国公労新聞 第1181号

●寒冷地手当改悪反対
  231地方議会が決議

 寒冷地手当改悪に反対する決議が、231の地方議会(7月1日現在の集約)で採択され広がっています。

 ○青森は68議会中40議会が採択

 青森県では、県国公の奮闘で、県知事みずから、人事院と総務省に要請に出向いています。また、道府県では唯一、県議会が意見書を採択するなど、県内68議会中40議会の採択を得る成果をあげています。
 福島県議会では、手当見直しによる地域経済への影響を十分に理解するよう人事院に求める意見書が採択されました。
 新潟県公務共闘は、2次にわたる自治体キャラバン行動にとりくみ、18議会が意見書を採択し、10市町村の自治体首長が小泉首相などに対して改悪反対の意見書を提出する成果を勝ち取っています。

●地域別俸給表導入に積極的立場示す財務省

 国公労連は、6月28日、政府が地域別の俸給表導入も含めた公務員給与制度の検討を強く求めている問題で、財務省に対し緊急の申し入れ交渉を実施しました。

 ○人勧制度を無視するルール違反やめよ

 交渉では、「骨太方針の公務員給与への言及個所は、内閣官房自ら、地域別俸給表導入の検討など、具体的な意図を持つものと説明している。この決定過程で、財務大臣が人事院に要請することを発言したといわれている。経過を見ると、この問題に財務省が積極的に関与していることは明らかだ」と追及し、公務員の労働基本権制約の下での人勧制度を無視する重大なルール違反をただしました。
 対応した主計局の大川給与共済課長は、「ルール違反ではない。単なる要請にすぎない。人事院も要請を承知で検討するだろうし、まったく意味がないということはないだろう」と強弁し、財政当局として地域別俸給表導入に積極的な立場であることを隠そうともしませんでした。
 国公労連は、「地域別俸給表は、公務員制度になじまない。人事院の検討を待つというなら、財政当局として一切コメントすべきではない」と強く抗議しました。

●「憲法上許されない」
  イラク多国籍軍参加

 政府は、6月18日、イラク多国籍軍に自衛隊を参加させることを閣議決定しました。
 政府はこれまで、武力行使をともなう多国籍軍への参加について「憲法上許されない」としてきました。過去に国連安保理決議にもとづいて14の多国籍軍がつくられてきましたが、自衛隊の参加は一度もありませんでした。
 これまでイラクを占領していた連合軍への自衛隊参加についても、「『連合国』の一員ではあるが、『連合軍』の一員ということではない」(川口外相)としていました。
 小泉首相は、「自衛隊の活動は、人道復興支援に限定する」「自衛隊は多国籍軍に参加するが、その指揮下には入らない」などと言っています。しかし、米政府は、多国籍軍が「米軍の指揮下にある」ことを明言し、これまで同様、「反乱者」に対する掃討作戦≠行うと宣言しています。

 ○米軍の無法行為の共犯者になる

 国際法を踏みにじって戦争を開始し、イラク占領を続けてきた米軍は、住民約700人を虐殺したファルージャの無差別攻撃など数々の残虐・無法行為を重ねてきました。
イラクへの主権移譲で多国籍軍と名前が変わっても、駐留米軍の実態は変わりません。多国籍軍への自衛隊参加は、こうした米軍の無法行為の共犯者になることを意味します。国公労連は6月11日、イラクからの自衛隊撤退を求める書記長談話を出しています。

●雇用形態の多様化と研究の変化を考える
  −−国立試験研究機関全国集会ひらく−−

 国公労連は学研労協と共催で、6月9日、筑波農林研究団地において、第22回国立試験研究機関全国交流集会(テーマは「雇用形態の多様化―任期制、非公務員化―と研究の変化を考える」)を112名の参加で開催しました。
 集会は、科学技術政策にかかわる総合科学技術会議への申し入れ課題についての認識の統一を目的として開催。今年度は各研究機関で任期付職員の雇用が拡大されていることから、その点の議論になりました。
 また、政府が独立行政法人の整理縮小・民営化などの見直しについて前倒しの動きを強め、産業技術総合研究所の非公務員化が決定されたことなどをふまえた独立行政法人制度の総括を行う端緒とも位置付けました。
 集会冒頭では、元金属材料研究所所長の新居和嘉氏が「日本の科学・技術」の演題で記念講演。「科学革命の時代は終わり、通常科学の中で優れた科学技術、事実の発見など、基礎的で地道な研究が見直されている。日本は欧米に追随する必要はない。日本の価値観を打ち出していけばいい」と強調しました。
 国立試験研究機関、科学技術政策をめぐる組織、予算、雇用などの課題についての基調報告を受け、「任期制など研究員の流動化政策」「各研究所の研究条件」「労働条件・処遇改善」のテーマ別の分科会を行いました。任期制分科会では「研究者が安心して研究を続けられる状況を整備することが差し迫った問題。当該の研究者が自ら声をあげてもらえるようにしなければならない」などの意見が出されました。集会を通じて、総合科学技術会議への申し入れの認識一致が図られました。

●7/11★投票に行こう!
  戦争する国、大企業優先、労働条件改悪NO!

