国公労新聞 第1155号

●「テロ特措法」延長案は廃案に
 −−緊迫の臨時国会・自衛隊のイラク派兵を許すな−−

 第157臨時国会が9月26日、召集されました。小泉内閣は、11月1日に期限が切れる「テロ対策特別措置法」の延長案を短期間で強行しようとしています。10月10日の衆院解散、11月の総選挙という政治日程が報道されるなか、臨時国会は緊迫した局面を迎えています。

 政府は、イラクへの自衛隊派遣を年内に実現する方針を固めました。
 「今回、治安が改善されていないにもかかわらず年内派遣が再浮上した背景には、米国の強い要請がある」(9月26日・朝日新聞)とともに、イラク復興資金として米国から9000億円の負担を迫られ、「人とカネの貢献」のあり方が総選挙の大きな争点となります。

 ○医師、建設業者など戦時に強制動員へ

 今年6月に有事法制関連三法が成立したことを受け、政府は9月17日、戦時に自衛隊への協力を強制する「業務従事命令」の対象者などを定めた政令案(自衛隊法施行令改悪案)をまとめました。
 自衛隊法は第103条で「武力攻撃事態」で、首相が自衛隊の出動を命じた場合、「医療、土木建築工事、輸送を業とする者」に業務従事命令を出すことができると定めています。
 政令案では、業務従事命令の対象として、医師、歯科医師、看護師、建設業者、陸・海・空・港湾の各運送事業者をあげています(下表)。


 しかも「相当の理由がある」と認められなければ、命令に従わなければなりません。まさに「国民強制動員」です。
 そのうえ、小泉首相は2005年11月をめどに自民党の改憲案をまとめるよう指示し、改憲のための国民投票法案の成立の必要性を明言。「集団的自衛権を明記した方が現代的では」(野沢太三法相)との9条見直し発言も出るなど危険な動きが急浮上しています。

 ○守れ憲法、許すな戦争   10月は宣伝強化月間

 国会開会日の9月26日、「国民大運動」などがイラク派兵反対緊急集会と国会要請行動を実施しました。
 10月は「守れ憲法、許すな戦争」宣伝強化月間です。いまこそ自衛隊のイラク派兵に反対し、有事法制の発動を許さないとりくみが緊急に求められています。

●給与法「改正」案を閣議決定

 政府は9月26日、2003年勧告にもとづく給与法「改正」案を閣議決定しました。
 その内容は、2年連続のマイナス勧告「完全実施」だけではなく、人件費抑制と定員削減を継続し、独立行政法人や地方公務員給与改定を国と同様とするものです。
 この「完全実施」は、公務員のみならず、わが国全体の社会・労働情勢を一段と悪化させる「悪魔のサイクル」の選択そのものであり、断じて許せません。
 国公労連は、750万労働者との共同を広げ、給与法「改正」案の成立反対の国会闘争を強めていきます。

●賃上げで不況打開を!
  
−−9・20総決起集会に1000名−−

【近畿ブロック発】近畿公務共闘と国公近畿ブロックは9月20日、「賃上げで不況打開を!くらしと雇用守れ!9・20総決起集会」を開催。台風の影響で雨が降るなか、公務と民間の仲間1000名が参加しました。
 集会では、近畿公務共闘の町田議長が「政治転換で賃下げサイクルをとめよう」と呼びかけ、全国一般大阪府本部の山田委員長は、人勧の悪影響が及んでいると報告。労働者が一丸となってたたかおうと訴えました。
 決意表明では、全医労の仲間が賃金職員問題が重要な局面にあり、闘争本部に結集してたたかう呼びかけがありました。また、真打ちとして登場した「国公宣隊訴えたんジャー」が、攻撃をはね返し、労働基本権回復に向けた運動を大きくするよう元気に訴えました。
 集会後、デモ行進を行い、賃下げの悪循環を断ち切ろうとアピールして、大いに盛り上がりました。

●昇格改善要求書を提出
  −−機関間格差是正、枠外解消など重点に−−

 国公労連は9月16日、人事院に対し「2004年度昇格改善要求書」を提出し、交渉を行いました。
 小田川書記長は「5年連続の年収マイナス、基本給に切り込んだ2年連続の『マイナス勧告』のもとで、昇格に対する組合員の期待はかつてなく高まっている」と主張。機関間、世代間、職種間、男女間の格差是正と、枠外解消、行(二)の部下数制限の撤廃などを人事院に強く求めました。
 今後、国公労連は交渉を積み上げて昇格改善をめざします。

●組織を強化し青年の要求実現を
  −−国公青年協 第29回定期総会を開催−−


 国公労連青年協議会は9月13日から14日の2日間、東京都内で、第29回定期総会を開催しました。
 総会には12単組・7県国公から延べ61名の青年が参加しました。
 討論では「アンケートを実施したら約8割の仲間が『結集する』と回答した」(全法務)、「イラク攻撃前夜の大使館要請では、積極的な反応が多かった」(全司法)、「来年も職場代表を勝ち取れるよう組織拡大に奮闘する」(統計職組)など、組織強化を中心に職場・地域のとりくみや決意が交わされました。
 今総会では、(1)国公青年交流集会を04年度に開催、今期は組織強化にとりくむ、(2)余計な「給与返納」を強いる不利益遡及への怒りをきっかけに、広範な青年と共同して賃金・雇用改善の取り組みを通年にわたり展開することなどが確認・決定されました。
(【総会での決議】低所得青年から不当に給与を巻き上げる最低の給与法「改正」に反対する青年の決議)

