国公労新聞 第1219号

●守ろう9条、公共サービス

 国公労連第51回定期大会ひらく

 「守ろう9条!いかそう憲法〜国民の中へ、国民とともに」のスローガンをかかげ、国公労連第51回定期大会が8月24日から3日間、東京都内で開催され、全国から296名が参加しました。
 大会では、強まる「9条」改憲の動きに反対し、政府・財界の総人件費削減攻撃をはね返す「公共サービス商品化」反対キャンペーン運動を職場・地域から展開する決意を固めあいました。

 大会は、堀口委員長の冒頭あいさつに続き、小田川書記長が2005年度の運動方針案を提案。(1)「9条」改憲に反対するとりくみの強化、(2)総人件費削減や市場化テスト反対の要求課題を前面に立てた「公共サービス商品化」反対キャンペーン運動、(3)組織の整備・拡大重視の「三つの柱」を強調し、職場と地域から産別運動活性化を呼びかけました。
 そのうえで、05秋季年末闘争で、「職場9条の会」づくりや、「暮らし安心署名」を軸にした国民との総対話運動を提起しました。
 討論では、9条改憲反対運動強化の決意や、公務員バッシングの嵐のなかで、小泉内閣が進める公務員の総人件費削減と公務の民間開放施策に反対してたたかう発言が相次ぎました。また、給与構造「見直し」の人事院勧告への怒りとともに、「公務員の賃下げは、地域経済への影響が大」との立場から、地方自治体や独立行政法人への勧告準拠の押しつけを許さない秋闘期のたたかいの決意が強調されました。
 大会論議をふまえた総括答弁の後、採決がおこなわれ、すべての議案が満場一致で可決・承認されました。


●改憲と「構造改革」に総反撃を
  −−闘争強め、歴史的な運動築こう〈国公労連堀口委員長あいさつ(要旨)〉

 ※全文はこちら 

 今年は、第二次世界大戦の悲惨な歴史から60年、国公労連結成30年の節目の年です。国公労連は、戦争の惨禍と反省の上に立って働く者の生活擁護、行政と官庁の民主化、日本と世界の平和を守る立場を一貫して追求し、日本労働運動の大道を歩んできました。
 今回の総選挙は、労働者にかつてない雇用不安や賃金破壊、年金・社会保障制度の大改悪、庶民大増税など大変な痛みを押しつけてきた「構造改革」の現状を検証し、小泉自公政治に審判を下すことが焦点です。
 政府が決定した「骨太方針2005」の狙いは「小さな政府」論を強調し、公務員の賃下げと定員純減、公務の民間開放を中心課題として位置づけ、公務員攻撃を強めながら社会保障の改悪、消費税増税など国民に新たな負担を強いる政治をすすめることにあります。
 国公労連は、国民のいのちと暮らしの安定を損なう「骨太方針」には断固反対であり、「構造改革」の本質を国民に知らせながら反撃のたたかいを大きくしていきます。

 ◇あらゆる課題と結合し改憲反対運動に全力

 自民党の新憲法起草1次案は、戦力不保持・交戦権否認を定めた9条2項を完全に削除して「自衛軍」を保持するとしており、日本を海外で戦争する国に逆戻りさせようとするものです。また、「国防の責務」などが検討される一方で、国民の権利より国家・社会秩序を優先する考え方が強く打ち出されるなど、「国家権力の制限規範性」という近代憲法の本質を否定する方向が強まっています。
 一方、この1年間で「九条の会」が3千を超えるなど草の根的な運動が広がり、教育基本法改悪法案を通常国会に提出させなかったことは国民的運動の成果です。
 国公労連は、「あらゆる課題と結合し、あらゆる課題に優先して」改憲反対・憲法理念を活かす運動に全力を上げます。

