国公労新聞 第1156号

●アメリカいいなりの小泉内閣
  テロ特措法延長法案 解散目前に衆院で採決強行

 政府・与党は10月3日、11月1日で期限が切れる「テロ対策特別措置法」の2年延長案を、衆院本会議で採決強行しました。
 政府は、衆院解散を控えた「駆け足審議」で、10月10日の成立を狙っています。解散・総選挙が確定的となり、たたかいは重要な段階を迎えます。

 この法案では、海上自衛隊の補給艦が引き続き、各国艦艇への無償の給油活動にあたるとしています。 
 しかし、「各国が展開する艦艇は5分の1に縮小、自衛艦からの給油量も最盛期の1割程度まで減っている」(10月6日・朝日新聞)との指摘など、テロ特措法案延長の必要性と実効性について疑問の声が出ています。
 また、自衛艦がイラク攻撃に従事する米軍艦船にも給油していた問題も浮上していますが、政府はまともな説明もしませんでした。
 国公労連は10月3日、小泉首相と与党3党に対し、「テロ特措法・延長法案の衆院採決強行に厳重抗議する」と、抗議文を送付しました。

 ○イラク派兵反対の声を大きく広げよう

 政府・与党はアメリカにいわれるまま、自衛隊をイラクに派兵し、さらに1兆円規模といわれる莫大なイラク戦争・占領費の負担をしようとしています。10月17日のブッシュ来日を目前にして、その「圧力」が強まっています。
 「自衛隊のイラク派兵反対」「税金を戦争のために使わないで」との抗議の行動が、全国で広がっています(「イラク派兵反対宣伝」ビラは、全労連ホームページに掲載しています)。

 ○給与法「改正」案が参院委員会採決強行

 給与法「改正」法案は、10月7日の参院総務委員会で審議され、共産・社民を除く各党の賛成多数で可決されました。
 法案審議に先立ち国公労連は10月1日、衆参両院の全総務委員に議員要請を展開。国公労連は「賃下げ悪循環」を許さないたたかいを展開しました。

●年金改悪・大増税NO!
  10・5中央大集会に1万8千人


 国会解散・総選挙を目前に、年金改悪、消費税などの大増税計画に反対し、政治の転換を求める「10・5中央大集会」が10月5日、東京の亀戸中央公園で開催されました。全労連などが主催し、1万8000人が参加しました。
 集会後、「許すな年金改悪」「社会保障制度の充実を」などの横断幕を手に、3コースをデモ行進しました。

●国立病院職員の雇用を守れ!10・1行動を全国で展開

 ○東京では、早朝から厚生労働省前と100駅頭で宣伝行動を展開。
 ○札幌では、「国立病院職員の雇用を守れ!厚生局抗議行動」を昼休みに実施し、公務・民間あわせて250人が参加しました。
 ○鳥取では、宣伝行動、決起集会のあと「メッセージ入り提灯」を手に、元気にデモ行進。約100人が参加し、市民の注目を浴びました。
 ○盛岡市では130人が集会とデモを行いました。

●〈総務省〉「労働時間短縮対策」を改正
  −−要員確保ふれず 抜本改善先送り−−

 労働時間の短縮、超勤縮減、サービス残業の根絶は、健康の維持・増進、そして人間らしく「働くルール」の基本中の基本です。
 総務省は9月26日「国家公務員の労働時間短縮対策について」(92年12月決定)を改正しました。政府は、労働時間の短縮を重要課題の一つとしていますが、目に見える効果は上がっていません。
 今回の改正は、「公務員制度改革大綱」を踏まえ、職場環境の整備と超勤縮減のための業務改善を中心に、コスト意識を持った適切な勤務時間管理を強調した、(1)幹部職員による課室ごとの超勤の状況の把握、認識の徹底、(2)幹部職員による超勤の特に多い職員の把握、(3)連続休暇等の取得促進、などが加えられました。これは、私たちが超勤縮減対策の強化を求めてきたことも反映しています。
 しかし、今回の改正では、要員確保にふれていないなど極めて不十分です。「対策」を絵に描いた餅にさせないためにも、職場でのたたかいが必要です。
 各職場では、文字どおり「対策」にある「管理職員が自らの課題として超勤問題に取り組む」「事務・事業の見直しによる超勤縮減」「年休の使用促進」だけでなく、要員確保と職場毎に労働者代表が参加した「対策委員会」の設置などの追求が必要です