 7月11日は参議院選挙の投票日です。各政党の実績や選挙公約と、私たちの要求を照らし合わせて投票しましょう。
 投票を棄権することは、私たち国公労働者の労働条件を切り下げることを選挙公約に掲げ悪政を進める政党を助けるだけです。必ず主権者の一人として投票しましょう。
 国公労連は、政党選択の基準として、3つの課題−−(1)「雇用・くらし・いのち」と平和を守る国政の実現、(2)公務解体を許さず、国民本位の行財政・司法などの実現、(3)人間らしく働くルールが確立される政治への転換−−を重視し、本紙でも5回にわたり、選挙特集を掲載しました。本紙の選挙特集を活用していただき、私たちの労働条件や生活を改善するための政治の実現をめざして、職場・地域・家庭で話し合い、投票しましょう。


●公務員賃金カット、定員削減を公約に掲げる政党NO!

 自民党→国・地方の事務事業の廃止、定員削減、公務員制度改悪、給与制度の全面改悪

 公明党→国・地方の公務員の1割削減

 民主党→国家公務員の人件費を1割以上カット

 社民党→公務員賃金の引き下げに反対、寒冷地手当の一方的な削減反対
        ※いくつかの選挙区で民主党と選挙協力

 共産党→公務員賃金の引き下げに反対、寒冷地手当改悪に反対

(注)各政党の政策は、公表されている選挙公約に加えて、青森県国公と全運輸本部がそれぞれとりくんだ参院選挙に向けての政策質問書への回答から引用しました。


●参院選後、選挙のない3年間で改憲ねらう自公民

 参院選挙では、憲法9条の改悪を許すかどうかが大きな争点です。今回の参院選の後、次の参院選までの3年間、衆議院の解散がない限り国政選挙はありません。今回の選挙の結果で、今後3年間の政治の流れが決まります。憲法改悪を進める政党が多数を占める結果になると、一気に改憲の流れが強まります。
 自民党と公明党は、来年の通常国会で、憲法「改正」を発議する権限を持つ「憲法委員会」を国会に設置することや「憲法改正国民投票法案」を提出することで合意しています。
 民主党も、今年中にまとめる「憲法提案」の「中間報告」を参院選の公示直前に発表。その「中間報告」では、「国連の集団安全保障活動への積極参加」や集団的自衛権を含む「自衛権」を憲法に明記することを打ち出し、自衛隊による海外での武力行使に道をひらくものとなっています。
 これまでイラク特措法など自衛隊を海外に派兵する法律がつくられてきましたが、憲法9条が歯止めとなり、政府は、「戦争はしない」「武力行使はしない」という建前を崩すわけにはいきませんでした。
 「憲法が日米同盟協力の障害物になっている」(アーミテージ米国務副長官)とするアメリカの要求にそって、日本をアメリカとともに「戦争する国」につくりかえることが憲法改悪のねらいです。まさに「国の基本を見直す」(自民党の参院選挙公約)動きを許すか否かが、国民一人ひとりに問われる選挙です。

●史上空前の国民負担増に加え消費税アップねらう自公民

 小泉政権は、国民に7兆円もの負担を押しつけた史上空前の国民いじめ内閣です。その上、自民党、公明党は、2007年の消費税アップを計画。民主党も財界の要求にもとづき、消費税率3%アップを年金財源にあてると公約し、日本経団連の献金基準となる政党通信簿≠ナ、「いま点数をつけると民主党の方が、自民党よりよい」とのお墨付きまでもらっています。日本の大企業の税・社会保険料の負担は年々下がり続けフランスの半分の水準となっています。大企業優先から、国民生活優先の政治に切りかえましょう。

●投票日に用事がある人も!
 今すぐ投票できます

 今度の参院選挙では、これまでの不在者投票が「期日前投票制度」にかわります。
 投票日に仕事、買い物、レジャー、旅行、冠婚葬祭など、なんらかの用事がある人は、今すぐ投票できます。
 不在者投票のように投票用紙を封筒に入れて署名するといった作業も必要なく、手続きが簡単になりました。所定の用紙(宣誓書)に列挙されている期日前投票理由の該当するものに○をつけて提出するだけ。通常の投票と同様に直接投票箱に投票します。
 投票場所は、これまでの不在者投票所(期日前投票所)で、投票期間は公示翌日から投票日前日まで(6月25日から7月10日)です。投票時間は、基本的に午前8時30分から午後8時までです。
 なお、各市区町村によっては「期日前投票所」を増設するところがあり、その場合、投票所によって投票期間や投票時間が異なることがあります。


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