 ◇幅広い労働者に求心力持つ組織へ

 国公労連は、賃金改善とあわせて「賃下げをともなう給与構造の見直し反対」「1人の賃下げも許さない」との立場で人事院闘争をたたかってきました。
 3度目となる賃下げ勧告は、政府・財界の総人件費削減方針に迎合した結果であり、不利益遡及は、行政法令不遡及原則にてらしても不当です。
 人事院は全国一律の官民比較の原則を変更し、俸給水準を引き下げて、地域給再編や俸給のフラット化を強行しました。地域間のいびつで不安定な民間賃金格差を公務員賃金の決定指標にすることとあわせて、当該労働者の合意と納得を得ないまま、労働基本権剥奪の「代償措置」によって、労働条件の不利益変更が強行されることは容認できません。給与構造見直し勧告は賃下げ勧告同様に実施すべきではないとの立場で、対政府・国会闘争を強めていきます。
 職場の状況が変化するもとで、幅広い労働者に求心力を持つ組織をめざしていくことは、今日の運動に責任を持つ私たちの歴史的任務です。
 国公労働運動の歴史と伝統をふまえ、確固たる国公労連組織を確立するため、新たな挑戦を開始したいと思います。


●大会討論

 第51回定期大会では、04年度運動方針案の重点課題に沿って76人の代議員・特別代議員などが発言(文書発言は2人)しました。主な発言の要旨を掲載します。

 ◆9条改憲阻止、平和・民主主義の発展を
  −−職場・地域で「9条の会」結成し草の根から共同ひろげよう

 ◇全司法大阪支部で「職場9条の会」結成

 はじめに憲法課題について活発な討論が行われました。
 「全司法大阪支部が、職場の仲間と退職者の共同で、『憲法を守る会』を結成。月一回の定例会、ニュースの発行、署名・宣伝活動にとりくんでいる」(全司法)、「全支部で憲法学習会を開きながら、街頭宣伝や個別訪問で署名を広げている」(全通信)、「憲法課題で全職場オルグを追求。オルグ養成講座など憲法学習を推進」(全運輸)、「9条改憲反対のとりくみと、公務の民間開放反対のたたかいを結合し、国公労働者が憲法を暮らしに活かすことが大切」(全労働)

 ◇「県国公9条の会」の結成をめざす(愛知)

 「組合員に憲法を身近に感じてもらおうと、機関紙『国公愛知』で『憲法と私』のテーマで連載。各単組の仲間から仕事との関わりで憲法の大切さを書いてもらっている。『県国公9条の会』結成をめざす」(愛知県国公)、「沖縄では安保条約が憲法の上にある状態。直近では米軍の実弾射撃訓練が県民の住宅の近距離で行われたり、日米韓合同訓練でF15戦闘機が連日轟音を響かせ住民生活を脅かしている。三十数年前、9条のある日本に復帰した沖縄の地から、9条改憲反対運動を広げたい」(沖縄県国公)、「『九条の会』が草の根から共同を広げていることに確信。憲法を土台にすえて従来の動員型ではなく参加型で共同を広げたい」(厚生共闘・全厚生)と積極的な発言が相次ぎました。
 平和・民主主義をめぐっては、被爆60年の原水禁大会と国公平和のつどいで奮闘した広島・長崎両県国公の発言をはじめ、「5.1ニューヨーク国際行動で、国公の代表団が奮闘。いまこそ核廃絶の声を広げよう」(全運輸)、「あらためて平和行進の原点を確認し重視する必要がある。青年層への平和・憲法学習の強化を」(全労働)との発言がありました。

 ▼中間答弁〈国公労連・小田川書記長〉
 全司法大阪支部の「憲法を守る会」の結成報告などは、提起している「職場・地域9条の会」のとりくみの一例として、全体の教訓に。
 全労働などから、平和の課題も含めた憲法学習の必要性が強調され、沖縄県国公からは、その歴史をふまえた9条改憲反対運動強化の決意が述べられました。あらゆる運動課題、行動と、憲法学習や改憲反対のとりくみを結合し、1年間のたたかいを進めることします。

