公労働者が総決起
 第3次中央行動の総務庁前行動と並行して、東京国公は「春闘勝利3・22国公労働者総決起集会」を日比谷野外音楽堂で開き、昼休みを利用して霞ヶ関に働く国公労働者を中心に約1,000人が集まりました。  集会は、全農林東京の和太鼓サークルの力強い太鼓演奏ではじまり、開会のあいさつで東京国公・野口議長は「本省職場はどこでも長時間残業が強いられ、過労死も生まれている。政府・人事院からの最終回答を前に、本省庁に勤務する国公労働者が総決起しよう」と呼びかけました。激励には、千代田春闘共闘会議・加藤議長が駆けつけ、「地域でいっしょにたたかっている仲間同士、国公・地公・民間を問わず、ともに頑張ろう」とあいさつしました。  各単組スピーチでは、全農林東京・全労働本省・全通信本省・全環境・全運輸本省・都大教・全厚生本省・全司法東京・全通産本省・国会職連・会検労・全税関東京の12単組が次々に決意を表明、参加者の声援や拍手を受けました。決議文採択のあと、閉会あいさつ、団結ガンバロウ三唱で集会を締めくくり、中央行動に合流しました。

【行動参加者の声】(東京国公総決起集会でのインタビューから)
 全労働本省支部の方  春闘最大の課題は、何と言っても慢性的な残業をなくすこと。昨年の残業実態調査の結果でも、1ヶ月100時間を超える人が2割、定時退庁の時でも定時に帰れない人が6割もいる。昨年、過労死事件が起きたこともあり、当局も定時退庁を気にしているのか、帰りやすくなったと答えている人もいるが、それは一部の管理者で大半の管理者は定時退庁に無関心で、帰りづらい雰囲気が全体を覆っている。それを払拭するためにがんばりたい。そのためにも25%定員削減は絶対許せない。
 都大教東京農工大学の方 文部省は全国の大学を丸ごと独立行政法人化しょうとしてきたが、それぞれの大学をなかなか説得できず、一部の大学でも見切り発車しょうと考えているようだ。国大協が6月に総会を迎えるが、通則法ではできないと一致しているところだ。都大教としては、今春闘の最大の課題に独法化問題を掲げ、内部に対する宣伝を一層強めると共に、反対署名の獲得と国民に対するアピールを強めたい。
以 上

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