●〈公務労組連定期総会〉「構造改革」に対決し共同の拡大を


 公務労組連絡会は、10月1日、80名の参加で第25回定期総会を開催し、2003年度運動方針と新役員体制を確立しました。
 石元議長、来賓の大木・全労連副議長、共産党春名衆議院議員のあいさつでは、小泉「構造改革」と対決し、政治を変えていく重要性がそれぞれ強調されました。

 ○年金改悪阻止など共同広げる運動を

 討論では、「長時間過密労働をなくし、30人学級を国の責任で実現させるために全力をあげる」(全教)、「独立行政法人、規制改革特区による住民サービス切り捨て、正規から非常勤などの非正規職員への転換で自治体の変質がねらわれている。市町村合併の押しつけと『三位一体改革』に反対し住民本位の自治体をめざし奮闘する」(自治労連)との発言が続きました。
 国公労連は、「年金制度の大改悪を阻止するために、学習・宣伝・署名行動に全力をあげる」「交通運輸の規制緩和は、悪質企業や大企業だけが栄え、犠牲を労働者・国民・中小零細業者に押しつけている。小泉「構造改革」の問題点を暴き、国民生活を守る民主的な行財政・司法の確立をめざし、11月に行政研究集会を開催する」と発言しました。
 総会は、労働基本権回復による民主的公務員制度の実現、年金改悪阻止など国民的課題の実現にむけ、公務・民間の労働組合が共同してたたかうことを意思統一しました。
 役員は、国公労連から副議長に堀口士郎委員長、事務局次長(専従)に黒田健司中執、幹事に岸田重信書記次長、先水徹中執がそれぞれ再任されました。


●男女ともに働きやすい職場に
  〈国公女性協〉第29回定期総会を開催

 国公労連第29回女性協定期総会は9月20日〜21日、代議員と特別代議員・オブザーバーなど延べ129人の参加で開催されました。
働き方の問題では、長時間労働や、単身赴任も余儀なくされる異動が増えているなど、職場の厳しい状況が報告される一方、女性たちが労働組合に結集し、声をあげ改善をさせている報告も出されました。
 処遇問題では、「各府省の女性職員の採用・登用拡大計画」に基づいて女性の採用や、処遇が改善されている報告もありました。
 仕事と家庭が両立できる勤務条件の整備を求めるとりくみを職場から強めることや、人事院に実態を把握させるとりくみなどを確認しました。
 労働運動全体を豊かにし、働きやすい職場を作りあげていくために、女性組織の果たす役割を確認して、総会を終えました。

●単組定期大会の概要

○全港建 仲間との総対話・行政の民主的転換を
 〈9月5〜7日 横浜市内〉全港建(全運輸省港湾建設労働組合)の第19回定期全国大会は、仕事のあり方、働き方に議論が集中し、安心して誇りをもって働ける職場づくりを意思統一。
 公共事業にたずさわる公務員労働組合として、「港の政策」の討議を全職場で進め、仲間との総対話で要求を積み上げ、公共事業・行政の民主的転換をめざした運動を展開することを確認しました。
○大会で選出された三役
委員長・福嶋 実(新) 副委員長・下元幸夫(再)、小濱三寛(再)、山下雄生(再)、伊藤正人(新) 書記長・高橋幸成(再)