 ◆「公共サービス商品化」反対、民主的行財政の確立を
  −−「公共サービス商品化」に反対する共同を広げよう

 ◇街頭宣伝、行政相談、行政懇談会で対話

 「公共サービス商品化」反対や構造改革路線に反対する課題では、「公務員の総人件費削減の大合唱に対して、職場の実態をリアルに伝える行政懇談会や、公共サービス商品化反対の街頭宣伝行動にとりくんでいる」(愛知県国公)、「労働行政の民間開放を阻止するため、『労働は商品ではない』とのキャッチフレーズで国民との共同を広げている。国公産別全体で、国民にわかりやすく宣伝するなど、これ以上の公共サービス切り売りはやめさせよう」(全労働)、「気象災害が頻発するなか気象事業の整備拡充が求められている。国民とともに歩む気象事業をめざす」(全気象)、「全建労は全港建とともに建設産別の共闘を広げている。公共サービス切り捨てを阻止するためには、国公産別として民間労働者をはじめ広く国民と共闘する必要がある」(全建労)、「東海ブロック国公では公務の民間開放を告発するシンポジウムを開いた。民間の仲間に訴え、辛辣な声にも耳を傾け、行政研究活動にフィードバックしていくことが大切」(東海ブロック国公)、「公共サービス商品化反対の宣伝行動とともに、法務行政相談を全国各支部でとりくんでいる。国民生活との関わりで行政の必要性をアピールしていく。提起されている『暮らし安心署名』は増員署名と一体でとりくむ」(全法務)、「公共サービス商品化反対と憲法改悪反対を結合して、昨年の11月から街頭宣伝にとりくんでいる。行政相談も実施し、市民に共感をよんでいる」(青森県国公)、「構造改革でサラリーマン大増税が計画されている。年収400万円の三十歳代なかばの独身で年間32万5千円の増税に。一方で高額所得者には大幅減税が続く。こんな増税プランは阻止しよう」(全国税)などの発言がありました。

 ▼中間答弁〈国公労連・小田川書記長〉

 全労働などから、「公共サービス商品化反対キャンペーン」の宣伝物の工夫が求められました。受けとめて、努力します。なお、宣伝では、「官から民へ」の施策が、(1)不安定労働者の増加などにつながること、(2)受益者負担で格差社会となること、(3)公共サービスが企業の儲けの場となること、の3点を重視します。
 提起した「暮らし安心署名」は、単組の増員署名などと「右手、左手の関係」でとりくむものです。構造改革反対を直接国民に訴えるとりくみとして、秋から春にかけ、単組、県国公、国公労連が力をあわせ全国で展開します。行政なんでも相談や行政懇談会、地方議会要請行動、関係団体要請行動などを、全国で同時期に具体化します。

 ◆賃金課題、働くルール、民主的公務員制度の確立
  −−給与構造見直し反対、賃下げ悪循環ストップ

 ◇中央・地方一体の運動を

 給与構造見直し反対をめぐっては、多くの意見が出されました。
 「7月14日に人事院から地域手当の指定基準案と支給地域案が提示され、翌15日の単組書記長参加の人事院交渉では、給与構造見直し撤回を主張するのではなく、県庁所在地などの再検討を迫るものだった。7.26中央行動を最大のヤマ場としてたたかってきた岩手の仲間は割り切れない思いだった」(岩手県国公)、「給与構造見直し反対で、旭川・札幌の集会や、人事院北海道事務局前座り込みなどのたたかいを進めた。東京では、反対運動が盛り上がらないのではと、少なくない組合員が思っている。中央と地方の分断を許さない運動を提起して欲しい」(北海道国公)、「給与構造見直し反対のたたかいで、昨年11月の人事院提案に対する国公労連の対応方針のわかりにくさ、俸給引き下げで配分原資を生み出すという攻撃へのとりくみの不十分さがあったのではないか。今後への教訓として過不足のない総括を」(全労働)

 ◇宿舎に「家庭版ビラ」を5号にわたり配布(福岡)

 「給与構造見直しは許さないと、『家庭版ビラ』を5号に渡り、毎号4000枚の配布体制でとりくんだ。公務員バッシングに対する反撃としてまず家族に訴え理解してもらい、地域に根をはった運動を展開する」(福岡県国公)、「給与構造見直しを許さないために、春闘期から昨年を上回る規模で討論集会を各県で開催し、独自に2万筆を超える九州人事院事務局長宛の署名提出、地方事務局包囲行動・デモ・集会などを展開した」(九州ブロック国公)

