国公労新聞 第1190号

●臨時国会開会 小泉首相が「所信表明」
  公務リストラ、「新行革大綱」策定を宣言

 第161臨時国会が、10月12日に開幕しました。12月3日までの53日間の会期で、「骨太方針2004」の具体化をはじめとする「構造改革」の是否が論戦されます。

○市場化テストの導入等で公務を企業の儲けの手段に
 9月27日、「郵政民営化」を踏み絵に、内閣改造が行われての国会となります。小泉首相の「所信表明」もそのことを意識したものでした。郵政民営化を「(構造)改革の本丸」と位置づけ、2007年4月から民営化するための法案を時期通常国会に提出するとしました。
 また、国の補助金削減、国から地方への税源移譲、地方交付税見直しの三位一体改革、官業の民間開放をすすめるための「市場化テスト」の導入、公務員制度改革や「新たな行政改革方針(行革大綱)策定」にも言及しました。国、地方を通じた「公共サービス商品化(公務リストラ)」強化を宣言しています。

○社会保障の全面改悪、改憲への“決意表明”
 また、年金一元化問題を含む「社会保障制度全般の一体的見直し」について、社会保障給付総額の抑制に向けた自民、民主、公明3党の「与野党協議」を呼びかけ、社会保険庁の「業務と組織を抜本的に見直」しにも言及しました。加えて、改憲ともかかわる国連安全保障理事会の常任理事国入りへの並々ならぬ「決意」も表明しています。

○国民が望むのは、「年金・福祉」の充実
 内閣改造直後に『朝日新聞』が行った調査では、内閣に一番力を入れてほしいこと、のトップは「年金・福祉」となっています(下図参照)。


 小泉首相の「所信表明」は、このような国民の声(要求)に応えるものではありません。一層の年金改悪、「公共サービス商品化」による地域間格差の拡大やナショナルミニマムの形骸化、改憲への地ならしを進めようとするものです。それだけに、国民との矛盾は避けられません。

○「公共サービス商品化反対キャンペーン」を全国で展開しよう
 国公労働者とかかわっては、臨時国会には、寒冷地手当法改悪法案など給与勧告関連法案の提出が予定されています。また、「敗訴者負担の導入」にかかわる法案、(民間)育児休業「改正」法案などが、前国会から継続して審議される予定です。
 国の行政責任をなげすてる「構造改革」に反対する地域・職場からのたたかいと、改憲反対をはじめとする国民的運動とを結合したとりくみを強め、国会を包囲しましょう。当面、11月を集中期間に、宣伝行動や行政相談活動などの「公共サービス商品化反対キャンペーン」を全国で展開します。



●財務省が寒冷地宿舎使用料で提案
  指定解除地域の「規格調整」を解除


 財務省は10月14日に、国公労連に対し、寒冷地手当「見直し」に連動する措置として、今回指定解除されることになる地域の公務員宿舎については、寒冷地に関する調整措置(宿舎規格決定に際しての延べ面積の加算と基準使用料の調整)をはずし、11月から実施したいと提案してきました。
 現行の寒冷地手当の5級地、4級地に所在する国家公務員宿舎については、特例として7平方メートルを加算したものを適用し、規格と基準使用料を決定しています(下表参照)。

 解除により、今回の寒冷地手当見直しに伴い指定解除地域となる地域に所在する国家公務員宿舎で、「規格」が変更になる宿舎が生じ、使用料の引き上げとなります。
 例えば、延べ面積61平方メートルの宿舎は本来「c規格」ですが調整で「b規格」として、基準使用料(330円)を適用(c規格は414円)していましたが、今回の財務省提案では、寒冷地手当非支給地域の調整措置をはずして、原則にもどって「c規格」の基準使用料となります。

○ダブルパンチに
 宿舎使用料が引き上げられる国家公務員宿舎は、約450戸程度でそのうち約6割がb規格からc規格への変更で、規格変更により宿舎料が引き上げられる宿舎が所在する地域は新潟が多くなっています。04年2月の宿舎料改定の経過措置とあわせ11月からの宿舎料引き上げ幅は約15%程度です。
 国公労連は、寒冷地手当改悪に続く、ダブルパンチは認められないとの立場から、「国家公務員宿舎料は寒冷地手当の支給地域と必ずしも連動する必要はない」「寒冷地手当の指定解除でも経過措置がある。わずか半月後の11月から宿舎料の引き上げを強行することは断じて許せない」と財務省を厳しく追及しました。
 なお、現行の寒冷地手当1級から3級地域に所在する宿舎で、今回の寒冷地手当「見直し」でも指定地域となって、「規格」変更(例えば、c規格からb規格へ)となる宿舎は宿舎使用料が引き下げられることになります。



●霞が関に希望のたいまつを
  国公一般第2回定期大会ひらく


 国家公務員一般労働組合(国公一般)は、10月8日、「本省庁に強大な国公産別組織をつくろう」のスローガンのもと、都内で第2回定期大会を開催しました。
 国公一般は、霞が関で働く正規・非常勤職員を対象にした個人加盟の組合で、今年9月からは全労連オルグも配置して、宣伝や労働相談に取り組んでいます。

