国公労新聞 第1236号

◆改憲と一体の悪法を廃案に

 政府は5月26日、「行政改革推進法」「市場化テスト法」など行革関連5法案を強行成立させ、「5%純減」計画を確定。これに抗議する5.26中央行動、5.27国民大行動には、全国から仲間が結集。憲法改悪と一体ですすむ「戦争する国」「小さな政府」反対の声をあげました。

 ◆国民投票法案を国会提出
  教育基本法改悪反対で広がる共同


 6月18日の会期末を前に国会状況が緊迫しています。
 自民・公明の与党は5月26日、9条改憲のための国民投票制度と国会法の一部改定を含む「国民投票法案」を国会に提出し、民主党も同日、「対案」法案を提出しました(職場学習資料を別途送付)。6月1日に趣旨説明、8日には衆院憲法調査特別委員会で質疑が開始され、国民主権を侵害する法案の「違憲性」が明らかになっています。
 教育基本法改悪案は、特別委員会での審議が続けられ、「愛国心の評価は難しい」との首相答弁が飛び出しました。

 ◇「防衛省昇格法案」9日に国会提出

 このような中、与党は今国会の会期は延長しないことを確認しました。
 一方で政府は、6月9日に防衛庁を「省」にする「防衛省昇格法案」を提出。国民投票法案などとともに継続審議とし、秋の臨時国会を「改憲国会」にしようとしています。この背景に、5月に合意された在日米軍再編の動きがあることは明らかです。

 ◇医療改悪法案が焦点

 国会最終盤、政府・与党は、医療改悪法案の6月14日成立に焦点を絞ってきています。
 6月7日には、「教育基本法改悪を許さない各界連」、全労連などが呼びかけた「国民集会」が開催され、「教育基本法改悪、改憲手続き法、医療改悪、共謀罪の四悪法を廃案に」の決意を固めあいました。


◆2010年度まで「5.9%純減」

 行政減量・有識者会議が「最終とりまとめ」を決定

 行政減量・効率化有識者会議は、5月30日、「国の行政機関の定員の純減方策についての『最終取りまとめ』」を決定しました。そこで、「純減15事項」とされた社会保険庁や登記・供託などに、1万9644人、5.9%の純減を2010年度までに実施するよう求めています(下表)。






 また、重複部分はありますが、地方支分部局の統廃合とIT化による、「定員合理化」として約2万8600人(8.6%)の削減も確認されています。
 国民生活に密着した行政サービス実施部門の仕事はできるだけ切り捨て、「霞が関」や治安、防衛などだけを残す「小さな政府」の具体化内容です。
 15事項の事務や地方支分部局に純減・削減を集中させる結果、府省間の配置転換が不可避だとし、それを進めるための「雇用調整本部」の設置も確認されました。
 「最終取りまとめ」では、5月26日に強行成立した「行政改革推進法」にもとづく特別会計制度の「見直し」などともあわせた「独立行政法人化」の検討も求めています。これらは、経済財政諮問会議などが作業している「骨太の方針2006」にも反映される状況です。

 ◇経済財政諮問会議へ「要請決議」集中を

 国公労連は、経済財政諮問会議などへの「要請決議」の集中をはじめ、政府追及を強める夏期闘争方針の具体化を呼びかけています。


◆STOP!「戦争する国」「小さな政府」
  06夏季闘争のポイント 国公労連・小田川書記長に聞く

 国公労連は6月3日、第126回拡大中央委員会を開催し、「06夏季闘争方針」と「06年人事院勧告に対する国公労連統一要求」を満場一致で決定しました。小田川義和書記長に夏季闘争方針のポイントを聞きました。

 ◆公共サービス商品化はねかえそう
  7.25中央行動で大きくアピール

 ◇国会会期延長許さず4大悪法の廃案を


 −−夏季闘争をめぐる情勢ですが、国会会期末が6月18日とせまっています。
 小田川 最終盤の国会に、国民投票法案、教育基本法改悪法案、医療改悪法案、共謀罪法案などの悪法が目白押しとなっています。会期延長を許さず、これらの悪法を廃案にするとりくみが大切です。

 ◇9条改憲を許さないとりくみの強化

 −−改憲手続き法案となる国民投票法案が国会に提出され「戦争する国」づくりを許さないたたかいが正念場です。
 小田川 改憲反対の運動は、「9条の会」が全国各地に5000を超えて結成され共同が広がっていますし、憲法改悪を先取りする形でアメリカの世界戦略に在日米軍を組み込んでいく米軍基地の再編・強化には、全国各地の自治体と住民が反対しています(図表1参照)。こうした運動をもっと大きくして、「戦争する国」づくりをストップさせる必要があります。