 ◇地域給反対運動の中で公務共闘を結成(山形)

 「地域給反対のたたかいの中で、県国公が中心になって、公務共闘を結成するなど、地域の共同が広がった」(山形県国公)、「人事院中国事務局包囲デモやロングランの座り込み行動などで給与構造見直し反対のたたかいを進めた。05人勧の問題点や地域経済への影響を訴える宣伝ビラを宿舎に配布したい」(広島県国公)

 ◇かつてない930人で近畿事務局を包囲

 「給与構造見直し反対のたたかいは、立ち上がりは遅かったが、6月以降、かつてない930人を結集した人事院近畿事務局包囲行動など連続する大衆行動や交渉などにより、運動が広がり、組織の前進につながるとりくみとなった」(近畿ブロック国公)、「給与構造の大改悪の本質は、不合理・不公正な配分にあり、中央優遇・地方切り捨ての格差拡大、同一労働同一賃金の原則に反するものだ。このような勧告は実施すべきでない。今後、こうした本質を学習し不合理な仕組みを改善するたたかいがベースに必要だ。また、勤勉手当、査定昇給の民主的運用をせまるとりくみが重要」(全労働)

 ◇最賃と人勧一体で賃下げ阻止の運動(宮城)

 「給与構造見直しは許さないと、過去最大級の上京団で7.26中央行動に結集したことをはじめ、2.28東北総決起集会などに大きく結集。宮城一般労組と共同で泊まり込みの春闘討論集会を開催するなど、最賃と人勧一体で賃下げ悪循環ストップの運動をすすめ、給与構造見直し反対も民間の仲間から共感を得た。地方議会や商工会議所への要請行動など旺盛なとりくみを展開した」(宮城県国公)

 ◇11地方議会で意見書採択(新潟)

 「自治体労働者との共同などを追求しながら3月と6月に給与構造見直し反対の集会・デモを成功させた。11の地方議会での意見書採択を勝ち取った」(新潟県国公)、「最大のヤマ場7.26中央行動を前にした7月1日、国公労連が人事院に提出した給与構造見直しについての意見は、はやばやと見直し撤回から条件闘争に入るものであり、国公労連への不信が職場に広がった。きちんとした総括を」(全建労)、「東北は、自治体や民間の仲間とともに地域給対策会議を結成し、昨年の寒冷地集会を上回る1000人以上参加の2.28地域給阻止総決起集会や、700人での人事院東北事務局包囲行動、自治体・商工団体・民間労組・地元選出国会議員要請行動など、大きなとりくみを展開した。国公労働者の配分問題と受けとめられてしまう『給与構造見直し』という国公労連の言い方が、運動の足を引っ張ったのでは。今後、人勧の影響を直接受ける750万労働者、ひいては全労働者に対して、賃下げサイクル阻止の働きかけを強める必要がある」(東北ブロック国公)、など多数の意見が出されました。

 ◇197社の建設関連企業主に要請(全建労)