○全気象 気象事業整備拡充運動を展開
 〈9月7〜9日 静岡県伊東市〉全気象労働組合第47回定期中央大会では、人事院勧告への不満と怒り、職場のさまざまな問題、平和・権利課題など、活発に議論しました。
 そして、1年間のたたかいを総括するとともに、2003年度の運動方針を決定し、私たちの生活改善をめざし、自然の脅威から国民の生命と財産を守るために、「気象事業整備拡充運動」を一層強める決意を固めあいました。
○大会で選出された三役
委員長・竹鼻藤吉(再) 副委員長・西新三郎(再)、藤田真樹(再)、鯉川浩司(再) 書記長・佐藤啓一(新)


○全運輸 「企業内主義」の克服、国民春闘構築を
 〈9月8〜10日 栃木県鬼怒川温泉
 全運輸(全運輸労働組合)の第42回定期大会では、賃下げ阻止・民主的公務員制度確立・不払い残業根絶・組織の拡大強化など活発な討論を展開。攻撃を打ち破るため労働組合の「企業内主義」を克服し、新しい国民春闘を切り開こうと意思統一。
 国民のための民主的な交通運輸行政を確立するため、職場から地域に出て、たたかうことを確認しあいました。
○大会で選出された四役
委員長・福田昭生(再) 副委員長・橋本 勲(再)、武田 修(再) 書記長・安藤高弘(新) 書記次長・藏岡信仁(新)

○全法務 「行研活動提言」で国民本位の法務行政を
 〈9月8〜10日 滋賀県長浜市内〉全法務(全法務省労働組合)第58回定期全国大会では、国民本位の法務行政を確立させるため、三つの「行政研究活動提言」を確認。
 賃金・昇格・増員・行革・公務員制度・情報化などについて熱い討論が交わされ、国民犠牲の「行政改革」に反対し、職場・組合員を主人公にたたかっていく決意を固め合いました。
○大会で選出された四役
委員長・岩波 薫(再) 副委員長・浅野龍一(再)、肥田 上(新)、大磯秀明(新)、冨田克英(新) 書記長・西山義治(新) 書記次長・川口一弘(新)

●国公労連・新役員の横顔

 ○太田員夫 中執(全気象出身)公務員制度プロジェクト
  意欲に燃えるボランティアン


 千葉県八日市場市生まれ。高校で無線資格を取得し、78年に三重県の上野測候所に。
 25歳で全気象関東中部地本青婦部執行委員、28歳で同青婦部長。以来、分会長として職場活動を積み重ねてきた。
 千葉測候所には地震計がなく「ピンポン玉」で観測せざるを得なかった苦い経験も。測候所廃止や予算・定員削減による現場の実態に矛盾を感じつつ、阪神大震災など相次ぐ地震や気象災害などに胸を痛めてきたという。
 2000年、関東中部地本副委員長に。「気象事業整備拡充運動」にとりくむなかで、「国民の期待に応える運動の重要性」を深く確信した。
 「社会的弱者が普通に暮らせるような社会に」が信念。休日には、障害者との交流など、ボランティア活動に参加している。趣味は20年続けたテニス。気象現場の経験を生かして運動の底支えをしたいと意欲に燃えている。

空 直樹 中執(全法務出身)組織部
  地域の仲間とヒートアップ


  岐阜県高山市生まれ。高校時代は「地元でも有名な反権力のヤンキー」。
 78年に愛知の国鉄へ。
強制配転など当局の陰湿な攻撃に屈せず、国鉄分割民営化まで、国労組合員としてたたかった。
 87年に名古屋法務局に入局し、全法務の組合員に。副支部長などを歴任し、常に組合員に近いところで活動してきた。  2001年から愛知県国公・専従事務局長として地方からの国公運動を作り上げてきた。県国公各単組・地区国公との交流を深めるとともに、県労連・地域労連との運動も重視し、自らの経験を生かし、スト支援など民間労働者との共同を積極的に展開。民間と公務の深い信頼と絆ができたと振り返る。
 「数は力」を国労時代に痛感し、「組織は力」を国公で学んだという。
 小2の息子とのドライブが至福の時。組織の活性化のために、全国の地方の仲間と熱くエンジンを吹かしたい!


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