 具体的には、憲法・国民投票法案の全職場学習の強化や、職場・地域での「9条の会」結成推進、毎月の「9の日」宣伝行動の継続・強化などを提起しています。
 −−小泉「構造改革」については、最近マスコミも“影”の部分=格差拡大を問題にするようになってきました。

 ◇格差拡大、地方切り捨て、安全・安心の崩壊でマスコミにも変化

 小田川 村上ファンドの証券取引法違反事件やライブドア事件、耐震構造偽装事件など、弱肉強食の市場主義の「影」の部分が相次いで露呈し、格差拡大(図表A)にともなう社会不安の増大による深刻な事件も相次いでいます。このことへの国民批判が高まり、「小さな政府」を懸念するマスコミ報道も増えています。





 また、全労連「もうひとつの日本」闘争本部の全国キャラバン行動などを通じ、地方自治体で、地方切り捨てへの不満が高まっていることも明らかになっています。
 ――村上ファンドの急成長を支えてきたのがオリックスの宮内義彦会長ですね。
 小田川 宮内氏は、小泉内閣の「規制改革・民間開放推進会議」の議長で、「市場化テスト」などで「公共サービス商品化」を推し進めています。「官から民へ」「貯蓄から投資へ」と国民をあおった「目的」が、今回の村上ファンドの事件で、より明白になりました。
 格差拡大反対の世論に訴え、「公共サービス商品化」反対のとりくみを強化することは、この夏の運動課題の中心です。

 ◇「行革推進法」の具体化許さないとりくみ

 −−5月26日に「行政改革推進法」「市場化テスト法」など行革関連5法案が成立し、「骨太方針2006」も策定されてようとしています。
 小田川 「行革推進法」や「市場化テスト法」の具体化に反対するとりくみと、歳出削減、総人件費削減強化、「骨太方針2006」−−例年は6月策定ですがマスコミ報道では7月に策定がずれこむと言われています−−の策定への反撃、07年度概算要求へのとりくみも重要です。
 具体的には、次のとりくみをすすめます。
 (1)経済財政諮問会議などに、連続する社会保障改悪や総人件費削減に反対する「職場要求決議」の集中。
 (2)第3水曜日の宣伝行動を継続。6月21日、7月19日は全国一斉に「小さな政府」づくりが国民生活破壊につながることを訴えるビラを配布。
 (3)増税反対、消費税率アップ反対のとりくみを強化。「税金パンフ」での宣伝を強化。

 ◇国民共同の力で公共サービス商品化はねかえそう

 (4)職場実態をかえりみない「5%純減計画」のとりまとめ・具体化に反対する政府・推進事務局交渉の強化。
 (5)6、7月段階に、ブロック国公での「ブロック機関」要請行動(対角線交渉)の具体化を追求。要請行動は、「行政体制確立」と「雇用破壊反対」の2点を中心に実施。
 (6)「市場化テスト法」にかかわる政省令への対応を強めるとともに、「民間開放」の押しつけに反対するとりくみを強化。7月と想定される規制改革・民間開放推進会議の「とりまとめ」にかかわる要請行動などにとりくむ。
 (7)純減対象となっている「重点15項目」分野での行政サービス充実の必要性を訴える宣伝物を作成するなどし、地方議会や団体要請行動にとりくむ。
 (8)社会保険庁「改革」関連法案の成立に反対し、関係団体要請行動などの具体化をはかる。
 (9)7月25日に中央行動を配置し、「骨太方針2006」をふまえた概算要求決定に反対する関係機関要請行動を実施。また、「小さな政府」攻撃のもとで進む公務員の権利破壊の問題点を内外に明らかにする集会を開催。


 ◆対人事院闘争
  比較企業規模の引き下げNO!

 −−人事院勧告に対する統一要求の基本的な考え方は?
 小田川 国公労連は、春闘期には、政府に対して、組合員の切実な要求を集約した統一要求を確立し、その実現を政府・人事院に迫りました。
 統一要求の内、賃金水準の改善を迫る「ベア要求」については、官民の労働組合が統一的なとりくみを展開する国民春闘に結集し、「使用者・政府」としての回答を求めました。
 これまでも、春闘期の政府等の回答と、官民共同でたたかった春闘での民間企業における賃金改善の状況をふまえて、人事院勧告に対する要求を整理してきています。