 つづいて、その他の賃金課題や働くルールなどについての発言がありました。
 「05春闘で『全労連統一要請書』を197社の建設関連企業主に提出した。建設関連労働者の賃上げ・労働条件改善を訴え、民間の仲間との共同が広がり、参加した組合員に大きな確信を与えるとりくみとなった。地域に足を出せば共同は広がる。国公各単組も官民一体のたたかいを」(全建労)、「国公産別として、あらためて賃金政策を構築する必要がある。要求アンケートが全数調査から1割程度の調査となっているが、これでは賃金闘争が形骸化してしまう。賃金がどうあるべきか学習を進めながら全数調査すべき」(全運輸)、「要求アンケートはすべての組合員を対象にすべき」(全気象、全港建)、「経産省本省職員の10%弱が過労死ライン=月80時間以上の残業をしいられている。この状況は定員削減により地方にも蔓延している。管理責任を問わず、職員の自己責任とされている限り問題は解決しない。超勤規制と不払残業根絶のとりくみ強化を」(全経済)、「国立病院機構は昨年4月の独立行政法人移行時に、一般職員の賃金を大幅に切り下げ、非常勤職員の雇止めを強行。いま、不利益・雇止是正裁判をたたかっている。公務員の人権を守るとりくみとして勝利したい」(厚生共闘・全医労)、「連合会は稲田登戸病院を来年3月に廃止すると発表。職員労組は国共病組に結集し存続への運動に立ち上がることを決意。ご支援を」(国共病組)、「共済組合病院の新香里病院と京阪奈病院の統合に伴い、非常勤職員に退職強要が行われている。ご支援を」(大阪国公)、「KKRびわこの支配人による職員二人への人権侵害のいじめに対して、昨年3月に労働組合を結成してたたかった。二人は入院し長期の休職となる困難なたたかいとなったが、宿泊労組をはじめ全国の仲間の支援で今年の3月に一人は別の職場に復職、一人は残念ながら退職となったが勧奨退職ということになった」(近畿ブロック国公)、「他省庁に突出して行われてきた経産省の評価制度の試行は、今年度で3回目となるが、主眼は『人材育成と業務改善』とするなど大幅なトーンダウンがみられる。引き続き民主的改善めざすとりくみを進める」(全経済)、「実績主義反映を先取りした国税の職場では一昨年から税務署の統括官等から一般上席への降格人事が行われている」(全国税)

 ▼中間答弁〈国公労連・小田川書記長〉

 給与構造見直し反対のたたかいと関わって、「見直し撤回を主張すべきであった」との意見、「中央、地方の分断への懸念」が表明されました。また、今秋のたたかいと関わって「勧告実施反対」の立場を明確にするよう求められています。
 山形県国公他の発言にあるように、この間のたたかいで地方段階の共闘は大きく前進しました。この地方での共闘を背景に、人事院の見直し攻撃を一定程度押しとどめたことは一面の事実です。
 「俸給引き下げで配分原資を生み出す」という攻撃へのとりくみの不十分さの指摘は率直に受けとめます。しかし、「白か黒か」の対応では、政府・財界の圧力も背景にした攻撃を押しとどめることは難しかった、と思います。また、「一人の賃下げも許さない」との要求の一致点で、都市部の仲間も含め、最終盤までたたかい抜いた事実は確認が必要です。
 勧告後、「給与法案の見送り」を政府に迫っています。この立場を堅持しつつ、総人件費削減の攻撃とのたたかいも含め、総選挙後に政府、国会闘争の詳細論議をおこないます。
 新給与制度の民主的運営を求めるとりくみと、そのための勧告学習会の開催について特段のとり組みを呼びかけます。
 意見のあった「要求アンケート」については、全組合員対象の要求組織運動として実施することとして方針を修正します。
 「給与の次は勤務時間」となる可能性が生まれていることに十分留意し、秋闘段階から抜かりない対応を図ることとします。

 ◆組織拡大・強化に向けて
  −−非常勤の仲間の組織化、「チャレンジ30」の全面実践を

 最後に組織拡大・強化等についての発言が活発に出されました。

 ◇対話・参加型の職場活動で組織拡大(全司法中部地連)

 「全司法中部地連の各支部は、職場の主人公=組合員から対話でていねいに要求をくみあげながらすべての組合員が参加できる職場活動を追求。対話・参加型の組合活動が広がる中で組織の拡大・強化が進んでいる」(全司法)

 ◇150人の非常勤職員を拡大(全労働北海道)

 「全労働北海道支部は昨年8月から非常勤職員=相談員の組織化をスタート。50の職場で働く870人の相談員に、直接加入を呼びかけ、今年3月までに150人の仲間を拡大。組織化にあたっての一番の障害は、使用者側に立つような正規職員組合員の意識だったが、国公法と労基法のはざまで不安定な雇用・労働条件をしいられている相談員の仲間には労働組合が必要と、組織化にとりくんでいる」(全労働)

 ◇非常勤職員の組合員教室ひらく(全港建四国地本)

 「8地本中4地本で53人の非常勤職員を組織化。四国地本の組織率は50%を超え、非常勤職員の仲間だけの新入組合員教室を開催するなど一層の組織化をめざしている」(全港建)

