国公労新聞 第1241号

◆「政治勧告」に抗議

   賃金決定基準の引き下げ反対の運動を

 人事院は8月8日、公務員給与決定の根幹をなす官民比較方法の「見直し」など、「政治勧告」ともいえる不当勧告を強行しました。同日夜、人事院に対し、東京や熊本など各地で「抗議行動」が展開され、組合員や民間の労働者からも、「怒りの声」が寄せられています。国公労連は翌9日、総務省交渉で「比較企業規模100人以上とする従来の比較方法による水準改善を」との要求書を提出。給与法改定を許さないとりくみや、公務員の労働基本権回復課題ともあわせ、運動強化が求められます。

 ◇政府に水準改善求める

 06年勧告は、人事院が比較企業規模を引き下げたため、給与改定が据え置かれました。
 8月9日、国公労連は、勧告後の政府あての要求書を提出し、(1)従来の比較方法によれば、月例給で1.12%(4252円)、特別給で0.05月の改善が見込まれ、賃下げのための企業規模の引き下げは容認できない、(2)政府がこれまで3度にわたり企業規模の見直しを人事院に要請し、あからさまに労働基本権を侵害した、などの点を主張し、賃金改善を行うよう求めました。
 総務省は、「人事院勧告を尊重するとの基本姿勢」、「国政全般との関連を考慮」との従来回答をくり返しました。
 8月15日には、1回目の給与関係閣僚会議が開かれていますが、財務省が財政事情の厳しさを主張し、結論は持ち越されています。なお、財務省は、比較企業規模のひき下げで、940億円の人件費削減効果があったとしています。

 ◇すべての職場で要求決議完遂を

 国公労連は、「定員は純減する、賃金は据え置くという」政府を批判し、給与改善を求め追及を強めることとし、すでに、「公務員賃金決定基準の引き下げは受け入れられない」とする政府あての要求決議などを提起しています。職場からのとりくみの早期完遂が求められています。


◆勧告日、怒りの抗議行動

 国公労連は8月8日勧告日退庁後の18時45分から、「人事院前抗議行動」を実施しました。250人が結集し、人事院に対する怒りのシュプレヒコール!


◆実質マイナスに怒り

    熊本抗議集会に100人

 【熊本県国公発】熊本県国公は8月8日の退庁後、「人勧抗議集会」を熊本市の辛島公園で開催し、100名を超える組合員が参加。鶴田県国公議長は、「月例給改定は見送られるようだが、実質的にはマイナス勧告だ」と怒り、運動強化を訴えました。県労連も激励に駆けつけました。
 最後に「団結がんばろう」で、要求前進の展望を切り開くため、秋年闘争勝利に向け、たたかうことを確認しました。

 ◆増税と人件費削減は一体〈全運輸近畿航空支部書記長・野村伸一さん〉
 政府・与党は、近い将来に消費税を引き上げる前に公務員給与を含めた人件費を削減する狙いだ。そのために、人事院も中立を忘れ、企業規模を変えてまで人件費削減を行った。
 私たちが国民に訴えることは、働く者の賃金を下げるのではなく、史上最高利益を出している大企業の利益を還元させ、一部投資家が儲り、非正規雇用者が増える社会構造を変え、労働者の賃下げ、消費税引き上げの流れを止めること!
 いまこそ、公務と民間労組の一致団結した運動が必要だと感じる。

 ◆政府・財界の圧力に屈するな〈新潟県国公事務局長・宮崎勲さん〉
 ここ数年、人事院が春闘の状況を無視し、民間調査結果をコントロールして地域給や実質値下げを強行していることに強い憤りを感じます。
 人事院が組織の存続のため、政府・財界の圧力に屈し、政府・財界寄りの勧告を行うことは、国公労働者だけでなく、地方公務員や準公務員、最賃や年金など、ひいては国民全体に影響を与えます。
 もっと人事院は、政府・財界に対し毅然とした態度で望み、国民の立場にたった勧告を実施してほしいと思います。

 ◆民間として心から怒り〈宮城一般労働組合書記長・鈴木新さん〉
 06年春闘でも「宮城一般」は、昨年に続いて人事院東北事務局への要請行動を展開しました。それは公務員の賃金動向が私たちの賃金交渉に大きな影響を与え、まさに他人事ではないからです。
 比較対象企業規模の「50人以上」への引き下げが「賃下げ」を意味することは、中小企業職場が主体の宮城一般からみればすぐわかることです。
 こんな人事院のやり方に心から怒りが湧きます。今後も官・民の垣根を越え、ご一緒にたたかっていく決意です。