 ◇06春闘の民間企業の賃上げは昨年並み

 06春闘の民間企業の賃上げ状況は昨年並みです(図表3参照)。大企業労組がベア要求を掲げ、ベースアップを勝ち取ったという事実はあったものの、全体の状況は集計結果が如実に物語っています。






 また、政府・人事院の春闘期回答(3月23日)は、従来回答の上に、官民比較方法の「見直し」に言及し、小規模企業を対象とする調査を実施するというものです。
 さらに、国の総人件費の対GDP比を「10年間で半減」するとした「行革推進法案」が国会で成立するなど、公務員賃金への攻撃が強まっています。
 こうした状況から、官民比較方法の「見直し」(比較企業規模引き下げ)による公務員賃金水準引き下げの危険性も含め、「連年の賃下げ勧告は断じて許さない」ことを中心要求に、運動の集中をはかることが必要になっています。

 ★主な行動については、行動展開図(PDF95KB)を参照してください。


◆公正任命実現めざそう

  民主化対策会議が出陣式・決起集会
  中央労働委員候補の堀口士郎氏

  中央労働委員会第29期委員の選任が、11月に行われます。
 全労連、純中立労組懇、マスコミ文化情報労組会議で構成する全国労働委員会民主化対策会議は5月19日、國分武氏(全労連副議長)、今井一雄氏(出版労連顧問)、堀口士郎氏(国公労連委員長)3氏の任命をめざし、17単産、3団体、4地方の代表69人が参加し、「中労委労働者委員の公正任命をめざす出陣式・決起集会」を開催しました。
 集会では、委員候補3氏が、「ILO勧告など情勢は前進。当然任命されるべき」(堀口氏)、「中小企業の労働者のために頑張りたい」(國分氏)、「委員が取れずして何の全労連かという気持ちで頑張ってもらいたい」(今井氏)と訴えました。
 続いて、推薦単産が推薦の弁にたち、国公労連の岡部勘市書記次長からは、「委員長を立てたのは、絶対に負けられないという意思表示。任命を勝ち取りたい」と決意表明しました。
 集会では最後に、現在すすめている28期委員任命取消訴訟と一体で、公正任命の世論づくりをすすめることを確認しました。

 ◇民主主義前進のため支援を
  中央労働委員候補・堀口士郎氏

 中労委の労働者委員(15名)は、連合推薦者のみで独占されるというきわめて不正常な状態が続いています。労働委員会制度の目的は不当労働行為の救済や労使紛争の調整を迅速・簡便におこない、人間らしく働く権利を守ることにあります。
 その意味では全労連など労働組合の組織状況を反映した任命を公正におこない、すべての労働者の信頼を確保することは制度の趣旨と目的にてらして当然のことです。この間ILOからの再三の勧告や地裁段階での判決など有利な条件も拡大しています。
 働く仲間の生活と権利を守り、この国の民主主義を前進させるためになんとしても任命を勝ち取りたいと思います。みなさんのご支援をよろしくお願いします。


◆未来のために行動を

 第36回国公女性交流集会ひらく

 5月26・27日、第36回国公女性交流集会を札幌・定山渓で開催し、388人(15単組42県国公)が参加しました。「北の大地」から「小さな政府」への反撃を呼びかけた国公労連山瀬徳行副委員長の激励あいさつ、阿部純孝北海道ブロック国公議長と阿部泉実行委員長の歓迎あいさつで全体会がスタート。

 ◇イラクで何が起きていたのか事実を語る

 イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんが「命に国境はない―報道の見えない壁の向こうで、イラクで何が起きていたのか」と題し記念講演。アメリカの報道規制の実際、イラクで引き起こされている「虐殺」の生々しい事実などを、映像をまじえて語りました。
 阿部女性協議長の基調報告の後、病院介護員の不当解雇撤回のたたかいを、北海道医労連・恵和会労組の近藤日和さんが、社保庁改革の問題点と職場実態を全厚生の金子菊枝さんが報告。道労連青年協の出口憲次さんは、DVDを上映しながら北海道労連の「ギョーカク鑑定団」のとりくみを紹介しました。
 夕食交流会では、地元の若者たちによる「YOSAKOIソーラン」の力強い華麗な“舞”の披露。飛び入り参加者も多数で、一気に盛り上がりました(写真上)。
 2日目は8つの分科会を開催。「官から民へは誰のため、何のため」、「働く私のメンタルケア」をはじめ、憲法と女性、労働組合の課題についても語り合いました。
 分科会後の全体会では「憲法改悪・国民投票法案・教育基本法改悪反対決議」と、「平和な未来のために、今できることを行動に移しましょう」のアピールを、参加者全員で確認しました。

 
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