国公労新聞 第1171号

●大企業は社会的責任を果たせ!
  全国で3.18行動

 3月18日、全労連・国民春闘共闘が、35万人の仲間の参加で第4次全国統一行動をとりくみ、民間労組は春闘要求の実現に向け、ストライキに立ち上がりました。国公労連は、早朝時間外職場集会にとりくむとともに、通信労組のストライキ支援や航空連の仲間との共同行動を全国各地で展開しました。

 ○羽田空港で2000枚のビラ配布
 全運輸羽田航空支部と航空連の仲間を中心に、羽田空港のターミナルで宣伝行動を行い、2000枚のビラを配布しました。「航空会社の実態をビラで初めて知った。航空会社には、安心して飛行機に乗れるようにきちんとして欲しい」という反響が寄せられるなど、行動参加者も元気になるとりくみとなりました。

 ○福岡空港ターミナル3カ所で宣伝
 福岡県国公は、全運輸の仲間を中心に福岡空港のターミナル3カ所で、航空連の仲間と共同して、日本航空などの横暴を告発するビラを1000枚配布しました。

 ○早朝地域合同集会に600人〈愛知国公〉
 愛知国公は、県下13カ所で早朝地域合同集会を約600人の参加で開催するとともに、昼間は民間ストライキ支援、夜は春闘決起集会への参加と終日奮闘しました。

●切実な要求に背を向ける政府・人事院の最終回答
  賃下げ、労働条件改悪を許さないたたかいの継続を

 政府・人事院は、3月18日、国公労連04年統一要求に対する春闘段階の最終回答を行いました。
 平均1万2000円(3.2%)の水準引き上げをはじめとする賃金要求に対して、「労働基本権制約の代償措置である人事院勧告尊重」(政府・総務省)、「官民比較に基づき、適正な公務員賃金の水準を確保」(人事院)と現行制度に固執するものとなっています。
 とりわけ人事院は、交渉経過のなかで、「基本給もボーナスも楽観できない」とまで述べ、春闘段階から賃下げ勧告の危険性を示唆し、今夏勧告にむけて地域に働く公務員労働者の賃下げとなる給与制度「見直し」を進めることを明らかにするなど、財界の賃金引き下げ、制度改悪攻撃に迎合する姿勢を示しました。
 また、深刻な長時間過密労働やサービス残業の是正、非常勤職員の均等待遇などの制度面の改善要求についても、「(制度は)適正に運用されている」(総務省)、「各省の運用問題」(人事院)としています。
 以上のように、政府・人事院の回答は、国公労働者の切実な要求に真正面から応えない極めて不満な内容です。勧告期にむけ、賃下げ、労働条件改悪に断固反対し、要求前進をめざした地域・職場からのとりくみをねばり強く展開しましょう。
 1カ月後にせまった「4.15全国統一行動」の成功に向けて、すべての組合員が地域に足をふみだし、国民生活破壊の年金大改悪をストップしましょう。

●政府・行革推進事務局
  公務員制度「改革」関連法案
  あくまで今国会提出めざす


 3月16日、国公労連は政府・行革推進事務局との交渉を実施しました。
 国公労連側は、3月5日の自民党行革本部・公務員制度改革委員会(委員長=片山前総務大臣)で、自民党としての改革方向がまとまったとのマスコミ報道や、3月8日に小泉首相が「(公務員制度改革大綱について)もう少し見直す」との国会答弁を行ったことにも関連して、現時点での政府の検討状況を追及しました。
 推進事務局側は、「関連法案をとりまとめて今国会への提出をめざすが、まだ具体案を示せる段階にない」と答えました。
 自民党の動きについては、マスコミ報道のとおりであることを認め、与党の意見として受け止め検討するとしています。
 また、小泉首相の答弁については、公務員の再就職問題に関しての「見直し」と受け止めている述べました。
 進め方については、これまでのように推進事務局が「独走」するのではなく、あくまで「調整」に努力することを強調しています。
 しかし、国公労連側が、「ILO勧告、労働基本権の問題を棚上げにしたままでは交渉・協議は進まない」と強く迫ると、推進事務局は、「ILOは日本の事情を必ずしも理解していない」などとして、「国内的な意見交換を優先させたい」と述べるなど、従来の姿勢を崩していません。
 今後、国公労連は、「ILO勧告にそった民主的公務員制度の確立を求める団体署名」のとりくみなどを強め、ILO勧告に背を向け続ける政府・推進事務局を世論で包囲することに全力をあげるとともに、交渉・協議を通じて推進事務局を追及していきます。