核兵器ない世界 9条輝く日本を

 原水禁06年世界大会ひらく

 8月2日から8日間、原水爆禁止2006年世界大会が広島と長崎で開催されました。世界大会には海外から21カ国70人の代表が参加しました。
 7300人が参加した4日の広島大会開会総会では、原爆症認定集団訴訟の広島地裁判決で「原告全員勝訴」の第一報が報告され、会場全体が総立ちになり喜びに沸き立ちました。

 ◇憲法9条守ろうと活発な議論

 5日には15の分科会が開催され、核廃絶や平和をめぐる問題そして憲法9条を守るたたかいについて、各地のとりくみの報告や活発な議論が交わされました。
 6日の広島大会閉会総会では、日本原水協の高草木事務局長が「10月に開かれる国連総会に向け署名を大きくすすめよう」と提起し、日本の反核・平和運動の国際的役割を胸に、さらに大きく前進しようと述べ、「広島からのよびかけ」を8500人の参加者全員で採択しました。

 ◇草の根運動と国連結ぶ「手紙」を採択

 8日、長崎で開催された国際交流フォーラムでは政府代表と各国NGOとの熱心な討論が行われました。
 9日の長崎大会総会には2500人が参加。大会議長団の安斎育郎さんによる主催者報告の後、日本被団協代表委員の山口仙二さんが「核兵器をなくすまでがんばります」とのべると、参加者から激励の大きな拍手がおこりました。
 大会は、草の根からの運動と諸国政府、国連を結ぶ「核兵器全面禁止条約締結へすみやかな交渉開始を―国連とすべての加盟国政府への手紙」を満場の拍手で採択し閉幕しました。


◆国公労働者平和のつどい

 ヒロシマについて「考え」交流

 【広島県国公発】国公労連・広島県国公は8月5日、「国公労働者平和のつどい」を開催し、全国から92名の国公の仲間が参加しました。
 今年のつどいは、“「ヒロシマ」を全国の仲間に感じてもらう”と“平和と国家公務員やその関連で働く人との関わりについて考えてもらう”の2点をテーマに企画しました。
 広島県労働者学習協議会・事務局長の二見伸吾さんから、ギター演奏「イマジン」から始まり、前日に広島地裁から出た原爆訴訟判決の意義や、「ヒロシマ」とは何か、日本国憲法を守り実現すること、私たちができることについて講演いただきました。
 その後、すっかり日焼けした「通し行進者」の高木博文さん(国公労連顧問)から国民平和行進の報告を受けました。


◆平和大行進で仲間と連帯

 国公労連顧問・高木博文

 国公労連と全労働の推薦で、東京〜広島間の国民平和大行進に、91日間1300キロメートルを歩きました。国公労連や各単組本部、全国の仲間の物心両面の支援で完歩でき、心から感謝しています。
 平和行進は、誰でも参加できる草の根のとりくみで、参加者も行進の形態もさまざまです。被爆者の参加、募金・署名、生協との共同、若者中心の企画、自治体要請や網の目行進など、各県で重視する運営の特徴がありますが、被爆者援護・連帯、核兵器廃絶をいかに訴えるかに全力を傾注しています。
 国公の各単組も多くがリレー旗を出していますが、残念ながらその半分以上が宣伝カーに積まれたまま。克服すべき課題と言えます。行進全体では、国公関係は参加者が多く、がんばっているのですが。
 行進には、家族ぐるみの参加もありました。写真は、広島県竹原市からの行進に参加した全運輸の仲間。お母さんもサポートカーで参加しました。


◆〈北から南から〉岩手 地区国公とボウリング大会

 【岩手県国公発】岩手県国公と盛岡地区国公は6月17日、盛岡市内で「交流ボウリング大会」を行い、20人が参加しました。
 これまで、盛岡地区国公の恒例行事として毎年実施していたボウリング大会ですが、今年は国公労連結成30周年記念の事業として、幅広く交流を図るため、岩手県国公と共催し、全気象チームも初めて参加しました。


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