 ◇1年間で二ケタの組織拡大(国公一般)

 「国公一般を立ち上げこの1年間で30件の労働相談を受け、二ケタの組合員を拡大した。霞が関の若手キャリアから非常勤職員まで相談を受け、団交で成果を出すというところまで来た。2年目は本省組織の底上げに焦点をあて、チャレンジ30の前進につくしたい」(国公一般)、「全労連の組織拡大推進基金カンパが2割しか集約できていない。早急な手立てを」(大阪国公)、「全労連の組織拡大推進基金カンパが2年目になっても職場に浸透していない。中間報告がないのはなぜか」(神奈川県国公)、「国公共済会は、他の保険の追随を許さない大きなメリットがある。国公共済会の魅力も活用して組織拡大を」(大阪国公)

 ◇勤通大・憲法コースの受講生組織を(全厚生)

 「マスコミによる公務員バッシングや小泉ワンフレーズトークの本質を見破る学習教育のとりくみが重要になっている。勤通大の集団学習は青年から中高年まで確信を広げている。来年2月から開講する勤通大の『憲法特別コース』の受講生組織に全力をあげる」(全厚生)、「ウソとゴマカシの公務員バッシングの嵐が吹き荒れている。マスコミ対策や機敏な教宣が重要だ」(青森県国公・神奈川県国公)、「地方役員の負担軽減を考慮して、提起されている結成30周年記念事業は見直した方がよいのでは」(全労働)、「結成30周年記念事業のスポーツ大会は、06春闘期にたいへんな労力をさかれる。再検討を」(関東ブロック国公)

 ▼中間答弁〈国公労連・岡部書記次長〉

 組織強化に関わって、丁寧な要求組織と対話、目に見える日常活動で組合員との信頼関係を深め、押しつけでない参加型の運動を追求するなど、職場に根ざしたすばらしい実践を報告いただいた全司法中部地連のとりくみに産別全体が学び、教訓としましょう。
 非常勤・相談員など「非典型」労働者の組織化は、国公関連のすべての労働者から頼りになる労働組合への脱皮をめざす「チャレンジ30」の中心課題です。今日、公務の範囲をめぐる議論も浮上する中、労働者の三割を超えるまでに増大している「非典型」労働者の存在は国公職場でも同様であり、その現実から出発する必要があります。制度の狭間に置かれ、「雇用期限」などの困難はありますが、私たち機関役員の側にある「壁」を打破し、ともに行政を遂行する仲間として積極的に加入を呼びかけましょう。
また、お茶くみやセクハラ問題なども指摘されていますが、行政民主化と一体の課題として、私たち自身の意識改革も含めて早急な改善が求められています。ぜひ、提起した2ndステージの第一次案も含めて、職場から大いに議論をお願いします。
 全労連「組織拡大推進基金カンパ」二年目のとりくみ状況は、大会後速やかに集約し、各単組の大会等も通じて下部機関に対する援助を強めたいと思います。
同時にこのカンパは、各県・地域の未組織労働者の組織化のために使われるものですから、県労連を支える各県国公として、その意義・目的や具体的な使途、私たちの要求との関わりなどについて宣伝し、地域の実情をふまえて各単組・組合員に訴えることが不可欠です。そういうタテとヨコのとりくみを一体で強めましょう。
 国公一般は、霞が関を当面の対象として、全労連・国公労連の影響力を拡大するために「一人でも誰でも加入できる組合」として結成しましたが、関連法人や外郭団体からの労働相談も増えています。そのため、労組法上の労働組合と現在の国公一般で構成する連合体に発展改組することを含め、全労連オルグを先頭に国公労連として引き続き支援を強めていきます。
 国公労連結成30周年記念事業は、単なる一過性のイベントではなく、組織強化の運動としてとりくむことを提起しています。繁忙度を増す職場実態のなかですが、こうした情勢だからこそ組合員の文化やレク、スポーツといったニーズに応え、単組や地域の枠を超えた交流が必要だと考えます。一部役員だけで準備するのでなく、「力」をもった仲間の協力も得るなど、とりわけ県国公の組織強化に主眼をおいて、その成功をめざします。