○サービス残業根絶など要求実現を
 大会では、(1)組合員のいのちと生活を守る、(2)働きやすく、やりがいのある職場をつくる、(3)ともに手をとりあう仲間をふやす、という三つの課題を確認。霞が関でまん延する長時間・過密労働とサービス残業の根絶など切実な要求を実現するうえで、国公一般の存在を早く広く知らせるなどの運動方針を満場一致で採択しました。

○メンタル問題が深刻
 討論では、霞が関の異常な職場実態を告発する発言が相次ぎました。
「長時間残業が慢性化して、病気になる職員が続出している。特にノンキャリアの若手がひどく、そこを中心に組織化の芽がある」「若い職員が『私一人だけ早く帰れない』と思い悩み、メンタルの病気になる。職員使い捨ての状況も変わらず、組合活動のスローガンが『死なない職場をつくろう』になるほどだ。組織化のカギは、長時間残業の規制ができるかどうかだ」「忙しく複雑化した本省で組合活動をするのが難しいが、なんとか職場の消灯日を実効あるものにしたい」等々。

○大会を大きな組織化への起爆剤に
 岡部書記長は、総括答弁で「大会スローガンをかけ声だけに終わらせず、この大会を大きな組織化への起爆剤にしよう」と呼びかけました。
 新執行部を代表して、山瀬委員長が新任の挨拶を行い、専任オルグの浅尾書記次長も「国公一般の前進に全力を尽くす」と決意をのべました。
 最後に、「われわれは…『不夜城』と呼ばれる霞が関の職場に『希望のたいまつ』を灯すとりくみを展開する」との大会宣言を採択し、意気高く閉会しました。



●国公労連・新役員の横顔

○山ア秀弘中執(全建労出身)組織部
 中野区生まれ。馬を世話し、馬術を楽しんだ高校時代。
 79年に建設省関東地方建設局へ。青年部役員として東京・大手町国公の活動を知る。「わらび座」観賞の企画など文化的交流を深め、多くの出会いを経験。
 長年、千葉で全建労の支部役員を継続し、昨年は千葉県労連副議長に。泊まり込んで民間労働者とも夜を徹して熱い議論を。「署名は一筆でも増えなければ足元をみられるぞ!」と叱咤激励してくれた千葉土建の姿に感動。「継続」の重要性を学んだと語る。
 趣味は子育て。保育園の送り迎えや家事は当たり前。保育園父母会長、学童クラブ会長、保育園連絡協議会など多くの役員経験をもつ積極的なパパ。現在でも保育キャラバンに参加し、「継続」を貫く。
 高校の息子・中学の娘と乗馬を楽しむのが至福の時。民間と共同して労働組合運動を「とことんやりたい!」と決意は熱い。

○工藤哲三中執(全司法出身)組織部
 宮崎市生まれ。明るくわんぱくな子ども時代を過ごした。
 74年に大分家庭裁判所中津支部へ。75年に宮崎地方裁判所に異動し、宮崎が組合活動の拠点となる。
 青年部時代は、ダンスやビアパーティなど資金活動に汗して、宮崎県国公青婦協議長で活躍。九州ブロック青年交流集会を宮崎市で開催し、300人が集合。青年パワーが「組合活動の原点」だと確信したという。
 以来、全司法宮崎支部委員長など役員ロードまっしぐら。97年は全司法本部書記次長も経験している。
 宮崎県国公議長の2000年、連合会は「KKRひむか」閉鎖を強行しようとしたが、「KKRをみんなで利用しよう」と、県国公一丸で反撃運動を展開し、見事撤回させた。
 また、県国公大運動会も企画。単組の枠を超えた家族が大集合したイベントは、大いに盛り上がったという。
 いまでも気分は青年。組織活動を「お祭り」のように、みんなで御輿を担ぎたい!



●読者のひろば

○雇い止め是正裁判原告として頑張る(全医労の仲間から)
 今まで何年も8時間勤務でしたが、3月末に首切りで、4月から6時間パート。今回「全医労不利益・雇い止め是正裁判」の原告の一人となり頑張りますので、ご協力いただくことがあると思いますが、これからもよろしくお願いします。

○さらに賃下げ攻撃うける北海道(全労働の仲間から)
 寒冷地手当は半減し、地域別賃金で北海道はさらなる賃下げが待ちかまえています。同一労働同一賃金は基本的な考え方ではなかったのでしょうか。
 こんな一方的な攻撃が次から次へと仕掛けられています。組合ももっと効果的な反響ができないものでしょうか。

○超勤増えても手当は増えず(全通信の仲間から)
 昨日は給料日でした。ここ数年、超過勤務が多くなっているのに、その手当の年間合計額はほとんど同じです。
 しかし、ついつい遅くまで残り片付けてから帰宅。せめて、超勤予算が多くならないかと思っているこの頃です。

○公共サービスの切り売りはダメ(全労働の仲間から)
 郵政民営化の次にはハローワーク?社会保険?そうはさせません。公共サービスの切り売りはダメです。
 もちろん、基本は押さえつつ、めまぐるしく移り変わる現在を敏感に感じとり、柔軟に対応できるしなやかさを保つための努力は必要です。そのためには、我々自身の労働基本権回復がカギです。

○憲法改悪を阻止しよう(全気象の仲間から)
 悪政小泉政権を継続させている政府・自民党だけでなく、多くの議席を持つ「自称」野党も憲法改悪に動こうとしている。日本を誤った方向に導くことが明白な憲法改悪を、国民の声で断固阻止しなければならない。




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