●単組定期大会の概要

○全国税 大増税反対で講師団活動を展開
〈8月23〜25日・東京都内〉全国税(全国税労働組合)第61回定期大会では、政府・財界の狙う大企業優遇と労働者・国民への大衆増税に対し、全国税がわかりやすいパンフレットで、今の増税路線は労働者自身の問題であると警笛を鳴らすことを確認。
 全国で講師団活動を展開することを決定しました。
○大会で選出された四役
委員長・小田川豊作(再)、副委員長・岡田俊明(再)山口潤一郎(再)芦田力(再)八代司(新)青木慎哉(新)、書記長・細川潔(再)、書記次長・松岡弘文(再)

○宿泊労連 「合理化」攻撃許さず組織強化めざそう
〈8月26日・東京都内〉宿泊労連(国家公務員共済組合連合会宿泊施設労働組合連合会)第7回定期大会では、連合会がすすめる施設の民間委託、臨時・パート、派遣化の圧力など「合理化」攻撃に対し、職場と労働条件を守るため、たたかう方針を確認。
 宿泊施設に働くすべての労働者を視野にいれた日常活動の強化と、組織拡大をめざそうと決意を固めあいました。
○大会で選出された四役
委員長・香取和親(再)、副委員長・渡邊文丸(再)大山道夫(再)永山博文(新)伊藤剛(新)、書記長・杉村禎一(新)


○全建労 職場で働く労働者の利益の担い手に
 〈8月31〜9月2日・岡山市〉全建労(国土交通省全建設労働組合)第59回定期全国大会では、国民本位の公共事業を推進するとともに、非常勤職員などを含め組織化に向けた加入呼びかけの実践、賃金要求では、国土交通共闘のモデル賃金を議論し、職場に働くすべての労働者の利益の担い手として奮闘しようと誓い合いました。
○大会で選出された四役
委員長・大塚紀章(再)、副委員長・玖村徳則(新)深見勝治(新)青山浩(再)明比 貢(再)古澤一雄(再)浅野妙子(新)、書記長・葛西浩徳(再)、書記次長・葛城 孝(再)

●国公労連・新役員の横顔

 ○宮垣 忠 副委員長(全運輸出身)組織・総財部担当
  いつもパワフルな愛犬家


 兵庫県豊岡市生まれ。体が弱くおとなしい少年だった。しかし労働運動が彼を変えていく。
 73年、運輸省大阪陸運局に。半年後には分会青年部執行委員。21歳で分会書記長になりストを組織。30歳では人勧「値切り」に怒り、2時間ストを組織し決行。以来、支部書記長として仲間との対話を積み重ね、攻撃に立ち向かう日々。「がんばれば職場が変わる」ことを深く確信。90年の一時金差別支給阻止闘争では、近ブロ副議長として人事院近畿地方事務局の廊下に300人の仲間とともに座り込み、「体を張って」たたかった。
 98年、43歳で全運輸書記長に。規制緩和に反対し、国民のための交通運輸行政をめざすため、民間労働者とも夜を徹して熱く激論したという。
 いま愛犬ヤマトの散歩のため毎朝5時に起床。水泳で体を鍛えつつ、国公労働運動の役割発揮のためパワフルに運動を!と意欲に燃えている。

 
○山本英樹 中執(全通信出身)独立行政法人対策部
  パパは優しい活動家


 島根県益田市生まれ。バンドを組み、ドラムをたたいた青春時代。
 83年に中国電波監理局へ。入省すぐに組合員になり青年部役員に。おでんパーティなどの資金活動に汗しつつ、レクリェーションや学習会を企画し、青年部活動について大いに議論。楽しく交流を深めながら、「組織活動の原点」を学んだという。以来、中国支部執行委員、副支部長をこなしつつ、広島県国公副議長も兼任。県国公活動の中で多くの仲間と出会い、有意義な経験だったと振りかえる。
 組合役員の任務のかたわら、家族的責任を果たす姿勢を常に忘れない。夜勤をこなす看護師の妻にかわり、保育園の送り迎えや家事に奮闘。子育ての苦労と、組合活動を両立させてきた。
 昨年、全通信中央執行委員として東京へ。趣味はスポーツ観戦。2人の愛娘と別々の生活は寂しいが、東京と広島を往復しつつ、労働運動の架け橋になる決意は熱い。

 ○田山文武 中執(全国税出身)組織部・青年協議長
  愛と平和とロッケンロール


 幼い頃からの「悪ガキ」。盛岡市内の山中を飛び回り、少年時代は社会への反抗心に燃え、バンカラ生活を極める。
 消費税率が5%になった97年に福島税務署へ。当局からのいじめなど陰湿な攻撃を目の当たりにし、「差別はおかしい!」と、99年に全国税のたたかいに加わった。福島県国公幹事として活躍し、彗星のごとく現れた彼は組合活動に邁進。多くの仲間と青年運動について朝まで語りあったという。
 職場では2日に1回、拡大説得を続けてきた。断られても、要求実現のために繰り返し職場の要求をくみ取る先輩たちの姿に感動し、多くのことを学んだと語る。
 2001年から全国税本部で教宣部長。「職場の仲間と一緒につくる運動を」との願いから、青年協議長として情熱をそそぎたいと意欲満々。
 「愛と平和とロッケンロール」な生き方がモットー。みんなからのメッセージを待ってるぜ!



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