●総括答弁

 地域に打って出る「指示型」から「自主的」な運動に  

 この国のかたち選択が問われる総選挙が、9月11日に実施されるという緊迫した状況のもとで開催した大会では、延べ76名の代議員等が発言し、方針案は豊かに補強されました。

 ◇地域のねばり強いたたかい決意次々と

 討論では、給与構造見直しとかかわって、職場と地域からのねばり強いたたかいの経験が報告され、地域経済への影響という問題ともかかわって、引き続く地方公務共闘レベルでの、たたかいの決意が述べられたことが、大会全体を特徴づけています。
 激しい攻撃のもとでの組織的後退に歯止めをかけ、増勢に転じた教訓的なとりくみが報告され、県国公段階でも、「頼りになる国公労連産別センター」への挑戦が始まっていることも報告されました。
 それらの点もふまえ、重点とするとりくみ課題2点について、国公労連本部としての見解をあらためて述べます。

 ◇「9条の会」結成を
  −−幹部だけの活動から脱却を


 一つは、9条改憲反対のとりくみの母体、職場、地域での「9条の会」づくりです。
 改憲反対のとりくみでは、指示型の運動の弱点を克服し、一人でも多くの参加を得た自主的な運動を広げていくこと、「多くの運動課題の一つ」に埋没させないこと、が求められています。
 一握りの幹部活動家が、すべての運動で先頭に立てる状況にはないからこそ、「機関役員にこだわらない」、「組合員だけを対象としない」、「組織内だけに閉じこもらない」改憲反対運動の母体づくりを追求します。

 ◇改憲反対の国民過半数めざそう

 2007年と想定される憲法「改正」国民投票を待つことなく、過半数を超える国民が改憲反対であることを明確にすることが大切です。
 その具体の形が「国民過半数署名」と「世論のネットワーク、9条の会」の広がりにあることを確認し、2年目の改憲反対運動に全力をあげましょう。

 ◇総人件費削減阻止
  −−構造改革と労働条件引下げ反対を一体で


 二つは、総選挙に入って、総人件費削減の動きが加速している状況は、極めて重大です。消費税率引き上げも含めた増税の突破口に位置づけられているからです。
 総人件費削減の具体的な内容は、人数(定員)と単価(賃金)双方の切り下げですが、削減にも格差が持ち込まれようとしていることには留意が必要です。
 定員で言えば企画部門より実施部門に、本府省より地方支分部局に、治安部門より民生部門に、削減の重点がおかれています。賃下げが一律ではなく、「賃下げの配分」の給与構造「見直し」勧告が行われました。しわ寄せは、地方と実施部門に集中しています。
 定員配分や賃金配分での地域間格差の拡大に反対するたたかいと、地方切り捨て、公共サービス商品化を許さないとりくみを一体的に展開する必要性がここにあります。
 地域に打ってでて、構造改革に反対するとりくみと賃金、定員などの労働条件引き下げに反対するたたかいを一体で進めることの重要性は、くり返し確認が必要な点です。

 ◇疑問持つ仲間にこそ国公運動を示そう

 「職場は大変だ、厳しい」、「労働組合が本当に自分たちを守ってくれるのか」、そういった仲間に、今一度、国公労連の存在や運動を示していく目的をもって、秋闘方針などの具体化をはかりましょう。
 来年の大会では、組織的な増勢に転じたことを確認できるよう、お互いの奮闘を呼びかけて、総括答弁とします。


 ◆財政方針
  −−経費削減措置で会費を据え置き


 2004年度の財政執行率は、効率執行に努めた結果、予算比95%となり、約3300万円を繰り越しとなりました。
 2005年度予算は、月額会費(640円)、年会費(250円)、闘争会費(500円)を据え置き。全労連組織拡大基金は昨年と同額を特別会費に上乗せすることとしました。
 支出では、方針具体化を財政面から支えるため必要な経費は確保すると共に前年実績を踏まえた調整や、経常経費での削減の措置をとりました。
 ブロック・県国公専従役員の人件費、活動補償や、「不利益遡及」裁判闘争費など特定目的の支出をおこなう特別会計は、前年同様11会計設けています。
 これらの会計決算報告及び会計監査報告は拍手により承認され、2005年度財政方針案は満場一致で可決されました。