●産総研の非公務員化を考えるシンポジウム
  −−ねらいは公務リストラ、行政の市場化拡大−−

 国公労連は、3月13日に東京都内で「産総研の非公務員化と科学技術政策を考えるシンポジウム」を17組織92名の参加で開催しました。

 ○公的研究、基礎的・独創的研究の後退まねく
 シンポジウムは、「新保守改革下の科学技術政策と国立試験研究機関」と題した明石博行駒沢大学教授の記念講演、飯塚国公労連独法対策部長の基調報告を受けて、都立大短大職組、理研労組、科学者会議、学研労協および産総研の各報告者から、都立4大学の統廃合にかかわる都の強権的政策の状況、研究機関における任期付職員の拡大など雇用の流動化や目先の成果を優先する評価と民間型の競争原理の導入にともなう問題点などが報告されました。
 報告に呼応して会場からも多くの発言がされるなど、教育や医療をはじめとする公務の公共性の後退、公的研究の変質をさせないため、雇用の流動化を許さず、基礎的・独創的研究の推進を求めていくことを確認しました。
 シンポジウムの最後には、都立大学統廃合の強行に抗議し、真摯な対話を求める石原東京都知事あての要請書および公的研究の継続・発展と基礎的・基盤的研究の推進や独立行政法人の公務員型の維持などを求めるとするアピールを採択しました。
 このシンポジウムは、3年前に国立研究機関等が独立行政法人化された際に、公務員身分の独立行政法人となった産総研を、第1期の中期目標終了と同時に公務員身分を持たない独立行政法人へと変える法案が、現在国会に提出されている中でのとりくみとなりました。

 ○非公務員化は産業政策への従属と雇用の流動化もたらす
 この非公務員化問題は、シンポジウムの中でもそのねらいや問題点が掘り起こされました。最も問題となることは、非公務員化とする理由として、科学技術をめぐる競争激化への対応と弾力的な人事制度の活用の必要性をあげていますが、実際には産業政策に従属した研究の推進や任期付職員の拡大など雇用の流動化をねらい、独立行政法人化で進めてきた公務・行政サービスの「減量化・効率化」、人員削減をより一層推進しようとしていることです。
 産総研の非公務員化は、国立研究機関の「前例」となり、続く独法の非公務員化や行政全体の市場化の「先兵」としてのねらいも持っています。
 これまで公的研究機関として基礎的・基盤的研究を行ってきた中で、公務員身分としての雇用の安定があるからこそとりくめてきた研究も少なくありません。科学技術基本法の中でも、基礎研究、応用研究および開発研究の調和のとれた発展を強調しており、あえて今、公務員身分の変更をしなければならない理由はありません。
 法案は、3月30日に参議院での審議が予定されています。国会審議に向けて現在、産総研の公的研究の継続と公務員型の維持、運営費交付金等の充実を求める請願署名をとりくんでいます。最大限の集約に向けたとりくみの強化が必要です。

●「国公権利裁判」第8回口頭弁論
  −−次回いよいよ証人尋問−−


 国公権利裁判・第8回口頭弁論が、3月15日、東京地裁で開かれました。12時からとりくまれた裁判所周辺での昼休み宣伝行動には、原告団12名と各単組・ブロック国公代表など全体約70名が参加し、主張をまとめたビラを通行人に配布して、裁判への支援・支持を呼びかけました。
 裁判は、傍聴席が毎回満席となることから今回はいつもより大きい722号法廷が使用されましたが、ここも原告12名、弁護団5名、傍聴41名(国公労連ほか)の全体58名が出席し、今回も満席となりました。
 弁論では、原告弁護団が、請求額の変更(増・減額)を求める「請求の趣旨変更申立書」、原告全員分の「減額計算書」、被告の反論への再反論を記した「第7準備書面」及び原告2名・証人1名の尋問を求める「証拠申出書」を提出し、被告側は請求額の変更に対する意見(増額は棄却を求め、減額は同意)を記した「準備書面(5)」を提出しました。

 ○次回の証人尋問は社会的耳目が集まる裁判に限って使用される大法廷

 最後に、証人尋問となる次回期日が指定されましたが、法廷は、当事者や関係者が多く、社会的耳目が集まる裁判に限って使用される東京地裁103号大法廷が使用されることとなりました。
 裁判終了後の弁護士会館での報告集会では、弁護団から、この日の手続の解説や論点解説を受けました。弁護団事務局長の佐久間弁護士からは、裁判のヤマ場に向けて、大法廷を2期日とも満席にすること、証人以外の原告は不当な労働基本権制約や不利益遡及への怒りを陳述書に書き提出してほしいことなど、檄が飛ばされました。
 最後に、裁判支持署名やILO勧告遵守署名などの当面のとりくみに奮闘することを参加者全員で誓い合い、集会を終えました。

 ○「国公権利裁判」の今後の予定
   ◇第9回 証人尋問 5月20日午後1時30分〜5時
   ◇第10回 最終弁論 7月15日午後1時30分〜2時


●寒冷地手当の改悪は許さない!
  北陸・東海の仲間が金沢に集結


 3月11日、金沢市で「寒冷地手当改悪反対! 3・11北陸・東海総決起集会」が公務労組連絡会の主催で開かれました。
 集会に先立ち、300人の参加者は、金沢市内の繁華街をデモ行進し、「地域経済を破壊する寒冷地手当の改悪反対」と市民にアピールしました。
 集会では、若井公務労組連絡会事務局長が主催者あいさつし、「この間、札幌、仙台、新潟と2500名の仲間の参加で集会を成功させてきた。寒冷地手当改悪阻止は、道理あるたたかいであり、がんばれば必ず勝利する」と参加者を激励しました。
 集会にかけつけた石川県労連の本多議長は、「寒冷地手当は、家族の命を守る手当であり、改悪は断じて許せない。このたたかいを賃下げの悪魔のサイクルを断ち切る起爆剤にしよう。県労連も全力でたたかう」と連帯あいさつ。各県代表から怒りの決意が表明され、改悪阻止に向けた運動の強化を誓い合いました。


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