 ◆国公共済会
  −−ワンコイン共済創設、地震見舞金を充実


 国公共済会2004年度事業・活動報告および2005年度事業・活動方針案、各種制度規約改正案、新年度役員候補が提案され、いずれも承認・採択されました。
 2004年6月末現在、国公共済会に加入している実組合員は28人増の3万1335人、掛金収入は4800万円増の15億2000万円であることが報告されました。
 2004年度は台風、集中豪雨および地震などの自然災害が多かったことから、火災共済の給付件数が前年より179件増えました。この火災共済も含めた自主共済事業の給付は5324件、7億4000万円余となりました。その結果、剰余金として3億5000万円余を計上することができました。
 また、生命共済の上限額引き上げ、掛金の個人口座振替の導入、ワンコイン共済の創設、地震見舞金の充実など制度改正案も承認されました。

 ◇15周年の節目の年7150名を拡大目標に

 来年度は、7150名を加入拡大目標に設定し、15周年の節目の年を最高の加入者でむかえるためにとりくむことを確認しました。
 なお、堀口士郎理事長、大塚紀章専務理事をはじめとした2005年度の役員体制を確認しました。


 ◆第15回定期大会で可決・承認された議案

 第51回定期大会に提出された議案・報告はすべて可決・承認されました。以下、可決・承認された議案・報告です。
(1)2004年度闘争総括および2005年度運動方針、2005年度秋期年末闘争方針
(2)2004年度会計決算報告、2004年度剰余金処分
(3)2004年度会計監査報告
(4)2005年度財政方針、一般会計・特別会計予算
(5)国公共済会2004年度事業・活動報告及び2005年度事業・活動方針、国公共済会2005年度役員体制、規約改正

◆最優秀賞に三重県国公
  −−2004年度ブロック・県国公機関紙コンクール審査結果


★最優秀賞
  「ニュース三重国公」(三重県国公)

★優秀賞
  「国公宮崎」(宮崎県国公)
  「国公愛知」(愛知県国公)
  「長野県国公」(長野県国公)
  「東海ブロック国公」(東海ブロック国公)

★努力賞
  「新潟県国公」(新潟県国公)
  「沖縄県国公」(沖縄県国公)
  「香川県国公」(香川県国公)

 ◆来賓

 全労連副議長・西川征矢氏、公務労組連絡会議長・石元 巌氏、日本共産党参議院議員・吉川春子氏、出版労連委員長・新村 恭氏、国公労連顧問弁護団・岡村親宣氏、行財政総合研究所理事長・永山利和氏

 ◆メッセージ(敬称略)
【労働組合】 自治労連、全教、日高教、郵産労、福祉保育労、日本医労連、全日赤、特殊法人労連、水資労、国会職連、国交省管理職ユニオン、新聞労連、民放労連、出版労連、全印総連、検数労連、全厚労、全労連・全国一般、生協労連、全農協労連、建交労、自交総連、国鉄労組、通信労組、全港湾、全信労、銀産労、銀行労連、全損保、中退共労組、年金者組合、春闘共闘
【民主団体等】 働くもののいのちと健康を守る全国センター、労働総研、自治体問題研究所、科学者会議、働きたいみんなのネットワーク、全労働争議団を勝たせる会、国金発展会、じん肺闘争東京連絡会・全国じん肺原告団連絡会議・全国じん肺弁護団連絡会議、全国公害患者の会連合会、労働弁護団、自由法曹団、年金実務センター、母親大会、新婦人、全学連、全商連、保団連、民医連、農民連、平和委員会、原水協、被団協、原発問題連絡センター、非核の政府を求める会、安保破棄、日中友好協会、AALA、全国革新懇、うたごえ協議会、音楽センター、日本労協連、労働共済連、全労済、税理士・山岸房雄、労金協会、労金新橋支店、きかんし、あかつき印刷、教宣文化社

 ◆大会宣言


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